日本の製造業の未来

明治大学 小笠原ゼミ
荒木津香佐 鈴木悠輝 吉池美咲
Meiji University Ogasawara Seminar
日本の製造業の未来
目次
Meiji University Ogasawara Seminar
1)はじめに
2)日本の製造業の現状
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
要約
4)打開策 ~集中と選択・事業編成~
5)考察
6)参考文献
目次
1)はじめに
Meiji University Ogasawara Seminar
2)日本の製造業の現状
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
要約
4)考察
5)参考文献
1)はじめに
電機産業のかつての活力を
よみがえらせるヒントとは?
Meiji University Ogasawara Seminar
2001年以降のITバブル崩壊後、国内電機産業は一時
は業績悪化に苦しんだが半導体と液晶パネルを牽引
役として世界でも有数のシェアを維持してきた。
しかし、台湾や韓国への技術移転をきっかけに、台
湾・韓国勢の大規模な資本投資や低価格戦略により大
打撃を被っている。日本の電機産業は、かつて世界の
中で果たした中心的役割を失った。
目次
1)はじめに
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
要約
4)考察
5)参考文献
Meiji University Ogasawara Seminar
2)日本の製造業の現状
電機産業の定義
総合電機
半導体、ソフトウェア、重電、家電などすべて を扱う巨大企
業グループ。
AV機器や白物家電関連分野を得意とする企業グループ。
民生電機
Ex)パナソニック、ソニー、シャープ、三洋電機、パイオニア
汎用一般部品を主力製品とする企業群。
電子部品
Ex)村田製作所、TDK、京セラ
精密および
装置
キャノン、リコー、東京エレクトロンなどプリンター関連、カメ
ラ、各種製造装置機器を扱う企業群を指す
Ex)キャノン、リコー、東京エレクトロン
参考:若林秀樹 (2009)『日本の電機産業に未来はあるのか』 洋泉社
Meiji University Ogasawara Seminar
Ex)日立製作所、NEC、東芝、三菱電機、富士通
(2)日本の製造業の現状
②海外シェアから見る低迷
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
(A)国際比較
(B)国内史的比較
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
(A)国際比較
(B)国内史的比較
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
(A)時価総額の国際比較
= 株価 ×
発行済株式数
その企業の収益性が影響
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時価総額
(2)日本の製造業の現状
(A)時価総額の国際比較
日立製作所
倍
時価総額
94,741
28,562
3,3
売上高
106,838
90,270
1,2
営業利益
5,926
2,729
2,1
当期純利益
3,183
515
6,2
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シーメンス
(2)日本の製造業の現状
(A)時価総額の国際比較
日立製作所
倍
時価総額
94,741
28,562
3,3
売上高
106,838
90,270
1,2
営業利益
5,926
2,729
2,1
当期純利益
3,183
515
6,2
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シーメンス
(2)日本の製造業の現状
(A)時価総額の国際比較
日立製作所
倍
時価総額
94,741
28,562
3,3
売上高
106,838
90,270
1,2
営業利益
5,926
2,729
2,1
当期純利益
3,183
515
6,2
Meiji University Ogasawara Seminar
シーメンス
(2)日本の製造業の現状
(A)時価総額の国際比較
日立製作所
倍
時価総額
94,741
28,562
3,3
売上高
106,838
90,270
1,2
営業利益
5,926
2,729
2,1
当期純利
益
3,183
515
6,2
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シーメンス
(2)日本の製造業の現状
(A)国際比較
(B)国内史的比較
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
(A)国際比較
(B)国内史的比較
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
(B)国内史的比較
日本の大手電機7社の売上高、営業利益の推移
3.5
3
売上高
2.5
2
1.5
1
0.5
0
営業利益
-0.5
-1
出所:日本の電機産業再編へのシナリオp97
Meiji University Ogasawara Seminar
4
(2)日本の製造業の現状
②海外シェアから見る低迷
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
②海外シェアから見る低迷
Meiji University Ogasawara Seminar
①時価総額に見る低迷
(2)日本の製造業の現状
日本製品が占める国際シェア
(%)
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100
80
60
DRAMメモリー
40
液晶パネル
DVDプレイヤー
20
太陽光発電セル
カーナビ
0
1987
1989
1991
1993
1995
出典:妹尾堅一郎(2009)『技術力で勝る日本が世界でなぜ負けるのか』
p17(ダイヤモンド社)
1997
1999
2001
2003
2005
2007
(2)日本の製造業の現状
「07年の液晶パネルの世界シェア」
サムスン
電子
23%
シャープ
7%
CMO
11%
AUO
19%
LPL
20%
出所:ガラパゴス化する日本の製造業
Meiji University Ogasawara Seminar
その他
20%
目次
Meiji University Ogasawara Seminar
1)はじめに
2)日本の製造業の現状
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
要約
4)考察
5)参考文献
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~

