50年体制

政治経済
せいじけいざい
動き出した総選挙へのシナリオ
八月号
好調?日本の経済情勢を語る
5つの株高要因、5つのリスク
特殊法人チェック
概算要求基準攻防戦、道路公団改革
解散総選挙へ向けて永田町が動き出した
93年体制論、小泉シナリオ、選挙予想
経済は意外と好調?
景気がいいという実感がないのに株価は上昇基調
突然株高のニュース
アメリカ・イギリスなどのアングロサクソン系外国
人投資を中心とした買い注文
国内の個人投資家・ネット証券利用者を中心に買い
東証の出来高が連日30億株を越える
7月8日ついに日経平均が1万円台に
7・11 続落320円安
7.17
9500円割れ
7.31
9563.21円(終値)
利益確保、市場はこう着
相場動向のまとめ
株価は10000円台こそ回復していないが9000円台
で安定してきた。
今年の4月につけたバブル崩壊後最安値から20%程度回
復し、持ち合い株の解消や短期的な売買目的株の利益確保
が進んでいる段階に入っている。
当面取り立ててあらたな投資判断材料がない限り値動き
は少なくなることが考えられる
株高の要因を検証する
小泉政権の経済政策が支持された
から株価は上昇したのだろうか?
OR
今後の経済動向
5つの株高要因と5つのリスク
要因その1
イラク戦争終結、SARS収束
地政学的リスクの後退により
投資活動が再開された。
要因その2
アメリカの財政・金融政策
再選を目指すブッシュ政権による減税策
FOMCによる金利引下げ
要因その3
外国人投資家の買い越し
世界的な株高により日本株が割安に
個人投資家に波及
要因その4
9月決算の明るい見通し
電気メーカー・自動車産業などの業績堅調
ファンダメンタルズの改善
要因その5
りそな銀行への公的資金注入
破綻銀行を国有化しないというコンセンサス
逆説的な金融危機回避
過去3ヶ月の日経平均株価
▼りそな資本注入
(5/17)
▼NYダウ平均 ▼景気動向指数
下落に転じる 先行61.1(7/4)
青色の範囲は上昇局面、紫色の系列はダウ工業平均
リスクその1
アメリカの双子の赤字
貿易赤字・財政赤字の拡大
減税 3000億ドルの財政赤字
戦費 790億ドルの補正予算
保護貿易主義の台頭 円高のリスク
リスクその2
アメリカのデフレ懸念
0.25%の金利引下げ FF金利年1.0%
へ
アメリカも低金利時代に突入している
狭ってきた政策余地
リスクその3
長期金利の上昇による投資抑制
10年物長期国債が一時1.4%
プライムレートの引き上げ
クラウディングアウトの可能性
リスクその4
国債の含み損の発生
9000円台で株価の評価益
株の評価益を打ち消す国債の評価損
低い券面価格での国債発行
日経平均株価と長期国債の利率
リスクその5
次の政権がどうなるか
無利子国債の発行、政府紙幣の発行
国際協調体制が取れるか
次期政権発足までに時間がかかる
SARSの収束・イラク戦争の終結
今後の市況
ブッシュ政権による財政政策
世界的な株高により日本株が割安に
9月の中間決算の見通し
りそな銀行に対する公的資金注入
アメリカの双子の赤字
アメリカのデフレ懸念
長期金利の上昇による投資抑制
国債の含み損の発生
次の政権がどうなるか
結論
アメリカ頼みが現状
政治の季節に入り現政権が積極的に経済政
策を行うことは考えられない。
秋にかけては外需が経済の動向を決める
今月は概算要求基準(シーリング)
の作成が行われました。
予算を巡る攻防が起きています。
特殊法人改革の進展は遅々として
進んでいません。道路公団で財務
諸表が問題となっています。
歳出改革戦争
財務省対経済財政諮問会議
予算編成の主導権を巡る戦い
予算案の策定は構造改革の要
公共事業改革
予算案策定の位置づけ
予算
公共事業
年金社会保険改革
税制改革
予算
歳出改革
納税者
税収
他の省庁
歳出
財務省
財政改革
投資家
特殊法人改革
予算
特殊法人
三位一体改革
公債
収入
社会保障
予算
支出
配分
地方自治体
税制改革
政府税調中期答申発表では
–
–
–
–
消費税率将来的に二ケタ台へ
給与所得控除の削減
年金受給者の控除削減
遺族年金や失業給付すら課税対象へ
5月の酒税増税続き7月からはタバコ税増税
更なる酒税増税を検討 「酒消費税」の導入?!
