第25回長崎市臨床内科医会ゼミナール 糖尿病患者を外来で上手にみるための 検査と治療計画の立て方 平成20年 1月 27日(日) 長崎県美術館 2階ホール 長崎大学医学部歯学部附属病院 内分泌・代謝内科 阿比留教生 外来での糖尿病診療上の悩み 1. 食事(運動)療法ができていないのではないか? 2. 経口薬の選択が誤っているのではないか? 3. インスリン治療の適応なのに導入されていないの ではないか? 4. 専門医に紹介しなければならないのではないか? 外来で上手に糖尿病をみるために 1. まずは、インスリン治療の適応の有無を考える! 2. 2型糖尿病の病態からみた経口剤の選択。 3. 2型糖尿病治療のABCについて 外来治療のコツ #1 薬物治療は、まずインスリン治療の 適応の有無を考える! インスリンはいつ始めますか? 症状がある場合は、まずインスリン! 症例 口渇、多飲を訴える患者さんが来院した場合 インスリン療法の適応 (日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイドより) A. 絶対的適応 B. 相対的適応 1. 2. 3. 4. 5. 6. インスリン依存状態 糖尿病昏睡 重症の肝障害、腎障害を有する 重症感染症の併発、外科手術(全身麻酔) 糖尿病合併妊婦(妊娠糖尿病を含む) 静脈栄養時のコントロール 症 例 1 症例 68歳 女性 家族歴 母、高血圧 現病歴 51歳 RA発症し、プレドニン2mgで加療。 67歳 間食が増え、体重が、約5kg増加した(57kg)。この頃、尿糖陽性。 68歳、急激に口渇、多飲、多尿出現。来院時、血糖値 396mg/dl 身体所見 身長 146 cm 体重 48 kg BMI 22 kg/㎡ 血圧 145/75 mmHg 胸部、腹部 : 異常なし 眼底 : 異常なし。 両側アキレス腱反射 異常なし このような症例を診たら、 ① 何を検査しますか? ② 初期治療はどうしますか? 高血糖症状を主訴に患者さんが来院したら、 ① 第一に尿ケトンのチェックが重要です ケトン陽性では、至急入院か外来でのインスリン治療を! ② 次にHbA1cを測定しましょう。 HbA1c>10%の場合は、インスリン治療が必要です! HbA1cが低かったら? 症例1の場合 尿ケトン(+/-) 尿糖(2+), 尿蛋白(-) HbA1c 12.6% 外来で抗GAD抗体測定 3日後入院、抗GAD抗体陽性、1型糖尿病診断確定 強化インスリン療法による血糖コントロール 体重51kgに回復 ランタス12単位,夕食前 ノボラピッド(6,4,4)毎食前 自己血糖測定、食事量によりインスリン量は自己調整 症 例 2 症例 40歳 男性 家族歴 なし 現病歴 肥満歴なし。検診で異常を指摘されたことなし。 抑うつに対し、ルボックスの処方を受けていた。 平成19年8月、発熱、腹部膨満感、食思不振出現。 この頃から、口渇、多飲、多尿出現。家族より糖尿病を疑われ、近医受診。 血糖値 484 mg/dl 全身倦怠感を訴えた。 身長 175 cm 体重 63 kg 胸部、腹部 : 異常なし 血圧 120/70 mmHg 両側アキレス腱反射 異常なし この症例に、 ① αGI(ベイスン)を処方し、 ② 4日後のDM専門外来の受診をすすめた。 4日後空腹で来院,倦怠感症状の改善はないが、 血糖値は268 mg/dl、HbA1c 6.6%であった。 このような症例を診たら、 ① 何を検査しますか? ② 初期治療はどうしますか? 尿ケトンを測定し、緊急入院! ケトアシドーシスの加療を開始 症例2は、まさに 劇症1型糖尿病です! Glu 484 mg/dl HbA1c 6.6 % 尿中CPR 13.1 μg/day 総ケトン体 7832μmol/l、 アセト酢酸 1548μmol/l 3-ヒドロキシ酪酸 6284μmol/l リパーゼ 183IU/l さらに数日間放置すると、昏睡→致死的疾患! 抗GAD抗体(-)、IA-2抗体(-) 抗サイログロブリン抗体(-)、 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(-) HLA-DRB1*0405 DQB1 *0401 口渇、多飲の患者さんが来院したら、 インスリン依存状態を見逃さない! 口渇、多飲、倦怠感+高血糖 ↓ ケトーシス(尿ケトン検査必須) ↓ インスリンの絶対適応! 尿ケトン陽性の場合、 1.HbA1c、抗GAD抗体の測定により1型糖尿病鑑別 2.