社会心理学のStudy -集団を媒介とする適応(仮) 知識構造論講座 下嶋研 M1 関本和弘 人がグループを重要な社会的決定に使うのはなぜだろうか? CASE1:有能で善意の独裁者 人々の様々な意思を推し量り最適な解を導く 公平で良心的な立場から意思決定を下す 利点 効率的 集会、会議の煩わしさからの解放 コストが少ない 受け入れられますか? 民主的が指示されるのはなぜだろうか? “民主的“な決定の仕組みに対する信頼が強力に 作用している。 知らず知らずのうちに「集団の知」への信頼や期待 を持っている? 三人寄れば文殊の知恵 Two heads are better than one. 平凡な人でも三人が協力すれば、よい知恵が出るものだ。 大辞林第二版 三人寄れば文殊の知恵 Two heads are better than one. 個人が1人で問題を解く時の効率 4人グループが問題を解く時の効率 (Show,1932) グループは個人と比べて高い正解率を示す グループには誤答をチェックする機能がある 「三人寄れば文殊の知恵」を支持! 三人寄れば文殊の知恵のもう一つの側面 ~創発性~ グループのメンバーが持つ知的資源の総和以上 の成果が、相互作用を通じて現れる。 実験 グループのメンバーの少なくとも1人が問題を解決できる 能力を持っているなら、グループはそのメンバーの提出し た回答をそのまま採用して正答に到達する。一方、個人 で問題解決できるメンバーが含まれていない場合、グル ープは問題を解けない。 注) ただし、ここでは創発を仮定しない 1人のメンバーが正しく問題を解ける確率を p と すると n 人からなるグループが正答に到達できる 確率 p は P = 1 -(1- p )n として予測できる。 「文殊の知恵」説が正しいならこの予測値を上回るはず! 結果 グループにおける問題解決の遂行は基準モデルの予測値を 下回った! 結論 新しい知恵がグループレベルで創発することは 非常にまれである。 では、グループ内で何が起こっているのか? プロセスの損失 グループに期待される効率水準と実際の実際の 遂行との落差 メンバーが本来備えているさまざまな資質が十分に 生かされずに損失が生じる。 なぜプロセスの損失が生じるのか? メンバーのやる気の低下 他のメンバーの努力にただ乗りしようとする誘因 相互調整の失敗 「グループ全体の力=個人の力の総和」が実現できない グループの初期 パターン 正答者数 誤答者数 グループの回答 正答 観察頻度 誤答 (5,0) 1.00 0 8 (4,1) 1.00 0 14 (3,2) 0.96 0.04 26 (2,3) 0.92 0.08 37 (1,4) 0.73 0.27 33 (0,5) 0.08 0.92 12 考察 グループによる問題解決は個人の遂行を平均的に 上回るが、最良メンバーの遂行水準に及ばない。 正答者が2人以上いる場合、グループでの正答率は 大きく100%に近づく。 まとめ 「2人以上の合意を必要とする」社会過程はグループ が最高の最高の効率で機能することを犠牲にするが、 同時に大きなエラーを防ぐ働きがある。 ゆえに重要な意思決定を行う際にグループでの 決定は効率は悪いがエラーを防ぐ。しかし、長い 目で物事を見るなら、結果的に効率がよいと考え られる。 多数派主導における問題点 集団極化現象 集団決定の操作可能性 集団決定は操作できる 集団極化現象 個人の考えが集団の中の多数派に流されて しまう可能性 個人の意見が相互作用を通じてグループの 規範の方向に流されてしまう 集団における意志決定は 非効率的な意志決定である しかし 致命的なエラーを防ぐ
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