平成24年度 第9回 陸前高田市 保健医療福祉未来図会議 分科会 「テーマ:高齢者②」 平成25年2月1日(金)13:00~13:50 陸前高田市役所 第4号棟 第6会議室 ※このPowerPointは、2/1(金)に行われた平成24年度第9回陸前高田市保健医療福祉未来図会議及び分科会 において使用した内容に、当日の出席者の皆様からのご意見等をふまえ、加筆修正し作成したものです。 ※内容についてのご意見、お気づきの点等お問い合わせは下記までお願いします。 陸前高田市地域包括ケアアドバイザー 日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平 [email protected] 本日(2/1)の会議資料 ①本日の次第 ②本日のPowerPoint ③気仙薬剤師会仮設住宅訪問くすり相談事業報告書 ④健康運動サークル「たかた☆ハッピー♪ウェーヴ!」 「2013.2.1東海新報」記事 ⑤被災者健診結果概要(陸前高田市健康推進課) ⑥前回(12/27)会議議事録 ⑦月刊「公衆衛生」H25.1月号 ⑧その他・・・多数 本日(2/1)の分科会の進め方 ○前回(12/27)の分科会テーマ:「高齢者①」に引き続 き、介護予防や要介護者だけでなく、元気な高齢者を いかに支えてていける仕組みを創り、進めていけるか ディスカッションしていきたいと思います。 ※分科会はH24.10月からの試みです。 ○今月は陸前高田市の「高齢者②」にテーマを絞り、 医療、介護、保健に限らず生活を支える上での現状 や課題について、自由にご発言をお願いします。 今回(2/1)分科会意見交換内容① ○陸前高田市地域包括支援センター 佐藤咲恵氏: ・陸前高田の在宅療養を支える会(仮称)」設立総会を次頁ス ライドのとおり、開催する予定としている。 ・震災直前にも組織化準備が進んでいたが、震災により中断 状態となっていたため、今後、高齢化がさらに進行する中長期 的な情勢を見据え、会員相互の連携を図りながら、地域包括ケ アシステムを担う支援ネットワークの構築を目指す。 ※2/9総会結果 ・組織の愛称は「チームけせんの和」 ・会長は県立高田病院石木幹人院長先生、副会長は陸前高 田市菅野直人民生部長に決定した。 情報提供、意見交換 「陸前高田の在宅療養を支える会(仮称)」設立総会 1 日 時 平成25年2月9日(土) 13:30~16:00 2 場 所 陸前高田市役所3号棟 第1会議室(1階) 3 内 容 13:30~14:15 設立総会 14:30~16:00 講演会 演題 「住民と語り合う医療」 講師 一関市病院事業管理者 佐藤 元美 氏 4 案内先 気仙医師会(陸前高田市内会員)・陸前高田市歯科医師 団・気仙薬剤師会・市内歯科衛生士・介護事業所・県立高田 病院関係者・市保健福祉介護担当ほか 今回(2/1)分科会意見交換内容② ○日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平: (陸前高田市地域包括ケアアドバイザー) ・次頁スライドのとおり、健康運動サークル「たかた☆ハッピー ♪ウェーヴ!」による玄米ニギニギ体操が好評で、現在は、 やなせたかしさんが制作した「陸前高田の松の木」に振り付けを 行い、市内各地で活動している。 ・反面、震災から2年が経とうとしているが、下肢の筋力が弱っ てきている人が目立ってきたという会員の指摘が出てきている。 今回(2/1)分科会意見交換内容③ ○岩手県立高田病院長 石木幹人先生: ・「はまらっせん農園」について、副次的に生きがい感が上がっ ているが、骨密度を参加している人と参加していない人の変化 を調べた結果、参加していない人は現状維持、参加している人 は約8%上がっている。 ・運動を1回やってそれでOKではなく、継続してやれるスタイ ルとして、畑作りは大事ではないか。 今回(2/1)分科会意見交換内容④ ○岩手県立高田病院長 石木幹人先生: ・県立高田病院で認知症と診断のついた方をみると、被災しな いで在宅にいる人と、被災して仮設住宅にいる人を比べてみた ところ、仮設の人の方がADLは下がっていると予測していたが、 在宅の人ほど落ちていたことがわかった。 ・これは在宅の人への家内のアプローチが少なくなっているた めではないかとみている。 今回(2/1)分科会意見交換内容⑤ ○岩手県立高田病院長 石木幹人先生: ・継続的に何か起きていないと難しいが、農作業のは生活不 活発病の予防になることは明らかであり、人の交流にもなって いることから、1次予防事業としてもいいし、自然継続できる形で はないだろうか。 ・農作業はしゃがんだり、立ち上がったり大変な作業で、1年く らい何もしないでいた人たちが、農作業により身体を動かすよう になったことから、結果として、値(骨密度)がよくなったのではな いかとみている。 はまらっせん農園プロジェクトとは (はまらっせん:いらっしゃい・お入りなさい・Let’s join usを表す気仙地域の方言) 過去の震災で仮設住宅での長期の生活による生活不活発病(廃用症 候群と生きがい喪失による抑うつ状態)の発症が問題となり、同様の状 況が東日本大震災でも起こっている。 仮設住宅入居者の生活不活発病予防のため、 農作業を促し、心身の健康維持管理を行うもの。 仮設団地50か所のうち仲介希望は11か所で、9か所で作業。 参加者は約50人、男女比は約1:8で年齢中央値70歳(29-94)。 生きがい感が改善した 骨密度が改善した 農作業が生きがい創出と健康維持につながっている 農作業プロジェクトを病院が主導する意義 • 生活不活発病予防 • 仮設団地内外との交流の場を作り出す →はまってけらいんかだってけらいん運動 予防医学における一次予防事業 病院が係わることで仮設住宅入居者に安心感を与え られる 高齢者の健康寿命を延ばす はまらっせん農園プロジェクト in 陸前高田 Facebookアドレス http://www.facebook.com/Hamarassen 今回(2/1)分科会意見交換内容⑥ ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: (陸前高田市地域包括ケアアドバイザー) ・すべての仮設住宅の近くに農園を作るのはすぐにはできない ことだが、市の施策に入れていけるとよいのではないか。 ○岩手県立高田病院長 石木幹人先生: ・結果として市の財政の改善にもなる、農家との兼ね合いもあ るが考えてほしい。来年度も継続する。ぜひ1次予防施策に。 ○日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平: ・自然な形で続けられるということが大事。 ・元気な高齢者を増やしてくという視点で、そのほか意見は? 今回(2/1)分科会意見交換内容⑦ ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: ・「毎日を大事に」ということをどう提供していけるか、そうは言 えても、それを継続することは難しい。 ○気仙薬剤師会 大阪敏夫先生: ・この地域には、もともと畑作りがあって、畑を作っていると、ド ンドン話しも出てくるのだろうと思う。 ・この「手間がかかる」ということがいいのではないか、そして、 「楽しくない」とやらないと思う。続かないと思う。 ・そのほか、動物を使ってみるのもいいのではないか。 今回(2/1)分科会意見交換内容⑧ ○立教大学 コミュニティ福祉学部 教授 松山真先生: ・15年位前、筑波大学が茨城県で試行した例で、農作業(スク ワット)により、国民健康保険料が非常に下がり、市の財政的に も健康的にもよいということで「パワーリハビリ」がスタートし、予 防の概念が広がっていった経緯がある。 ・被災地においてこれ(はまらっせん農園)をやる意義として、マ ズローの欲求段階説によれば、当初「生命の安全」が欲求だっ たが、次第に「社会的な承認を得る」欲求に進んできている。 ・被災者として与えられ続けている立場から、自分は社会的に 存在意義があるんだ、被災者として社会的に認められる、認め て欲しいという欲求の時期にすでに入っている。 今回(2/1)分科会意見交換内容⑨ ○立教大学 松山真先生: ・そのひとつが農作業であり、仕事である 与えられる方から 作り出す方に転換していって、しかもそれが美味しければ、認め られて、いろんな人が社会的に認められることにつながる。 ・「転換」ということで、これからこの地では必要なことである。 ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: ・身体的、精神的、社会的だけでなく、「認められる」感覚として のスピリチュアルの部分を大事にしていくこと、そこに健康施策 を転換していけるのかが、問われている。 今回(2/1)分科会意見交換内容⑩ ○親子の広場 きらりんきっず 伊藤昌子代表: ・震災後、子どもたちが「土いじり」する場がなく、周りから危な いからやめろと言われる。 ・「はまらっせん農園」=畑(土)と子どもをつなげる、高齢者と 子どもをつなげることもいいのではないか。 ・子育て世代が今の目先のことをしているうちはいいが、子育 てが終わったときの喪失感などを考えると、住宅の近くに農園を 作るなど、農園と子どもをつなげるようなことも大事ではないか。 ○岩手県立高田病院長 石木幹人先生: ・いいこと。比較的に子育て世代の多い仮設住宅で始めてみ るなど、一緒に考えていけたらと思う。いいアイディアだと思う。 今回(2/1)分科会意見交換内容⑪ ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: ・今、指摘いただいた子育てが終わると自殺を含めて目的が なくなって・・・という話に関連して、どういうときに居場所をみつ けるか、探すようになるか、ということをグループワークした際に でてきた言葉で、子どもが中学を卒業する頃だとか、定年退職 したときだとかなど、こういうところで問題意識をもって、いろんな ところで「先にはまっていれば」、「居場所を作っていれば」、自 殺とかに追い込まれなくてすむということも、もっと言っていかな ければならない、そのとおりだと感じた。 以上(分科会終了) 平成24年度 第9回 陸前高田市 保健医療福祉未来図会議 平成25年2月1日(金)14:00~15:30 陸前高田市役所 第4号棟 第6会議室 ※このPowerPointは、2/1(金)に行われた平成24年度第9回陸前高田市保健医療福祉未来図会議及び分科会 において使用した内容に、当日の出席者の皆様からのご意見等をふまえ、加筆修正し作成したものです。 ※内容についてのご意見、お気づきの点等お問い合わせは下記までお願いします。 陸前高田市地域包括ケアアドバイザー 日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平 [email protected] 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容① ○陸前高田市 菅野直人民生部長: ・やれることを着実にやっていきたいと思っている。「はまって かだって」運動が始動し、のぼり旗やステッカー等の配布計画も たてている。皆様にも活用していただきたい。 ・デマンド交通説明会が開催され、移動の足が無い人が電話 予約して送迎してもらうシステムとして、気仙町、小友町、広田 町でテスト走行開始した。 ・市役所西側土砂整備開始した。復興災害住宅を建築予定。 ・陸前高田は震災直後から変わっていないという声が聞こえる こともあるが、決してそんなことはない。少しずつ変わってきてい る部分があり、そこをみていただきたい。各種復興で色々な動き がある中で、さまざまな角度からご意見をいただきたい。 本日(2/1)の会議の進め方 1 テーマ はまってけらいん、かだってけらいん運動 の活用 ~安心できる居場所があること~ 本日(2/1)の会議の進め方 2 協議内容(意見交換、情報共有) (1)本日の分科会報告 (2)「はまってけらいん、かだってけらいん」運動の1ヶ月 (2)各団体関係機関のみなさんから 今年度の振り返り、来年度に向けての方向性など 陸 前 高 田 保 健 医 療 福 祉 未 来 図 基本理念 大目標 中目標 ひ と を 育 て 、 命 と 絆 を 守 る ま ち を 共 に 創 り ま す 市 民 の 暮 ら し が 安 定 し た ま ち づ く り 市保 民健 一 ・ 人福 ひ祉 と ・ り 介 の護 居 ・ 場医 所療 ・ の 陸総 前合 高的 田な 市シ を ス 構テ 築ム すに る支 え ら れ た 小目標 ま共 ちに づ学 くび り、 共 に 生 き る 居自 場然 所と 健 ・ 環康 境に づな くる り 市 “ 誰民 も・ 住団 み体 や・ 企 す業 い・ ま学 ち校 づ・ く行 り政 ”み ん な で 力 を あ わ せ て ライフステージ・性別プラン 子どもたちの居場所未来図 大人たちの居場所未来図 高齢者の居場所未来図 男性の、女性の居場所未来図 〈 狭 義 の 健 康 に 関 す る 分 野 分野別プラン 〉 野〈 健 〉康 を 支 え る 基 盤 の 分 こころの健康を保てるまちづくり 保健医療資源と上手に付き合おう 楽しい食生活 地区別 居場所 づくり プラン 高田 気仙 米崎 たばこ・薬物乱用防止 気持ちよく体を動かせるまちづくり 小友 歯と口の健康 アルコールと上手に付き合おう 感染症にまけないまちづくり コミュニケ―ションあふれるまちづくり 情報が充実しているまちづくり 出かけたくなるまちづくり 自然豊かで安らぎのあるまちづくり 矢作 広田 竹駒 ワークライフバランスがとれるまちづくり 安心・安全なまちづくり 生きがいのもてるまちづくり 横田 未来図会議に先立って行われた 「はまってけらいん、かだってけらいん」運動 のぼり旗交付式 戸羽市長から、石木院長へ 未来図会議出席者による記念撮影 この1ヶ月(H24.12月~H25.1月)の はまってけらいん、かだってけらいん運動 の状況 ○進捗状況の確認 できていること、なかなか難しいこと 工夫が必要なこと 例)配布そのものが難しい 配布するだけでは伝わらない 「欲しい」という人があった・・・ 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容② ○県立高田病院 石木幹人院長: ・“はまってけらいん かだってけらいん”の方言の意味が分か らないと指摘されたこともある。