清涼飲料水によるペットボトル症候群を疑え! 高血糖症状がない症例 長年通院しているが、血糖コントロールがつかない場合 インスリン療法の適応 (日本糖尿病学会 糖尿病治療ガイドより) A. 絶対的適応 B. 相対的適応 1. 2. 3. 4. 5. 6. 1. インスリン依存状態 糖尿病昏睡 重症の肝障害、腎障害を有する 重症感染症の併発、外科手術(全身麻酔) 糖尿病合併妊婦(妊娠糖尿病を含む) 静脈栄養時のコントロール インスリン非依存状態であるが、著明な高血糖 FPG>250mg/dl 随時血糖値>350mg/dl 2002-2003 2004-2005 2006-2007 2. 3. 4. 5. 経口血糖効果療法無効例(SUの一次無効、二次無効) やせ型で栄養状態が低下している状態 ステロイド治療時に高血糖を認める場合 ブドウ糖毒性を積極的に解除する場合 症 例 3 症例 52歳 男性 大学教授 家族歴 母、糖尿病 現病歴 33歳 検診で尿糖陽性。食事療法を行っていたが、 44歳、HbA1c7.7%まで上昇し、経口血糖降下薬開始。 48-50歳、アマリール5mg,メルビン750mg,ベイスン0.9mg服用。 季節によるが、HbA1c 8.5%から-9.2%を推移している。 身体所見 身長 173.5 cm 体重 76 kg BMI 25 kg/㎡ 血圧 134/72 mmHg 胸部、腹部 : 異常なし 眼底 : 異常なし。 両側アキレス腱反射 低下 右手 Dupytren拘縮(+) このような症例を診たら、 ① 何を検査しますか?②治療はどうしますか? インスリン導入の目安 HbA1cとインスリン分泌能 1. HbA1cの指標:極端な肥満(BMI>30)や、極端な過食がない場合 最大量の経口血糖降下薬を服用しても、HbA1c>9.0% SU薬 グリミクロン 80mg, ダオニール 5.0mg, アマリール 6.0mg 2. インスリン分泌能の目安 (参考値) 75gOGTTにて、IRI値がすべて20uU/ml未満 HOMA-β=空腹時IRIx360/(FBS-63)< 12.5 % 空腹時血中C-ペプチド値<0.5 ng/ul 食後2時間血中C-ペプチド値<2.0 ng/ul 症例3の場合 空腹時血糖値 180mg/dl 血中CPR=0.7 IRI=5.5 抗GAD抗体(-) 尿中Alb/クレアチニン補正=70.5 mg/gCr > 30 空腹時血糖値が130以上の場合、HOMA-b(HOMA-IR)は使用不能。 しかし、空腹時血糖値 180mg/dl以上の高血糖にも関わらず、 IRI 5.5uU/mlは、インスリンが出ていない。 さらに、糖尿病早期腎症の合併症が出現しています。 約半年間の外来での説明の上、インスリン導入 インスリン導入を説得するコツは、長崎県医師会報をご覧ください 外来インスリン導入の原則 1.強化インスリン療法(基礎インスリン+追加インスリン)が原則 基礎インスリン:中間型 持効型 Nー眠前 1日1回 デテミア、ランタス 追加インスリン:超速効型ー毎食直前(ノボラピッド、ヒューマログ) 2.初期インスリン量は、体重の20~30%が目安 (60kgの場合、12から18単位) 3.基礎インスリン量:追加インスリン量は、1:1から1:2 症例3の場合 体重 70kg 一日インスリン量 70kg x 30% = 21単位 基礎インスリン:追加インスリン 1:1 (10:11) 夕食前 ランタス 10単位から開始。 アマリール 3mgと メルビン750 mg を併用して、しばらく加療。 HbA1c 7.0%前後まで改善。 半年後、HbA1c 8%まで上昇し、ランタス14単位まで増量 アマリール中止し、超速効型毎食前(6,4,4)開始 4T study 2型糖尿病のインスリンの種類、回数は、 患者の実行力、生活環境を考慮して 例1 体重 60kg BMI 19.6 治療に理解があり、低血糖に対応可能 強化インスリン療法 1日12-18単位 毎食直前 超速効型(3,3,3) 眠前 中間型 (0,0,0,6) (ただし、超速効型のみからはじめることもある) 例2 体重 50kg BMI 20.5 患者の理解力、ライフスタイル上、頻回のインスリン療法が困難 1日2回打ち; 1日10-15単位 30%(超)速効型混合製剤 (8,0,4) (SU薬にかぶせて、少量の持効型5単位程度から、徐々に増量する場合もある) その後のインスリンの量は 責任インスリンを理解して、アルゴリズムで • スライディングスケール その時の血糖値に応じて、あらかじめ決めていた量に従って、 インスリン量を注射する。