漢語語法の基礎知識5

NO0106
漢語語法 基礎知識5
補充篇
ここでは、「漢語語法基礎知識1~4」までで取り扱わなか
った語法要素について説明補充をします。これが終わったら、
《初級講読資料》に進み、辞書の使い方に慣れて、各種語法の
例外や、特殊な使い方を知りましょう。使える語彙が増えて行
きます。
ここでは 《中国語の文法書》同学社)《対外漢語教学実用語法》
(北京語言学院出版社)《基礎漢語》(商務印書館)の文例を参考に
しています。
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1-1 動態助詞
今問題になっている動作
(終わった
話)
(現在
過去
動作
がし
あた
るこ
と
経
験
未来を問わない)
動作
しし
てよ
いう
ると
将
然
経験:動詞+过
時間
たし
始
め
開
始
し
つ
つ
あ
る
進
行
動態とは:動作の流れ
に対する視点
し完
ち
ゃ了
っ
た
い の 持 持続:動詞+着
て結
い果 続
るが 動
持続と進行は動作によって重
続 作 なってくるので注意
各種の時態の表現はさまざまだが、ここでは2種の助詞による表現を知っておこう
経験:他以前去过中国。以前他没(有)去过中国。
他学过中文,没有学过法文。
持続:窗户开着,门没(有)开着。
那本字典上写着他的名字。这个本子没写着名字。
1-2その他の動態表現
将然:要…了 快要…了 就要…了 将要…了(文章表
現)
天要下雨了。 春天快要到了。 明天就要考试了。
天要下雨了吗。 还没呢。
開始:动词+起来
他突然哭起来了 。学生们唱起歌。
進行:正+动词
在+ 正在+
+呢
他们正吃早饭。 他们在吃早饭。他们吃早饭呢
他们正在吃早饭。他们正在吃早饭呢。
他们没(有)吃早饭。
2-1補語
方向補語
動詞の後ろについてその動作の方向を示す働きの補語単純方向補語と複合方向
補語がある。目的語がある場合、通常目的語を挟む。動態助詞は補語の後ろに。
単純方向補語
1 動詞+来 /去 拿来(持ってくる 近づく) 拿去(持て行く 遠ざかる)
带雨伞去(傘を持ってゆく) 进教室来(教室に入ってくる)
2 + 上 飞上(飛んで上る)
下 飞下(飛んで下る)
进 跑进(走って入る)
出 跑出(走って出る)
回 送回原处(本の所にもどす) 过 从桥上走过(橋を通りすぎる)
起 抬起头(頭を起こす)
开 翻开课本(テキストを開く)
実際の補語の使い方は各種の幅があるので、実際の用例には注意されたい
複合方向補語 上/下/进/出/回/过/起/开 + 来/去
飞上去了(飛んで上がっていった) 飞下来了(飛んで降りてきた)
跑进去(走って入ってゆく)
跑出来(走って出てくる)
送回原处去(本の所にもどしに行く)
抬起头来(頭を起こしくる)
2-2 補語 結果補語
結果補語は動作や変化の結果を具体的に示す。動詞や形容詞が用いられる。
“~してその結果~となる”ことを示す ので ”了“と共に用いられることが多い。
動態助詞はその後ろにつける。以下の例以外に多数あるので注意
動詞+動詞補語
听懂
学到
看完
我听懂了老师的话。 我没听懂。
今天我学到了第五课。 我没学到。
我看完了这本书。
我没看完。
動詞+形容詞補語
吃饱
喝足
睡好
听清楚
中国菜我吃饱了。
我没吃饱。
绍兴酒我喝足了。
我没喝足。
昨天我睡好了。
我没睡好。
老师的话我听清楚。 我没听清楚。
2-3 補語 可能補語
動詞と補語の間に“得”“不”を入れて“~して~とできる”“~しても~とはで
きない”という可能を示す事ができる
你 听得懂 听不懂?
君きいてわかる?
我听得懂。 我听不懂。できます できません
这本书你一天看得完看不完?この本一日で読み終えられる?
我 看得完 吧。 我 看不完。できるでしょう できません
这架收音机很贵,你买得起 买不起?
このラジオ値が張るけど、きみ買える?
我买得起。我 买不起。買えます
生词这么多,你 记得住 记不住?
買えません(金不足で)
新しい単語こんなに多いけど、覚えられる?