フェイスブックでもこの運動の紹 介をしている。旗もただ置いているだけでは何の事だかわから ないのでは。 ・のぼり旗については、街中でまだあまり見かけない。私自身 は、カバンにステッカーを付けて歩いている。 ・医療なんでも相談プロジェクトを立ち上げる予定。 ※東海新報記事 http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode =kiji_zoom&cd=nws8473 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容③ ○気仙薬剤師会 大阪敏夫先生: ・はまってけらいんのマグネット、車に貼っている。よく、声をか けられるが、「はまってけらいん、“だが”ってけらいんってどんな 意味?」と正しく読んでもらえないこともある。 ○陸前高田市健康推進課 唐川祐一保健師: ・H24.12月28日までのところでの健康生活調査の状況は次ス ライドのとおりで、H24.8~12月、述べ640名の方々に協力いた だいた。10月~12月は全国保健師長会59名。応募はさらに多 かった。今回の健康生活調査を通して、住民の方の想いをまと めて、発信し還元していきたい。 それぞれの立場で暮らす人た ちの想いを発信し、気付きを促すことで、コミュニティを作るため の土壌の地ならしができればと思う。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容④ ○日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平: ・健康・生活調査の際に、「はまってけらいん、はまってけらい ん」運動をもっとお知らせしても良いのでは? ・岩手医科大学の協力のもとに進めている被災者健診の結果 概略について、市広報で周知される。 今後、岩手医科大学からも報告いただく予定となっている。概 略(速報値)は次スライドのとおり。受診者数は減っているが、そ の背景には人間ドッグが復活したことや病院機能の回復がある と考えられる。 被災者健診の概況① ・H23~H24~被災者健診の状況(※速報値) ⇒ 被災者健診(特定健診) H23:4,860名/約18,000名 ⇒H24:4,092名 内訳)・・国保(H22 H23 H24) 1,940名 ⇒ 2,368名 ⇒ 2,125名 ・・後期(H22 H23 H24) 621名 ⇒ 1,054名 ⇒ 973名 ・・被災者(18~39歳、社保:H23 H24) 1,262名 ⇒ 989名 被災者健診の概況② ・H23年度からの継続受診(最受診率) 73.2%(速報値) 医療機関の安定化、人間ドック(約170名)復活、 働く人の増加? アクセスのしやすさ? ・コホート不同意者が約400名増加 ・結果ついては別紙参照 血圧低下、LDL増加、HbA1c増加 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑤ ○陸前高田市健康推進課 橋本保健師: ・今年度の結果を見てみると、だんだん例年に戻ってきている ことがうかがえる。悪玉コレステロールとヘモグロビンA1cが高 め。今年度から特定保健指導を復活させるので改善していけれ ばと考えている。 ○県立高田病院 石木幹人院長: 震災後の食事は質素だったこと等が影響して、ヘモグロビン A1cが下がっていたが、現在は生活や食事も落ち着いたため、 数値が上昇する傾向にあると察する。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑥ ○気仙薬剤師会 大阪敏夫先生: ・仮設住宅訪問くすり相談事業 お手紙プロジェクト“なじょして ますか”プロジェクトをH24.11月に実施。 お薬相談を口実に、仮設をまわって住民の話を聞いたり、面と 向かって話をすることが難しい方は手紙や電話でのやりとりも 行った。 