日本アレルギー学会 平成17年10月22日 盛岡 京都大学大学院 医学研究科附属ゲノム医学センター 山田 亮 仮説フリーゲノムワイド連鎖不平衡解析 • オーム解析 – ゲノム・トランスクリプトーム・プロテオーム • 多数の遺伝子・分子の相互作用 • 非インターベンション解析 – 一番大きな実験は済んでいる DNAに乗って伝達される素因(遺伝的多様性) と mRNA・タンパク・形質・個体の多様性 http://www.microbe.org/espanol/news/human_genome.asp セントラルドグマと多様性 DNA バリアント 転写開始点 転写 転写終止点 スプライシング バリアント バリアント バリアント mRNA 翻訳開始点 翻訳 コドン表 翻訳終止点 Peptide バリアント セントラルドグマと多様性 DNA バリアント 転写開始点 転写 バリアント 転写終止点 スプライシング バリアント バリアント mRNA 翻訳開始点 翻訳 コドン表 バリアント 翻訳終止点 Peptide 翻訳後修飾(切断、化学修飾) リン酸化、グリコシル化、アセチ ル化、ヒドロキル化、シトルリン 化 など DNA mRNA2 mRNA1 Peptide3 Peptide1 Peptide2 Molecule3 Molecule1 Molecule2 Molecule4 DNA mRNA2 mRNA1 Peptide3 Peptide1 Peptide2 Molecule3 Molecule1 Molecule4 Molecule2 個体Phenotype1 個体Phenotype2 個体Phenotype3 個体Phenotype4 DNAに乗って伝達される素因 DNA上の情報は『1次元の配列』情報 •それは、転写・翻訳を通じてRNA ペプチドとしての『1次元配列情報』に伝達される •『1次元配列情報』の差は、それ以外の質にも影響する DNAに乗って伝達される素因 http://www.microbe.org/espanol/news/human_genome.asp 1次元情報の伝 達深度と『パター ン』への影響 DNA1次元情報がペプチドまで DNA1次元情報がprematuremRNAまで DNA1次元情報はDNA止まり 連鎖不平衡解析 連鎖と独立 • 形質は遺伝する • 形質Aと形質Bの伝わり方は、 – 独立 か – 連鎖しているか のどちらかである。 単一遺伝子病 家系 木を見つける 連鎖+組換え • 「多数ある遺伝子 は、それぞれが “ばらばら”に存在 しているわけでは なく、(ヒトなら ば)23個に束ねら れている」 • 「束」に変化がな ければ、遺伝解析 は23個を相手に すればよいのだ が・・・ 組換えは起きたり起きなかったり DNAの親子関係は、 1人親か2人親か 組換え体(2人 親:2人親モ ザイク) 染色体全体で 考えると、親子 関係は複雑 (複数の祖先 がいる)だが、 部分的には、 単純(祖先は1 つ) 組換え体 染色体5’端 000 染色体中央部 000 111 111 000 001 001 011 111 染色体3’端 000 111 000 001 001 011 111 000 001 001 011 111 スタート2人、交差率1/10^8bp回、1000SNP、定常5000人(10000hap)、出力1000人、変異率1/10^6bp回 100世代 300世代 Maf> % 5 の み 500世代 1000世代 遺伝子の伝達の単位は、染色体ではなく、 それが分割された「連鎖不平衡ブロック」 複合遺伝性疾患 マーカーの木は存在する • 木の葉の部分が不確実 – – – – ペネトランスが低い Phenocopyが存在する ・・・別の木が邪魔をする ・・・民族が代わると、森の枝ぶりが変わる Two Ways of Whole Genome LD Mapping Map-based Approach 2 1 6 3 7 5 4 9 Gene D Gene A Gene B Gene C Gene-based Approach 12 3 89 7 4 56 Gene D Gene A Gene B Gene C 8 全染色体でのSNP分布 遺伝子のカバー率 SNPもしくはblockによって、一部で 常染色体総遺伝子数:21,153 も検証された遺伝子の数 12,890 (60.9%) カバーされず 遺伝子あたりのSNP数および密度 8,263 8,381 5.0±6.4 個/遺伝子 12,890 Blockでカバー 0.2±0.3 個/kb 