TCP/IP の 基 本 ネットワークシステムⅠ 第6回 インターネットは(1) 一部屋にあるパソコンからなるネットワーク が接続されて,建物全体のネットワーク が接続されて,日本全体のネットワーク 各国のネットワークが接続されて,インターネット インターネットは(2) 事務室・研究室は,別のネットワーク この二つのネットワークをつなぐには,ルータが 必要 ルータを経由して,遠くのネットワークにデータ を送る インターネットは(3) TCP/IP PCやルータなどのいろいろな機器(ノード)が ,データを送受するときの手順(約束,機能) プロトコル インターネットでは,TCP/IPを使って,データ をやり取りする TCP/IPの基本機能 基 本 機 能 (1) 四つに分類 アプリケーション(application) トランスポート(transport) インターネット(internet) ネットワークインタフェース(network interface) 各機能の約束が決められていて, それを実現するプログラムがある 我々が使うものは, メールやwebなどの アプリケーション 基 本 機 能 (2) 4つの機能が アプリケーションはト モジュール化され, ランスポートを使う トランスポートは 右図のように インターネットを使う 層をなしている (階層化) インターネットは ネットワークインタフェースを使う これで通信が行わ ネットワークインタフェースが れる 実際の通信を行う 基 本 機 能 (3) 上の層は,下の層の 機能を使う 下の層の詳細は知ら なくても,使うことさえ できれば良い なぜ階層化するのか? アプリケーション層のプログラムが直接,パケット を相手のノードに送ればよいのでは? インターネットのことを全部知らなければ,プロ グラムを開発できない 大きなプログラムは,機能ごとに分けて開発 基 本 機 能 (2) 四つの機能が モジュール化され, 右図のように 層をなしている (階層化) これで通信が行わ れる 再 ネットワークインタフェース層 直接つながっている範囲(セグメント)でパケットを送 る ことに関するプロトコル 実際にパケットを別のノードに送る 物理的な接続 すぐ隣のノードにパケットを送る いろいろある (ことしかできない) データリンクとも呼ばれる 例 事務室内,研究室内だけ インターネット層 直接つながっているノードにパケットを送ることしか できないネットワークインタフェースを使って IP層(Internet Protocol) 通信目的のノードまで,パケットを送る ことに関するプロトコル 相手が直接つながっていない場合もある ルータを経由 世界中に送ること 到達性の保証をしない ができる ト ラ ン ス ポ ー ト 層 (1) TCPとUDPの2つ 通信ポートの管理とエラー処理 のためのプロトコル ト ラ ン ス ポ ー ト 層 (2) ポートの管理 1台のコンピュータで複数のプログラム 例えば,メールとWWW 2つのプログラムが送受するパケットを管理 メールに渡すべきパケットをWWWに渡さない プログラムが外部とデータを送受する窓口 ト ラ ン ス ポ ー ト 層 (3) TCP 正しく届かなかったパケットを再送する仕組み パケットの到達性を保証 UDP 到達性の保証がない パケットの到達性の保証なし インターネット層を使っ て,保証する アプリケーション層 我々が利用するプログラム メール,WWW,… それぞれにプロトコルが決まっている トランスポートを使ってパケットをやりとりする 送り出すパケットは… アプリケーション層のパケットは, トランスポート層に渡され, インターネット層に渡され, ネットワークインタフェース層に渡され, 別のノードに送られる 受け取ったパケットは… ネットワーク…層が受け取ったパケットは, インターネット層に渡され, トランスポート層に渡され, アプリケーション層に渡される つ ま り, データのやり取りは, ネットワーク…層が行 う アプリケーション層が やり取りしているよう にみえる ネットワーク なぜ階層化するのか? 