4日間の活動で、陸前高田市は1,156戸(全体の54%)に対応 し、775戸は不在であった。対応事例のうち、行政への引き継ぎ 件数は、陸前高田市は49件であった。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑦ ○陸前高田市地域包括支援センター 佐藤咲恵保健師: ・フォローケースはどちらに引き継いだのか? 包括支援センターには引き継ぎはきていない。 ○気仙薬剤師会 大阪敏夫先生: ・健康推進課へ引き継いでいる。ちなみに本事業は単年度事 業。次年度以降は現在のところ未定となっている。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑧ ○NPO法人 HANDS プログラム・オフィサー 山中郁氏: ・次スライド以降のとおり、こども健康サロン開催した。県立大 船渡病院の渕向先生、谷藤先生にご参加いただいた。 ・ここで出された意見の概要は次のとおり。 震災後の医療機関への負担が大きいのでは?地域が地域 で健康を守っていくことが必要。きらりんきっずではシルバー人 材センターを活用し託児ボランティアを行いつつ、集まりを開催 している。講義形式にならないよう工夫をしている。先生からの お話の内容は主に予防接種についてなどであった。 参加者からの質問は予防接種についてが多かった。今後も、 託児も組み合わせて2回、3回と実施していきたい。次回は県立 高田病院の小児科医にもお願いしたいと考えている。 こども健康サロンについて NPO法人HANDS 東北震災復興支援チーム 背景・目的 <背景> 気仙医療圏は従来の小児科医/医療機関不足のうえ、震災で の壊滅的な津波被害によりさらに貴重な人材と施設を失った。 限られた医療機関への過度な負荷を軽減し、地域とともに医療 を守る仕組みづくりが必要とされている 一方、HANDSがこれまで陸前高田市復興支援活動を通じて母 親たちと接するなかで、子どもの将来に対する不安感、小児医 療への関心・知的欲求が高いことがわかった <目的> 保護者に、子どもの健康や医療に関する情報、子育てに役立つ 情報等を伝える場を提供 限られた医療機関を適切に活用する意識と知識をつけてもらう と共に、「地域で地域の健康を守る」意識づくりのきっかけと なる 当日の写真① 当日の資料 参加者と気さくにお話しされる 渕向先生(右)と谷藤先生(左) 参加者の質問の内容 上の子が3歳で、ポリオ2回生ワクチン終わっているが、不活化 ワクチンを打つ必要はない? 5種同時接種で、両腕、足にも打った。それだと、具合が悪く なった時に、どの予防接種が悪かったのか、わからないので は?あと、どこに何を打ったのか、先生に聞いたら教えてくれ るもの? 子どもが今11歳で、1歳の時におたふくと水疱瘡をやったけど、 それは一生もの?9-10歳の男の子がいて、おたふくなっていな い。早めに接種もしくは抗体検査をした方がよい? 子供のうちにワクチンを打っておいたら、病気になる確率は低 い?日本脳炎って大人になってもなる? いろんな病院に通っているが、大船渡病院でしか出来ない検査 と高田病院でも出来る検査はあるか?検査は必ず大船渡に行か ないといけない? 参加者の感想 「先生方が身近に感じられてとても良かったです。皆さ んの質問の解答を聞くことができ、とても勉強になりま した。第2回、楽しみにしています。」 「先生と話しやすい雰囲気の中だったので、気になって たこと、ささいなコトも聞けて、勉強になりました。お いしいコーヒーとケーキもGood!!」 「目からウロコの知りたかったお話を沢山きけまし た。」 「託児のスタッフが多く、安心して参加できました。」 「みんなでお話するのも良いと思いますが、みんなに聞 かれないで、直接話せる時間がほんの少しあっても、良 いと思いました。」 今後の予定 きらりんきっずとの第二回こども健康サロン(テーマ、 講師未定):4~5月くらい あゆっことの第三回こども健康サロン(テーマ、講師未 定):5~6月くらい テーマの候補はアレルギー、う歯(虫歯)、ワクチン (二回目)、こころのケアなど 現在講師として県立高田病院の大木先生に相談中。また、 大船渡病院渕向先生からも、2回目も参加したいとのお 話をいただいている 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑨ ○陸前高田市地域包括支援センター 佐藤咲恵保健師: ・フォローケースはどちらに引き継いだのか? 包括支援センターには引き継ぎはきていない。 ○気仙薬剤師会 大阪敏夫先生: ・健康推進課へ引き継いでいる。ちなみに本事業は単年度事 業。