2010.7.26 ~ 27 局 at 総務省統計 秋田県立西仙北高等学校 実習助手 藤田秀明 参加目的 ◎指導要領の改訂が及ぼす影響について理解を深める ①統計が教育現場に戻ってきた影響をどう捉えればいいのか ②統計教育部会としてどのような関わりを持っていけばいい のか ③統計教育をどのような視点で捉えていけばいいのか 今後の活動の指針を探り、当部会の活性化を図りた い! 研修日程 第1日目 13:00 開会・挨拶・ガイダンス 13:20 基調講義 「統計教育の意義」 14:30 講義 「公的統計の役割と統計 調査」 15:00 実践事例報告 ①小学校 ②中学校 ③高等学校 16:40 実践講習 「授業の現場での統計教 育の 実践を想定した講習」 第2日目 講義 「政府統計の総合窓口及び 統計教育サイトに ついて」 10:30 班別討議 9:30 「統計教育の実践方法等」 基調講演 「統計教育の意義」 東洋大学経済学部教授 渡辺美智子 氏 (日本統計教育委員会会 長) ①統計教育を取り巻く動 向 ②統計教育を必要とする背 景 ③統計教育の新しい枠組み – Statistical Thinking の育成 ④統計的課題探求のプロセス ~課題に科学的に対処する態度の育 成~ ⑤統計の概念的な理解を図るためのカリキュラムの戦 略性 ⑥統計教育におけるデータの重要 性 ⑦新しい統計教育を成功させるためには 統計教育の意義 ★知識基盤社会の創造 産業界から教育現場へのニーズ 正解 何をすべきか? or ・創造性と革新性 = イノベーショ ン ・批判的思考力と問題解決力 ・コミュニケーションとチームワー ク アイディア 統計教育を取り巻く動向 ★理数教育の充実 → グラフや分析を通した統計教 育 スパイラル:学年を渡って繰り返し学習する 海外では 90年代前後より統計教育の推進が図られる。 統計教育を必要とする背景 ①高度情報社会で統計情報を活用できる市民の育成 統計に基づく政府行政施策を正しく理解し、責任ある政治参加が求め られる ②「知」をめぐる国際大競争時代への対応 数学研究の成果の社会への応用の加速化 統計教育の新しい枠組み 統計的思考力を第3の腕として位置づける 身の回りの課題解決に統計を結びつける 統計的思考・解釈・新しい仮説の創造 課題解決のための知のサイクル ①課題の設定 ②統計的なデータの問題への帰着(何を測定すべき か?) ③データの収集 ④データの記述と分析 ⑤結果の統計的解釈 ⑥統計的に解釈された結果を元の課題のコンテキストと結 び付 けて考察し、他人に伝えること ⑦結果に基づくアクションが想定できること、もしくは 新たな検 証すべき仮説や課題を見出すこと 統計的課題探求のプロセス ★Problem(身近な課題の明確化) それらを構成する個々の事象の具体化、ルール 化 ★Plan(調査・実験研究のデザイン) 測定するデータ、手段や対象の決定及びデータ収 集 ★Data(データ表の作成) 行列形式の多変量の表にデータを整理し、その分布の影響を考 える ★Analysis(データの分布) 多様な視点、客観的な表現、データの背景について関連する 考察 ★Conclusion(最初の課題に対する結論) 分析から客観的に得た事と推論したことの区別、及び次の課題の 明示 統計の概念的な理解を図るためのカリキュラムの戦略 性 ★ばらつき(変動)への理解 a.自然変動 b.外的要因で説明可能な変 動 c.標本変 変動の背景の理解 ↓ 科学的理解へつながる 動 ★発達段階に応じたレベルの深化 質的データ → 係数デー タ 多変量データと時系列デー タ データ変換と標本分布の特性の理 解 母集団特性値の推測 仮説検定 単回帰モデルや時系列データの加法モデル 単純 難解 統計教育におけるデータの重要性 ★計算の技術を覚えることが狙いではない! ★用いるデータにより学習効果が変わる! ①生徒にとって関心のあるデー タ ②自らデータ形成に関わった データ ③意外な発見が隠されている データ 現実の様々なデータに触れ、何らかの発見を経験させる ・自由な発想でのグラフや表 → 個々のグラフ等の長 所、短所 ・データを読み取らせる力を育てれるデータの利用 データにより学習効果が左右される 新しい統計教育を成功させるためには ★統計の教育方法 データを所与として多様な答を検証するプロセスの論理的妥当 性 ★指導要領の改訂では 「資料の活用」 → 実際に活用して課題探求の力の育成が求められる 教師にはデータ解析という技術も要求されてくる 弛まぬ統計教育の普及と推進に努めることが求められる 講義「公的統計の役割と統計調査」 ★基幹統計一覧 ≪内閣府(1)≫・・・・・・・・・・国民経済計算 ≪総務省(13)≫・・・・・・・・・国勢統計他 ≪財務省(1)≫・・・・・・・・・・法人企業統計 ≪国税庁(1)≫・・・・・・・・・・民間給与実態統計 ≪文部科学省(4)≫・・・・・・学校基本調査他 ≪厚生労働省(7)≫・・・・・・人口動態調査他 ≪農林水産省(7)≫・・・・・・農林業構造統計他 ≪経済産業省(10)≫・・・・・工業統計調査他 ≪国土交通省(9)≫・・・・・・港湾調査他 合計(53) 講義「公的統計の役割と統計調査」 ★行政機関における利用 (1)実態把握・・・・・・・・・・・・・月例経済報告、 景気動向指数他 (2)行政計画の策定・・・・・・・「日本経済の進路と戦 略」他 (3)個別行政運営 ①法令に基づく利 用 ②法令に基づかな い利用 ③統計業務におけ る利用 ★民間における利用 ④施策の報告・評 大学や研究機関等の研究の基礎資料や合理的意思決定に利用 価における利用 講義「公的統計の役割と統計調査」 ★公的統計の作成 中 央 府 省 ↓ 都 統計主管課 道 府 県 事業主管課(教育委員会を含む) ↓ 市区町村 ↓ 国の地方支分部局 ↓ 保 健 所 福祉事務所 教育委員会 ↓ 統計調査員 ↓ ↓ 統計調査員 ↓ 統計調査員 ↓ 調査対象(個人・法人・事業所・団体等) 講義「公的統計の役割と統計調査」 我が国の統計の精度 → 世界のトップレベル ≪要因≫ ・統計行政機構が十分に整備されている ・国民の教育水準が高い ・調査対象者の統計調査への協力意識が高い 等 統計調査を取り巻く環境は厳しさを増している 小学校実践事例報告 ★生活科の授業における指導 (1年生) 種を蒔く、苗を植える 本葉の数調べ とらえる 世話をする(観察) 花やつぼみを観察する 花の枚数調べ まとめる 花や実であそぶ 収穫をする あつめる 落花生の数比べ よみとる 秋まきの植物を育てる 種の数調べ、比 べ 新1年生へのプレゼントづくり をする いかす 小学校実践事例報告 観察やまとめを通しての“気づき” 観察方法や集計方法について“工夫”が見られるようになっ た 繰り返すことで定 着 着眼点も向上 算数との連携も必 要 中学校実践事例報告 ★職場体験学習の職場調べと事前訪問を通し て とらえる 集める まとめる 読み取る 生かす しこ の ル ー プ の 繰 り 返 ステップ1:適正に合った職場を選 択 ステップ2:希望と受入れ人数の調 整 ステップ3:事前調査&職場体験 高等学校実践事例報告 ★「単元:データの分析」におけるデータの相関の指導 ~Σを使わない相関係数の学習 ~ ≪数学における授業モデル≫ 2変数を用いた相関係数+散布図から相関関係を読み取 る 総務省WEB サイトのDATA (都道府県) 結果を予想 他要因の存在 に気付かせる 実践講習 ★お好み焼きをお得に作るための価格データの見方 食材の価格動向の影響を少なくして、お好み焼き店を展開するに は 移動平均 ・・・・・・・価格変化の傾向を掴みやすい 箱ひげ図 ・・・・・・・変動幅と集中している範囲を把 握しやすい 実践講習 940 東京都内の牛肉の価格(2008 国産牛ロース 100g) 930 920 910 900 890 880 870 860 東京都内の牛肉の価格の3ケ月移動平均(2008 年) 940 930 920 910 900 890 傾向として表わされ る 880 870 実践講習 最大値 はこひげ図のメリット 第3四分位数 総分布と集中の範囲 集中の傾向 中央値 第1四分位数 最小値 〔はこひげ図〕 最大値と最小値 政府統計の総合窓口 ★統計情報は国民の共有財産! http://www.e-stat.go.jp 統計学習サイト ★学習教材にも利用 http://www.stat.go.jp/naruhodo/index.htm 班別討議 ★80人を9班に分けての討議 ~議題は次の5つ~ ①統計教育を実施する意義、必要性について ②新しい学習指導要領に基づき、統計教育を実践するに当たって留意すべき点に ついて ③統計教育の実践において成功した、又はうまくいかなかったと考える事例につ いて ④他の参加者に質問してみたいこと、意見を交換してみたいこと ⑤統計教育に実践に当たっての資料、教材や情報提供等に関する要望について 班別討議 統計教育の重要性は言うまでもない グラフコンクール等の実践が増えた 教科の横断的な連携からなる活動 具体的な方法論について暗中模索 まとめ ★統計教育を行うということについて ・学習指導要領の改訂を前向きに捉えた明日を担う若者の育成 ・データから情報を読み取る論理的な思考力の育成 ・将来の展開を予想する力 ・日本の国際競争力を高める原動力となる ★感想 ・統計に取組む意欲が益々高めることができた ・統計の重要性・必要性の再発見をすることができた お FIN し ま い ご静聴、ありがとうございまし た。
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