コンピュータ・アプリケーション

回路設計シミュレータを使おう
1.PSpice入門
昔は,回路図を描いて
素子名やノード番号を付けて
テキスト形式で接続状態を
指定してたけど…
1.1 PSpiceとは
パソコン上で回路図を描けば
Spice用のデータが生成される
1. Spiceとは
Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis
1960年代後半~1970年代前半
カルフォルニア大学バークレー校で開発
その後,様々なバージョンがある。
①Hspice(SYNOPSYS社)
②PSpice(パソコン用:開発元はMicroSIM社だが,OrCAD社に買収されOr
CADシリーズの一部として提供されるようになり,更にOrCAD社はCadence
Design Systems社に買収されて現在に至っている)
③Micro-Cap7/CQ(CQ出版社)
その他,SIMetrix,IG-Spice,B2Spice,IsSpice,ZSpiceなど数多くの
商用版がある。富士通のFNAPもSpiceに類似した製品である。
Spiceによる回路のテキスト形式
1
Va
0V~5V
Step 0.1V
+
-
Ra
1kΩ
0
*** sample001 ***
.options post
Vs 1 0
Ra 1 0 1k
.dc Vs 0 5 0.1
.probe I(Ra)
.end
(コメント)
(オプション指定)
(ノード1と0の間に電圧源)
(ノード1と0の間に1kオームの抵抗)
(Vsの電圧を0.1V刻みで 0~ 5Vで変化させてDC解析を行う)
(Raを流れる電流を観測)
(記述終り)
2. PSpiceの全体構成
シンボル
回路図エディタ
OrCAD Capture
*.OLB
*.NET
*.CIR
回路シミュレータ/波形解析
OrCAD Pspice A/D
*.DAT
入力波形作成
Stimulus Editor
*.ALS
*.LIB
*.LIB
シミュレーション
*.STL
*.OUT
モデル作成
Model Editor
3.正式版のオプション
•
•
•
•
•
感度解析機能(Sensitivity Analysis)
回路定数最適化機能(Optimizer)
モンテカルロ解析機能(Monte Carlo/Yield)
スモークアナリシス機能(Smoke/Analysis)
パラメトリックプロット機能
(Parametric Plot/Analysis)
4.PSpiceでできること
• 回路を作らなくても動作を確認できる
• 回路を作らなくても特性を良くする方法が
分かる。
• 部品を壊すことも感電することもない
回路を作らなくても動作を確認できる
5.留意点
• 回路が間違っていても,Spiceは結果を出すことがあ
るので,結果を評価する能力が必要
• Spiceの部品は理想部品であり,実際とは異なる。
• ただし,何でも現実に近づければよいわけではない。
簡単なモデルでも十分実用になる。
• 何を解析したいかをきちんと把握して,回路図を入力
すること。回路図をそのまま入力するのは,だめ。
• 最後は,実際の部品を使って実験する必要がある。
回路図が間違っていてもPSpiceは結果を出す
正しくは,こちらがマイナス(-)
解析結果が正しいかどうかは
回路動作を理解していなければ
分からない
Spiceの部品は理想部品であり,実際とは異なる。
実際の
コンデンサ
理想の
コンデンサ
実際のコンデンサをモデリング
素子のばらつきを設定できる
ヒストグラムの表示
素子のばらつきを指定して
出力に与える影響を予測