4,509 プロジェクトスタート SNPでカバー 2000 2001 Gene 50k 40k 30k 20k 10k 2002 2003 2004 2005 27,283Genes Major findings from SNP-based studies • PADI4 : RA – Post-translational enzyme to produce targets of the most RA-specific autoantibodies. • SLC22A4 /A5 : RA & Crohn – Ergothioneine or carnitine transporter expressed in hematologic lineages. • FCRL3 : RA, SLR & AITD – Fc receptor homolog on B-cell membrane • PTPN22 : T1DM, SLE, RA & AITD – Lymphoid-specific intracellular phophatase 自己免疫疾患感受性多型のオーバーラップ RA特異性・自己免疫疾患共通性 • RA特異的遺伝子 – PADI4 • RA特異性の高い抗CCP抗体の産生と密接に関連 • RAのみと関連 • 自己免疫・炎症性疾患共通遺伝子 – SLC22A4/A5 • RA・クローン病 – FCRL3 • RA・SLE・AITD – PTPN22 • T1DM・SLE・RA・AITD 民族差 • PADI4 コーカシアン PDCD1 MIF1 PTPN22 CTLA4 TNFRSF1 Preliminary calculation with random-effect model Susceptible allele 日本人 SLC22A4/A5 PADI4 今後の課題 • • • • 疾患フェノタイプの亜分類とProspective追跡 遺伝子定義の拡張 民族差 遺伝子組み合わせ – すべての組み合わせを調べるのは不得策 • 遺伝子の結びつき情報を利用した遺伝子組み合わせ – クラスター – ネットワーク – ゲノム上に相い並んでいる関係とは・・・ » 使える関係を使わないわけはないのでは(けちな生物) – 手法は・・・ 母集団 ゲノムアプローチ 疾患感受性多型 ケース対コントロール比較 発病 非発病 臨床病型分類 タイプ 1 タイプ 2 タイプ A タイプ 3 タイプ B ・・・ タイプ N タイプ C ・・・ 疾患亜分類関連多型 ケース亜群 対 ケース亜群比較 疾患亜分類関連指標 同一ケース状態別比較 タイプ X 治療反応性分類 哺乳動物のトランスクリプトームの総合的解析によ る「RNA新大陸」の発見 タンパクを作り出さないRNA(非タンパクコードRNA) について、予想をはるかに超える23,000個以上を発 見した。(「RNA新大陸」の発見) 二重鎖DNAの両方の鎖が転写されたRNA(センス /アンチセンスのRNAペア)につい考えられてきた 数をはるかにしのぐ31,422個を発見。 • 集団遺伝学 – – – – – 数学モデル CoalescenceとRecombination 連鎖不平衡 集団比較遺伝学 ヒトの遺伝的歴史 MΦ Anti-oxydant transporter 多数の遺伝子(DNA) 多様な転写調節(mRNA) 複雑な分子機能(タンパク質) さまざまな疾患 入り組んだ民族関係 A network of protein–protein interactions in yeast by Benno Schwikowski, Peter Uetz3 & Stanley Nature Biotechnology 18 :1257 - 1261 (2000) • 理化学研究所遺伝子多型研究セン ター – 関節リウマチ関連遺伝子研究 チーム • 山本一彦 • 鈴木亜香里 • 高地雄太 • 森 美賀子 – 関根章博 – 角田達彦 • – 中村祐輔 関節リウマチ臨床施設 – – 東京大学病院アレルギー・リウマチ内科 (独)相模原病院 • 當間 重人 松井 利浩 – 日本医科大学附属病院リウマチ科 – • 永島 正一 吉野 槇一 行岡病院・松原メイフラワー病院・県立山梨中央病 院・(独)大阪南病院・鳥取大学整形外科 • 京都大学医学研究科付属ゲノム医学 センター – 松田文彦 – 千田昇平 – 平谷仁美 – 山口昌雄 – 廣澤 桂 – 大東賢英
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