子どもの遊びにおける 協調と対立の ゲーム論的分析

子どもの遊びにおける
協調と対立の
ゲーム論的分析
青山学院大学
森平菜津子・佐伯 胖
はじめに
子どもの仲間関係を観察すると、リーダーと
思われる子どもがよく観察される。
このような階層的仲間関係は、一般的にリー
ダーとなる子どものパーソナリティーや能力
に帰属して考えらており、関係論的視点から
の研究は少ない。
目的
子どもの遊びを巡る集団づくりのプロセスに
ついて、マルチエージェント・シミュレーション
をもちいて、その形成過程を再現し、特に、一
人一人の相互交渉によってリーダー的なエー
ジェントが出現する可能性について検討。
子どもの交渉
子どもは、限定されたクラスという集団の中で、
遊びを成立させる上で、誰かと関係を維持し
なければならないという状況に置かれている。
他者と協調、あるいは対立しながら遊び仲間
を形成していくとき、結果的に民主的な集団
となる場合もあれば、リーダーを中心とした階
層的な集団となる場合もある。
事例
• 遊びを広める影響力を持つリーダーUの仲間形成に関する
事例の検討(4~5歳児1999~2000)。
【事例1】Uくんのリーダーシップ①/4歳児(1999.11.24)
(概要)登園後、それぞれがそれぞれの場所で遊んでいる男子に向かい、Uくんが号令をかける。
①U→:「みんなしゅうごう。いちれつにならべ」
I・S・O・T:(Uのところに走って駆け寄る)
②U→:「まえ、ならえ」
I・S・O・T:(前倣えをして一列に並ぶ)
③U→:(巧技台を持ってきて)「これをとんで、こっち
までこい。おしりをついちゃだめだぞ。みてろよ」
(跳んで見せる)
I・S・O・T:(順番に跳ぶ。Sだけ「合格」で、あと
は「不合格」といい、UとSで「だっせー」と言う)
④U→(トランポリンの前に移動し)「いいか、こうやってとぶんだ」
I・S・O・T:(順番に跳ぶ。「Sくん2m、Oくん1m」などと適当
にUが評価する)
↓
(他にもこういった競争を続ける)
①U:タカ
○
②U:タカ
○
③U:タカ
○
Iら:ハト
×
Iら:ハト
×
Iら:ハト
×
④U:タカ
○
Iら:ハト
×
【事例2】Uくんのリーダーシップ②/4歳児(2000.1.18)
(概要)Oくん、Iくん、Uくんの3人は、箱積み木で遊んでいる。
①I→U・O:「めいろをつくろう」
U:「いいね」
②U→I・O:「なが(いつみき)もってこい」
I・O:(言われたとおり長いブロックを一つ一つ運んで積み重ねるが、
そのうち積み木が高くなっていくことに二人は夢中になって、どんどん
運んでは積み重ねる)
③U→I・O:「もういい」「これそっちにおして」
I・O:(積み重ねたブロックを移動しようとするが、重くて中々動かない
ので、嫌になったのか、隣の遊戯室にいき、巧技台で遊びだす)
④U→I・O:(しばらくして2人がいなくなったのに気づき探しに行く。見つ
けると、突然2人にキックし、怒っている様子)
I・O:(しぶしぶ戻るが、もう遊ぶ気にはなれないのか、Oはその場に立
っているだけであり、Iはその通りにやっている)
⑤U→O:「Oくん、よそみしてんじゃねー」
O:(仕方なくといった感じで、足で積み木をうごかす)
U→O:「あしばっかでやってんな」(Oくんを叩く)
↓
(その後も、Uは命令口調で、迷路は完成しないまま遊びが終わる)
①I:ハト
◎
②U:タカ
○
U:ハト
◎
Iら:ハト
△
③U:タカ
△
Iら:タカ
△
④U:タカ
△
Iら:タカ
△
U:タカ
△
O:タカ
△
【事例3】Uくんのリーダーシップ③/5歳児(2000.7.18)
(概略)「ドッジボールやらない?」というU提案で始まったが、当番の仕事で一度抜ける。終わってUが
