画像処理・実習 第一回: ガイダンス,ディジタル画像の表現 東海大学 情報理工学部 情報メディア学科 濱本和彦 講義概要 テーマ ディジタル画像の表現方法と各種画像処理技術につ いて学習する。C言語による実習も行う。 関連科目 基礎数学,線形代数,ディジタル信号処理 プログラミング実習,アドバンストプログラミング コンピュータグラフィックス・制作,バーチャルリアリ ティ・制作,マルチメディア・実習 教科書,参考書 酒井「ディジタル画像処理入門」コロナ社 井上「C言語で学ぶ実践画像処理」オーム社 ディジタル画像の例 標準画像の一例 Airplane Barbara Girl Lena Boat Cameraman ディジタル画像の例 医用画像の一例 歯科X線画像 超音波 腎細胞癌 超音波 乳腺腫瘍(悪性) X線CT 脳室(ボリュームレンダリング) 講義項目 ディジタル画像の表現(標本化(解像度)) 256×256×8bits 32×32×8bits 65536画素 1024画素 標本化間隔が狭い (高解像度) 標本化間隔が広い (低解像度) 講義項目 ディジタル画像の表現(量子化) 256×256×8bits 256階調 256×256×3bits 8階調 講義項目 頻度 ディジタル画像の特徴(輝度分布) 600 400 200 0 0 100 200 画素値(輝度値) Lena画像のヒストグラム 講義項目 頻度 濃度変換 600 400 200 0 0 100 200 画素値(輝度値) ヒストグラムの変化 講義項目 空間フィルタ(平滑化フィルタ) 講義項目 空間フィルタ(画像の微分) 講義項目 2値化画像 講義項目 2値化画像(輪郭抽出) 講義項目 直交変換(二次元フーリエ変換) 原画像 二次元フーリエ変換 (パワースペクトル) 講義項目 直交変換(圧縮) 65,536 bytes (非圧縮) 7,365 bytes (JPEG圧縮) 講義項目 パターン認識(テンプレートマッチング) テンプレート 成績評価 中間テスト(40%) ~空間フィルタ 定期試験(40%) 2値化画像~パターン認識 課題提出(20%) 中間,定期試験は矢澤先生クラスと共通 問題,共通日程で行います。 講義の進め方 授業支援システムi-collaboを利用します。 総合情報センターのHPからアクセスして下さ い。 出席確認,資料提示・配布,レポート提出など はすべてこのシステムを利用します。 授業用web http://www.dm.u-tokai.ac.jp/~hama 1.1 画像処理とは 画質改善 コントラストが悪い→濃度変換 雑音が多い→平滑化 画像解析(画像認識) 特徴抽出と理解→エッジ検出,領域分割,特徴量計 測,マッチングなど 画像圧縮 伝送や保存のためのデータ量(情報量)削減→直交 変換を用いたエントロピー符号化 画像再構成 物体からの投影データなどから物体形状を再構成す る 1.2 ディジタル画像 二次元の平面に描かれた濃淡模様 二次元座標(x,y)の関数→f(x,y) f(x,y) 印刷物:色の濃さ(濃度値) ディスプレイ上:明るさ(輝度値) 1.2 ディジタル画像 濃淡情報 を数値化 画素 100 110 108 98 ディジタル化 (x,y)座標のディジタル化→標本化(sampling) 濃度値のディジタル化→量子化(quantization) 1.2 ディジタル画像 標本化 アナログ→ディジタル(A/D) ディジタル→アナログ(D/A) 1.2 ディジタル画像 <標本化定理> 信号の最大周波数がfmaxの時,2・fmax以上の周 波数でsamplingすれば,そのディジタルデータ からオリジナルの信号を正確に再生できる。 画像に含まれる明暗の周期がdならば,d/2以下 の間隔でsamplingすれば,その画像を完全に再 現できる。 つまり,「1周期内に2点のサンプリング点」が最 低必要なサンプリングデータとなる。 十分なsamplingデータがない →低周波のデータとして誤って再現される →エイリアシング 1.2 ディジタル画像 <標本化定理> 2点のサンプリング点 一周期にサンプリング点1つ 一周期 OK! 不可能。。。 1.2 ディジタル画像 <画素数と解像度> y方向にM個の画素,x方向にN個の画素 → M×Nを「画素数」と呼ぶ 画素数 128×128 画素数 256×256 画素数 64×64 1.2 ディジタル画像 <画素数と解像度> 画像の面積が同じ時,画素数が多いほど高精細 であるため,画素数の事を「解像度」と呼ぶ 解像度 256×256 解像度 128×128 解像度 64×64 1.2 ディジタル画像 量子化 各画素の濃度値(輝度値)をディジタル化 量子化された整数値 →濃度レベル,gray level,輝度レベル 8bits量子化→256階調 0: 最も暗い, 255: 最も明るい 量子化誤差 量子化の段階で発生する近似誤差 階調数が高ければ小さい 一様量子化 画像のどの部分も同じ階調数で量子化する事 1.2 ディジタル画像 量子化 疑似輪郭 256階調 16階調 1.2 ディジタル画像 ディジタル画像の情報量 平均情報量 1画素あたりのデータ量(ビット数)[bits/pixel] 「エントロピー」ともいう。 圧縮の際の尺度としても用いられる 1.2 ディジタル画像 ディジタル画像の情報量 65,536 bytes (非圧縮) 7,365 bytes (JPEG圧縮) 8[bits/pixel] 0.9[bits/pixel] 1.2 ディジタル画像 ディジタル画像の情報量 演習1.2 ½の領域→256階調→8[bits/pixel] ¼の領域→64階調→6[bits/pixel] ¼の領域→2階調→1[bits/pixel] 平均を求める 8×1/2+6×1/4+1×1/4=5.75[bits/pixel] 1.2 ディジタル画像 ディジタル画像の情報量 演習1.2 ~もう一つの考え方~ エントロピーは,全体のビット数を全体の画素数で 割った値 全体の画素数を100画素と仮定すると。。 ½の領域=50画素,256階調=8ビット,→400ビット ¼の領域=25画素,64階調=6ビット,→150ビット ¼の領域=25画素,2階調=1ビット,→25ビット 1画素あたりの平均を求める (400+150+25) / 100 = 5.75[ビット/画素] 1.2 ディジタル画像 画像の配列(行列)表現 f0,0 1 N画素=N行 fN- f0,M- M画素=M列 1,0 fN-1, M1 画像処理の基本プログラム img.h Input_Img[256][256] 入力画像(画素数256×256)を保存する配列 256階調に対応(unsigned char) Input_Img[y:行][x:列]となるので注意 Output_Img[256][256] 処理後の出力データを保存する配列 tmp_Img[256][256] 実際に処理を行うデータ配列 入力画像をこの配列にコピーして利用する(入力画像 は変化させず保持しておけるように)。 画像処理の基本プログラム img.h void Initialize(void) 各配列の値を0に初期化する。 void Input_image(void) 画像のファイル名を入力して読み込み,その画像を Input_Img[256][256]に保存し,tmp_Img[256][256] にコピーする。 void Output_image(void) 処理後の画像tmp_Img[256][256]を出力用の配列 Output_Img[256][256]にコピーし,これにファイル名 を付けてファイル出力する。 void Inverse(void) 濃度反転関数。詳しい解説は次週。 実行してみよう 利用画像 Lena 256×256×8 bits rawファイルフォーマット(lena.raw) 単に画素の濃度情報だけが,行ごとにバイナリで 保存されている最も単純なフォーマット input output
© Copyright 2024 ExpyDoc