通気防水シートキャッピング工法研究会 平成18年度 定 時 総 会 技術部会 最終覆土分科会 活 動 報 告 平成 18 年 5 月 25 日 前田建設工業株式会社にて ◆ 分科会メンバー紹介 氏 名 林 克彦 ○ 中家 祥介 会 社 名 前田建設工業㈱ 岩﨑 則夫 ㈱銭 高 組 小川 達也 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 村上 豊 杉浦 裕美 西村 博 篠 幸次 渡部 直人 ㈱田 中 タナカ商事㈱ シーアイ化成㈱ 松山 眞三 タキロン㈱ 工藤 洋悦 東洋ゴム工業㈱ 堀田 敦 太陽工業㈱ 石井 秀明 井手口 義郎 旭化成ジオテック㈱ 安藤 彰宣 ◎ ◎主査,○副主査,順不同,敬称略 2 ◆ 平成17年度の活動内容 回 日 時 活 動 内 容 場 所 1 5/16 活動計画会議 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 2 6/13 ~ 15 モデル土槽の作成および散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 3 7/05 ~ 06 散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 4 7/26 中間検討会議 旭化成ジオテック㈱ 5 8/02 ~ 04 散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 6 9/13 ~ 14 散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 7 9/16 中間検討会議 旭化成ジオテック㈱ 散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 8 11/08 ~ 09 9 1/17 中間検討会議 前田建設工業㈱ 10 2/13 ~ 14 散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 11 3/13 ~ 14 散水実験 スプレーイングシステムスジャパン㈱ 12 3/17 中間検討会議 前田建設工業㈱ 3 ◆ 今回の発表内容について 1. 最終覆土実証実験 大型モデル土槽からの移行 小型モデル土槽について 実験結果の報告 2. 目詰まり実証実験 3. 今年度の活動計画 4 1-1.大型モデル土槽からの移行 1. 大型モデル土槽 ㈱錢高組技術研究所内(東京・小作)にて実験 規 模(幅1.0m×長さ6.0m,散水ノズル 6基) 基本の覆土構造(排水層+浸透防止層) 排水層(ジオコンポジットまたは不織布を使用) 2. 計測結果 排水層の材料の違いによる浸透水量の変化 実験値と解析値との比較 5 1-2.小型モデル土槽 1. 小型モデル土槽 スプレーイング システムス ジャパン㈱(八日市場工場)にて実験 規 模(幅0.5m×長さ1.0m,散水ノズル 2基) 基本の覆土構造(排水層+浸透防止層+ガス排除層) 2. 土槽規模の比較 メリット & デメリット 3. 工 夫 モデル土槽のレベル調整 均一な散水 6 1-3.結果報告 1. 基本覆土構造 ジオシンセティクス覆土代替材 2. 計測方法 3. 計測結果 散水状況 排水材の状態の違いによる浸透率の変化 浸透防止層の特性 7 ◆最終覆土実証実験のまとめ 1. 浸透防止層の特性は 『透水係数』 のみでは決定できない。 土質材料で用いられる『透水係数』とは状況が異なる。 浸透防止層の上下の境界条件により浸透率は変化する。 この性質を用いて浸透率をコントロールする。 2. 排水層について 経時的に排水経路が変化する。 『浸透率』や『浸透量』 と言った 別の特性値の必要性 変化する水量は浸透防止層によりコントロールされる。 浸透防止層上を流れる水の空間を確保する。 8 2.