戻ってくる。
①U→ :「ピピー。みんなやめて。チームわけをします」
S・I・G・D・Y・O・H(以下メンバーM):(ゲームをやめてチー
ム分けのじゃんけんし、もう一度始める)
②U:(相手チームにあるボールを取ってしまう)
S→U:「Uくんずるいよ」
U→S:「あしがでてないから、とってもいいんだよ」
S:(涙ぐむ)
U→S:「こっちにこい」(自分のチームに入れようとする)
S:(ついていく)
③U:(一人でボールを取り続ける)
Y→U:( Uと同じチームのYが)「Uくんずるいよ」
U→Y:「え?」(とぼける)
④U→S:(Sの取ったボールを)「かして」
S→U:「だめだよ」
U→S:「○○あげるから」
S→U:(渡す)
(中略)
⑤U:(外野と内野を勝手に移動する)
S→U:「Uくんだめだよ」
Y→U:「だめだよ、そんなの」
U→S・Y:「いいんだよ、おにいちゃんのルールではいいんだもん」
O・H→U:「ちがうよ」
↓
(先生が間に入り、みんなでルールを話し合うようアドバイスする)
①U:タカ
○
M:ハト
×
②U:タカ
M:タカ
↓
ハト ○
↓
ハト ×
③U:タカ
↓
ハト ○
④U:タカ
↓
ハト ○
M:タカ
↓
ハト ×
M:タカ
↓
ハト ×
⑤U:タカ
M:タカ
リーダーシップとは
どのような方略であれ、結果的にUくんの意
見が通る。
集団に大きな影響を持つ人が存在
(リーダー)
なぜか?
Uくんに見られる、リーダー特性
遊びが面白い
強気(実際強い)
相手の裏切りに敏感
遊びのアイデアが豊富
この特性が集団においてどのように作用し
ているかを、シミュレーションによって分析。
方法~遊びを巡る相互交渉のモデル~
 クラスという有限空間を想定し、n人の子どもが遊んでいる。
 各子どもはそれぞれ遊びたいことがあるが通常は各自異なっているため、一
緒に遊ぶ場合はどちらかを選択しなくてはならないという状況。
 その際、出会った友達と同時に自分の遊びを強要するときと(タカ派戦略)、
強要しないが提示するだけの場合(ハト派戦略)があり、確率pでタカ派戦略
をとるとする。
 相手に遊びを強要されたとき、タテマエとして相手に合わせるが、次に違う相
手と交渉するときはホンネの遊びで交渉し常にホンネ同士をぶつけ合うとす
る。ただし、お互い合意の上決定した場合(両者ともハト派)はそれが自分の
「ホンネ」となる。
 遊びには固有の面白さ(Incentive)があらかじめ設定。
 交渉ごとに、不満度(Dissatisfaction)とタカ派確率(p:好戦度)が変化し、相
手の戦略とその対戦結果によって次の交渉(n+1回目)に表1のような影響を
与えるとする。
 ここで、α(0<α<1)は不満度変動係数を表し、プレーヤー毎に設定される。
大きいほど不満と満足の起伏が大きい。β(0<β<1)は戦意変動係数を表し、
プレーヤー毎に設定される。こちらも大きいほど好戦性の変動が激しくなる。
よって、どちらも大きいほど交渉結果に対し敏感であると言える。
タカ
B
タカ
I×D=0.5×1.0
A
I×D=1.0×1.0
D・・・> ↑
P・・・> ↓
D・・・> ↓
P・・・> ↑
ハト
C
I×D=0.5×1.0
ハト
A
I×D=1.0×1.0
D・・・> ↓
P・・・> ↓
D・・・> ↓
P・・・> ↓
Dn+1
勝
Pn+1
タカ対タカ
Dn+1
負
Pn+1
Dn+1
タカ
Pn+1
タカ対ハト
Dn+1
ハト
Pn+1
Dn+1
ハト対ハト 両者
Pn+1
=
=
=
=
=
=
=
=
=
=
(1-α)Dn
Pn + β(1-Pn)
Dn + αDn
(1-β)Pn
