外国人労働者雇用の概要 藤田 茂 1 外国人労働者受入れの政府方針 ・平成11年閣議決定 第9次雇用対策基本方針 1.専門的,技術的分野 経済社会の活性化や国際化を図る観点から 受入れ積極的に行う。 2.単純労働者 国内労働市場に関わる問題 経済と国民生活に多大な影響→慎重に対応 2 (単純労働者、受け入れに慎重の理由) ・高齢者等の就業機会を減少させる ・雇用管理の改善や労働生産性の向上の取組み を阻害 ・失業問題が生じやすい ・新たな社会的費用の負担(教育・医療・福祉・ 住宅等) ・送り出し国にとり,人材の流出や日本社会への 適応に伴う問題等影響大 3 現行の外国人労働者受入れ制度(1) ・日本に入国・在留する外国人は入管法に定める 在留資格(27種類)のいずれかを有する必要 1.就労が可能(16種類)専門的・技術的分野 ①外交 ②公用 ③教授 ④芸術 ⑤宗教 ⑥報道 ⑦投資・経営 ⑧法律・会計業務 ⑨医療 ⑩研究 ⑪教育 ⑫技術 ⑬人文知識・国際業務 ⑭企業内転勤 ⑮興行 ⑯技能 4 現行の外国人労働者受入れ制度(2) 2.就労不可(6種類) ①留学→資格外活動許可(週28H以内、夏休み 冬休み・春休みは期間を限定し、1日8H) ②就学→資格外活動許可(年中1日 4H以内) ※ ①及び②は単純作業可 ③文化活動(インターンシップ等) 産学協同 専門分野での実務可 滞在費のみ支払 5 受入れ制度(3) ④研修 滞在費(食費・雑費)支払、 実務研修可 非実務研修(座学3分の1以上必要) (財)海外技術者研修協会(AOTS)の援助 公的助成金(1名 約200万円) 目的 条件 開発途上国への技術移転(ODA) 単純作業不可、仕上がり像と技能評価、復職義務、 5%ルール、現地での修得が困難な技術・技能・知識、 日本で研修する必要性。合弁会社・独資、協同組合 を通じて受入れ 6 受入れ制度(4) ⑤短期滞在(商談・観光等) ⑥家族滞在 3.個々の許可の内容により就労の可否が決定(1種類) ・特定活動(1) インターンシップ: 学業+就労(欧米より来日) 技能実習生 一定の条件の下,就労可、 賃金の支払い可(就労、最低賃金適用 有り) 社会保険加入、労災適用 研修受入れ会社にて2年 7 受入れ制度(5) ・特定活動(2) ワーキングホリデー アルバイト(就労)をしながら観光 欧米・韓国より来日、受入れ会社制限なし ビザは本国でしか取得できない 年齢条件:25歳以下(特別30歳未満) 外務省ルートによる許可 ※1.就労可能 2.就労不可 3,個々の許可に より就労可否・・・「活動に基づく在留資格」 単純作業は原則不可、在留資格により活動制限有り 8 受入れ制度(6) 4.活動に制限がないもの(4種類) ①永住者 ②永住者の配偶者等 ③日本人の配偶者等(配偶者又は子) ④定住者(日本人の孫又は子の配偶者) ※ ①~④は,「身分又は地位に基づく在留資格」 就労については,日本人と同様で制限なし 単純作業可 9 外国人雇用の注意点 ・在留資格(就労可能ビザ)があること 1.海外居住 外国人を雇用する場合 ①在留資格認定証明書(日本で許可)→現地でビザ取得 ②短期滞在(90日)で来日→在留資格変更許可申請 但し,立証書面が完備していること 日本人の配偶者等(2世) 定住者(3世) 現地で取得困難 (短所)就労ビザが許可なるまで働けない。受理印→待機できる 2.在日 外国人を雇用する場合 「就労ビザ」を持っている外国人を雇用する (長所)すぐ働ける・・・パスポート,外国人登録で確認 10 活用できる主な在留資格・必要書類等(1) 1.人文知識・国際業務 在留期間3年(更新可) 4年生大学卒業 (主な必要書類) ・雇用(招聘)理由書(雇用の必要性・重要) ・会社謄本 ・会社案内 ・卒業証明書(成績証明書・公的資格 証明) ・履歴書 ・雇用契約書 ・本人の申請理由書 2.技能 在留期間1年(更新可) 専門学校卒業、短期大学卒業 (主な必要書類) 1.