金本位制の確立 銀行券と中央銀行 金本位制の変質 国際通貨制度の発展 国際金本位制度 ブレトンウッズ体制 変動相場制 国際通貨制度の評価基準 (1)流動性 (2)信認 (3)調整過程 国際金本位制度の確立 • 国内の通貨制度としての金本位制 – 一国の通貨を金と結びつける – 金を媒介とした各国通貨の結びつき • 基軸通貨(key currency)としてのポンド – イギリスを中心とした国際決済システム • イギリスの金融史・経済学史研究の重要性 – 本位貨幣としての金貨と銀行券 • 貨幣論・銀行論の意味 ポンドの誕生 • 銀1ポンドを240の銀貨へ – ペニー銀貨 – ローマのデナリウス銀貨からの系譜 • 旧ペニーの略号(d.) – 旧制度のポンド • 1ポンド=20シリング、1シリング=12ペンス – 新制度への移行(1971.2.15) • 1ポンド=100ペンス(p.) 重さの単位としてのポンド • 現在のポンド(avoirdepois) – エドワード1世時代(在位1272~1307)に使わ れ始める – エリザベス1世(在位1558~1603)の時代に確 立 – 453.6グラム、7000グレイン – 1ポンド=16オンス 過去の変遷 • タワー・ポンド – ノーマン・コンクェスト(1066)後 – ウイリアム征服王の制定 – 1ポンド=5400グレイン、約330グラム • トロイ・ポンド – – – – 1527年、ヘンリー8世が法令化 1ポンド=5760グレイン、373.2グラム 1ポンド=12オンス 1878年廃止、ただし貴金属、香水等で今も使用 グレッシャムの法則 • 鋳貨の質の変化 – 悪鋳(debasement) • 徳川綱吉時代、萩原重秀の改鋳 – 450万両の出目(改鋳差益) • 徳川家宣時代、新井白石の改鋳 – デフレの発生 • 悪鋳の必要性 – エリザベス1世の改鋳事業(1601) • グレッシャムの法則 – 悪貨は良貨を駆逐する 本位の概念の発生 鋳貨の摩耗と新しい鋳貨の鋳造 摩耗した貨幣 悪貨 良貨 新たに鋳造した貨幣 新たに鋳造された小さな貨幣 良貨 悪貨 金本位制度とは何か • 貨幣の価値を金に結びつける(平価、parity) – 例)金1円=金750mg • 金本位制の要件 – 鋳貨の状況が良好であること(full-bodied) – 鋳潰し権、金の輸出入の自由 – 鋳貨税(seigniorage)無しの無制限委託鋳造 • 銀行券が流通している場合の金本位制の要件 – 兌換の保証(redemption, convertibility) – 金の輸出入の自由 本位制と貨幣の価値 • 貨幣価値が平価以上に上昇した場合 – 地金の金貨への鋳造 – 貨幣の増加から貨幣価値の低下へ • 貨幣価値が平価以下に下落した場合 – 鋳潰しの発生 – 貨幣の減少から貨幣価値の上昇へ • 貨幣と金の間の一定価格での交換 銀本位制から金銀複本位制へ • ギニー金貨の鋳造 – – – – 純度91.67%(22金)の金 129.4グレイン(約8.6グラム) 当初銀貨20シリングと等価 ギニー金貨の価値の変化 • アイザック・ニュートンによる価値の固定(1717) – 純度92.5%の銀(スターリング・シルバー)1オンスを 5s.2d. – 純度91.67%の金1オンスを£3 17s.10.5d. – 1ギニー=21シリング 金銀複本位制から金本位制へ • 法貨の決定(1774) – 金貨と£25を超える銀貨について – 個数並びに計量を持って法貨とする – 銀貨は量目不足 • 新通貨法(1816) – 銀貨の鋳造税、銀1オンスにつき4d. – 金貨は手数料のみ • イングランド銀行券の兌換再開(1821) – 名実ともに金本位制へ 国際金本位制の確立 • 国際金本位制(1870年頃) – 国内通貨制度としての金本位制の普及 • 金平価による為替レートの決定 – 為替平価 • 1円=金750mg、1ドル=金1.5g → 1ドル=2円 • 固定為替相場制としての国際金本位制 – 金の輸出入による相場の固定 為替平価と金の輸出入 e S 金輸出点 金平価 金輸入点 D D, S 貿易の不均衡と金の流出入 S e 金輸出点 金平価 金輸入点 D 金輸出 D, S 金本位制度の自動調整作用 • 国内面 – 貨幣量の自動調整 • 国際面 – 国際収支の自動調整 – 物価・正貨流出入機構(price=specie flow mechanism) – D.Hume, Political Discourses, Edinburgh, 1752. 物価=正貨流出入機構 金流出 → 貨幣量↓ → 物価↓ 国際収支 赤字 輸出↑ 輸入↓ 国際収支 改善 国際収支 黒字 輸出↓ 輸入↑ 国際収支 悪化 金流入 → 貨幣量↑ → 物価↑
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