情報メディア経済 講義 第2回

ウェブアクセシビリティ推進協会の概要
2010年4月23日
東洋大学
山田 肇
表示-非営利-改変禁止 2.1 日本
山田の個人的な思い
情報社会のロビンソン・クルーソー
を作らない
ロビンソン・クルーソーは孤島で孤立した
 情報社会のロビンソン・クルーソーは私た
ちの周りに点在している

–
–
経済的な機会を損失
社会参加を阻害
しかし、それに気付く人は少ない
 情報アクセシビリティを「総合政策」にすべ
き

全員参加社会を作る総合政策の環
-原口タスクフォースでの主張
立法府:
公共調達法の立法
国家:全員参加の
情報社会の実現
政府と民間:
技術標準の準備
わが国に欠け
ていたこと
民間:
低廉な製品の普及
民間:準拠製品の
市場投入
政府:
準拠製品の調達
法律化に動こう
-原口タスクフォースでの主張

「国等による環境物品等の調達の推進等
に関する法律(グリーン購入法)」の前例
–

第三条 国及び独立行政法人等は、物品及
び役務(以下「物品等」という。)の調達に当
たっては、環境物品等への需要の転換を促
進するため、予算の適正な使用に留意しつつ、
環境物品等を選択するよう努めなければなら
ない。
情報の利用可能性も同様の法律で「努力
義務化」が可能。その先は「義務化」も
なぜウェブなのか

情報通信機器・サービスの中でウェブは
重要な位置あらゆる情報提供の基盤とな
り始めた
–
障害者への情報提供に役立つ



視覚障害者にリアルタイムで新聞を提供できる
聴覚障害者に字幕付き映像を提供できる(YouTube)
ウェブコンテンツは日々更新されアクセシ
ビリティも時には不完全になるが、提供を
続けつつ修正して改善されていく生き物
ウェブアクセシビリティ推進協会とは
協会(JWAC)設立の趣旨


ウェブは、すでに社会生活に不可欠なインフラ。ウェブを
利用した経済活動も盛ん。ウェブは、高齢者・障害者の
日常生活向上、社会参加の機会拡大・就業支援に大き
な役割を果たす重要な生活ツール。しかし、国内標準に
準拠したウェブは未だに少なく、普及の現状には多くの
課題がある。
ウェブを利用する、制作する、提供する等立場は違って
も、ウェブはすべての人にとって使いやすいものである
べきという理念に賛同する団体や企業が集まり、同じ目
的を持って活動する場を提供するため、特定非営利活
動法人ウェブアクセシビリティ推進協会を設立しようと、
私たちは決意した。
協会(JWAC)の行う事業
日本のウェブアクセシビリティの品質レベルを
維持・向上させていく事業
 ウェブアクセシビリティに関する普及啓発事業
 ウェブアクセシビリティをさらに向上させるため
の調査研究事業
 関連機関及び諸団体との提携協力関係の構
築事業
 協会の目的を達成するために必要な事業

品質レベルを維持・向上させていく事業
品質確保のための推奨プロセスの研究と公
表
 適合評価(自己適合宣言)の支援
 (長期的)認証マーク制度実現への支援
 書籍教材の発行
 講義と実習を含む、ワークショップの実施
 (長期的)専門家の教育プログラム開発

認証マークの意義

欧州の試み
–
–
アイルランド Segala
ベルギー、フランス、スペインのEurocert
アクセシビリティ基準への準拠を示すもの
 問題発生時の苦情処理への活用が可能

–

(例) 認証マークが付いたウェブで問題が起きたら
JWACも参加して分析・対処
将来の制度化に向け制度研究等を通じて
JWACも貢献したい
普及啓発事業
障害者のウェブ利用の事例紹介
 広く一般を対象としたセミナーの開催
 優秀なウェブ(よい実例)の表彰による社
会的な理解の醸成
 ウェブアクセシビリティの調達要件化に向
けた政策の提言

調査研究事業
政府施策に関連する事業の受託
 科学研究費補助金事業を推進する活動
の核

提携協力関係の構築事業

「総合政策」実現のためのあらゆる関係者
との協力・相互補完
–
関係者として想定される組織・人々

法律・規制の制定(国会、内閣、政党、省庁、自治体)
–



自治体ガイドラインの作成(総務省「みんなの公共サイト」)
標準の発行(日本工業規格JISおよびW3C/WAI)
関連する技術資料の作成・普及、システム作り(情報通信ア
クセス協議会)
広くウェブの利用者・制作者・提供者
会員となるメリット
政策・規制立案者は、民間の生の声を聞く
チャンネル
 利用者は、アクセシビリティに関する具体
的な問題を提起する場
 制作者は、アクセシビリティを確保するプ
ロセスや技術についての知識の入手
 提供者は、アクセシビリティを確保したサ
イトの提供

入会金・会費
入会金 なし
 年会費-正会員

–
–
–

非営利団体 10,000円
営利団体
50,000円
個人
10,000円
年会費-賛助会員
–
–
–
非営利団体 5,000円/口
営利団体
25,000円/口
個人
5,000円/口
初代役員
理事長
理 事
理 事
理 事
理 事
理 事
監 事

山田
伊藤
臼倉
内田
吉宗
渡邉
浅野
肇(東洋大学)
智之(富士通デザイン)
登貴雄(イーエルダー)
斉(アライド・ブレインズ)
俊哉(NTTラーニングシステムズ)
隆行(東京女子大学)
陽子(日本電信電話)
認証の状況
10年1月12日に東京都に対して特定非営
利活動法人としての認証を申請
 4月20日付けで東京都知事が認証
 ただちに法人として登記し、連休明けに活
動を開始

協会(JWAC)のウェブ
協会サイトを構築していく準備中
www.jwac.or.jp
 連絡・質問はメールで [email protected]