津野町における保健活動 ~社会的弱者への個別支援を通じて 健康格差を考える~ 高知県津野町役場 池 香 津野町概要 ・人口6,742人 (平成22年10月1日現在) ・保健衛生係4名 ・保健師5名 地区分担・業務分担 (個別支援は地区担当保健師) ・地域包括支援センター1名 ←不入山(四万十川源流点) ↓四国カルスト 20基の風車が完成 稼動している 葉山風力発電所 津野町概要 ・人口6,742人 (平成22年10月1日現在) ・保健衛生係4名 ・保健師5名 地区分担・業務分担 (個別支援は地区担当保健師) ・地域包括支援センター1名 津野町の保健活動の歴史 ・S58年老人保健法 集団アプローチを中心とした活動。 成人病対策に関する訪問活動。 医療環境が不十分⇒無医地区巡回診療 移動精密検査 在宅介護サービス 保健・医療・介護業務を平行して行う 津野町の保健活動の歴史 ・平成元年~平成17年 保健業務の多様化。他職種、住民の力を巻き込んだ 健康づくり活動の必要性。 ↓ 住民組織の育成 ○健康づくり推進員 自分達で考え自分達 ○食生活改善推進協議会 で活動する楽しさを ○健康づくり婦人会 知る 津野町の保健活動の歴史 ・平成元年~平成17年 住民の健康習慣の定着を意識した環境整備 ○総合保健福祉センター (プール・トレーニングルーム・サウナ・浴室) ○B&G海洋センター (プール・トレーニングルーム・体育館) ○運動公園 (グラウンド・ゲートボール場・テニスコート・体育室) ○森林セラピーロード 津野町の保健活動の歴史 死因別死亡SMR(平成16年~平成20年) 男 女 悪性新生物 68.2* 76.2 心疾患 124.6 94.1 脳血管疾患 99.2 97.8 肺炎 143.7* 75.4 不慮の事故 208.4* 115.0 自殺 130.0 74.7 *有意差あり 津野町の保健活動の歴史 ①がん検診受診率(平成20年度) (%) 津野町 高知県 胃がん 28.5 9.8 肺がん 57.1 23.6 大腸がん 26.1 12.3 子宮がん 51.3 13.9 乳がん 29.9 11 津野町の保健活動の歴史 特定健診受診率(平成21年度) (%) 50~ 59歳 60~ 69歳 70~ 74歳 全体 津野町 40.14 30.40 47.65 51.08 44.20 高知県 13.37 18.44 26.81 29.44 24.07 40~ 49歳 生活習慣病予防・健康増進活動 住民力 環境 おおむね確保された 保健活動の転換 平成18年 ・障害者自立支援法による相談支援事業の 開始 ・医療保護観察法のケース対応 ↓ 個別支援への課題がみえてきた ・各保健師の裁量に任せた個人プレー ・健康課題が重く、顕在化してからの支援開始 保健活動の転換 ★場当たり、個人プレーではなく町組織と して支援方針を決定して活動したい。 ★支援が必要な人を見逃さない。将来を 予測しつつ、先を見通した支援をしたい。 ↓ 精神障害者への支援基準づくり 保健活動の転換 精神保健台帳整備 ・入院中 ・自立支援医療受給中 ・要支援者⇒支援基準検討対象者 ・状況不明 ・他サービス利用中 ・削除 保健活動の転換 ・支援基準表 区分 方 法 A 課題があり確実に介入の必要な ・支援方針をたて、随時 ケース 対応する ・数回/月の対応 B 支援方針に基づき、定期的に対 応するケース ・訪問、電話で直接対応 ・最低1回/月の対応 C 間接的に情報収集し、必要時対 応するケース (見守りケース) 1回/年以上の状況把握 対応終了 3年以上直接的な関わりを必要 としなかったケース 保健活動の転換 成果 ・アセスメント力(将来の姿を見通す) ・「今必要な支援は何か」意識した保健活動 ↓ 障害保健〈知的・身体・精神・発達障害・難病〉 母子保健〈養育困難・虐待〉 引きこもりへも応用 丁寧な個別対応が必要な保健活動には効果的 津野町の保健活動 ★一般的健康増進・疾病予防対策 ①住民の自主的な健康づくり活動を応援 健康づくり組織活動サポート 各種運動サークル、運動教室の促進 ②健康増進施設を活用した健康づくり活動の促進 メタボ対策・介護予防・子どもの体力づくり 資源をフル活用し、 健康的な生活習慣の定着・維持を目指す 関係機関 住民 津野町の保健活動 ★社会的脆弱者への個別支援活動 自身で健康課題、生活課題を解決することが難しい。 生活の質の低下・活動性の低下・社会性の喪失等 健康的な生活をおびやかす (生活習慣病 要介護状態 精神疾患等) 支援者が早期に関わることで健康課題の重度 化を防ぎ、健康水準の維持・向上へと働きかける
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