新しいモーダルシフト

日本大学 商学部 秋川ゼミ
モーダラーズ
輸送においてのCO2の現状
日本の各部門におけるCO2排出量(2008年度)
■ 家庭部門
1億7100万㌧
■ エネルギー転換部門
7800万㌧
■ 工業プロセス部門
5000万㌧
■ 廃棄物部門
2600万㌧
産業部門
4億1900万㌧
CO2総排出量
12億1400万㌧
業務その他部門
2億3500万㌧
温室効果ガスインベントリオフィス「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」及び環境省「温室効果ガス排出量」より国土交通省政策統括官付作成
運輸部門におけるCO2排出量
100%
貨物分野全体で
運輸部門の38.8%
トラックだけで34.8%
90%
80%
70%
旅客分野
2900万㌧
《12.3%》
マイカー
1億1500万㌧
《48.9%》
60%
50%
40%
自家用トラック
4100万㌧
《17.5%》
営業用トラック
4100万㌧
《17.3%》
30%
貨物分野
(トラック以外)
900万㌧
《4.0%》
20%
10%
0%
温室効果ガスインベントリオフィス「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」及び環境省「温室効果ガス排出量」より国土交通省政策統括官付作成
輸送における環境対策
モーダルシフトについて
モーダルシフトとは
国土交通省の定義するモーダルシフト
環境負荷の高い
環境負荷の低い
転換!
モーダルシフトの現状調査
輸送機関の転換
問題
伸び悩んでいる…
鉄道
・リードタイムが不安定
・区間によって運賃が高い
・輸送本数が少ない
船
・リードタイムが長い
・限定された輸送範囲
・小ロットには適さない
「小さなモーダルシフト」と呼ばれる
もうひとつの環境対策
自営転換とは
全日本トラック協会の定義する自営転換
転換!
自家用車
営業用車
自営転換について
自営転換の現状調査
90.0
88.0
86.0
86.8
87.2 87.4 87.4
88.1
87.9
86.1
85.2
84.0
84.1
83.0
82.0
81.6
80.0
大きく進展!!
これ以上の推進は
難しい…?
80.0
78.0
78.4
77.2
76.0
75.7
74.0
76.3
72.0
70.0
68.0
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
営業用トラック輸送比率の推計例
そこで私たちは
実車率に注目!!
実車率とは…
荷物を
運んだ距離
実車キロ
実車率=
走行キロ
自動車が
走った距離
実車率
100%
帰り荷あり
荷主
納品先
50%
帰り荷なし
荷主
納品先
実車率の現状
営業用車
年度
実働率
実車率
積載効
率
自家用車
特殊用途
軽自動車 普通車
車
小型車
18
68.97
64.82
73.99
66.35
48.84
57.51
62.07
63.27
19
69.04
64.73
74.01
66.34
49.06
57.61
62.52
63.06
20
67.75
64.13
73.1
66.69
48.61
57.44
63.58
63.05
18
72.14
62.56
69.17
66.83
49.54
22.65
57.22
16.25
50.09
22.73
58.86
16.11
50.62
22.71
60.06
16.36
19
72.01
63.7
69.43
67.24
かなり低い数字
20
73.37
66.25
72.35
71.04
になっている!
小型車
特殊用途
軽自動車
車
普通車
18
50.03
28.9
48.98
33.04
36.61
9.83
33.33
8.55
19
49.57
28.84
47.87
33.89
36.72
9.67
33.48
8.42
20
48.44
29.38
48.83
33.93
36.12
9.57
34.28
8.37
50%以下の実車率
乗用車としての走行
無駄な走行
小型・軽の実車率 1 %向上
CO2に概算
東京ドーム
717803 t- CO2
実車率を上げるために
共同物流とは?
自家用トラックで輸送を行う企業が連携
外部委託して営業用トラックに転換
行きと帰りの荷物を確保
実車率
UP!
進める上でのポイント
既存の団体がリーダーシップを図る
グリーン物流パートナーシップ会議の活用
実車率を上げるために
①共同物流
トラック・カーシェアリングとは?
トラックを使う企業向けのカーシェア事業
進める上でのポイント
既存企業がトラック・カーシェアリングを実施
トラックは自家用トラックを下取りして確保
利用者に手間をかけない体制づくり
実車率を上げるために
①共同物流
②トラック・カーシェアリング
補助金申請基準①
エコカー補助金
車両年数、車重区分別の燃費を基準
買い替え補助金
燃費のみを基準
Ex.基準値→20Km/ℓ以上
補助金申請!!
22Km/ℓ
補助金申請基準②
エコカー補助金
所有車の廃車をする、しないに関わらず補助金申請
トラック買い替え補助金
所有トラックの買い替えを必須とし、補助金申請
台数の削減
CO2削減!!