Dn - 0.5αDn
Pn
Dn + 2αDn
Pn + β(1-Pn)
(1-α)Dn
(1-β)Pn
表1 不満度(D)と好戦度確率(P)の増減
オーバーリアク
ション
=外向的
結果に敏感
=激しい交渉
大
不満が溜まり
やすく、解消も
しやすい
小
=おだやかな交渉
大
β
α
結果に鈍感
戦略の変更
が激しい
不満が溜まり
にくいが、解
消もされにくい
あまり変更 小
しない
内側は激しいが
表面化しない
=内向的
1.遊びの魅力の影響
 魅力の異なる10種類の遊び(I1 = 0.1, I2 = 0.2・・・
I10 = 1.0)を1エージェントにつきどれか1種類だけ保
持しているとし、10種類×3人 = 30人の相互交渉を
シミュレーションする。
I=0.1
I=0.2
I=0.4
I=0.3
I=0.5
I=0.6
I=0.7
I=0.8
I=0.9
I=1.0
 その他、不満度変動係数α、好戦度変動係数βの値
はそれぞれ0.3、不満度初期値5.0、好戦度初期値
0.5と全員同様に設定し、遊びの魅力の集団への影
響を調べた。
結果1
 2000ステップまでの平均普及率を調べると、遊びの
魅力が高いほど、遊びが集団に広まりやすい。
⇒遊びの「面白さ」に人は惹かれやすい。
0.35
0.3
0.25
0.2
遊び普及率
0.15
0.1
0.05
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10
遊びの種類
図1 遊びの魅力の大きさが遊びの普及に及ぼす影響
2.エージェントの性質の影響
 性質の異なるエージェント同士の相互交渉をシミュ
レーションする。
 クラスにはα =βで、性質の異なる10種類のエージェン
ト(α = β = 0.1,α = β = 0.2・・・, α = β = 0.95)がそれ
ぞれ異なる種類の遊びを保持しているとする。
α=β=0.1
α=β=0.2
α=β=0.4
α=β=0.3
α=β=0.5
α=β=0.6
α=β=0.7
α=β=0.8
α=β=0.9
α=β=0.95
 その他、遊びの魅力はそれぞれ0.5、不満度初期値
は5.0、好戦度初期値0.5と全員同じに設定し、エー
ジェントの持つ性質が集団に与える影響(それぞれの
保持する遊びの普及率)を調べた。
結果2
 1000ステップまでの平均普及率を調べると、α,β値
が低い、つまり「おだやか」な人の遊びほど普及しや
すいといえる。
⇒「短気は損気」
0.5
0.4
0.3
遊び普及率
0.2
0.1
0
1
2
3
4
5
6
7
遊びの種類
8
9
10
図2 エージェントの性質が遊びの普及率に及ぼす影響
3.遊びの種類の多さの影響
 遊びの種類を多く持つエージェントと、そうでない
エージェントとの相互交渉をシミュレーションする。
 遊びを5種類持つエージェント1と、1種類しか持た
ないエージェント2,3,4,5,6の6人の交渉から、
遊びを多く持つことの集団への影響を調べる。
 その他、遊びの魅力はそれぞれ0.5,不満度初期値
は5.0、好戦度初期値は0.5、α、βはそれぞれ0.3と
全員同じに設定した。
結果3
 遊びの種類を多く保持するエージェント1の遊びが
最も集団に普及した。
⇒同じ遊びを繰り返すことの「飽き」に対応
0.35
0.3
0.25
0.2
遊び普及率
0.15
0.1
0.05
0
1
2
図3 遊びの種類の多さに対する遊びの普及率
問題
現実には、様々な特性が入り混じっている。
面白いが激しい
つまらないが穏やか
例外も起こる。
結果のみしかモニターできていない。
結局、リーダーシップは個人特性に依存する
のか?