(シックデイの時など) • アルゴリズム 今日の血糖値を参考に、インスリン作用時間と、責任インスリン の考えをもとに、明日の血糖コントロールを考える。 アルゴリズム vs スライディングスケール 責任インスリンとは、ある血糖値に最も影響のあるインスリン インスリン必要量 責任インスリン(4回打ち) (mg/dl) 250 200 N14U 血 150 糖 値 250 200 R/Q12U 150 朝食 昼食 夕食 眠前 R/Q10U R/Q6U R/Q8U N12U 責任インスリン(2回うち) (mg/dl) 250 血 200 糖 値 150 30R24U 朝食 30R20U R 6U N 14U 昼食 夕食 30R10U R 3U N 7U 眠前 外来治療のコツ #2 経口血糖薬の選択は、2型糖尿病の病態を考えて! 私の経口薬選びの基本 1.病態に即しており、確実な血糖効果作用がある。 2.長期の安全性が確立されており副作用が少ない。 3.効果に対し、薬価が安く経済的である。 期待されるHbA1c(%)の低下 (欧米 JAMA 2002) 本邦での効果 (吉岡ら) SU薬 0.9~2.5% 2.0~3.0% BG薬(メトホルミン) 0.8~3.0% 1.0~2.0% チアゾリジン誘導体 1.1~1.6% 1.0~1.5% a-GI 0.4~1.3% 0.5~1.0% グリニド系薬 0.9~1.9% 0.5~1.0% 薬剤 予想される効果 薬剤の価格は? 薬剤 月薬価 3割負担分 SU薬 ダオニール 2.5 471円/月 141円/月 BG薬 グリコラン 750 882円/月 265円/月 チアゾリジン アクトス 5760円/月 1,728円/月 6,237円/月 1,871円/月 5,184円/月 1,555円/月 a-GI グリニド系薬 ベイスン 30 0.9 ファスティック 270 経口薬の飲み方と注意点 分類 服用時間 使用上の注意 食前 or 食後 低血糖に注意 薬剤相互:ワーファリン、アスピリン BG薬 食後 消化器症状が出たら、減量、中止。 禁忌事項(腎不全,75歳以上,造影剤) チアゾリジン薬 朝食後 体重増加、浮腫(特に女性は高頻度)心不 全患者は注意 毎食直前 放屁、腹部膨満、 腹部手術後、肝障害では、禁忌 毎食直前 低血糖に注意 SU薬との併用はしない。 SU薬 a-GI グリニド系 2型糖尿病でみられる高血糖は インスリンの合成・分泌の障害と インスリン作用の障害(インスリン抵抗性) いろいろな割合で 混じり合った結果,生じたものである. インスリン作用障害 インスリン分泌障害 1型糖尿病 病態に応じた経口剤の選択 チアゾリジン誘導体 アクトス ビグアナイド剤 メルビン等 インスリン作用障害 インスリン分泌障害 スルフォニルウレア剤 (SU剤) ブドウ糖 aグルコシダーゼ 阻害剤 グリニド系薬剤 ファスティック グルファスト 経口血糖降下薬の分類 主に 食後過血糖 を改善 主に 空腹時高血糖 を改善 インスリン分泌促進(+) インスリン分泌促進(ー) グリニド系薬 aグルコシダーゼ阻害薬 ミチグリニド(グルファスト) ナテグリニド(ファスティック) スルフォニル尿素薬 グリクラジド(グリミクロン) グリベンクラミド(オイグルコン) グリメピリド(アマリール) アカルボース(グルコバイ) ボグリボース(ベイスン) チアゾリジン誘導体 ピオグリタゾン(アクトス) ビグアナイド薬 メトホルミン(メルビン) 2型糖尿病患者の病態の推移 初期の糖尿病(境界型含む) ⇒食後過血糖 進行した糖尿病 ⇒空腹時高血糖 血 糖 血 糖 正常 食事 正常 食事 インスリンの分泌パターン 朝食 昼食 夕食 血中インスリン値(uU/ml) 70 インスリンの血中濃度は24 時間一定ではありません 60 50 40 追加分泌 30 20 10 基礎分泌 0 6:00 9:00 12:00 15:00 18:00 時刻(時) 21:00 24:00 3:00 6:00 Heise et al. Rapid and long –acting analogues as an approach to improve insulin therapy : an evidence-based medicine assessment. Curr Phar Design 7: 1303-1325, 2001より改変 健常者 第1相分泌 イ ン ス リ ン 追加分泌 第2相分泌 基礎分泌 食事開始 時間(分) インスリン分泌 (分泌パターンの把握が重要) 基礎分泌 追加分泌 第1相分泌 模式図 第2相分泌 第1相分泌 イ ン ス リ ン 濃 度 第2相分泌 基礎分泌 食事開始 時間(分) 2型糖尿病患者のインスリン分泌曲線の推移 正常者のインスリンの出方 血 糖 血 糖 糖尿病体質を持っていると? 