次年度以降は現在のところ未定となっている。 ○日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平: ・この会議の場は情報共有、課題解決の場でもあるので、ぜ ひ、互いにつなげてほしい。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑩ ○県立高田病院 石木幹人院長: ・県立高田病院の小児科は常勤医2名のほか、月1回1名入っ ていただいているので人員に十分な余裕がある。相談という形 でも対応可能だと思われる。 ・子ども用図書を扱っているグループが、現在トレーラーハウ スで活動している。しかし十分な広さもなく、小学校低学年が入 ると騒ぐため高学年~高校生が集中して本を読む・勉強をする 場所がない。ゆっくり本を読める場所づくりもしていかなければ ならない。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑪ ○親の広場 きらりんきっず 代表 伊藤昌子氏: ・子どもたちの勉強できる場所が確保できない現状がある。 ○ma’am たかた 荻原氏: ・難民支援協会で行ってきた活動を引き継ぎつつ、女性のネッ トワークづくりを行っていく予定。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑫ ○岩手県大船渡保健所 浅沼聡保健課長: ・保健所では陸前高田市、大船渡市、住田町を管轄している。 そのなかで、はまってけらいんかだってけらいんの取り組みを広 げたい!という声があった。 そのため、大船渡保健所では自殺予防の意味合いを含めた「 はまってけらいん かだってけらいん」ののぼり旗を作成、大船 渡、住田に配布予定。 ・現在の自殺者の統計のデータを見ると、今年度は自殺者が 減るかと思われる。しかし自殺者数は20人前後で横ばいになっ ており、ここから減らない状況。全国的に値を見ると人口当たり の値では、1.5倍高くなっている。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑬ ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: ・全国的に見ると山梨の自殺者の割合が高い。岩手・宮城は 震災後に下がり、福島は横ばい。岩手・宮城は手厚い支援があ ったため、自殺者を抑えることができた。しかし宮城では民間の 仮設の割合が高く、支援の手が届かない、周りとの交流が無い という理由から割合がリバウンド気味である。 ○一般社団法人 東日本未来都市研究会 医療福祉分野検討チームコーディネーター 山村友幸氏: ・大船渡保健所の「はまってけらいん かだってけらいん」のの ぼり旗に「うつ・自殺予防」という言葉が入っていると掲げにくい のではないか? 都道府県別自殺者率 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑭ ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: ・自殺予防は大切なものだ!と考えれば、そういった文言が入 っていることは意味がある。全体的な、こころに関するリスク軽 減(自殺以外も含めて)を目指すのであれば、オレンジののぼり を活用するのがよい。 ○日本赤十字秋田看護大学 佐々木亮平: ・以前保健所で勤務していた時、自殺予防活動に関して「自殺」 というワードを最初は控えるようにしていたが、そのこと自体を 表現できることが大切で、話せる世の中が普通と考え、だんだ ん表に出すようになってきた経緯がある。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑮ ○立教大学 コミュニティ福祉学部 教授 松山真先生: ・自殺予防に関して、それぞれの課から連絡係を選定し、気に なる方の情報を提供・共有してもらう活動をしている。 ・失業・貧困が原因でアルコールに依存する方も多い。 ・市役所職員向けに行った研修会の講話内容として・・・ ⇒ こころの問題を抱える背景には、震災による大きな喪 失(家族、友人・知人、街並み、人間関係、娯楽)がある。 この原因から、すべての陸前高田市民全員がリスクを 抱えているということになる。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑯ ○立教大学 コミュニティ福祉学部 教授 松山真先生: ・更に公務員のリスクは、上記のリスクに加え、夜間までの長 時間の労働を連日しているにも関わらず住民からは評価されな い。