二つの方法
1.個人的特徴を除外し、同質のエージェント間
交渉のみから、リーダー的エージェントが生
成される可能性についてシミュレーション。
2.リーダー的特性を持っていてもリーダーとな
らなかったときについて、交渉のプロセスにお
いて何が起こっていたかを調べる。
1.同質エージェント間交渉
最終的に遊びを最も広めた影響力のある
エージェントを「リーダー」とする。
「敏感さ」によって(⇔交渉の結果に左右され
ない「鈍感」)、出現するリーダーと、その形成
されたグループの質について調べた。
見た目では、敏感なほど「激しい」 ⇔鈍感な
ほど「おだやか」な交渉となる。
n=10で、好戦度初期値を0.5、不満度初期値
を5.0とする。
1の結果~リーダーの出現頻度~
 α=β=0.3~0.5にかけ
て、リーダーが出現し
やすい。
 α=β=0.6を過ぎると
リーダーはほとんどみ
られない。
→おとなしい交渉の方が
リーダーが出現しやす
い。
0.45
0.4
0.35
0.3
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
0
リーダー出現頻度
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
図4 リーダー出現頻度(21回中)
~ステップ数と不満度~
 リーダーが出現したとき、
α=βが大きいほどエージェ
ントの不満度は低く、交渉
も長続きする。
→交渉の「激しさ」に対し、内
面はおだやか。
反対に、交渉の「おだやか
さ」に対し、内面は不満が
溜まっており、関係も継続
しない。
6000
5000
4000
3000
平均ステップ数
2000
1000
0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
(α=β)
7
6
5
4
平均好戦度
3
平均不満度
2
1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
(α=β)
図5 敏感さとステップ数、好戦度・不満度の関係
~リーダーとフォロアーの違い~
 α,βとも低いときは、自分
の遊びを広めることによっ
て自分が不満を抱えるコス
トも負うことになるが、リー
ダーになり易いので、うまく
いけば満足も得ることが出
来る。
→相手がどう出るかが重要
 一方、α,βが高くなると遊
びを広めるコストがなく、実
現すれば大きな満足を得ら
れるので、広めようとする
傾向が高まる。
→相手がどう出ようと強気
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
-0.2 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
-0.4
-0.6
-0.8
-1
Follower
不満度(F>L)
不満度(F<L)
Leader
図6 LeaderとFollowerの不満度割合差
~リーダーの特徴~
650
610
570
530
490
450
410
370
330
290
250
210
170
130
90
50
10
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
図7 各エージェントの不満度
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
図8 遊び9の普及率の推移
650
610
570
530
490
450
410
370
330
290
250
210
170
130
90
50
9
10
 α=β=0.4のとき、リーダー
(9)は特に遊びを広めるよ
うな特徴が見られなかった
が、150ステップのときエー
ジェント3がリーダーの遊び
になる。
 エージェント3の不満度に
よって、遊びが広まった
→強力な援護者のバックアッ
プ
 α=βが大きくなるにつれて、
その傾向はなくなる。
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
再検討
同質のエージェント間交渉からリーダー的
エージェントが出現したとすると、交渉によっ
て学習したエージェントは、同じ環境下で本当
に影響力を持つかを検討。
変動係数(α、β)は同じで、初期値にそれぞ
れ学習の履歴を与えた。
結果
最終的に最も影響力を持つことは特になかっ
た。
どの状況 (α=β=0.1・・・0.9)においても、リーダ的
エージェントが出現することがほとんどなかった。
