α-domination戦略による 非劣解集合からの解抽出法 同志社大学 同志社大学 同志社大学 同志社大学 同志社大学 廣安知之 三木光範 金美和 渡邉真也 奥田環 研究背景 物事の決定には複数の基準を考慮する 例)最適な物件:家賃,築年数,広さ,住宅環境,外観,etc. 単目的最適化 目的: 目的:家賃 広さ 家賃 広さ \110,000 \20,000 15畳 4畳 築年数 3年 20年 多目的最適化 目的:家賃,築年数,広さ,etc 家賃 広さ 築年数 最適解1: \50,000 8畳 5年 最適解2: \42,000 6畳 1年 複数の最適解を得られる 実行に解の選択が困難 提案:解選択を支援する手法 多目的最適化問題 互いに競合する複数の目的関数のもとで最適値を求める問題 例) 不動産屋が,顧客に最適な物件を紹介する問題. 顧客の要望:より安い家賃,なるべく新しい物件. (2目的最小化問題) 安い家賃 新築 築20年 高い家賃 互いに競合する関係 家賃 築年数 (最低家賃で新築の物件はない) 目的1:家賃 目的2:築年数 特徴:完全な最適解は存在しない 多目的最適化問題 例)顧客に紹介する最適物件: より安く,なるべく新しい物件 家賃(万円) 優越領域 優越領域 優越領域 優越領域 9 解の優越関係 優越領域に含まれる解 6 物件z:7万円,築6年 劣った解(劣解) 劣解 物件y:5万円,築22年 3 非劣解 非劣解となる物件を複数用意し, 物件x: 2万円,築17年 顧客が最終的に決断する 5 10 15 20 25 非劣解: どの解にも劣らない解 築年数(年) 多目的最適化問題 (不動産屋) 多目的最適化:複数の非劣解が最適解 として求まる (顧客) 家賃 意思決定者:非劣解集合から解を選ぶ 選好解 選好解 意思決定者によって 非劣解集合から選択される解 築年数 選好解決定の問題点 選好解の決定方法:各非劣解を比較し,妥協できる解を選択 物件A 家賃 : \65000 築年数 : 1ヶ月 問題点 多数の非劣解が存在する 物件B 解決策 少数の非劣解を 選好解候補として提示 家賃 全非劣解の比較は 膨大な作業となる 家賃 : \45000 築年数 : 7年 築年数 選好解決定:困難 選好解決定:容易 選好解候補を抽出するα抽出法の提案 α抽出法 α抽出法の特徴 多様な非劣解の抽出 非劣解集合の分割 より良い非劣解の抽出 α-domination戦略 【池田,2001】 部分的な解抽出 多様な非劣解 (家 賃) 選好解候補の 様々な性質の 特徴が類似してしまう 非劣解を比較できる より良い非劣解 yの方がxよりも 良い非劣解 (築年数) ※最小化問題 非劣解集合の分割 1.各目的関数の最適値を保持した非劣解を抽出. 2.選好解候補となる非劣解を抽出.(α-domination戦略) 3.抽出した非劣解を基準に解集合を分割し再び非劣解を抽出. 多様な選好解候補 α‐domination戦略 パラメータα(0≦α<1)によって解の優越領域が変化 定義 優越領域 優越領域 解xが解yをα-dominateする y 2目的最小化 α‐domination戦略の意義 高い 1年古い 安い 2000円安い 優越される解 合理的な解 新しい 3000円安い 古い 優越されない解 α-domination戦略で優越されない解 合理性が高い α‐domination戦略の利用 α抽出法 α-domination戦略によって全非劣解の優越領域を拡大 合理性の高い非劣解を抽出する 優越されない解を抽出 通常の優越関係 α抽出法における優越関係 α抽出法の流れ 3 10 4 10 10 10 Step 1 各目的関数値が最適な解を抽出 3 10 Step 2 各非劣解集合に対して α-domination戦略を用いて解を抽出 47 5 1010 10 Step 3 抽出した非劣解の評価付け 評価値 = 抽出の対象となる解集合の数 非劣解集合全体の数 多くの解から抽出された解ほど高く評価 全10個の非劣解 Step 4 抽出した非劣解を基準に解集合を分割 Step 5 評価値の高い非劣解から選好解候補として提示する 数値実験 比較対象手法:非劣解の多様性を重視した手法(中点抽出法) テスト問題:多目的遺伝的アルゴリズムを用いて得られた非劣解集合 凸型分布【玉置,1995】 不連続分布 【 Deb,1999】 評価方法 テスト問題の最適解と,抽出した非劣解の誤差 数値実験 ー比較対象手法ー 中点抽出法:2点間の中点に最も近い解を抽出する 1.各目的関数値が最適な解を抽出 中点 中点 2.抽出した解の中点に近い解を抽出 3.解集合を分割 多様な解が得られる手法 数値実験 ーテスト問題 1 ー 2目的最小化問題【玉置,1995】 ー凸型分布ー テスト問題の最適解 最適化によって得られた非劣解 数値実験 ーテスト問題 2 ー 2目的最小化問題【Deb,1999】 ー不連続分布ー テスト問題の最適解 最適化によって得られた非劣解 数値実験 ー評価方法ー スプライン補間による曲線と最適解との誤差を調べる. 抽出した非劣解 スプライン補間による曲線 誤差の求め方 目的関数f 1のサンプリングを行い 目的関数 f 2の平均誤差を 曲線と最適解集合との誤差とする 最適解 実験結果 α抽出法 中点抽出法 抽出した非劣解の数 テスト問題:不連続分布 最適解との誤差 最適解との誤差 テスト問題:凸型分布 α抽出法 中点抽出法 抽出した非劣解の数 α抽出法の方が最適解との誤差が小さい 結論 多目的最適化問題:複数の非劣解が存在 問題点 複数の非劣解の中から選好解を決定するのは困難 解決策:選好解候補の提示 多様かつ合理性の高い非劣解を抽出する α抽出法 α抽出法 非劣解集合の中から最適解に近い非劣解を抽出 α抽出法は,複数の非劣解の中から 選好解候補を選出する有効な手法 n目的最適化問題への適応 ークラスタリングの導入ー クラスタリング K個のデータの類似度を求め,P個のグループに分けること. 1.各非劣解は異なるクラスタに属するものとする. 2.全てのクラスタ同士のユークリッド距離を求める. 3.最小距離dを持つクラスタCxとCyを決定し, 二つのクラスタを統合する. 4.クラスタ内の非劣解集合にα-domiantion戦略 を適用し解を抽出する. 目的関数空間 代表的な選好解決定法 対話型手法 意思決定者との対話によって選好解を引き出す手法 問題点:煩雑である.トレードオフ比を答えることは困難. 重み付けによる手法 意思決定者の価値観をあらかじめ関数として定義し, 単一目的の最適化問題として選好解を求める手法. 問題点:解探索がトレードオフ解析に基づかないため 選好を十分に反映できない. スケーリング 各目的関数の範囲が等しくなるように値を調整すること f 2 m ax f 2 m i n f f1m i n f1 f 1m ax f 1m i n ' 1 スケーリング前 スケーリング後 多目的遺伝的アルゴリズム 遺伝的アルゴリズム 特徴:多点探索 個体の生成 選択 交差 突然変異 終了条件 終了 世代 1 世代 2 世代 3
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