今月に入り各地で公聴会を開いているがどこに
行っても答申は不興を買っている。
国民負担のない税収の増加は見込めない
来年度予算の概算
概算要求基準とは、
シーリングとは「天井」の意味。財務省と各省庁との予算折衝
に入る上で青天井で折衝するわけにはいかない。予算の概算
要求基準は、予算の上限になる。
概算要求額
財務省:限られている税収
予算額の決定
省庁:政策の遂行
来年度予算概算基準の結果から
歳出48億円に
一般歳出を今年度予算比1%増の48兆1000億円とすることで合意
した。年金・医療などの社会保障関係費は2200億円伸びを圧縮
経費に区分を設定(今年度から)
▽政策判断で予算を増減できる「裁量的経費」
▽法律・制度を変えなければ自然に増加する「義務的経費」
▽「公共投資関係費」
財務省対経済財政諮問会議
財務省
(中央官庁のエリート集
団)
• 公平・簡素・中立
• 増税による予算均衡
• 中央集権的
• 公共事業重視
経済財政諮問会議
(首相直轄の諮問機関)
• 公平・簡素・活力
• 先行減税による税収増
• 地方分権を提言
• 減税重視
予算前哨戦 三位一体の改革
経済財政諮問会議
– 3年間で補助金を4兆円削減し、税源の8割を地方に移譲する
– 社会保障関連の補助金11兆円、公共事業5兆円程度、その
他教育など4兆円
財務省の巻き返し
初年度は1.3兆円の削減にとどめる
– 財務省から批判、補助金削減の前倒しはなし。公共事業の削
減も含めるとしている。
– 具体的な削減項目の指定にまで踏み込めず
小泉首相も「地方と省庁とで考えること」
改革は骨抜きにされる可能性が極めて高い
予算攻防戦
経済財政諮問会議
第三弾骨太の答申
• 公共投資関係費の一段の削減など歳出改革路線を主張
• 「公共事業関連費7%削減」との数値目標が書き込まれていた
財務省の巻き返し
早い時期に、与党の反発をかっては元も子もなくなる
• 「今年度を上回らない歳出規模」など、シーリングの相場観
を繰り返し表明。
• 「公共投資3%削減」を主張
財務省の圧勝
公共事業の削減は3%にとどめることに
基本的に昨年度の概算要求を踏襲することに
▽一般歳出(今年度予算比1%増)
▽社会保障関係費を含む義務的経費(同2.7%増)
▽公共投資関係費(同3%減)
財務省勝利の要因
トップダウン型予算編成を画策する経済財政諮問会議には、
各省庁と与党との調整が避けられない
選挙前であり小泉首相と“抵抗勢力”が戦う気配はない
特殊法人
改革の行方
頓挫した道路公団改革
実力者と手を打った郵政民営化
道路公団改革の経過
最終答申は政治に捨てられた
①償還主義(減価償却し
ない)、料金プール制(丼
勘定)で非効率な建設投
資をし通行料金をたびた
び引き上げてきた公団
②小泉総理は第8条機関
「民営化推進委員会」を設
置し、猪瀬直樹氏など改
革派委員を任用する事を
決定した。
③「民営化推進委員会」の
議論は今井委員長が辞任
する事態に発展。新規の
建設投資を凍結することを
答申に盛り込む。
④答申は政治レベルで受
け入れられる内容でな
かったため放置される。万
死に一生を得た藤井総裁
の左遷人事が実行される。
強固な天皇・藤井体制
元・建設省事務次官
アクアラインの建設を策定。9342km高速道
路を作る計画を作った張本人。道路公団に入
り道路を作る自作自演ぶり。
当然やましいことがあり、不祥事で次官をやめ
るがチャッカリ退職金1億円を貰っている。
国交省の三位一体
は余りに有名
扇大臣
青山次官
藤井総裁
民間基準並み財務諸表
道路公団の民営化は平成17年4月1日に行われる予定である。
藤井総裁といえどこれをやめさせることはできない。
6月には、民間基準並み財務諸表を藤井総裁は総理大臣に提出
しているが、かなり甘い基準で作られていたものであった。
平成15年
4月1日
平成16年
3月31日
開始B/S
民間基準のフロー測定
平成17年
3月31日
民間基準B/S
民間基準P/L
民間基準C/F
財務諸表を
用いてつめ
の審議
“8人目の委員”による告発
民営化推進事務局にかつていた片桐幸雄氏は、四国支社へ
と左遷された。片桐氏は、財務諸表をつくり試算したときに、
道路公団は既に6000億円の債務超過であることを告発した。
道路資産
29.1
負債
28.5
←公団が提出している
民間基準財務諸表の数値
道路資産の算定基準
再調達方式(取得原価・低価法)
その他資産
5.1
資本金
2.2
剰余金
3.4
