平成16年度診療報酬改定 厚生労働省保険局医療課 1 中央社会保険医療協議会の審議報告 (抄) (平成15年12月18日) 次期診療報酬改定は、フリーアクセスを原則とし つつ、国民皆保険体制を持続可能なものとし、患者 中心の質が良く安心できる効率的な医療を確立する という基本的考え方に立って、「平成16年度診療報 酬改定の基本方針」に沿った合理的でメリハリのつ いたものを目指す。 現状の厳しい経済社会情勢を反映する中で、医療 の安全・質の担保、具体的には、DPC、小児医療・ 精神医療等を重点的に評価し、国民が納得できる改 定とする。 2 改定率 全体改定率 ▲1.0% 1 診療報酬改定 改定率 ±0% (各科改定率 医科±0% 歯科±0% 調剤±0%) 2 薬価改定等 改定率 ▲1.0% (1)薬価改定 改定率 ▲0.9%(薬価ベース▲4.2%) (2)材料価格改定 改定率 ▲0.1% 3 平成16年度診療報酬改定の基本方針 (主要項目) (平成15年12月12日) 1 医療技術の適正な評価 (1)難易度、時間、技術力等を踏まえた評価 (2)栄養・生活指導、重症化予防等の評価 (3)医療技術の評価、再評価 4 2 医療機関のコスト等の適切な反映 (1)疾病の特性等に応じた評価 ①急性期入院医療 ○診断群分類別包括評価 ○急性期入院医療一般 ②慢性期入院医療 患者特性に応じた包括評価 ③亜急性期(回復期)医療 ④その他疾病の特性等に応じた医療の評価 救急医療、小児医療、精神医療、在宅医療 5 (2)医療機関等の機能に応じた評価 ①入院医療 ○臨床研修機能 ○地域医療支援機能、その他の入院医療にお ける機能 ②外来医療 病院・診療所間の役割分担等 (3)その他のコストの適切な評価 医療安全体制整備、入院時食事療養費の評価 6 3 患者の視点の重視 (1)情報提供の推進 施設基準や医療機関機能の情報提供の推進 入院診療計画等の情報提供の推進 標準的ガイドラインの開発 (2)患者による選択の重視 特定療養費制度 7 4 その他 (1)歯科診療報酬 ①歯科診療所と病院歯科における機能や連携 に応じた評価 ②う蝕や歯周疾患等の重症化予防 ③地域医療との連携を重視した在宅歯科医療等 の評価 (2)調剤報酬 医薬分業の評価、患者・家族に対する情報提 供・服薬管理 調剤基本料の区分の在り方 等 8 (3)その他 ①後発品の使用促進のための環境整備 ②IT化の推進 5 診療報酬体系の在り方 (1)診療報酬体系の構造 ドクターフィー、ホスピタルフィーへの再編 加算・減算・逓減制・算定制限等の簡素合理化 (2)老人診療報酬体系の在り方 9 医療技術の適正な評価 10 (1)難易度、時間、技術力等を踏まえた評価 ①手術における難易度に基づく評価の精緻化 1)肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又はこれに満たないもの (比較対象)肺切除術 区域切除及び肺葉切除 2)食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの) 胸部、腹部の操作によるもの 腹部の操作によるもの (比較対象)胃全摘術(腹腔鏡(補助)下によるものを含む)悪性腫瘍手術 3)弁輪拡大術を伴う大動脈弁置換術 (比較対象)弁置換術 1弁のもの 11 ②手術の施設基準の暫定的見直しについて 基本点数 現 30%減算 ○ 症例件数が一定以上 かつ ○ 10年以上の経験を有する医師が常勤 ○ 症例件数が一定未満 又は ○ 10年以上の経験を有する常勤 の医師がいない 行 減算方式から加算方式へ 平 成 16 年 改 定 後 (従来の基準) ○ 症例件数が一定以上 5% 加算 基本点数 30% 減算 (従来の基準) ○ 10年以上の経験を有する医師が常勤 + ○ 症例件数が一定未満 (新たな基準) かつ ○ 1年間の実施件数を院内掲示 ○ 患者に対し、手術の内容、合併症等を書面で説明 等 ○ 10年以上の経験を有する常勤 の医師がいない (2)重症化予防等の評価 肺血栓塞栓症予防管理料の新設 305点(入院中1回) 術後等の重篤な合併症である肺血栓塞栓症の予防のために 必要な機器・材料(弾性ストッキング、間歇的空気圧迫装置を 用いて医学管理を行った場合を評価 ※関係学会よりガイドラインが発表されている。