再 アプリケーション層のプログラムが直接,パケット を相手のノードに送ればよいのでは? インターネットのことを全部知らなければ,プロ グラムを開発できない 大きなプログラムは,機能ごとに分けて開発 パ ケ ッ ト(1) データを分割したもの だけでなく,送るために必要な情報(宛先など)も 必要 ヘッダ パ ケ ッ ト(2) アプリケーションのデータとヘッダが, トランスポートに渡され、そのヘッダが付き, インターネットに渡され、そのヘッダが付き, ネットワーク…に渡され、そのヘッダが付く プロトコルはTCP/IPだけではない O S I 参 照 モ デ ル(1) ISO(国際標準化機構)が定めたプロトコル 7階層からなる(次のスライド) 資格試験を受けようとするなら,TCP/IPとの対応 関係などは必須 この講義では,詳細は取り上げない O S I 参 照 モ デ ル(2) 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. アプリケーション層 プレゼンテーション層 セッション層 トランスポート層 ネットワーク層 データリンク層 物理層 ネットワークの用語 ポ ー ト 番 号(1) “プログラムが外部とデータを送受する窓口” ポートには,ポート番号が付けられている データは,コンピュータに届いて終わりではな い ポート番号により,プログラムに届けれられる ポ ー ト 番 号(2) ポート番号が決まっているプログラムがある 25 メール 80 web 帯 域 (1) 帯域 - データ伝送速度 ネットワークが早いとか遅いとかいう が,電線の中を流れる電気(電子)の速さに違い があるのか? 光ファイバーの中を流れる光の速さはどうか? 帯 域 (2) 電線中の電子の速さは,真空中の光速の6~7 割で,10Base-Tでも100Base-TXでも大差ない “速さ”というよりは,“太さ”というべきもの 道路なら,1車線,2車線,3車線,… 1秒あたり,送ることのできるデータ量 帯 域 (3) 帯域の単位は bps ー Bits Per Second 1秒間に何ビットのデータを伝送できるか! 10Base-T 100Base-TX 1000Base-T 10Mbps 100Mbps 1000Mbps ス ル ー プ ッ ト (1) 帯域はデータリンクの能力 利用者のレベルのデータ伝送量は,帯域よりも 小さい コンピュータの速さ(CPU,メモリ,HDDなど) パケットを処理するプログラムの出来 ス ル ー プ ッ ト (2) トータルの速さの指標を スループット(throughput) 単位はbps 遅 延 時 間 (1) パケットが相手に届くまでの時間 実際には,パケットの往復時間(ラウンドトリップ 時間 RTT : Round Trip Time) RTTを測定することにより,ネットワークの混み具 合がわかる 遅 延 時 間 (2) RTTは 物理的な距離 途中のルータの性能 ネットワークの混雑度 相手のコンピュータの負荷 などに影響される 上記の点を改善できれば,早くなる 遅 延 時 間 (3) 遅延時間は一定ではない ゆらぎ(jitter) 輻 輳 (1) “ふくそう”と読む 道路の渋滞のこと つまり,ネットワークにパケットが溢れている状態 ネットワークの合流点などで発生 輻 輳 (2) 輻輳が起きたらルータはどうするか? 複雑な処理も考えられるが,単純にパケットを捨 てる つまり,先に送らない 利用者から見ると,返事が来ない 輻 輳 (3) パケットを捨てられては,利用者は困る TCPがどうにかする! 輻 輳 (4) 電話などでも起こりうる 新潟県中越地震による通信サービス等への影 響 (NTT東日本) 「ひかり電話」の通話状況について まとめ ま と め(1) インターネットは小さなネットワーク 例 事務室内 が,ルータで他のネットワークとつながり,ちょっ と大きなネットワークになる それが,ルータで他のネットワークとつながり,… 世界中がつながる ま と め(2) データを遠く離れたノードまで送る 途中でいろいろなノードを経由する 送り・受け取る約束を決める プロトコル TCP/IP “ノード”に届けるだけでなく,処理するプログ ラムに届ける(ポート) ま と め(3) TCP/IPでは四つに階層化 アプリケーション(application) トランスポート(transport) インターネット(internet) ネットワークインタフェース(network interface) なぜ,階層化するのか どのような働きをするか ま と め(4) パケット ヘッダ+データ 帯域 OSI参照モデル 次 回 ネットワークインタフェース層 Ethernetを例 インターネット層(IP)
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