建設中金利を道路資産に含む
(支払い費用として計上)
道路資産の耐用年数は70年に
設定(税法上40年)
片桐氏の告発はまだ良心的かもしれない
剰余金
3.1兆円
取得原価方式の採用
-5.8兆円
建設中金利等の排除
-2.9兆円
過年度減価償却累計額修正益(試算)
+2.2兆円
欠損金
-3.4兆円
民営化するために国費投入や清算事業団の創設が必要となる
可能性があり政治判断が介入することになり、場合により民営
化自体ができなくなる。片桐氏は民営化を望み酷い試算を発表
しないだけかもしれない。
道路公団民営化推進委員会 川本委員資料
過年度減価償却累計額修正は自分でやりました。
まずは藤井氏が辞任するべき
財務諸表は計算基準ひとつで数字が大きく変わり、民間企業で
も利益の金額は選択した会計基準によって数字は変わる。その
ため民間企業には許容される会計処理とそうでない会計処理が
証券取引法や商法・税法などで規定されている。
いずれにせよ真実でない会計報告をする藤井総裁は経営
者にあるまじき行為をしている。民間企業なら証取法違反で
逮捕されることを十分にしている。
POINT
改革に抵抗する藤井氏
をやめさせるか
政局
7月の永田町、大いに動く
93年体制論 10年間の政治を語ろう
メークドラマ小泉シナリオ 11月に解散
選挙に行きなさい 政界再々編の可能性はあるか
93年体制論
―この国の政治の変遷―
Q. 10年で何人の人が総理大臣になり、
そしてやめていったでしょうか?
50年体制について
安保と経済成長
自由党
自民党
(資本主義)
民主党
特色ある派閥政治
派閥政治、国対政治
2:1の均衡
社会党右派
社会党左派
社会党
(社会主義)
自民党政権崩壊
自民党
(資本主義→金権政治)
キングメーカーと傀儡政権
新党ブームの立役者たち
冷戦の終結・バブル崩壊
金権腐敗・派閥内抗争
社会党
(社会主義→ソ連崩壊)
日本改造論
日本新党
政界再編
新党ブーム
新党さきがけ
新生党
非自民連立政権時代
人気者
福祉税問題
日本新党
社会党
新党さきがけ
公明党
新生党
民社党
新進党
(非自民の結集)
政党理念の違うものも全て吸収
人気者
自民党
悪夢の自民党・社会党の連立
既得権のスクラム
社会党
自民党
新党さきがけ
国民との5つの契約
求心力の低下
崩壊へ
新進党
(非自民の結集)
民主党
自民党単独政権へ復帰
人気者
しかし金融危機発生
行政改革の断行
自民党
財政再建路線
用済み、
捨てる
経済失政
自民党敗北
裏切り者の惨めな末路
社会党
社民党
自由党
民主党
新党さきがけ
公明党
最後の自民党的総理
派閥の領袖の登場
自自公連立
金融危機の処理 積極財政
通信傍受法案など重要法案を通す
自民党
なりふりかまわない多数派工作
自由党
政権内対立
離脱カード
公明党
旧友
幹事長(闇の宰相)
自由化・規制緩和
公明党パイプ・利権
小渕総理、離脱問題による心労で倒れる
密室で生まれた総理資質を問われる
自公保連立
失言・資質問題
総主流派体制
IT革命 e-Japan構想
自民党
経済政策は亀井静香任せ
森総理を誕生させた5人組
保守党
公明党
村上正邦・野中広務・青木幹雄・亀井静香
あまりに支持率の低い総理
党内に不満が蓄積
明暗を分けたYKK
経世会批判で名を上げた三人集
Y
山崎
→幹事長
加藤の乱
共闘
K
加藤
K
小泉
→議員辞職
→冷や飯食い
森派議員として
加藤の乱を鎮圧
総裁選
→総理大臣
現政権へ
10年で総理大臣は7人交代した
1993年の宮沢内閣崩壊から10年で総理は7人
細川総理とクリントンが通商交渉をしていたのであるから、いかに
日本の政権が短命で、総理大臣が指導力が発揮できないか
93年体制論の総括
10年に渡る政界再編劇で何が実現されたのか?
首相官邸機能の強化
中央省庁再編、首相補佐官・副大臣
地方分権の推進
地方分権推進法、市町村合併が進むが、税源委
譲・補助金の削減に課題
小選挙区制の導入
二大政党制は実現していない。政策を争点とした
選挙が行われていない。
緊急事態法の整備
規制緩和・民営化
年金社会保険制度改革
通信傍受法などの成立。しかし、未だに自衛隊が
侵略時・災害時に機動的に動ける状態ではない。
金融ビッグバンなどの規制緩和。道路公団・郵政
事業・水道業などの民営化は実現していない。
年金の破綻懸念。自己負担率の増加。
政治主導の確立
短期政権で代えって官僚支配が深刻化している。
93年体制論の総括
官
1.