(2月20日) 13 (3)医療技術の評価、再評価 ①新たな技術の保険導入、既存技術の再評価 (診療報酬調査専門組織医療技術評価分科会調査等 により有効性が確認された技術等について) ②長期投薬に係る技術の評価 ③加算等で評価している材料、医療機器等の適正評価 14 ①新規技術の保険導入、既存技術の再評価 新規技術の保険導入 1)医療技術評価分科会の調査によるもの ①乳腺腫瘍画像ガイド下吸引術 ②経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA) ③放射性同位元素内用療法管理料 対象疾患:甲状腺癌・甲状腺機能亢進症 ④経尿道的尿管ステント留置術 経尿道的尿管ステント抜去術 15 2)新規承認の保険医療材料に係る新規技術 ①植込み型補助人工心臓装着手術及び 植込み型補助人工心臓指導管理料 ②両室ペースメーカー移植術 ③冠動脈ステントグラフト ⇒ 経皮的冠動脈ステント留置術(準用) 16 3)高度先進医療技術からの保険導入 ① 神経磁気診断装置による中枢神経機能異常の診断 ② フローサイトメトリーのTwo-color分析法による PNHの鑑別診断法 ③ 潰瘍性大腸炎に対する遠心分離法による白血球除去治療 ④ 体幹部病巣に対する直線加速器による定位放射線治療 ⑤ 肝癌に対するラジオ波焼灼療法 ⑥ 選択的副甲状腺PEIT 17 既存技術の再評価 1)在宅医療 ①在宅血液透析医学管理料 ⇒ 導入期の重点評価(導入後2月は月4回まで算定可 ②在宅酸素療法指導管理料 ⇒ 対象疾患に「中等症以上の慢性心不全」を追加 18 2)検査 ①腫瘍マーカー(PSA) ⇒ 4.0ng/mL以上は3月に1回を3回まで測定可 ②自覚的聴力検査 ⇒ 簡易聴力検査 気導純音聴力検査を評価 ③経皮的動脈血酸素飽和度測定 ⇒ 静脈麻酔施行時の算定を認める ④赤血球不規則抗体検査 ⇒ 子宮悪性腫瘍手術、子宮全摘術、子宮外妊娠手術、 子宮付属器悪性腫瘍手術でも算定を認める ⑤終夜睡眠ポリグラフィー ⇒ 評価の見直し 19 3)注射 ①点滴注射の無菌製剤加算 対象拡大 改定前 改定後 悪性腫瘍に対して用いる薬剤 で、細胞毒性を有するもの 悪性腫瘍に対して用いる薬剤 で、細胞毒性を有するもの 追加 白血病、再生不良性貧血、 骨髄異形性症候群、重症複合 型免疫不全症等の患者 ②外来化学療法加算 (財)日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を 受けていることとする要件を削除 20 4)リハビリテーション ①心疾患リハビリテーション料の要件緩和 ICU、救命センター併設要件を緩和 ②早期リハビリテーション加算の対象疾患拡大 (急性発症した脳血管疾患等の疾患) 現行:脳血管疾患、脊髄損傷等の脳・脊髄(中枢神経)外傷、 大腿骨頸部骨折、下肢・骨盤等の骨折、上肢骨折、 開腹術・開頭術後 追加:脳腫瘍等の開頭術後、急性発症した脳炎、ギランバレー などの神経筋疾患、高次脳機能障害、脳性麻痺、 四肢(手部・足部を含む。)の骨折・切断・離断・ 腱損傷、脊椎・肩甲骨・関節の手術後、 四肢の熱傷(Ⅱ度の熱傷:体表面積15%以上、Ⅲ度の 熱傷:10%以上)、気道熱傷を伴う熱傷、多発外傷 及び植皮術後及び15歳未満の先天性股関節脱臼症の 手術後 21 ③リハビリテーション等に関する逓減・算定制限の見直し 個別療法:11単位目以降→30%減算を行わない (理学療法(Ⅲ)(Ⅳ)、言語聴覚療法(Ⅲ)への拡大) ※ 急性発症した脳血管疾患等の患者で 発症後90日以内のものに限る。 