と同じ ・但し、専攻した職種しか就労できない:調理士、ソムリエ等 11 3.企業内転勤 必要書類 1.在留資格認定証明書交付申請書 その2.L 2.写真 たて4×よこ3cm 3.返信用封筒・定型サイズ (切手430円) 4.会社案内(日本) 5.外国の会社との関係を立証する書面 6.謄本 7.決算書 8.会社案内(海外の会社) 9.在職証明書(業務内容・勤務期間明記) 10.転勤辞令 11.履歴書(高卒可) 12.招聘理由書 12 4.技術(就労ビザ 必要書類)機械工学等の専門的技術者 1. 在留資格認定証明書交付申請書 その2.商用N. 2. 写真 たて4×よこ3cm 3. 返信用封筒・定型サイズ (切手430円貼付) 4.会社案内(日本) 5.謄本 6.決算書 7.雇用理由書 8.雇用契約書(職務内容・期間・地位・報酬 明記のこと) 9.在職証明書(業務内容・勤務期間10年以上あること) 10.履歴書(高卒可) 11.卒業証明書(高校) 12.パスポートのコピー(身分事項のみ) 13 活用できる主な在留資格(2) 5.留学 在留期間2年(1年) 4年生大学・専門学校 6.就学 在留期間1年(1カ年) 日本語学校等 7.研修 資格外活動許可 要確認 資格外活動許可 要確認 在留期間1年(6カ月) 座学3分の1以上 単純作業不可 8.特定活動 技能実習生 在留期間2年(研修の継続) インターンシップ(就労可) 在留期間1年 (許可厳格) 外国の大学との契約書,単位認定が条件(テーマと講師) 14 活用できる主な在留資格(3) 9.文化活動 在留期間1年 インターンシップ(就労不可) 外国の大学との契約書,単位認定が条件(テーマと講師) 講義 60% 賃金は支払えない、滞在費(食費・雑費)のみ ※ 1~9.は就労制限有り 単純作業可は,留学.就学 のみ 15 活用できる主な在留資格,必要書類等(4) (就労制限なし,8~11) 10.永住者 在留 無期限(更新不要) (10年以上日本に滞在 納税 無事故 日本での功績) 11.永住者の配偶者 在留期限3年(更新可) 16 活用できる主な在留資格,必要書類等(5) (就労制限なし) 12.日本人の配偶者 在留期限3年(更新可) 配偶者が日本人,父又は母が日本人 (主な必要書類) ・配偶者の場合: 婚姻証明書・住民票・収入証明書・ 日本人の身元保証書・スナップ写真・パスポート・ (外国人登録証明書) 2世の配偶者は「定住者」 17 活用できる主な在留資格,必要書類等(6) (就労制限なし) 12-2.日本人の配偶者 (主な必要書類) ・子の場合: 日本人(父又は母)の戸籍謄本(附票又は住民票) 出生証明書(訳文添付) ・親族図 ・収入証明書 (在日 父もしくは母) 又は雇用予定証明書 日本人又は日本居住者の身元保証書 (個人保証、在職証明書・収入証明書、法人不可) パスポート・外国人登録証明書 18 活用できる主な在留資格,必要書類等(7) (就労制限なし) 13.定住者 在留期限1年、約3回目から3年(更新可) 3世 日本人の孫、2世の配偶者 (主な必要書類・訳文) ・戸籍謄本(祖父母)又は除籍謄本 ・婚姻証明書 出生証明書 (父母が戸籍に記載ない場合、父母のも必要) ・親族図 ・身分証明書(IDカード、運転免許証) 19 活用できる主な在留資格,必要書類等(8) (就労制限なし) 13-2.定住者 (主な必要書類) ・在留中の一切の経費を支弁を証する書面(在日 父母) ・経費支弁者(保証人)の収入証明書 ・在職証明書 ・日本に居住する身元保証人の身元保証書(個人保証) ・本国政府の無犯罪証明書(2006.4.29.より新たに必要) ・写真:たて4cm よこ3cm ・申請者:本人又は在日親族に限る 20
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