時には住民から強くあたられることもある。公務員がそのス トレスを吐露できる場がなく、ストレス発散となる場が無い。 ⇒ 対策として、いつでも相談できる場づくりをしていくことが必 要。孤立させない、関わる人生をつくる。 ⇒ “はまってけらいん かだってけらいん”運動は自殺予防に 結びついている! ⇒ 多面的かつ重層的なかかわりを持っていくことが大切。 自殺予防対策の基本 陸前高田の特殊性を踏まえて 立教大学コミュニティ福祉学部教授 松山 真 自殺は、 神経学的 遺伝的 心理的 社会的 文化的 環境的 な危険因子間の複雑な相互作用を伴う 複雑な現象である (gerbo, Sterne, and Gunnell 2007など) 特効薬はない。 多面的で重層的な関わりと対策が必要 一般的自殺の傾向 旧ソビエト連邦の国が高い 韓国急激に高くなった。 日本も高い 社会体制・産業構造の急激な変化 失業・貧困・無気力・アルコール依存症 自殺の傾向(2) 自殺した成人を対象とした心理学的剖検研究(psychological autopsy study)では、 若年・中年期成人においては、 経済・職業・社会的な喪失を含むストレスフルな ライフイベントが゙ 共通したリスク要因であるとい われる。 陸前高田の状況 ※大きな喪失体験の経験 命のみならず、財産・街・文化・人間関係・思い出など 多くのものを喪失している(し続けている) ※生活スタイルの大きな変化 ※失業・経済的困難 陸前高田に住む誰しもが 大きなリスクに直面しているといえる 陸前高田の状況 日常生活の喪失 見慣れた風景の喪失 心休まる場所の喪失 娯楽の喪失 人間関係の喪失 不自由な暮らしが継続している 見通しが立てられない 希望が見いだせない 被災者とは、この地に住んでいる人全員 高 い ス ト レ ス 公務員に特有なリスク 市職員・警察・消防・学校教師・消防団員 同じ被災者・被災地に住む者であるにもかかわらず、 自分の事を後回しにし・我慢し、支援する側となり、通常 業務ではない体験をしてきている しかも、その体験での思いを吐露できない 応援派遣職員に特有のストレス 被災地のために 何でもする 力を発揮したい 長時間労働も厭わない 休日無しでもいい 自分は何をしているのだろう 自分は役に立っていない こんなはずではなかった 申し訳ない 労働時間の制限 時間を持てあます する事が無い、娯楽も無い 馴れない業務 +希薄な人間関係 +生活環境の変化 自殺予防対策 公衆衛生的アプローチ 1、全体的アプローチ 地域・市民全体を対象とする 2,選択的アプローチ 特定の集団を対象とする 3,個別的アプローチ 専門家が個別に対応する 全体的アプローチ 市民への啓発活動 パンフレットの作成、テレビ、ラジオなどの広報 プラットホームに柵を設置する 崖に電話を設置する いのちの電話 選択的アプローチ 失業者・アルコール依存症・高血圧・糖尿病・高齢者など、 特定の集団を選択し、そこをターゲットとして対策を実施する 開業医・保健師・教師・警察・消防士などの専門家 を、ゲートキーパーとして活用する ゲートキーパー 悩んでいる人に「気付き」「話し掛け」「話しを聴き」 「必要な支援につなげる」「見守る」人 防御因子(1) 心身の健康 心身ともに健康であること 安定した社会生 良好な家族・対人関係、充実した生活、経済状況、地 活 域のつながりなど 支援の存在 本人を支援してくれる人がいたり、支援組織があるこ と 利用可能な社 会制度 社会制度や法律的対応など本人が利用できる制度 があること 医療や福祉の サービスなど 医療や福祉サービスを活用していること 防御因子(2) 適切な対処行動 信頼できる人に相談するなど 周囲の理解 本人を理解する人がいる、偏見を 持って扱われないなど 支援者の存在 本人を支援してくれる人がいたり、 支援組織があること その他 本人・家族・周囲が頼りにしている もの、本人の支えになるようなもの があるなど 防御因子の強化 そばに体制があること 相談者がいなくても体制を維持している いつでも行けるという安心感 アウトリーチも時には必要 効果的予防戦略 1,援助希求行動に対するネガティブイメージを払拭 する啓発活動 人に相談するなんて・・・ そこまで自分はおかしくない・・ 弱い人間がすることだ おかしいことではない 誰にでも起きること 話すことで早く楽になる 効果的予防戦略 2,いつでも相談できる体制の維持 援助を受けたいと思ったときに受けられる体制 ボランティア、近隣、公的機関、専門家、病院など さまざまなレベルで体制が整っているように そして アクセスしやすいようになっている 効果的予防戦略 3,社会的紐帯の強化 人間関係の重要さを認識する 家族 友人 福祉サービス 孤立させない 同僚 近隣 医療サービス 関わる人を作る 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑰ ○陸前高田市 社会福祉課 吉田惠美保健師: ・松山先生に依頼し、庁内連絡会議(参加:各部長、課長等)を 開催。