2.1 TCP/IP登場の背景と その歴史

TCP/IP基礎知識
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小畠 大樹
高野 蓉功
早田有規子
押田知己
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2.1 TCP/IP登場の背景と
その歴史
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TCP/IPとは
• インターネットやイントラネットで標準的に使
われているプロトコル
• UNIXに標準で実装されたため急速に普及し、
現在世界で最も普及している
• OSI参照モデルではIPが第3層、TCPが第4
層にあたり、HTTPやFTPなどの基盤となるプ
ロトコルである
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TCP/IPの誕生の歴史
1960年代後半
DoDによる通信技術に
関する研究の開始
パケット交換技術・パ
ケット通信が注目される
ようになる
1969年
ARPANETの誕生
パケットによるデータ通
信手段が実用に耐えら
れることが証明された
1975年
TCP/IPの誕生
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TCP/IPの普及の歴史(1)
1982年
TCP/IPの仕様決定
SunMicrosystems社が
TCP/IPを実装した製品
を一般ユーザ向けに提
供し始めた
1983年
ARPNETの正式手順が
TCP/IPに決定
1990年ごろ
LAN,WANを問わず
TCP/IPが使われる方向
に発展
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TCP/IPの普及の歴史(2)
企業や一般的な家庭で
もパソコン通信の需要が
高まる
1995年ごろ
TCP/IPがデファクトス
タンダードとしての
通信プロトコルとなる
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TCP/IPの普及の要因
■より使いやすく汎用度の高さを目指して考え
られたものであること
■インターネットが普及したこと
コンピュータネットワークの主流プロトコル
といえるTCP/IPも、UNIXと密接な関係を
持って発達し普及してきました
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A
B
中心に障害が発生すると
多くの通信に支障がでる
図.障害に弱いネットワーク
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A
B
いくつかのサイトに障害が発生
しても、迂回路を通ってパケット
を配送できる
図.障害に強いパケットネットワーク
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2.2 TCP/IPの標準化
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TCP/IPという語は何を指す??
・TCPとIPという2つのプロトコル?
・多くの場合は、IPで通信をする時
に必要となる多くのプロトコル群の
総称として使われる。
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TCP/IP標準化の精神
特徴
• オープン
• 標準化するプロトコルが実際に使え
るプロトコルであるかどうか重視す
る
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オープン
• TCP/IPのプロトコルは、IETFでの議
論(通常電子メールのメーリングリス
ト)を通して決められ、このIETFには
誰でも参加することができる。
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標準化するプロトコルが実際に使
えるプロトコル
• プロトコルの仕様を決めることを重
視するのではなく、互いに通信で
きる技術を追い求めてきた
・実用性が高いプロトコル
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TCP/IPの仕様書RFC
・ 標準化しようとするプロトコルは、RFCと
呼ばれるドキュメントになり、インターネット
で公開される。
• RFCになったドキュメントには番号が付け
られる。
• 一度RFCになると内容を改訂できないので、
拡張する場合は新しい番号が付けられる。
• 変更する場合も新しいRFCが発行され、
古いRFCが無効になる。
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STD や FYI
• STDやFYIでは、どの番号がどのプ
ロトコルの仕様を示すかが決められ
ていて、同じプロトコルならば仕様が
更新されても番号は変化しない。
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TCP/IPプロトコルの標準化の流れ
• プロトコルの標準化作業は、IETF
での議論を通して行われる。
• IETFでは年三回のミーティングが
行われるが、通常はメーリングリ
ストによる電子メールで議論が行
われる。
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特徴
TCP/IPの標準化は、標準を決め
てから普及させようとするほかの標
準化団体と違い、標準になったとき
にはすでに普及が終わっている
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2.2.5 RFCの入手方法
• インターネットを利用して入手する
• RFCのオリジナルは次のURLから配布されて
いる。(注:英語)
ftp://ftp.isi.edu/in-notes/
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2.3 インターネットの基礎知識
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単語「インターネット」の意味
語源
複数のネットワークを結んでひとつのネット
ワークにすること
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その他の意味
・2つのイーサネットセグメントをルーターで
接続するという単純なネットワーク間接続
・企業内の部署間のネットワークや、社内
ネッ トワークを企業間で接続して、互いに
通信 できるように接続したもの
・地域ネットワーク間の接続、世界的規模の
ネットワーク間の接続
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英語において
英語で綴ると「internet」
しかし今日、先の意味で「インターネット
(internet)」を用いることはあまりない
先の意味ならば「インターネットワーキング
(internet working)」