短期政権であること・
政権交代が起こらないことで
官僚をコントロールできない
政
2.
コントロールされない
官は、業法で業界を縛り上げ、
自ら最終先の雇用を創出して
天下りをし、民間を圧迫する
業
3.
年金の格差、理不尽な
規制などはもちろんのこと。外
交や人権に関わる問題ですら
恥を知らないような行動をとって
も官なら許される。
93年体制論の総括
まずは何を実現する必要があるの
か?
政策理念に基いた2大政党政治の実
現
小選挙区制度が実現されているが仏を作って
魂を入れずの状態。体制にNOということで国民
の魂を政治に吹き込むことである。
解散風が吹き始め
ました
伝家の宝刀は11月に抜かれる
9月20日自民党総裁選で再選される
激しく戦っても自民党政権は揺るがない
9月下旬.総裁選後の内閣改造
選挙に勝つためには、抵抗勢力にもポストをあげて、ひな壇に登
らせてあげることが重要
10月上旬.臨時国会そして解散
テロ対策特措法延長を成立させて宿題終了。解散へ。
11月首班指名で再任される
小泉長期政権へ向けて再任シナリオ完結
・・・というのが小泉シナリオです
小泉語録
総裁選で支持しなかった勢力も総裁に選
ばれたら選挙では支援する。
(踏み絵発言に怒る青木幹雄に対して)
俺はいつでもおとなしくなるよ
・・・どうやら“抵抗勢力”と話はついているようです。
誰かよくわからない総裁選候補の顔ぶれ
藤井
孝男
笹川 堯
熊代 昭彦
宗男・額賀と並ぶ 競艇おじさん 岡山の代議士
橋本派のプリンス
詳細不明
亀井
静香
総裁選で戦闘力
は一番高い
小泉総理が総裁選候補者に異例のエールを送り
楽勝ムードが漂う
小泉氏の総裁選再選は安泰
か?
再選2つの死角
今回は総取り方式ではなく、得票数を比例配分する
ドント方式が取られる
第一回目投票で過半数を得る候補者がいなければ、
国会議員のみによる投票で決選投票を行う
野中氏は総裁選候補者が多く出ること
を歓迎している
(藤井孝男に対して)「勇気ある行動
だ」
橋本派が統一候補者を擁立するかが勝敗の分かれ目
小泉支持を青木氏が継続するかがポイント
政界再々編願望シナリオ
自民党
(既得権の結合体) 総裁選
自民党
(既得権の結合体)
総選挙
民主党
(市民派+市場派)
民由合併
自由党
(市場派)
民主党
(市民派+市場派)
政界再々編願望シナリオ
自民党
(既得権の結合体)
総選挙
民主党
(市民派+市場派)
自由党
(市場派)
政界再編
2大政党
政治へ
日本の再生
政策中心
の選挙
労働党
(市民派)
衆議院総選挙予想【2003.11.9】
改選前
自民党
公明党
保守新党
民主党+自由党
社民党
共産党
諸派
改選後(予)
増減
233
31
7
149
220
35
5
180
-13
+4
-2
+31
19
20
21
10
15
15
-9
-5
-5
260
(-11)
220
(+11)
風が吹かなかった場合、野党善戦も与党の過半数維持。
小泉は選挙に強いという神通力がなくなる。
執行部の責任が問われるが、小泉は妥協して自民党を出ない。
通常国会閉幕 7月28日
フ
ロ
ー
チ
ャ
ー
ト
永
田
町
橋本派が候補者を一本化するか
小泉陣営再選 9月20日
内閣改造
解散 10月12日
総選挙 11月9日
小泉再任
菅内閣誕生
抵抗勢力勝利 9月20日
小泉が首相に居座るか
居座る
首相辞任
抵抗勢力内閣誕生
2000年衆議院選挙の結果【2000.6.2
5】
自 公保 民 由 社 共 無 自 無
233 31 7
127 22
271
209
19
20
5
1
15
野党
与党
森内閣:小渕総理倒れる。五人組により森内閣誕生。国民の信を問う
2001年参議院選挙の結果【2001.7.2
9】
自 公 保 民 由 社 共 無 諸 無
64
13
1
26
6
3
5
1
2
野党
与党
20
107
8
1
8
4
3
4
62
小泉内閣:自民党総裁選の奇跡的勝利。小泉支持80%での選挙。
夜明け前が一番暗い
―選挙に行って投票しましょう―
政治編・完