我记得住。我记不住。おぼえられます。できません
2-4補語 動量補語
どれくらいの分量を行ったかは補語で示す。動態助詞は動詞の後,補語の前に置く。
一般に目的語は補語の後ろに置くが、目的語が人称代名詞か呼称かで変わってくる。
人称代名詞の場合は一般に補語の前にくる。
回数
時間
这本书 我 已经 看了三遍 了。この本は私はもう三遍読んだ
我 去过 两次 中国。
私は二回中国に行ったことがある
我 踢了 他 一脚。
私は彼を一蹴りけった。
他们结婚 十年了。
彼らは結婚して十年たった。
老师 等了你 十多分钟。 先生は君を十分余り待った。
我 来中国 一年多了。
私は中国に来て一年あまりになった。
他们结婚还不到十年。
彼らは結婚してまだ10年たっていない
比較の量
姐姐 比妹妹 大五岁。
他 比我 高一头。
姉は妹より五歳年上だ
彼は私より頭一つ背が高い。
3 語気助詞
文末に来て、その文がどのような気分で発せられたのかを示す働き。既に学んだ変化
の“了” 疑問の“吗” 進行や“呢”等以外、他の語気助詞について触れておく。
ただし、語気助詞は文脈のなかで生きてくるので、文脈を踏まえて解釈すること。
呢 我吃米饭,你呢?(省略)
僕は飯を食べるけど、君は?
吧 给我吧。
这里的夏天好热呢 (誇張する感じ)
ここの夏はとてもあついねえ。
我们走吧。(推定や呼びかけの感じを示す)
僕におくれよ。 私たちは出かけよう。
嘛 自己的家,不必客气嘛。(当たり前だと言う感じを示す)
自分の家だ、遠慮することはないやな。
的 这道问题我懂的。他是刚从北京来的。(肯定の語気を強める)
この問題僕分かったよ。彼は北京から来たばかりだ。
呗 你怎么瘦了? 生活条件不好呗。(正直なところ~だと言う感じ)
君何でやせたんだ。生活条件が悪いからなんだよ。
罢了 他不过说说罢了,别当真。(~に過ぎない、言う感じを示す)
啊
彼は言ってみただけさ、信じちゃいけない。
这塔多高啊! 他明天来不来啊?(感嘆や軽い疑問の感じを示す)
この塔は高いねえ
彼は明日来るかね。
4-1特殊構文 反語と禁止
反語表現
你不是明天去东京吗?
明日東京へ行くんじゃないの
这场电影不是很有意思吗? この映画とても面白いじゃない。
你难道不赞成我的意见吗? まさか私の意見に不賛成じゃないだろう。
路这么远,不坐车,难道走去不成?
こんなに遠い道を車にのらず、まさか歩くんじゃないよね
我不信,哪儿有这样的话。私は信じない、どこにそんな話しがあるものか。
禁止表現
不能骗人
人を騙してはいけない。
不要大声说话。大声で話すな。
你别着急。 慌てるな。
请不要忘记。どうかわすれないように。
4-2特殊構文 兼語文各種
兼語文は、第一述語の目的語が次の述語の主語となる文のこと、使役や依頼
などの動詞が使われる
他的话
使
我
十分 生气了
彼の話は私に非常に腹を立てた
(彼の話に怒った)
我们
请
他
同学们
选
我
当
代表
我
不 认
您
做
老师
他
没 有
中国朋友
叫
定語
述語
主語
状語
唱
一支歌
私たちは彼に一曲歌ってもらう
クラスメートは私を選んで代表
にさせた(代表に選んだ)
私はあなたを先生のしごとをす
ることを認めない。
田汉
補語
彼には田漢という中国人の
友人はいない。
賓語
独立語
5処置式(把構文)
処置式は介詞の“把”を使って目的語を動詞の前に出し、それをどうしたかに重点を置く表現です。
よって目的語は既定のもの、また述語は補語や助詞などがつき特別の動作であることをしめすのが
普通です。なお、“把”のかわりに“将”を使うこともあります。
我
我
作完了
今天的练习
把 今天的练习
私は今日の練習を終えた。
私は今日の練習はやり終えた。
作完了
把 今天的练习
请你把你的工作经验介绍介绍。あなたの仕事の経験をちょっと紹介して下さい。
我还没(有)把那本书看完,明天再还你吧。
まだあの本は読み終えていないので明日返しましょう。
我们应该把生词记住。
新出単語をしっかり覚えねばならない。
他已经把这两个句子翻译成英文了。彼は既にこの2句を英語に訳してしまった。
主語
状語
定語
述語
補語
賓語
独立語
6 存現文(無主語文)
存現文は、形式上の目的語が述語の意味上の主語になる文章。自然現象の描写に多い。この
場合、形式上の主語を認めるか、無主語文とするか、難しい。日本語でも、 “~は”でうける文頭
の言葉が必ずしも動作の主語ではないので、主語の位置に出てくれば形式上の主語と考える場合
もある。その場合、文型は動賓結合を述語とする主述文の特別な形となる。
存現文
(主語無し)
下
雨 了
雨がふってきた
桌子上 有
两个苹果
意味上の主語
桌子上
有 两个苹果
テーブルの上に2個のリ
ンゴがある
形式上の主語
前边开过来一两汽车。
前から自動車が一台やって来る。
他家昨天死了一个人。
彼の家で一人死んだ。
1919年发生了五四运动。
1919年五四運動が始まった。
海面上升起一轮红日。
海から太陽が昇り始めた。
主語
状語
定語
述語
補語
賓語
独立語
漢語語法の基礎知識5
終了