巨大化とは…
佐藤文昭 (2006)『日本の電機産業再生へのシナリオ』より
「家庭用電気製品、半導体、コンピュータ、産業用機
器、重電などに至るまで様々な事業を傘下に収めた
状態」
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日本の電機産業はコングロマリット化した状態だ
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
《コングロマリット化の特徴》
②株式市場からの資金調達が不利になりやすい
Meiji University Ogasawara Seminar
①複数事業を抱えているために一つの事業に対して用
いられる資金に制約がある
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
《コングロマリット化の特徴》
②株式市場からの資金調達が不利になりやすい
Meiji University Ogasawara Seminar
①複数事業を抱えているために一つの事業に対して用
いられる資金に制約がある
②株式市場からの資金調達が不利になりやすい
つまり
投資家にとって各事業個別のリターンが把握しにくい。
↓
投資家からの評価を得にくくなる
↓
株価の上昇の困難
=「株式市場からの調達が不利に」
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抱える事業が複数
↓
各事業の利益が複数事業の全体平均へと計算される
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
《コングロマリット化の特徴》
大量供給体制を作りにくい!!
大量供給体制・・・大量に資金を調達でき、効率的に運用が
できる体制
Meiji University Ogasawara Seminar
①複数事業を抱えているために一つの事業に対して用いら
れる資金に制約がある
②株式市場からの資金調達が不利になりやすい
目次
Meiji University Ogasawara Seminar
1)はじめに
2)日本の製造業の現状
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
要約
4)考察
5)参考文献
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~

ガラパゴス化:日本市場で技術やサービスが独自に発達し、
世界標準から乖離すること。
対極をなす言葉
(世界のスタンダード)
(日本のスタンダード)
標準化
カスタム化
低価格化
高い製品価格
“日本で売れる製品が
デジタル化世界で売れない!!”
アナログ化
コモディティ化
ハイエンド・ニッチ化
差別優位性がなくなり、高価な製品が
低価格化して普及すること
新しい技術をふんだんに採用して、
高機能高性能を追求した付加価値を
付け、製品を高価格に設定
グローバル化
ドメスティック化(国内依存)
参考:宮崎智彦 (2008) :「ガラパゴス化する日本の製造業 、一部改変
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世界のエレクトロニクス産業の潮流
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
≪ガラパゴス化の弊害≫
▶.世界シェアが急落
日本製品=単価が高く余計な機能が満載されたカスタム品
▶国内企業の疲弊
性能・品質向上の競争が国内で特化し、国内企業で体力
の削り合いを行った。
⇒利益率が上がらない体質に・・・
★
国内に特化してしまい、世界市場で
生き残れなくなっている!!
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▶技術が過度に高度化
世界に匹敵する技術を有しながら、世界市場で力を発揮で
きない。(携帯電話など)
目次
Meiji University Ogasawara Seminar
1)はじめに
2)日本の製造業の現状
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
4)考察
5)参考文献
低迷要因③ いまだ残る過去の体質
・バブル→営業利益率大幅増加→間接経費増大
→バブル崩壊→高コスト体質が残る。
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・80年代の成功により形成。
・この時期はコスト競争力があった。
(2)日本の製造業の現状
3
売上高
2.5
2
1.5
1
0.5
0
営業利益
-0.5
-1
出所:日本の電機産業再編へのシナリオp97
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(B)国内史的比較
間接費用
売上至上主義
日本の大手電機7社の売上高、営業利益の推移
の
4
の増加
発生
3.5
低迷要因のまとめ
・コングロマリット化
⇒ 海外シェア低下要因
大量供給体制を作りづらい
⇒ 海外シェア低下要因
・ガラパゴス化
日本ベースの戦略のため世界市場から取り残される
教訓(海外ニーズを選択 すべきである)
・過去の成功体験への固執
⇒ 収益性の低下要因
売上至上主義 + 高い間接費用
教訓 (選択先に資金を集中できる体制を作るべきである)
そこで
「選択と集中」を提案!!
Meiji University Ogasawara Seminar
教訓(大量供給システム構築のために特定分野への選択)
目次
Meiji University Ogasawara Seminar
1)はじめに
2)日本の製造業の現状
3)低迷要因① ~巨大化の弊害~
低迷要因② ~製造業のガラパゴス化~
低迷要因③ ~いまだ残る過去の体質~
要約
4)考察
5)参考文献
4)考察
<選択と集中の条件>
 各企業が自社の「強み」の活かせる分野選択
↑
海外ニーズに合致したもの

大量資金を調達できる
高収益が出る
ようなシステムの構築
日本の電機産業の復活へと
つながる!!
6)参考文献







◆参考資料◆
 『週刊ダイヤモンド』2009年2月21日号 p.35-71
 『東洋経済』2009年3月21日 p.36-68
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
宮崎智彦 (2008)『ガラパゴス化する日本の製造業』 東洋経済
若林秀樹 (2009)『日本の電機産業に未来はあるのか』 洋泉社
佐藤文昭 (2006)『日本の電機産業再生へのシナリオ』かんき出版
片山栄一 (2006)『業界研究シリーズ 電機』日本経済新聞社
林廣茂 (2007)『日韓企業戦争』 阪急コミュニケーションズ
北岡俊明+「ディベート大学」(2005)『世界最強企業サムスン恐るべ
し!』こう書房
日本に根付くグローバル企業研究会(2005)『サムスンの研究』日経ビズ
テック
妹尾堅一郎(2009)『技術力で勝る日本が世界でなぜ負けるのか』(ダイヤ
モンド社)
ご清聴
ありがとう
ございました
Meiji University Ogasawara Seminar D班