第1相の低下 正常 正常 正常血糖 食事 食事 そして、本格的な糖尿病へ、 第1相、第2相の低下 インスリン感受性低下 第1相の低下 第2相の上昇 朝食前血糖が上昇 食後に血糖が上昇 HbA1c(%)に対する、 食後血糖値&空腹時血糖値の寄与度 空腹時血糖値 HbA1cへの寄与度 食後血糖値 <7.3 7.4~8.4 8.5~9.2 9.3~10.2 >10.2 食後高血糖 HbA1c (%) 空腹時高血糖 Diabetes Care 2003 26 881-885 症 例 4 症例 48歳 女性 看護師 家族歴 父、糖尿病 現病歴 46歳頃より検診で尿糖陽性。 HbA1c6.1%であり、食事療法指示される。 47歳、職場が変わり体重が3kg増加、HbA1c7.7%まで上昇し、来院。 外来で、食事運動療法の指導を受けた。 夜9時以降の食事をやめ、歩いて通勤、2kgほど減量した。 3ヵ月後の外来で、食後2時間値血糖は、225mg/dl 尿糖陽性であった。 身体所見 身長 163.5 cm 体重 59 kg BMI 22 kg/㎡ 胸部、腹部 : 異常なし 眼底 : 異常なし。 両側アキレス腱反射 異常なし。 血圧 111/62 mmHg このような症例を診たら、 ① 何を検査しますか?②治療はどうしますか? 外来での経口血糖降下薬選択のための検査 HbA1c、空腹時の血糖値とIRI HbA1cからわかること HbA1c値 <7.3%以下 → 明らかに食後高血糖 HbA1c値 >8.0%以上 → 明らかに空腹時高血糖 空腹時血糖値が130mg/dl未満の時は、インスリン値測定を! インスリン分泌低下 HOMA-β=空腹時IRIx360/(FBS-63)< 50 % インスリン抵抗性 HOMA-IR=空腹時IRIx空腹時血糖値/405>2.5 食後過血糖(HbA1c<7.3%)の治療法 初期の糖尿病(境界型含む) ⇒食後過血糖 空腹時血糖値<130 mg/dl まずは 食事・運動療法 ① HbA1c < 6.5% 食事療法継続 でも、このような症例、 血 そんなに多くはおりません。 糖 正常 ② 6.5<HbA1c<7.3% HOMA-IR>2.5 メルビン or アクトス HOMA-β< 50 % αGI グリニド系 食事 少量のSU薬 アマリール 0.5mg 初期分泌の低下とインスリン抵抗性 グリミクロン 10mg 症例4の場合 食後血糖値 225mg/dl 尿糖陽性 HbA1cを測定の上、数日後に空腹時採血指示。 HbA1c 6.7% 空腹時 血糖値 122mg/dl,IRI 5.2 非肥満、食後過血糖、HOMA-IR 1.6 < 2.5 HOMA-b 31<50 αGI グリニド系 少量のSU薬の中から、 ナテグリド 180 mg 2x 朝 夕 食直前 症 例 5 症例 52歳 男性 飲食店主人 家族歴 特記事項なし 現病歴 30歳台後半から肥り始め、最高体重84kg(BMI33) 50歳頃より検診で高血糖を指摘されたが、放置。 52歳、自覚症状はないが、検診でHbA1c9.1%まで上昇し、来院。外来で、食 事運動療法の指導を受けた。仕事中の飲食をやめ、2kgほど減量した。 3ヵ月後の外来で、空腹時血糖値 182mg/dl HbA1c 8.7% AST 58 ALT 75 身体所見 身長 160 cm 体重 81 kg BMI 31.6 kg/㎡ 胸部、腹部 : 異常なし 眼底 : 異常なし。 両側アキレス腱反射 やや低下。 血圧 142/98 mmHg このような症例を診たら、 ① 何を検査しますか?②治療はどうしますか? 