その後実務者担当会議開催(参加:課から連絡係を選定 )。業務をしていての住民に対しての気づきなどを報告していた だいた。松山先生への連絡は社会福祉課吉田を通して、または メーリングリストから。 ○東八幡平病院 及川忠人院長: ・県北も自殺のリスクが高い。自殺予防は何をすれば貢献でき るのかわからないということも多々感じている。多面的、重層的 な関わりの必要性はそうだなと感じる。 今回(2/1)の未来図会議意見交換内容⑱ ○公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター長 岩室紳也: ・自殺対策、何をやればいいかは、なかなかピンと来ない。 居場所という言葉は何度も出るが、居場所ってなんだろうと なる。こんな居場所というイメージをシェアできたらと思う。 これは、千葉県浦安市の自殺対策協議会で生まれたスライ ド(言葉)となっている。 昨日(1/31)の保健所での研修会でも使用している。 紹介させてほしい。 居場所が多くあれば、それだけで、さまざまなリスクを軽減で きる。 「居場所」とは 浦安市 いのちとこころの支援対策協議会 実務者会議からの声 一人ひとりの居場所 私の居場所 地域の中の居場所 楽しいイメージを 持つことができれば居場所になる その人の置かれている環境や 年代によって異なる 心地よい居場所のみを選ぶのではなく つらい居場所も体験することが必要 一人で居ても居場所がある 大勢といても居場所がないことも 仲間からの声かけが居場所になる 若い世代 地域とは限らないが、趣味、職場が居 場所になっている 子育て世代 学校や保育など、こどもを通して 知り 合った方とのコミュニティを 大事にし ている 子育てをしていると こどもが中学校を卒業する頃 仕事をしていると 定年後に地域活動に参加する傾向が 地域と関わりたいと考えている 同世代(20代・30代)は 自分や周囲を含めていないように思う 自分自身は今、居場所づくりを 必要としているとは思えない 自分自身のこととして、 「地域の居場所」について 考えたことはないかもしれない 悩みがあっても、 苦しいことがあっても、 いなければならないこともある 職場が居場所になることも多い 職場を転々とする非正規雇用は職 場が居場所になりえていないという 社会構造的問題もある 定年後“居場所がない”というのはその 人にとっての役割がない ということだと思う 自分の趣味から発展し、 色々なつながりになることも多い こころが元気な時は 居心地が悪い場所でもよいが つらいときは人間関係がよい 居心地がよい場所であれば 乗り越えることができる プラスな居場所だけでなく マイナスな居場所もある それでも、両方とも自分の居場所 …例えば、自分の実家と夫の実家。 居場所を多く作っていくと リスクが分散されるのでは 「外とのつながり」という居場所が 大切なのだと思う 居場所づくりは 「共通のきっかけ」があれば 地域でも人間関係でも進む 場所だけでなく、 目標や夢に向かう取り組みも 居場所になる 支えるときも 支えられているときも それが居場所 改めて・・・ 本日(2/1)の会議の進め方 1 テーマ はまってけらいん、かだってけらいん運動 の活用 ~安心できる居場所があること~ 来年度の未来図会議(月1回)の予定 ○日程 H25年:4/19(金)、5/17(金)、6/21(金)、7/19(金)、 8/8(木)、9/13(金)、10/18(金)、11/15(金)、 12/20(金) H26年:1/17(金)、2/14(金)、3/14(金) ○大きな方向性 現状報告だけでなく、進捗管理、評価も・・ 次回(第10回)未来図会議予定 ◆日時 平成24年3月15日(金)14:00~15:30 (※上記に先立って分科会を継続実施) 分科会「テーマ:はまってけらいん、かだってけら いん~自殺予防~」 13:00~13:50 ◆場所 陸前高田市役所 第4号棟 第6会議室 ◆次々回(平成25年度第1回) 平成25年4月19日(金)14:00~15:30
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