長期目詰まり性確認結果 1.00E+00 透水係 数(cm/sec) 1.00E-01 1.00E-02 □:排水層 ×:雨水制御層 1.00E-03 △:ガス排除層 1.00E-04 1.00E-05 1.00E-06 0 5 Case-1 ジオコンポジット20mm Case-1 雨水制御シート Case-1 ジオテキスタイル10mm 10 15 経過月数(月) Case-2 ジオテキスタイル20mm Case-2 雨水制御シート Case-2 ジオテキスタイル10mm 20 25 30 Case-3 ジオコンポジット10mm Case-3 雨水制御シート Case-3 ジオコンポジット10mm 山砂を用いた結果,目詰まりの確認は出来なかった。 9 3.今年度の活動計画 1. 小型モデル土槽での継続 最適な覆土構造の把握(H17年度の継続実験) 2. 目詰まり・みずみちの確認実験 ジオシンセティクス材の目詰まり 土質材料内のみずみち確認 3. 実験福岡大学・実験土槽での実証実験 最適な覆土構造の把握 4. 大型モデル土槽へのフィードバック 小型モデル土槽で決まった覆土構造での再現実験 5. システムの確立 透水量,接合部,固定工等 10 ご静聴ありがとうございました。 平成17年度版 実験装置前にて 図・写真・グラフ 大型モデル土槽(全体写真) (1-1) 散水ノズル 1m 6m 13 大型モデル土槽(縦断面図) (1-1) 14 大型モデル土槽(横断面図) (1-1) 15 実験値 -排水層・ジオコンポジット- (H17年度実験から) (1-2) 各層の水量 / 散水量(% ) 100% 80% 60% 40% 浸透層 排水層 20% 0% 0 10 20 30 40 散 水 量(mm/hour) 50 16 実験値 -排水層・不織布- (H17年度実験から) (1-2) 各層の水量 / 散水量(% ) 100% 80% 60% 40% 浸透層 排水層 20% 0% 0 10 20 30 40 散 水 量(mm/hour) 50 17 数値解析と実験値との比較 -排水層・ジオコンポジット- (1-2) 100 浸透水量/散水量(%) 80 60 浸透率(実験値(補正)) 排水率(実験値(補正)) 浸透率(計算値) 排水率(計算値) 40 20 計算値と実験値との 誤差は4.3% 0 0 10 20 30 散水強度(mm/hour) 40 50 18 小型モデル土槽(全体写真) 0.5m (2-1) 1m 19 小型モデル土槽(縦断面図) (2-1) 1,000 遮水材 排水層 浸透防止層 ガス排除層 集水層 傾斜台 基礎材 計測パイプ① (浸透水量) 排水層 計測パイプ③ (排水量) 計測パイプ② (排水量) 20 土槽製作状況 (2-1) ① 遮水シートの敷設 ② 基礎材の設置 ③ 浸透層計測パイプ設置 ④ 排水層計測パイプ設置 ⑤ 集水層の敷設 ⑥ ガス排除層の敷設 21 計測パイプの位置 (2-1) ② ① ③ 22 計測水量 (2-1) No 計測種別 計測される水量の説明 ① 浸透量 浸透防止層,ガス排除層を突き抜け排出される水量 ② 排水量 排水層から鉛直に落ち,浸透防止層の上を通り,排出 される水量 ③ 排水量 排水層本体から排出される水量 排水層 浸透防止層 ③ ② ガス排除層 集水層 ① モデル土槽の比較 (2-2) 比較項目 小型モデル土槽 大型モデル土槽 実験場所 スプレーイングシステムスジャパン㈱ ㈱錢高組技術研究所 土槽の規模 幅 0.5 m×長さ 1.0 m (面積比 1.0) 幅 1.0 m×長さ 6.0 m (面積比 12 倍の規模) 散水密度 0.25 m2 に 1ヶ所 (散水密度 4 倍の密度) 1.0 m2 に 1ヶ所 (散水密度 1.0) 長 所 屋内のため,外界からの影響が少 敷設面積が大きい ない 覆土材料の交換が簡単 数多くのケースで実験が可能 短 所 少しの誤差が計測結果に大きな影 覆土材料の交換に手間がかかる。 響を与えてしまう 24 土槽の設置 レーザー水準器 (2-3) レーザー光での測定 レベルの微調整 25 均一な散水のために (2-3) 目の細かいネット 2基の散水ノズル 26 覆土構造の比較 排水を速やかに行う 厚さ0.5~1.5m k≧1×10-2cm/sec程度厚 さ0.3m程度 (3-1) 【 従来の土質系 】 【CP会提案の構 造】 侵食防止層 侵食防止層 排 水 層 埋 立 層 浸透防止層 k≦1×10-5cm/sec程度厚 さ0.5m程度 ガス排除層 通気性の確保 k≧1×10-2cm/sec程度厚 さ0.3m程度 ジオシンセティクス 雨水制御シート ジオシンセティクス 埋 立 層 27 覆土工に用いた材料 層 名 (3-1) 形 式 使用材料 材料の特徴 ジオコンポジット材 ジオフロー WP322 厚さ10,20mmのジオコンポジット。 