第1章 電気工学の基礎

第1章 電気工学の基礎
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
1.6
電磁気学
回路素子
直流回路
交流回路
電気計測
通信用電力
1.1 電磁気学
1.1.1 クーロンの法則
1.1.2 静電誘導
1.1.3 電磁誘導
1.1.1 クーロンの法則
Q1 Q 2
FK
2
r
帯電した小物体間に働く力
Q2
Q1
r
同じ符号の電荷のとき : 反発力
異なる符合の電荷のとき : 吸引力
MKSA単位系では…
MKSA単位系では
K
1
4 0
(  0は真空の誘電率)
 9 10
9
Q2
Q1
r
Q1 Q 2
Q1 Q 2
9
F
[ N] または F  9 10  2 [ N]
2
4 0 r
r
例1
真空中で,直径1cmの2つの導体球に同じ電荷を与え,
1m離したら,0.4Nの力で反発しあった。
このときの胴体球の電荷を計算してみよう。
Q
Q
1m
2
Q
9
9
2
F  9 10  2  9 10  Q  0.4
r
0.4
2
5
Q 


10
[C]
9
9 10
3
例2
-Q1, +Q2, +Q3の3個の点電荷があったとき,Q3に働く力。
F13 : Q1 とQ3に働く力
F23 : Q2 とQ3に働く力
 Q1[C]
 Q3[C]
 Q2 [C]
a[ m]
Q1  Q3
F13 
2 (吸引力)
16a
a[ m]
 Q2  Q3
F23 
(反発力)
2
4a
Q1  Q3 Q2  Q3 Q3 (Q1  4Q2 )
 F  F13  F23 


2
2
16a
4a
16a 2
1.1.2 静電誘導
(electrostatic induction)
絶縁体の場合 : 表面に電荷が生じる
帯電体
+
絶縁体
ー
ー
ー
ー
ー
++
+
+
+
導体の場合 : 自由電子が引き寄せられる
帯電体
+
-
導体
+
1.1.3 電磁誘導
(1)電磁誘導と
は
(electromagnetic induction)
左のスイッチをON/OFFすると
下の磁針が動く
ON/OFF
磁針が動く
もう一つの電磁誘導
コイルに磁石を出し入れすると
誘導電流が流れる
N
S
磁石の出し入れ
誘導電流
(2)ファラデーの法則(電磁誘導の法則)
回路内の磁束が変化すると,
磁束変化を妨げる向きに
誘導起電力が生じる。
誘導起電力:
E  /t
(

: 磁束)
(1)誘導起電力の大きさは,単位時間あたりの磁束変化に等
しい。
(2)コイルがn巻きなら誘導起電力はn倍になる。
(3)誘導起電力の大きさは,導体が単位時間に直角に切る磁
束線の数に比例する。
(3)ビオサバールの法則
任意の回路に電流を流したときの
磁界の強さを求める実験式
P点の磁界の強さ
I  dl
dH 
sin 
2
4r
N 本の導線から成る場合
NI  dl
dH 
sin 
2
4r
I
接線方向
dl
O

r
dH
P
例
無限長の直線の導線に電流 I を流したときの磁界の強さH
■考え方
① 半径 r [m] の円周上の磁界はどこでも同じ大きさ H [AT/m]である。
② P点に1ウェーバ(Wb:Weber)のN極をおくと,磁極には H [N]の力が働く。
③ 磁界方向と逆方向にN極を動かした場合の仕事量は,
磁極を動かした経路内に含まれる電流の値に等しい。
W  H  2 r  I [AT]
I
H 
[AT /m]
2 r
[注]
A :アンペア(電流)
T :テスラ(磁束密度)
I [A]
r[ m ]
P点