Real Time PCR Ver.2.00 TaqManプローブ法 Taq Man プローブの構造 Taq Man プローブが単独であるとき、レポーター色素の 励起光を照射するとレポーターが蛍光を発しますが、レ ポーター色素の蛍光波長がクエンチャー色素の励起波 長に近似しているため(約500~600nm)レポーターの 蛍光エネルギーはクエンチャーの励起エネルギーとして 使用され、クエンチャーが蛍光を発します。このためTaq Man プローブが単独であるときには、レポーターの蛍光 が抑制されます。 励起光 R Q 蛍光共鳴エネルギー移動現象 FRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)とは・・・. D+ 励起状態 D+ A+ 熱蛍 な光 ど、 光 励 起 D 基底状態 光 励 起 FRET A D 励起された蛍光団 (Donor : D+) は,そのエネルギーを蛍光や熱エネル ギーとして放出しようとする. 特定の条件を満たす分子 (Acceptor : A) が存在すると,共鳴による励起エネ ルギーの移動 (FRET) が起こる.この時,エネルギーを失った Donor は基底 状態にもどり,同時にエネルギーを受け取った Acceptor は励起状態となる. D を励起し,FRET が起こると,励起状態の A を得ることができる.例えば 蛍光物質である場合,D を励起すると,(FRETが起こり)A が励起されるた め,A からの蛍光を得ることが可能である. 光 励 起 95℃ R Forward Primer 5´ 5´ Q 3´ 3´ 5´ 5´ 3´ 5´ Reverse Primer 95℃ Forward Primer 5´ 励起光 3´ R 5´ 70℃ Q 3´ 5´ 5´ 3´ 5´ Taq ManプローブはPrimerよりも先にハイブ リダイゼーションする(68~70℃付近) Reverse Primer 70℃ 励起光 Forward Primer 5´ 3´ 5´ R Q 3´ 60℃ 5´ 3´ 5´ 5´ Reverse Primer Taq Manプローブの次にPrimerがハイブリダ イゼーションする(58~60℃付近) 60℃ 励起光 Forward Primer Q R 5´ 3´ 5´ 3´ 5´ 5´ Reverse Primer PrimerにDNAポリメラーゼが結合して伸長 反応が進む。 励起光 Forward Primer 60℃ R Q 5´ 3´ 5´ 3´ 5´ 5´ Reverse Primer DNAポリメラーゼの伸長方向にDNAがあると、 5´-3´エキソヌクレアーゼ活性により分解され る。 励起光 R 60℃ Q 5´ 3´ 3´ 5´ 5´ 3´ 3´ 5´ Taq Manプローブが分解されるとレポーターと クエンチャーが離れ、レポーター色素の蛍光が 検出できる。 Taq Manプローブの利点 プローブが分解されることにより生じる蛍光を検出 するので、目的DNAの増幅を正確に反映する。 ( SYBR Greenを使用するときには気をつけなくて はいけない、Primerダイマーなどの非特異的反応 は検出されない。) Taq Manプローブの欠点 Primerとアニール温度が異なるようにプローブの設計 に注意しなくてはいけない(難しい)点がある。( SYBR Greenを使用するときはPrimerを用意するだけです む。)プローブが高価である。 参考文献 羊土社 ここまでできるPCR最新活用マニュアル、Applied Biosystems Japan資料、 タカラバイオ株式会社 http://www.takara-bio.co.jp/index.htm
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