エンボス加工され,規則的に直 径数ミリの孔があけられている。 ジオテキスタイル材 (不織布) エコライナー LH-10,20 厚さ10,20mmの不織布。盛土 排水等に敷設される通常の水 平排水材である。 ジオテキスタイル材 (不織布) AKアペック シート 微細有孔径を有するポリエチレ ン極細不織布 ジオコンポジット材 エコライナー MT-10,20 厚さ10,20mmのジオコンポジット。 透水性の高い網状構造体を不織 布で接着したもの 。 材料の写真 排水層 浸透防止層 ガス排除層 28 計測項目とフロー図 計測項目 Ⅰ. 散 水 量 (3-2) 内 容 人工降雨の散水量を計測する。 備 考 3~5分間の水量を測り,そ の計測時刻の代表値とする。 Ⅱ. 排 水 量 排水層から排出される水量を指 す。 〃 Ⅲ. 浸透水量 浸透防止層から浸出する水量を 指す。 〃 Ⅳ. 未計測量 散水量から排水量と浸透水量の 直接計測される値ではない 合計を差引いた水量。 が,間接的に算出される値。 精度が良くなり,ほとんど皆無 29 フロー図 (3-2) スタート 散水圧の設定 散水の開始 散水量の測定 バラツキ有無 Yes ノズル調整他 No 計測管から排水確認 散水・排水・浸透量計測 定常状態 Yes 終 了 No 待機時間 計測結果(散水量) (3-3) 【経過時間と散水比率の関係】 115% 目標散水強度に対する比率(%) 上流側ノズル 下流側ノズル 110% 105% 100% R2 = 0.1368 R2 = 0.2811 95% 90% <平均値> 上流側ノズル:98.8% 下流側ノズル:97.8% 85% 0 6 12 散水経過時間 18 24 31 計測結果(排水層の状態) (3-3) 【経過時間による各層からの水量の変化】 雨水 100% 通常の状態 90% 散水量 に対する各層の水量の比率(%) 水平方向 不織布 孔 エンボスシート 鉛直方向 80% 70% 60% 不織布のみ 50% 下面不織布 除去 ①浸透層 経路が異なる 40% ②排水層(外) ③排水層(内) 30% 排水層(計) 20% 10% 0% 0.0 1.0 2.0 3.0 散水開始からの経過時間 4.0 32 排水層の状態(通 常) 【浸透防止層】 (3-3) 不織布 心材(エンボス) 【排水層】 【ガス排除層】 心材(網状構造) 不織布 33 排水層の状態(下面の不織布除去) 【浸透防止層】 (3-3) 不織布 心材(エンボス) 【排水層】 【ガス排除層】 心材(網状構造) 不織布 34 排水層の状態(不織布のみ) 【浸透防止層】 (3-3) 不織布 【排水層】 【ガス排除層】 心材(網状構造) 不織布 35 排水材内部の水の流れ (3-3) 予測した流れ 確認された流れ 36 複合構造の排水層の例 (3-3) 水の流れ ジオテキスタイル 37 排水層の概略図 (3-3) 雨水 不織布 エンボスシート 水平方向 孔 鉛直方向 38 浸透防止層からの水量 2% 【排水層と浸透防止層からの水量比率】 0%~10% 10%~20% 20%~30% 30%~40% 100% 15% (3-3) 80% 率(%) 排水層 50% 60% 浸透防止層 33% (②+③)/(Σ①~③) ③ ①/(Σ①~③) ② 比 ガス排除層 40% 集水層 20% ① 0% 0 20 計測回数 40 60 39 浸透防止層の特性 (3-3) 100% ①/(Σ①~②) 80% 60% 40% 20% 0% 0% 20% 40% 60% (①+②)/(Σ①~③) 80% 100% 40 様々な要因 傾き (3-3) 浸透量 滞留時間 流速 排水層 不織布の有無 浸透防止層 ガス排除層 浸透水(安定化に寄与) 41
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