多目的最適化の進化的計算手法 によるアプローチ 同志社大学 工学部 廣安 知之 三木 光範 渡邉 真也 進化的計算手法による多目的最適 化の拡がり Evolutionary Multi-Criterion Optimization (EMO) •GECCO •2001 San Francisco •2002 New York 2セッション •IEEE CEC •2001 Soul •2002 Honolulu 2セッション •EMO’01,03 目的 •本セッション発表以外の代表的な手 法の説明 •得られた解の比較 ■多目的最適化とは • 複数の評価基準(目的関数) • 各評価基準との間にトレードオフの関係 → 完全な最適解が存在しない パレート最適解 → 他の任意の解と比較して 総合的に劣らない解 パレート最適解集合の探索 可能領域 弱パレート最適解 パレート最適解 ■パレートランキング • Goldberg, Fonsecaらが提案 • 解の優劣関係に基づいてランクを決定 • 個体xがn個の個体に優越されているときの個体xのランクrx rx 1 nx 1 1 3 6 1 1 3 6 3 1 1 3 1 1 1 1 ■シェアリング • 探索個体の多様性維持し,パレート解集合を広く分布させる • 個体の近傍の混み具合を示すニッチ数(niche count)を用いる. • パラメータ:シェアリングレンジにより,シェアリング半径を決定 N mx s(d ( xi , x j )) ニッチ数: j 1 d s(d ) max{0,1 } シェアリング関数: i share σshare = シェアリング半径 ■ SPEA-II (2001) → Eckart Zitzler Strength Pareto Evolutionary Algorithm-II • SPEA-IIはランキング法に密集評価技術 • シェアリングの方法としてクラスタリング手法 • エリートアーカイブによるエリート保存戦略 Ranking sharing ■ NSGA-II(2000) → Non-dominated Sorting Genetic Algorithm-II Kalyanmoy Deb(非優越ソートGA-II) SrinivasらのNSGAをDebが改良 • エリート保存戦略を導入 • Goldbergのランキングソートの効率化 • シェアリングに代わる混雑度の評価指標の導入 Ranking sharing ■ エリートアーカイブ ■ MSLC • 局所的培養型マスタースレーブモデル ~Master-Slave model with Local Cultivation~ 多目的の特徴を備えたマスタースレーブ型並列アルゴリズム 特徴 • • • • 近傍交叉 パレート保存個体群の利用 局所的選択 解へ収束するための適切な淘汰圧 f2(x) ■ MSLC • 近傍交叉 – 多目的では,対象とする目的関数空間が広く 各個体ごとに探索している解領域が異なって いる. 近傍でない個体と交叉を行っても, 効果的な探索は期待できない. f1(x) ■ MSLC • 近傍交叉 f2(x) • 近傍同士のペアによる交叉 – 個体のソートを行う. ただし,毎世代ペアが異なる ように何らかの仕組みを取り 入れてやる必要がある. f1(x) f2(x) ■ MSLC • パレート保存個体群の利用 – 多目的では,最終的に求める解候補 (パレー ト解)が複数存在するため,探索途中での優 良な個体の欠落を防ぐ必要がある. 探索個体群に優 優良個体保存群 探索個体群 良個体群を反映 させることにより 探索の高速化, 効率化を期待す ることができる. f1(x) ■ MSLC • 局所的選択 • 解へ収束するための適切な淘汰圧 – 2個体によるトーナメント選択を用いる(バ イトーナメント). ・2個体ずつのペアを作成し,ペア間の優れている 個体を次世代に残す. ・個体のランク付け(適合度)は,全ての個体を用い て行う (比較集合を用いる一般的なトーナメント選 択ではない). ■ MSLC ■ MSLC ■誤差(精度) 得られた解集合と真のパレート解の差 → パレート解集合と得られた解集合とのユークリッド距離の平均 評価対象: 精度 問題点: • 真のパレート解が既知でなければ使用不可 • 精度がよい解が少数求まっている場合,その解集合を本当に良 い解集合といえるかどうか. ■被服率 各区間に得られた解が存在する割合 区間の分割: パレート解の各目的関数おける最大値と 最小値の間を一定の数で分割する. 