第7回 GPSの新しい動向 - 厳網林研究会 Wanglin

第7回 衛星測位の新しい動向
・GPSの問題とバージョンアップ
・ロシアのGLONASS
・ヨーロッパのGalileo
・中国のBeiDou測位衛星システム
・日本の準天頂衛星システム
GPSの問題とバージョンアップ
 アメリカが軍事目的で作られたもの。時間帯によって受信できないとき
がある。
 現在のL2バンドは,国際電気通信連合(International
Telecommunication Union:ITU)によって無線航法に割り当てら
れている。将来、妨害によって、受信できなくなる可能性がある。
 GPSにL2バンドの下のARNSバンドにL5バンドを設けることを計画し
ている。L5バンドに載せるコードは、10.230Mbpsで、Pコードと同じ
である。
 これにより距離の測定精度が高く、ノイズが少なく、かつマルチパス衛
星から送られてくる電波が、2つ以上の経路で受信機に届く現象)の
影響が小さいなどの利点がある。
GLONASS(ロシア)
 GLONASS (Global Navigation Satellite System)はロシアに
より運用されている衛星航法システム。GPS に類似した衛星航法シ
ステムだが、GPS が符合分割多重接続(CDMA)により衛星を識別し
ているのに対して、GLONASS では周波数多重多元接続(FDMA)
方式を採用している。
 仕様上は軌道傾斜角度64.5度、軌道半径 25,510 km の3軌道面
に8衛星づつ、計24衛星で運用される予定だったが、1990 年代初
頭に24衛星で運用された後、衛星の打ち上げが中断した時期があり、
2004 年の時点で軌道上にあるのは 12機程度。 測位を行なうには
4機以上の衛星からの信号を受信する必要がある。2008-2010年
までに再建する計画がある。
GLONASSの打ち上げ計画
 GLONASS衛星は1982年から打ち上げが始まり、
1996年頃には一旦全衛星がそろった。
 その後衛星の打ち上げがしばらくなくまた、衛星の寿
命が3年ということから、2001年頃には衛星数が1
桁まで落ち込んだ。
 その後順調に衛星が打ち上げられ、2003年から第
2民生信号対応のGLONASS-M衛星の打ち上げ
を開始し、さらに第3民生信号対応のGLONASS-
K衛星が2008年から打ち上げが開始される予定で、
2012年ごろには全衛星が装備される予定。
GLONASS
GPSとGLONASSを併用した場合の位置精度
Galileo
 2002年3月に開発が決定した,ヨーロッパ独自の GPS システム。
1990年代以降進められてきた。
 2008年に完成目標。約24,000km を周回する30基の衛星を利
用し,精度は1m以内。予算約25億ユーロ(約30億ドル)で,
2008年ごろに30基の衛星からなるネットワークを稼動する予定。
 衛星は一般向けに発信される位置信号に加え,上空の大気の状
態によって発生する位置のズレを修正する「セーフティ・オブ・ライ
フ」(SoL)信号を発信。また「サーチ・アンド・レスキュー」(SAR)
サービスは,遭難者からの信号を常に待ち受ける。また政府機関
向けに,暗号化され妨害に強い「パブリック・レギュレーテッド・サー
ビス」(PRS)も計画されている。
Galileo計画の構成
Galileoの特徴
GPS/GLONASS/Galileo
ほかのGNSSサービスまたは計画

WAAS/MSAS

中国の北斗(beidou)


インドのガガーン


稼動中。静止軌道衛星3機で主に中国の国土をカバー。
計画中。GPSを補完する衛星らしい。
日本の準天頂衛星


計画中。主に日本をカバーする予定。下のJAXAのサイトを参照。
JAXA 準天頂衛星を利用した高精度測位実験システム
ユビキタス測位における 準天頂衛星の有効性
WAAS/MSAS
日本ではひまわりの後続機である運輸多
目的衛星MTSAT(エムティーサット)を利
用した衛星補強システムMSAS(Multifunctional Transport Satelliteエムサ
ス)が運用される予定。
日本、準天頂衛星システム
中国“BeiDou”測位航法システム
 第1衛星(実験衛星):2000年10月に打ち
上げ
 第2衛星:2000年12月に打ち上げ
 第3衛星:2003年5月に打ち上げ
 全体計画:5個の静止衛星と30個の軌道衛
星で構成される。
 測位精度:10m。時間精度50μs、速度精
度0.2m/秒
 オープンサービスとライセンスサービスの2
種類。
 2007年にさらに2つを打ち上げて2008年
に中国本土及び周辺地域をカーバーする。
 ユーザは自身の位置を測定できると同時に、
人に知らせることもできる。
http://scitech.people.com.cn/GB/5015900.html
GNSS
~Global Navigation Satellite System
 衛星航法。3つの航法衛星(GNSS用周回衛星)を捕
捉することで各衛星からの距離を得るとともに、4つ目
の航法衛星からの信号で時刻合わせを行い、移動体
の位置を測定する航法システム。
 代表的なGNSS





GPS
GLONASS
Galileo
BeiDou
・・・
課題
 GNSSを利用した情報サービスの事例を調査し、PPTにまとめて
ください。
 日本語2つ以上、英語2つ以上。
 1つの事例に付き、以下の項目をまとめてください。
 目的
 システム構成
 利用イメージ
 提出締め切り
 11月30日(深夜まで)
 提出先:[email protected]
 pptファイルをメールに添付