基準の変更
環境性能の良い乗用車の普及
買い替え必須
燃費の差だけ、CO2が削減
CO2削減効果
買い替え補助金によるCO2削減効果
Ex. 補助金額
小型トラック 20万円/台
軽トラック
10万円/台
それぞれ80万台の買い替えを実現した場合、
京都議定書に基づく削減目標量への達成割合で見ると…
運輸部門の達成割合
全体の達成割合
約10%
約2.1%
CO2
削減!!
予算面
エコカー補助金
約
約
買い替え補助金
3,400億円
5,837億円
削減!!
約
2,400億円
少ない予算で
国は推進できる!!
まとめ
~実車率の向上によって~
概念を変えた
新しいモーダルシフ
ト
国土交通省の定義するモーダルシフト
環境負荷の高い
環境負荷の低い
転換!
新しいモーダルシフト
既存のモーダルシフト
①
トラック
鉄道・船舶
CO2削減
概念を広げたモーダルシフト
② 自家用トラック
営業用トラック
③ 自家用トラック
普通車
④ トラックの共同利用
施策例
買い替え補助金
サポート
共同輸送
カーシェアリング
実車率
向上!
シフトしてみませんか?
CO2削減に貢献し
未来への“環”に…
参考文献
〈論文〉
•
•
•
•
•
•
尹仙美 『自家用トラックから営業用トラックへのモーダルシフト可能性』
山本淳 『道路貨物輸送における自家輸送対営業輸送の問題について(上)』
秋田直也、小谷通泰
『荷主・物流事業者の意向分析からみた自営転換の促進課題』
飯岡幸大、石川友保、 苦瀬博仁、岩尾詠一郎
『中継地の位置の違いを考慮した走行距離と走行台キロの変化に関
する共同配送の事例分析』
小野秀照、洪京和、矢野祐児
『国際海上コンテナ貨物の利用港湾変化による環境負荷削減に関す
る研究』
高橋洋二、大塚敬、原田昌彦、関恵子、福塚裕子
『CO₂削減のためのモーダルシフト実証実験における企業戦略に関す
る実証分析』
参考文献
<文献>
•
国土交通省 政策統括官付参事官(物流政策室)
『モーダルシフト等の推進』
• 社団法人 兵庫県トラック協会
『幹線沿道地域の自営転換促進に関する調査報告書』
• 全日本トラック協会
【平成21年度版】『トラック輸送産業の現状と課題』〈特別編集版〉
『日本のトラック輸送産業』(2009)
参考文献
<webサイト>
•
•
•
•
•
•
•
経済産業省 News Release
『自家用自動車を対象としたエコカー補助金の交付申請受付終了方法』
http://www.meti.go.jp/press/20100730001/20100730001.pdf
経済産業省製造産業局自動車課 国土交通省自動車交通局総務課企画室
『環境対応車への買い換え・購入に対する補助制度について (追補版) 』
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/100329sanko
ushiryou.pdf
レスポンス自動車ニュース 2010年4月13日
『新車販売、エコカーが73.1%に…減税&補助金効果』
http://response.jp/article/2010/04/13/139080.html
環境ビジネス.jp 『経済産業省による「エコカー補助金」(平成21~22年度)』
http://www.kankyo-business.jp/topix/ecocar_topix_01.html
首相官邸 『京都議定書目標達成計画』
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kakugi/080328keikaku.pdf
軽トラック研究会
http://www.hinanet.ne.jp/~k-truck/
参考文献
<webサイト>
•
•
•
•
•
•
•
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/
国土交通省 『自動車燃費一覧』
http://www.mlit.go.jp/common/000037089.pdf
国土交通省 『自動車輸送統計調査 平成20年度分』
http://www.mlit.go.jp/k-toukei/search/pdf/06/06200800a00000.pdf
一般社団法人 次世代自動車振興センター
http://www.cev-pc.or.jp/
鉄道の輸送力増強
http://www.ecomo.or.jp/environment/kotsu2008/data/unyu_koutuu_to_kankyo
u_2008_3-1_1-3.pdf
JR貨物 NEWS RELEASE 『「隅田川駅鉄道貨物輸送力増強事業」の実施に
ついて』
http://www.jrfreight.co.jp/common/pdf/news/200907-03.pdf
参考文献
〈取材先〉
•
山中紙業・・・・・・・・・・・・・代表者様 1名
訪問日 2010年 7月29日
•
国土交通省政策統括官付参事官(物流政策室)・・・・・担当者様 2名
訪問日 2010年 5月21日
•
全日本トラック協会・・・・・ 企画部課長様・他2名
訪問日 2010年 6月18日
•
アサヒ飲料株式会社・・・・SCM部課長様・SCM主任様
訪問日 2010年 7月9日
•
栗林商船株式会社・・・・・・取締役総務部長様・係長様
訪問日 2010年 8月18日