トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 I. 植民地主義とナショナリズムの2つの類 1.「同化」。原住民を、西洋にある「普遍的」であると される価値観および像に変形させる。 2.「協同」。相当主義、ナショナリズムに関わる。 植民地の原住民を支配する、文明化させる。 1 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 II. 対立する人道主義とナショナリズム (この論では、共和主義はナショナリズムに含まれている) 1.人道主義の目的: 奴隷制の廃止 人類の平等 人権、公民権の促進 民主主義の促進 2 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 II. 対立する人道主義とナショナリズム~続き 2.ナショナリズムの目的: 自分の国を優位の位置に置く 自分の国の力を他の領域に拡大させる 自分の国の啓蒙、文明を通して「劣等」の国を導く 奴隷制を正当化する 植民地戦争を正当化する 皮肉な例:『アメリカの民主政治』で人道主義をほめたトクヴィルは、ア ルジェリアの征服を正当化した。 3 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 III~IV. チュニジアの征服を正当化した政治家 19世紀末のフランス教育大臣、共和主義者の ジュール・フェ リーによる、植民地主義を正当化する3つの理由: 1.経済的な理由:余剰資本、過剰産物は「当然に」 これら必要とする機会を植民地に見出す 2.政治的な理由:政治的な力のある国はそれ以上の 経済的な優越を持つ。 3.人道的な理由:優越国の影響力 は世界に広げなければならない。 4 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 V. 植民地主義を行う国の利益のために植民地主義が行われる アジアやアフリカにある「寄港地」(中国、マダガスカル、チュニジア)は フランスなどの支配国のための寄港地である 植民地の政治問題を本国の政治問題に適合させる フランスや英国はお互いに植民地の管理をゆずり合う: フランス=トンキン(ベトナム)、英国=エジプト フランス=チュニジア、英国=キプロス 5 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 VI. 以前の征服・現在の植民地主義による 「世界帝国」の原料 中国、安南(ベトナム)が提供する鉱石と安価な労働力 以上のような資源物を活用する「チャンピオン」の国が、 当然に人間の願望を満し、以前のコンキスタドールも現在の植 民地主義者も英雄であり、道徳的にも正解であるはず。 6 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 VII. 植民地主義を支持するナショナリズム主義と人道 主義との共存 教育大臣であったフェリーが促進したフランスにおける無 料義務公立教育と、植民地主義による教育や文明を持 ち込む「使命」 との間に共通点がある。 7 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 VIII. 文明の普及という活動は、必然的に「介入」を 要求する。 フェリーによると、「優越した人種」は「劣等した人種」 への義務を持つ。 この義務は占領、植民地戦争さえを正当化する権利 を与える。 8 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 IX.国会(議会)での植民地主義への反対 1. 2. フェリーの提案は、文明の名で野蛮な行為を正当化する 「提案すること」(=教育と文明)と押し付けること(=植民地支 配、占領、戦争)は相当に異なる フェリーの答えは、政治と道徳(人道)を対立なものにする: 1.反対者の議論は「政治的形而上学」である 2.「劣等人種」における平等、自由、独立がないことに余地はない。 政治的な当時の議論であるからこそ、道徳や人道は話ならな いはず。 9 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 X. フェリーの言説を構成したフェリーの政治家とし ての人柄(権力者):ブルデューを参照 フェリーによると、植民地の原住民が相互的な利益 のためにヨーロッパ人を「呼んだ」 ヨーロッパ諸国との条約が破棄された場合、 原住民は自分を、ヨーロッパによる武力的な 介入や罰を受ける状態に置く、と。 10 トドロフ、 『われわれと他者』 ~植民地主義とナショナリズム パラグラフごとの説明 XI. その結果:ナショナリズムによる、フランス革命 から第一次世界大戦までのイデオロギーと政策 1.何百万人の死者 2.解決策はまだ見当たらない政治状況 11
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