集団療法:8単位まで→12単位まで ※ 急性発症した脳血管疾患等の患者で 発症後180日以内のものに限る。 ④言語聴覚療法 ・早期リハビリテーション加算の対象に追加 ・在宅訪問リハビリテーション指導管理料に追加 ・言語聴覚療法(Ⅲ)の新設 22 5)処置 ①消炎鎮痛等処置 逓減の算定開始回数の見直し 現行:5回目以降50%減算 → 改正:7回目以降50%減算 ※ 急性発症した脳血管疾患等の患者で、 発症後180日以内のものに限る。 ②介達牽引 独立した技術として評価(取扱は消炎鎮痛等処置に準ずる) ③耳垢塞栓除去(複雑なもの) 乳幼児加算の新設 23 6)手術 ①乳腺悪性腫瘍手術 ⇒ 乳房部分切除術(腋窩リンパ節郭清を伴わないもの)の新設 ②鏡視下手術の評価 ・腹腔鏡下結腸切除術 ・腹腔鏡下幽門形成術 ・内視鏡下鎖肛根治術(腹会陰式) ③骨髄移植・臍帯血移植 ⇒ 骨髄提供者の情報検索連絡調整や臍帯血の管理に係る費用 等の一部を含めて評価(各々10,000点増) 7)老人 老人性痴呆疾患治療病棟入院料2の新設 24 8)既存技術の評価の見直し ①非観血的脊椎骨マニプラチオン ⇒ 廃止 ②経尿道的前立腺高温度治療 ⇒ 点数の引き下げ 17,400点 → 8,550点 25 ②長期投薬に係る技術の評価 特定疾患処方管理加算に長期投薬に係る区分の新設 処方期間が28日以上の処方を行った場合、 45点(月1回)を加算する。 ※ 同一月に15点と併算定は不可 26 ③加算等で評価している材料、医療機器等の適正評価 1)在宅療養指導管理料の加算の見直し ○在宅自己注射指導管理料 ・注入器加算 注入器を使用した場合に加算 → ・注入器用注射針加算 注入器加算に併せた評価の見直し 注入器を処方した場合に加算 ○在宅酸素療法指導管理料 ・携帯用酸素ボンベ加算 ・設置型液化酸素装置加算 実勢価格に併せた評価の見直し 27 2)手術時に使用する自動吻合器、自動縫合器加算の見直し ・自動縫合器 ・自動吻合器 5、900点 2,700点 → → 5,500点 2,500点 実勢価格に併せた評価の見直し ・使用回数の上限個数の見直し 臨床現場での使用実態に併せた回数の見直し 28 医療機関のコスト等の適切な反映 29 (1)疾病の特性等に応じた評価 ①急性期入院医療 1)診断群分類別包括評価(DPC) ①診断群分類、包括範囲等の見直し 高額な薬剤・材料等への対応、合併症による分類の精緻化、 重症度による分類の精緻化等により診断群分類の見直しを実施 ・疾患:575→591、診断群分類:1,860→1,727 ・対象除外:生後7日以内の新生児の死亡 ・出来高に移行した項目:選択的動脈造影カテーテル手技、 病理診断、病理学的検査判断 ・1日当たり点数の平均:2,759点→2,718点 悪性腫瘍に対する化学療法等の短期入院の分類については、25 パーセンタイル値までの15%加算を5パーセンタイル値まで 繰り上げて加算 等 30 ②特定機能病院以外の病院への試行 ・対象医療機関 調査協力医療機関(92病院)のうち一定基準を満たし、 手を挙げた医療機関 DPCに対して協力する意思がある データ/病床比が概ね3.5以上 データの質が確保されている ・比較評価事項 再入院率等「DPC導入の影響評価に関する調査」(中間報告)にある 評価項目について調査・評価を行う ・比較データは1年ごとに中医協 診療報酬基本問題小委員会に報告 ・試行期間 平成16年4月~平成18年3月 ・各医療機関におけるDPC比較調査研究担当者の配置及びDPC調査 専門組織分科会の体制強化等について引き続き検討 31 在院日数に応じた評価のイメージ 診断群分類 ごとの 1日当たり 平均点数 A=B A 15% B 15% → 出来高 入院期間Ⅰ日 入院期間Ⅱ日 特定入院期間 在院日数に応じた評価のイメージ2 (悪性腫瘍の化学療法の短期入院) 診断群分類 ごとの 1日当たり 平均点数 C=D C D 15% → 出来高 入院期間Ⅰ日 入院期間Ⅱ日 特定入院期間 