状況に応じて適切な例外処理が行なえるアスペクト指向分散環境実験の支援ツール理学部情報科学科千葉研究室指導教官千葉滋助教授 01_08648 熊原奈津子 1 分散環境実験と例外処理  分散環境での様々な研究のための実験  例：サーバマシンの性能改善  例外処理は重要  マシンの台数が増えると故障率が増加 例  クライアントマシンの台数によりサーバにかける負荷をかえてサーバの性能を測定  クライアントマシン故障により想定した負荷がかからず意図しない実験になる  代替マシンを使用するなどのリカバリ処理で回避 2 例外処理記述の難点（１）  例）Java言語のtry-catch文例外が発生しうる場所で適宜try-catch文を定義 try 文送信失敗 try 文リカバリ可能 try 文は散在 try { 実験結果の回収 } catch (回収失敗 e) { 再試行 } 回収失敗 try { 実験プログラム送信 } catch (送信失敗 e) { マシンを変えて送信 } 3 例外処理記述の難点（２）  例）Java言語のtry-catch文例外処理を怠ってまとめてcatch try 文送信失敗 try { 実験プログラムを実行 } catch (送信失敗 e){ ??? } catch (回収失敗 e) { ??? } リカバリが難しい try 文は１箇所にまとまる回収失敗 4 実験支援ツール AOSted  分散環境での実験を支援する統合開発環境   実験プログラムを配布・起動例外処理をアスペクト指向により分離して記述 AOSted ランタイム AOSted コンソールマシンの絵 AOSted ランタイムコンソールマシン制御プログラム（Java）実験プログラム (Jar) クラスタマシン AOSted ランタイム AOSted ランタイムは rcp で配布、 rsh で起動 5 AOStedの操作画面制御プログラム進行状況例外処理プログラム制御プログラムと例外処理記述をコンパイル制御プログラムを実行 6 制御プログラムの例指定したホストにプログラムを配布配布したプログラムを起動プログラムを終了実験結果を回収 7 例外処理の記述の分離  例外ハンドラにまとめて記述して登録  制御プログラムからも独立して記述可能  アスペクト指向の応用  発生箇所と例外ハンドラの対応を宣言的に細かく指定（実装はまだ未完成）  例外ハンドラの引数  発生した例外の情報を含むオブジェクト  リカバリー処理用のメソッドを提供 8 例外ハンドラの例ホストを変更して再試行 9 例外ハンドルのメカニズム制御プログラム AOStedの内部実装 Load loader = new Load( hosts, port, program, args); loader.setErrorHandler(condition1, new MyLoadErrorHandler()); loader.setErrorHandler(condition2, new YourLoadErrorHandler()); loader.load(); … void setErrorHandler(condition, handler){ ハンドラを登録 } void load(){ try{ … }catch (UnknownHostException e){ FailEvent event = new FailEvent( host, e, …); eventが満たすconditionを検索; 満たせば対応するhandlerを取得; handler.unknownHost(event); } } 例外ハンドラ class MyLoadErrorHandler extends LoadErrorHandler { public void unknownHost(FailEvent event){ //例外処理記述 } class YourLoadErrorHandler extends LoadErrorHandler { } public void unknownHost(FailEvent event){ //例外処理記述 } } 選無択数さのれ例た外ものの中だかけら class LoadErrorHandler { public void unknownHost(FailEvent event){ //何もしない } } 10 AspectJとの比較ライブラリのソースコードを考慮せずに例外処理が記述可能 AspectJでの記述例 AOStedでの記述例  class MyLoadErrorHandler extends LoadErrorHandler{ public void unknownHost(FailEvent e){ if (e.getHostName().equals("node03")){ …. } } } aspect ExceptionHandling { after(UnknownHostException e): withincode(void Transmitter.run()) && handler(e) { … } } ライブラリの内部実装で使用されているクラス 11 まとめ  分散環境実験を支援する開発環境 AOSted を開発  実験プログラムの配布と起動  例外処理を分離して記述可能  関連研究  LAM/MPI, FT-MPI, Cuckoo MPI[實本 ‘05]  今後の課題  例外処理に関係する実装を完成させる 12