空腹時高血糖患者の治療法 空腹時血糖値が130~200 mg/dl 進行した糖尿病 ⇒空腹時高血糖 •肥満患者(BMI>25) BG(メルビン) 500mgから750mg •非肥満患者(BMI<25) 血 糖 少量のSU アマリール 0.5mg~ グリミクロン 20mg~ 正常 食事 空腹時血糖値 > 200 mg/dl SU開始 インスリン抵抗性と第2相の低下 アマリール グリミクロン オイグルコン 1mg~3mg 40mg~80mg 1.25mg~2.5mg 症例5の場合 空腹時血糖値 182mg/dl 尿糖陽性 尿蛋白陰性 HbA1c 8.7% 空腹時 IRI 11.2, Cr 0.68 肥満、脂肪肝 空腹時高血糖、空腹時IRI>10(インスリン抵抗性疑い) メルビン 750mg 3x (朝500mg 夕 250mg) 経口血糖降下薬単剤で 空腹時血糖値<130mg/dl or HbA1c<6.5% 以下を達成できない場合 経口薬の併用療法 +a-GI(アカルボース)の効果 HbA1 c 食事療法+ SU薬+ BG薬+ インスリン+ 0 -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.5 -0.6 -0.59 -0.7 -0.8 -0.78 -0.9 -1 -0.72 -0.89 Therapy for Diabetes Mellitus and Related Disorder 4th Edition 2004 ADA 192-197 経口薬の併用療法 SU薬 +BG薬 or チアゾリジン薬の効果 Diabetic Med 2004 21 136-141 インスリン適応でない糖尿病患者 空腹時130~200mg/dl 空腹時130mg/dl未満 食事療法・運動療法 非肥満 肥 満 少量SU薬 BG薬 6.5% <HbA1c< 7.3% HOMA-b<50% HOMA-IR>2.5 食事療法・運動療法 BG薬 チアゾジリン αGI グリニド系 少量SU薬 αGI グリニド系 少量SU薬 BG薬 BG薬 チアゾジリン 症例4 SU薬増量 チアゾジリン SU薬追加 チアゾジリン αGI 症例5 糖尿病治療の目標は 合併症抑制による健康寿命の確保 健康な人と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、 健康な人と変わらない寿命の確保 糖尿病性細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)および 動脈硬化性疾患(虚血性心疾患、脳血管障害、閉塞性動脈硬化症)の 発症、進展の阻止 血糖、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロール状態の維持 日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド2006-2007,p21 血糖コントロールを改善すると(HbA1c値を1%低下させる) 合併症は改善します(UKPDS 35) 大血管障害 0 -5 細小血管症 心筋梗塞 脳卒中 心不全 総死亡 -10 -15 -14 -20 -12 -16 -14 -25 -30 -35 -40 -37 BMJ 2000; 321:405 高血圧を有する2型糖尿病患者では、厳格な血圧 コントロールが、動脈硬化疾患を予防します UKPDS 38 厳密な降圧 144/82 vs 154/87 mmHg 0 ン エ ドポ ン イ ト 症 亡 併 死 合 管 全 不 心 中 卒 脳 症 膜 網 血 小 細 -24 -32 -37 -37 -44 -56 2型糖尿病治療のABC A A1cを6.5%以下にコントロール. 糖尿病治療のポイント B BP(血圧)を130/80 mmHg 血糖コントロールだけでは BMI (体重/身長2) 25以下. 動脈硬化は防ぐことはできません。 C Chol(総コレステロール)を200mg/dl以下 LDL-C < 120mg/dl 長崎大学医学部歯学部附属病院 内分泌・代謝内科は、 先生がお困りの糖尿病患者さんに対し どのような患者さんでもすべて受け入れます。 治療方針確定後、先生の診療にお戻りいただきます。 何度でも、ご相談に応じます。 長崎大学病院での病診連携 予約受付:受診前日まで 予約受付時間:AM 9:00~PM 5:00 ① 予約申込 紹介元 FAX 医療機関 FAX ④ 予約票 ③ 予約票 紹介患者 15分以内 地域医療連携室 ② 予約登録 ID登録 氏名、性別、生年月日にて確認
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