診断群分類点数表・定義告示 入院期間(日) 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 診断群分類番号 0100101xxxxxxx 0100103099x00x 0100103099x01x 0100103099x10x 0100103099x11x 0100103097xxxx 0100103012xxxx 0100103003xxxx 0100103002x1xx 0100103001000x 0100103001001x 0100103001010x 0100103001011x 脳腫瘍(検査入院) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 脳腫瘍(15歳以上) 傷病名 番号 1から17まで 傷病名 脳腫瘍 手術名 なし なし なし なし その他の手術あり 脊髄腫瘍摘出術 顔面神経麻痺形成手術等 定位脳手術 頭蓋内腫瘍摘出術等 頭蓋内腫瘍摘出術等 頭蓋内腫瘍摘出術等 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術 ICDコード 区分 C70,C71,C722 その他の手術 この項の手術 なし ,C723,C724,C あり の欄に掲げる 793,D320,D32 手術以外の手 9,D330,D331, 術(ただ D332,D333,D3 し,K180,K183, 37,D339,D42, K184,K179,K1 D43,G131,G13 74を除く。) 2 脊髄腫瘍摘出 K191 術 顔面神経麻痺 K011,K145,K1 形成手術等 49,K168,K150, K161,K1812,K190,K1902 定位脳手術 K154 頭蓋内腫瘍摘 K169,K167,K1 出術等 512,K170,K171 手術・処 手術・処 副傷病 重症度等 置等1 置等2 なし なし なし なし なし なし あり あり なし あり なし あり あり なし なし あり あり なし あり なし あり 手術・処置等1 区分 K386,K664,K6 65なし Ⅰ 入院期間 Ⅰ日未満 II 4 6 9 3 4 20 18 21 31 14 15 26 28 点数(点) 8 13 20 16 24 41 36 48 62 28 30 51 55 手術・処置等2 なし あり 区分 M001あり 2,M001-3,メト トレキセート大 量療法,イン ターフェロ ン,J039,化学 療法,M(M0012,M001-3を除 く),J045,リハ ビリテーション M0012,M001-3,メト トレキセート大 量療法,イン ターフェロ ン,J039,化学 療法,M(M0012,M001-3を除 く),J045,リハ ビリテーション 4,313 3,307 3,248 3,087 4,260 3,315 2,631 3,150 3,030 3,056 3,111 2,907 3,005 特定入院 入院期間 入院期間 期間(日) Ⅰ日以上 II日以上 II日未満 3,329 2,830 14 2,568 2,183 27 2,517 2,139 49 2,389 2,031 43 2,769 2,354 57 2,491 2,117 90 1,963 1,669 64 2,435 2,070 103 2,252 1,914 115 2,288 1,945 44 2,326 1,977 49 2,149 1,827 96 2,221 1,888 100 副傷病名 ICDコード A207,A217,A227,A241,A267, A282,A327,A392,A394,A40,A 41,A427,A483,A49,A54,B00,B 007,B25,B377,B44,B45,B46, C77,D649,D65,D696,E10,E11, E12,E13,E14,E230,E232,E778 ,E86,E878,G03,G042,G048,G 049,G062,G40,G459,G518,G9 1,G936,G951,G960,I50,I61,I62 ,I63,I66,I802,J10,J11,J12,J13 ,J14,J15,J16,J17,J18,J96,K6 29,K765,K769,K922,M311,M8 60,N08,N16,N289,N31,O85,P 36,Q758,R11,R13,R252,R402, R57,R688,T814,T818,T860,T 868,T869 34 ②集中的な治療病室の評価 ハイケアユニット入院医療管理料の新設 3,700点(1日につき) ・治療室単位 ・1病院30床以下 ・21日を限度(ICU算定日数を合算) ・看護師配置常時4:1以上 ・8割以上の患者が重症度・看護必要度基準を満たす ・特定集中治療室管理料又は救命救急入院料を算定し ており、急性期入院加算又は急性期特定入院加算を 算定していること 35 ③慢性期入院医療 1)180日超入院の適用除外要件の見直し 除外対象の拡大 ・15歳未満の患者 ・小児慢性特定疾患治療研究事業の対象患者 ・育成医療対象患者 36 2)他医療機関受診における評価の見直し ⇒ 他の医療機関を受診した日の 入院基本料等の算定 15%→30% へ引き上げ 37 3)特殊疾患療養病棟入院料2の対象患者の見直し (現 行) 重度の肢体不自由児(者) (改定後) 重度の肢体不自由児(者) (日常生活自立度のランクB以上に限る) 38 ④亜急性期(回復期)医療 亜急性期入院医療管理料の新設 2,050点(1日につき) ・90日を限度に算定 ・一般病棟の病室単位 ・一般病床数の1割以下または40床以下 (1割が10床に満たない場合は10床まで算定可) ・看護配置2.5:1以上(看護師7割以上) ・在宅復帰支援を担当する者の専任配置 ・理学療法(Ⅲ)以上の施設 ・診療録管理体制加算を算定(6ヶ月の猶予期間あり) ・退院患者の6割が在宅等へ移行 39 ⑤小児医療 1)専門的な小児入院医療の評価 ① 小児入院医療管理料の評価の充実 ⇒ 複数病棟での算定制限の撤廃 小児入院医療管理料1 ・平均在院日数:14日以内→21日以内 ・一般病棟全体の平均在院日数計算へ組込み ② 新生児入院医療管理加算の評価の充実 ⇒ 点数の引き上げ 250点 → 750点 40 2)小児に対する時間外診療体制の評価 ①小児の外来の時間外加算の評価の見直し ア)小児科標榜医療機関の時間外加算の見直し ・診療時間内での時間外加算を算定可 イ)6歳未満の乳幼児に対する時間外加算点数の見直し ・6歳未満の加算の一本化 ・点数引き上げ ②乳幼児加算の見直し ・6歳未満の乳幼児に対する加算の一本化 41 3)地域連携小児夜間・休日診療料の算定要件の見直し ・診療時間の見直し 24時間対応 → 休日、夜間の定められた時間に対応 (対応可能時間が地域住民に周知されていること)等 ・医師数の見直し 届出医療機関以外の医師5人の協力を含め、10人 → 届出医療機関以外の医師3人の協力を含め、3人 (夜間・休日急病診療センター等での実施も想定) 42 ⑥精神医療 1)医療保護入院等における適切な処遇の確保を評価 医療保護入院等診療料の新設 300点(入院中1回) ・医療保護入院、措置入院等の患者を対象 ・院内に患者行動制限最小化委員会の設置 43 2)精神科包括評価病棟における標準的薬物治療の評価 特定抗精神病薬治療管理加算の新設 10点(1日につき) (対象病棟) ・精神科救急入院料 ・精神科急性期治療病棟入院料 ・精神療養病棟入院料 非定型抗精神病薬を用いて、治療計画に基づき治療 を行った場合算定 対象薬剤:オランザピン、フマル酸クエチアピン、 塩酸ペロスピロン、リスペリドン 44 3)精神科入院患者の地域への復帰支援と在宅医療の評価 ○精神科退院前訪問指導料 ・訪問回数増 → 入院中3回まで ・複数職種での訪問について加算新設 ○精神科訪問看護・指導料(Ⅰ) ・複数名での訪問について加算新設 ○精神科デイ・ケア 精神科ナイト・ケア 精神科デイ・ナイト・ケア ・通院期間による回数の基準を設ける 通院期間3年以上:週5日まで 45 ⑦在宅医療 1) 末期がんや神経難病等の患者に対する1日複数回 訪問看護の評価 在宅患者訪問看護・指導料(訪問看護療養費も同様) ・同一日に2回訪問看護を実施:250点→450点 ・同一日に3回以上の訪問看護:800点(新設) 46 2)在宅療養患者に対する点滴注射の評価 在宅点滴注射管理指導料の新設 60点(1週につき) 医師の指示により、訪問看護師が1週間のうちに 3日以上点滴注射を実施した場合に算定 ※「在宅点滴注射管理指導を算定している患者」は ・在宅患者訪問看護・指導料の在宅移行管理加算 ・訪問看護管理療養費の重症者管理加算 の対象となる。 47 (2)医療機関等の機能に応じた評価 ①入院医療 1)臨床研修機能の整備に伴う医療の質の向上の評価 臨床研修病院入院診療加算の新設 30点(入院初日) ・管理型・単独型臨床研修病院、大学病院で算定 ・研修医が研修を行っている病院 ・診療録管理体制加算を算定 ・研修医の診療録記載について指導医が指導確認する体制 ・保険診療の講習会が年2回以上開催 ・一定数以上の指導医(研修医2.5人に指導医1人以上) 48 2)有床診療所の入院の評価の充実 ①有床診療所入院基本料Ⅰ群1に加算新設 40点(1日につき) ・医師数(常勤換算)2人以上の場合 ・夜間に看護職員を1人以上配置 (6ヶ月の猶予期間あり) ②小児療養環境特別加算を算定可能にする ③有床診療所の薬剤師への評価 ・調剤技術基本料の評価の見直し 8点 → 42点 49 ②外来医療 1)初診の評価の充実 初診料の評価 病 院:250点 → 255点 診療所:270点 → 274点 50 2)外来診療料の見直し 外来診療料の包括範囲の拡大と点数引き上げ 68点 →72点 尿中一般物質定性半定量検査 → 尿検査(D000~D002の検査) 尿沈渣顕微鏡検査 糞便検査 便潜血反応検査 → 糞便検査(D003の検査) 血液形態・機能検査 赤血球沈降速度測定 末梢血液一般検査 末梢血液像 → 血液形態・機能検査 (D005の検査(16骨髄像以外) 51 (3)その他のコストの適切な評価 ①医療安全対策の適正評価 1)褥瘡対策 ○褥瘡対策未実施減算の要件の見直し ・褥瘡対策チームの設置 ・入院患者について、褥瘡に関する危険因子の アセスメント ○褥瘡患者管理加算の新設(入院中1回) ・対象は、危険因子のある患者、褥瘡を有する患者 ・専任の医師及び褥瘡看護に5年以上の経験を有する 看護師が、診療計画を作成し褥瘡対策を実施・評価 ・体圧分散式マットレス等を適切に選択し使用 52 2)肺血栓塞栓症予防管理料の新設(再掲) 3)点滴注射の無菌製剤加算の対象拡大(再掲) 4)地域の中核的な周産期医療施設のオープン 病院化 開放型病院共同指導料の活用 5)医療安全に配慮した特定保険医療材料の評価 使用者の安全に配慮したプラスチックカニューレ型静 脈留置針を評価 53 ②検体検査、画像診断等の適正化 1)市場実勢価格を踏まえた検体検査料の適正化 ① 実施料の市場実勢価格を踏まえた適正化 ② 判断料の点数見直し、緊急時の院内検査体制の 評価を充実 検体検査管理加算(Ⅰ) 30点 → 40点 検体検査管理加算(Ⅱ) 250点 → 300点 54 2)画像診断の評価の見直し ①特殊CT撮影 イ 頭部:715点 →710点 ロ 躯幹:960点 →950点 ハ 四肢:670点 →660点 ②特殊MRI撮影 イ 頭部:1,760点 →1,500点 ロ 躯幹:1,880点 →1,600点 ハ 四肢:1,790点 →1,520点 ③画像診断管理加算1 画像診断管理加算2 : : 48点 →58点 72点 →87点 55 3)検体検査料、薬剤料を含む包括点数の適正評価 ①特定薬剤治療管理料 ②悪性腫瘍特異物質治療管理料 ③慢性維持透析患者外来医学管理料 ④手術前医学管理料 ⑤手術後医学管理料 56 患者の視点の重視 57 (1)情報提供の推進 ①手術の施設基準を見直し、医療機関の診療実 績等に関する 院内掲示及び患者への説明を充実 する 1)情報公開 施設基準が設定された手術について、1年間の実施件数を 医療機関の見やすい場所に院内掲示する。 