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現代の「インターネット」の意味
ARPAnet(ARPANET)から発展し、全世界を
接続するコンピュータネットワークを指す
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補足: ARPAnet
1969年に米国防総省の高等研究計画局
(ARPA)が導入したコンピュータネットワーク
各地に分散したUNIXコンピュータ同士を
TCP/IPで相互接続するという形態は、現在の
インターネットの原型になったといわれている
核攻撃を受けても全体が停止することのな
い分散型コンピュータシステム
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「インターネット」は固有名詞
現代の意味における「インターネット」
=「Internet」、「The Internet」
※ I を大文字にする
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最近の意味
『全世界が接続され、世界中の人が誰でも
参加できる、巨大なたったひとつの公共コン
ピュータネットワーク』
というニュアンスが強くなってきた
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インターネットの構造
地域
地域
組織
組織
組織
組織
世界
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ミクロ構造 (1)
プラモデル理論(ロボットバージョン)
①未着の細かなパーツ
ネットワークの構成要素
(バックボーン+スタブ)
②部分的にくっつける
NOC【ノック】
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ミクロ構造 (2)
③大きな塊に分ける
ISP、地域ネットワーク
④組み立て
IXでつなぐ
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マクロ構造
インターネットとは
異なる組織がIXによって相互に接続された巨
大なネットワーク
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インターネットとTCP/IPの関係
「インターネットのプロトコル」
といえば
「TCP/IP」
※逆もしかり
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復習: プロトコル
ネットワークを介してコンピュータ同士が通
信を行なう上で、相互に決められた約束事の
集合
例) 意思疎通における言語の種類
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復習: TCP/IP
インターネットで標準的に使われるプロトコ
ル。
米国防総省が核攻撃で部分的に破壊され
ても全体が停止することのないコンピュータ
ネットワークを開発する過程で誕生。
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2.4 TCP/IPプロトコル階層
モデル
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TCP/IPとOSI参照モデル
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ハードウェア(物理層)
TCP/IP階層モデルの最下位層
物理的にデータを転送するハードウェア
例) イーサネットなどのデータリンク
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2.5 TCP/IP階層モデルと
通信例
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パケット交換のイメージ
パケットヘッダ
データ
パケット
データ
データをパケット単位に分割し送受信する
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パケットヘッダに含まれる情報
• 各ヘッダには最低2種類の情報が含まれる
宛先と送信元のアドレス
上位層のプロトコルの情報
• 下位層から見れば上位層から受け取るもの
は、全て単なる一つのデータとして認識され
る(カプセル化)
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パケット送受信の流れ
アプリケーション層
アプリケーション層
トランスポート層
トランスポート層
インターネット層
インターネット層
データリンク層
データリンク層
物理層
物理層
送信側
受信側
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パケットの送信処理①
・アプリケーションの処理
プログラム起動
データの入力
メールアドレス、URL等の入力
データの符号化
TCPへコネクションの確立指示
データの入力、送信指示
データ
トランスポート層
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パケットの送信処理②
・TCPモジュールの処理
アプリケーション層
TCPヘッダの付加
•
•
•
•
宛先ポート番号
送信元ポート番号
シーケンス番号
チェックサム
データ
TCP
ヘッダ
コネクションの確立
コネクションの切断
インターネット層
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パケットの送信処理③
・IPモジュールの処理
トランスポート層
IPヘッダの付加
•
•
•
宛先IPアドレス
送信元IPアドレス
プロトコルタイプ
通信先の機器の決定
(MACアドレス)
データ
TCP IP
ヘッダヘッダ
データリンク層
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パケットの送信処理④
・ネットワークインタフェース
の処理
インターネット層
イーサネットヘッダの付加
•
•
•
宛先MACアドレス
送信元MACアドレス
イーサネットタイプ
イーサネット
データ TCP IP
ヘッダ
ヘッダヘッダ
イーサネットトレイラの付加
FCS (Frame Check Sequence)
物理層へ
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パケットの受信処理
データ
アプリケーション層
データ TCP
トランスポート層
データ TCP IP
インターネット層
ヘッダ
ヘッダヘッダ
イーサネット
TCP
IP
データ
ヘッダヘッダ
ヘッダ
順次ヘッダが解析され上の層へ引き
渡されてゆく
データリンク層
物理層
受信側
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まとめ
・パケットはデータとヘッダから構成される
・ヘッダにおいて各層ごとのプロトコルを明確に
することによって、確実な通信を行うことがで
きる。
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