評価対象: 多様性,解の幅広さ → 1 に近づくほど,良い解集合 例) f1 → 6/8 = 0.75 f2 → 5/8 = 0.63 被覆率 = 0.69 ■パレート比較割合 2手法で得られた解集合の精度を比較 各種法で得られた解集合をすべて 合わせて再度ランキングし,再度 パレート解と評価された解の割合 手法1 手法2 評価対象: 精度 再評価後 例) 手法1 → 8/10 手法2 → 2/10 手法1 : 手法2 = 80 : 20 ■解集合のカバーする面積 • 得られた解集合がカバーしていない面積の割合: S → 最小化 パレート解集合のカバーする面積: Spareto 得られた解集合がカバーする面積: S S S 1 i S pareto Si f 2 ( xi ) ( f1 ( xi 1 ) f1 ( xi )) ナップサック問題: パレート解集合が未知であるため,各ナップサックの 価値の総和を最大値として用いる ■対象問題 ZDT4(Zitzler, Deb,and Thiele 2000) 多峰性問題 ■対象問題2 ZDT6 (Zitzler,Deb,and Thiele 2000) 偏重パレート問題 ■対象問題3 KUR (Kursawe 1991) 多峰性問題 ナップザック問題 ■対象問題3 (Zitzler, and Thiele 1999) • 0/1ナップザック問題 前提条件 重量と利益を持つ荷物のセット. ナップザックの任意の重量制限. 目的 限られた容量のなかで最大の利益を持つ 荷物の組み合わせを求める. 多目的化 ナップザック数およびナップザック に付随する荷物のセットを複数化. ■対象問題3 • 多目的0/1ナップザック問題 目的関数 m f i ( x ) pi , j x j 制約条件 j 1 m 1,2,, n : wi , j x j ci j 1 x ( x1, x2 ,, xm ) 0,1m pi , j ナップザック iの荷物jにおける利益 wi , j ナップザック iの荷物jにおける重量 ci ナップザック iの許容重量 ■ ZDT4(多峰性のある連続テスト関数) (Zitzler, Deb, and Thiele 1999) ■ZDT4(被服率) ■ ZDT6(偏重パレート問題) (Zitzler, Deb, and Thiele 1999) ■ZDT6 (被服率) ■ KUR ■KUR (被服率) ■ KP750-2(多目的ナップザック問題) (Zitzler, and Thiele 1999) ■ KP750-2(被服率) ■ KP750-3(被服率) ■ KP750-4(被服率) ■誤差(精度) 得られた解集合と真のパレート解の差 → パレート解集合と得られた解集合とのユークリッド距離の平均 評価対象: 精度 問題点: • 真のパレート解が既知でなければ使用不可 • 精度がよい解が少数求まっている場合,その解集合を本当に良 い解集合といえるかどうか. ■被服率 各区間に得られた解が存在する割合 区間の分割: パレート解の各目的関数おける最大値と 最小値の間を一定の数で分割する. 評価対象: 多様性,解の幅広さ → 1 に近づくほど,良い解集合 例) f1 → 6/8 = 0.75 f2 → 5/8 = 0.63 被覆率 = 0.69 ■パレート比較割合 2手法で得られた解集合の精度を比較 各種法で得られた解集合をすべて 合わせて再度ランキングし,再度 パレート解と評価された解の割合 手法1 手法2 評価対象: 精度 再評価後 例) 手法1 → 8/10 手法2 → 2/10 手法1 : 手法2 = 80 : 20 ■解集合のカバーする面積 • 得られた解集合がカバーしていない面積の割合: S → 最小化 パレート解集合のカバーする面積: Spareto 得られた解集合がカバーする面積: S S S 1 i S pareto Si f 2 ( xi ) ( f1 ( xi 1 ) f1 ( xi )) ナップサック問題: パレート解集合が未知であるため,各ナップサックの 価値の総和を最大値として用いる 終わりに •手法に対する新たなアイディア •表示方法 •対象問題 ■ MOGADES → Multi-Objective Genetic Algorithms with Distributed Environment Scheme ( MOGADES ) 環境分散スキームを用いた多目的遺伝的アルゴリズム 各島に異なった重みパラメータ(重み分散) 類似した重み付けを持つ島間で移住(近傍移住) 目的関数間のスケールの違いにより重みを変化(重み変 化) エリート個体とパレート解候補個体群を保存 (エリート+パレート保存) ■ MOGADES
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