2)詳細な説明 すべての手術を行うに当たり、手術実施予定の患者に対して、 手術内容、合併症、予後等を書面等を用いて詳しく説明し、 併せて患者から要望があった場合は、その都度手術に関しての 情報を提供する。 58 ②患者に対する診療計画、安全対策等情報提供の推進 診療計画の作成、患者に対する説明を要件化 ・特定抗精神病薬治療管理加算 ・亜急性期入院医療管理料 ・褥瘡患者管理加算 59 その他 60 (1)離島等の特定地域への対応 1)離島加算の新設(入院基本料等加算) 18点(1日につき) 2)酸素価格 特定地域の医療機関で特段の事情ある場 合は実態に応じた価格で償還 61 (2)医療法改正を反映した見直し 平成16年4月1日~ ① 経過措置対象外の医療機関 医療法標準を下回る区分の入院基本料は算定不可 平成16年4月16日までに届出必要 ② 経過措置対象の医療機関 平成18年3月31日まで算定可とする。 例)一般病棟入院基本料4・5 平成16年4月以降算定不可 ただし、一般病床200床未満病院は、 平成18年4月以降は算定不可 62 (3)事務手続きの簡素化 1)入院基本料等に係る届出の取扱の見直し 2)特別の療養環境の提供に関する基準の見直し (特別の療養環境に係る病床数を5割以上とする場合の 手続は、地方社会保険事務局への届出とする等) 3)紹介患者加算の届出の簡素化 (3か月の実績で連続して紹介率の要件を満たさなく なった場合に変更の届出を行うこととする) 63 1)入院基本料等に係る届出の取扱いの見直し 看 護 師 等 の 員 数 医師又は歯科医師の員数 80/100超 80/100以下 60/100以下 50/100以下 80/100超 減額なし 減額なし 12/100 (3/100) 15/100 (3/100) 80/100以下 減額なし 12/100 (6/100) 18/100 (6/100) 21/100 (6/100) 60/100以下 12/100 (3/100) 18/100 (6/100) 24/100 (6/100) 27/100 (6/100) 50/100以下 15/100 (3/100) 21/100 (6/100) 27/100 (6/100) 30/100 (6/100) ※入院基本料等に係る届出については、 医師又は歯科医師の員数が60/100を超えており、かつ、看護師等の員数が80/100を超えている場合 医師又は歯科医師の員数が80/100を超えており、かつ、看護師等の員数が60/100を超えている場合 には、新規の届出及び上位区分への変更の届出を受理することとする。 2)特別の療養環境の提供に関する基準の見直し 特別の療養環境に係る病床数を5割以上とする場合 ○当該保険医療機関の存する2次医療圏における一般病 床及び療養病床の数が基準病床数に達していること ○療養病棟入院基本料1又は有床診療所入院基本料1を 算定している医療機関も対象 ○褥瘡対策未実施減算の対称でないこと ○手続は、地方社会保険事務局への届出とする 65 平成16年度材料価格基準改正 1 材料価格基準機能区分数 ・医科用材料 587 歯科用材料 82 合計 669 ・引下げ 479 据置き 144 その他 46 2 再算定 ・血管内超音波プローブ、植込み式心臓ペースメーカー用リード、血栓除去用カテー テル、塞栓用コイル ・体外式ペースメーカ用カテーテル電極 ・経皮的冠動脈形成術用カテーテル ・冠動脈用ステントセット ・固定用内副子(スクリュー) 等 29区分 66
© Copyright 2024 ExpyDoc