財政・金融入門(1クラス)-第7講 社会保険 2008年5月27日 第5限 1 公的年金 公的年金とは何か 日本の公的年金制度 日本の公的年金制度をめぐる議論 公的医療保険 日本の公的医療保険制度 2 (第2講の再説) 国・地方 ①税収入(国税・地方税)+借金(国債・地方債) ⇒財政支出=国・地方の経済活動 ②相互に資金の繰入れ(特に,国から地方) ③社会保障基金への資金繰入れ=公費負担 社会保障基金(年金,医療保険,介護保険など=社会保険) ①加入者(勤労者など)からの保険料 ⇒加入者(老齢退職者,疾病者,要介護者など)への 給付 ②国or地方からの資金繰入れ=公費負担 3 社会保障基金=社会保険 年金◎ 医療保険○ 介護保険 雇用保険 4 公的年金 5 公的年金とは何か 公的年金(国)⇔私的年金(民間の生命保険会社等) ①目的 高齢期の(必要最小限の)所得保障⇔豊かな老後生活 ②加入 強制⇔任意 ③給付期間 終身⇔有期が中心 ④原資 保険料+公費負担⇔保険料のみ 6 日本の公的年金制度 現行の制度体系…資料7-1 国民年金(基礎年金) 20歳以上60歳未満の全国民が加入 厚生年金 or 共済年金 民間被用者 or 公務員等が加入 ※企業年金(年金基金)→私的年金 7 負担と給付の現状 国民年金加入者(被保険者)の種類…資料7-2 第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者 保険料(率) 国庫負担 給付額 8 保険料(率)…資料7-2 国庫負担 国民年金給付総額の3分の1+α 給付額 受給資格:国民年金に25年以上加入(40年加入で満額) 第1号被保険者=国民年金6.6万円/月 第2号被保険者=国民年金6.6万円/月 +厚生年金10.1万円/月(平均) 第3号被保険者=国民年金6.6万円/月 9 日本の公的年金制度をめぐる議論 社会保険料方式 vs. 税方式 国民年金の給付=全国民の必要最低限の所得保障 現行:保険料+国庫負担(=社会保険料方式) ↓ 税方式:税金 10 税方式のメリット 少子高齢化による世代間対立からの脱却 国民年金保険料未納問題の解消 税方式のデメリット 増税の必要性 11 公的医療保険 12 日本の公的医療保険制度 現行の制度体系…資料7-3 被用者保険 健康保険 政府管掌健康保険 組合管掌健康保険 船員保険=長距離・大型船の船員 各種共済=公務員等→共済組合,事業団 国民健康保険 自営業者,農業者等 被用者保険の退職者 後期高齢者医療制度(75歳以上) 13 給付と負担の現状…資料7-3 給付割合⇔自己負担割合 被用者保険 国民健康保険 =7割 8割 9割 後期高齢者医療制度 =7割 9割 14 保険料(率) 被用者保険=総報酬ベース,原則労使折半 政府管掌:8.2% 組合管掌:3.0~9.5% 各種共済:約8.0% 国民健康保険 =応益割(定額)+応能割(負担能力=所得) 後期高齢者医療制度 =給付費の10% 15 国庫負担・補助 被用者保険 政府管掌:給付費の13.0% 組合管掌:定額(全体の1%弱) 各種共済:なし 国民健康保険 自営業者,農業者等:給付費の約50% 後期高齢者医療制度:給付費の50% ⇒給付費の残り40%は? 16 参考資料の出典等 資料7-1…厚生労働省年金局[2008]「公的年金制度の概要」 http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/01/01-01.html 資料7-2…厚生労働省年金局[2008]「公的年金制度の概要」 http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/01/01-03.html 資料7-3…社会保険庁[2008]「社会保険のテキスト(研修教材) 」 http://www.sia.go.jp/infom/text/shakaihosyou03_2.pdf 17
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