リーダー特性は場の状況に特有のもの。
2.リーダー特性が生かされないとき
<遊びの魅力が高いの
に広まらない場合>
 普通、D*Iで勝敗が決
まるので、0<I≦1.0の
とき、I=0.9でDが大き
ければ遊びが普及する
はずだが、ここではそ
れが見られない。
25
20
15
好戦度
不満度
10
5
0
1 15 29 43 57 71 85 99 113 127 141 155 169 183 197
ステップ数(×10)
0.35
0.3
0.25
0.2
9の遊び普及率
0.15
0.1
0.05
0
1 15 29 43 57 71 85 99 113 127 141 155 169 183 197
ステップ数(×10)
図9 遊び魅力と普及率の関係①
 一方で、不満が高くて
遊びが普及できても、
その満足で不満度が一
気に下がると、遊びが
普及しなくなる。
7
6
5
4
好戦度
不満度
3
2
1
0
1 16 31 46 61 76 91 106 121 136 151 166 181 196
ステップ数(×10)
0.25
0.2
0.15
遊び普及率
0.1
0.05
0
1 16 31 46 61 76 91 106 121 136 151 166 181 196
ステップ数(×10)
図10 遊び魅力と普及率の関係②
2の結果
不満が募る→不満を解消する方に働く→遊
びを広める、という基本的な筋道も、遊び相
手との相互作用によって、例外的作用を引き
起こすことが充分起こりうる。
特性に頼らなくても遊びを広めるチャンスが
ある。
これまでの考察
 リーダー特性と思われるものが、リーダーになりや
すい傾向性を示したとしても、現実には複合してい
るなどの複雑性を持っているため、何が影響してい
るかを特定することは出来ない。
 相互作用のみからリーダー的エージェントが出現し
たとしても、援護者が影響していたり、再検討でそれ
がリーダーの特性を表すものではなかった。
 リーダー傾向性を持っていないエージェントが抜き
に出る余地は充分にある。
⇒リーダー特性は限定できない
⇒他者との交渉に依存
事例の再検討
Uくんがリーダーであったのは、最初に想定し
ていたUくんのリーダー特性の影響だけでは
ない。
それでもUくんがリーダーであり続けられたの
はなぜか?
Uくんの戦略①
1999年11月ごろはUくんの強制的主導性(タ
カ的主導性)に対し、メンバーはほとんど拒否
することなく従っている。
→相手の出方の様子をうかがい合っている時
期(α=βが小さい時期)
Sくんのサポートによって、影響力を広めるこ
とに成功。
Uくんの戦略②
しかし、2000年1月以降、メンバーの拒否行
動が高まり、いつも強気ではいられなくなる。
→相手の出方に反応を返すようになる時(α=β
が少し大きくなる時期)
ハト的主導性に移行することで、影響力を保
とうとする。
12
10
(回)
8
強制的主導性
協調的主導性
6
4
2
0
99'6月 7月
9月
10月
11月 00'1月 2月
3月
4月
5月
6月
7月
9月
図11 Uくんの強制的主導性と協調的主導性の変化
70
60
40
拒否行動率(%)
30
20
10
図12 メンバーの拒否行動率
9月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
00
'1
月
11
月
10
月
9月
7月
0
99
'6
月
(%)
50
Uくんの戦略③
それでも拒否行動がますます高まる。
→相手の出方によってかなり敏感に反応する
時期(α=βが大きい時期)
Uくんは何らかの対抗策を講じることによって
影響力を維持した。
70
60
(%)
50
40
拒否行動率(%)
30
20
10
9月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
00
'1
月
11
月
10
月
9月
7月
99
'6
月
0
図11 メンバーの拒否行動率
100
(%)
80
60
40
20
0
99'6月
7月
9月
10月
11月 00'1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
9月
対抗策の割合(%)
図13 メンバーの拒否行動に対するUくんの対抗策頻度
考察と今後の課題
従属者の変化に合わせて戦略を変えるという
姿勢が、Uくんのリーダーシップを維持してい
た。
リーダー ⇔ 従属者の関係論的視点
集団の中でのα,β値の変動自体を表現でき
なかった。今後の課題としたい。