茨城大学農学部 黒田久雄 2011年9月13日 土浦港アオコ発生状況 今 なぜ窒素を問題とするのか。 Wikipediaでは窒素について下記のように記している 生物にとっては非常に重要でアミノ酸やタンパク質、核酸塩基 など、あらゆるところに含まれる。分解すると生体に有害なアン モニアとなるが、動物(特に哺乳類)は窒素を無害で水溶性の 尿素に代謝している。しかし、貯蔵はできないためそのほとんど は尿として排泄している。そのため、アミノ酸合成に必要な窒素 は再利用ができず、持続的に摂取する必要がある。 人にとって必須の元素の一つ 持続可能な都市とは 都市と農村の組み合わせによる健全な物質循環のシステム 鈴木基之 放送大学:物質循環と人間活動 丹保憲仁(2002) 環境(流域)を構成する三領域 都市(産業) 生産緑地 (農業・林 地) 自然生態系保全 肥料・食料 環境制御の領域 環境アセスメントの領域 窒素循環の崩壊 → 湖沼の富栄養化 流域面源対策:Nitrogen Footprint と水収支の観点から 農業対策 飼料輸入 食料輸入 窒素輸入 畜産ふん尿 農地:食料生産 灌 漑 畜産 排 水 蓄積窒素化 高濃度化 水利用:流域外へ 下流汚染蓄積型湖沼 急激な富栄養化 水 道 高濃度化 大都市圏 下 水 道 食の欧米化 タンパク質過剰摂取 生活習慣病の発症 食品 住民 出 荷 農 産 物 56 購入食料飼料 358 販売交換 15 食料・飼料 購入堆厩肥 17 化学肥料 92 60 損失 350 農地 ふん尿 12 蓄積・溶脱 65 13 廃棄 333 茨城県取手市における地域外との窒素の出入り(kg・ha-1・年-1) 雨・灌漑・窒 素固定・脱窒 15 搾乳牛の窒素フロー 生産量(MILK) 70.0 g頭-1日-1 ふん 156.31 g頭-1日-1 尿 83.7 g頭-1日-1 合計 240.0 g頭-1日-1 購入飼料 259.6 g頭-1日-1 自給飼料 70.50 g頭-1日-1 敷料(購入・自給) 1.8 g頭-1日-1 合計 331.9* g頭-1日-1 吸収量 20.1 g頭-1日-1(敷料を除く) タンパク質量(45.8 kg頭-1年-1 ) *松本成夫:農業環境技術研究所報告第18号(2000) 堆肥と有機質肥料を区別する 家畜排せつ物(全動物を対象に) 牛 豚 馬 鶏 有機質肥料 流域外へ 堆 肥 液 肥 乾燥鶏糞 有機質肥料 化学肥料 流域内農地 必要施肥量 化学肥料 有機質肥料 過剰施肥量 化学肥料 有機質肥料 溶脱・流出 蓄 積 分 農地窒素汚染問題 総投入窒素量 化学肥料+有機質肥料 蓄積窒素量 不可避溶脱 「農作物・畜産物などの生産」と 「都市の消費」の窒素循環の問題 都市のライフスタイルが窒素汚染を引き起こす
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