15[再]・文化は変化する

15[再]・文化は変化する
2010.10.05. 青山・文化人類学
15[再]・文化は変化する
2010/10/05 - [2]
農業従事者の割合(1930年-1955年)
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農業従事者の割合(1980-2005年)
2010/10/05 - [3]
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2010/10/05 - [4]
「農業」という産業の変化
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1930年当時、産業従事者のほぼ半分(47.74%)を占め
ていた農業は、いわば「日本人の普通の生活」の最たる
ものであった
戦争をはさんで1955年になっても、実はこの点は大きく
は変わらない
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ところが1980年になると「農業」をめぐる状況は激変し
ていた
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ほぼ全国的に、1930年と比べて10ポイント程度低下しているが、
それでも全体の1/3を超えるひとびとが「農業」によって暮らし
ていた
全国でようやく10%に届くかどうか、東北と九州の一部が20%を
超えるものの、大都市圏は5%かそれ以下に
2005年現在ではさらに状況は悪化、平均で5%を下回る
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それが何を意味するのか?
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戦前(おそらくそれ以前も)~戦後のある時期まで日本
人の暮らし・文化の「普通」であったものが、この50年
間(とりわけ60年代を中心とする四半世紀)に完全に崩
れ去った、ということになる
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では、今の「普通」は、なんだろう?
当時の「普通」は、「普通」と自覚されていたのだろうか?
そもそも「みんな同じ農業・農民」という考え方でいいのだろう
か?
資料映像2(新潟の農村映像)からわかることは、
1. もちろん東京(都市)との間に大きな地域的偏差があ
ったこと
2. そして「新潟の農村の暮らし」といっても決して一様
ではないこと……cf. 春学期の内容「ラベル貼りとくくり」
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文化の変化
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ひとびとは(わたしたちも含め)そのときの状況に応じ
て行動したり考えたりしている……あたりまえだが、見
落としがちなこと
文化を、物質文化と精神文化に分ける
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物質文化……衣食住、生業、道具 etc.
精神文化……言語、宗教、儀礼、慣習・習慣、人間関係、価値観
etc.
物質文化と精神文化、どちらがより変わりやすいだろう
か?
衣・食・住は、どの順番で変わりやすいだろうか?
精神文化で変わりやすいもの・変わりにくいものは、そ
れぞれどんなものだろうか?
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1950-60年代の変化
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日本史では1868年・1945年が日本の政治制度の大変革
期として挙げられるが、ふつうのひとびとの生活に注目
すると、1890-1900年代と、1950-60年代が大きな変
化の時代にあたるといえる
1890-1900年代は、国民国家を支える諸制度(学校教育、
新聞/郵便メディア、鉄道交通、地方制度、軍事制度な
ど)がほぼ国の隅々まで行き渡った時期
1950-60年代は、生活の自給自足的な部分の比率と購買
消費的な部分の比率が逆転し、大量生産・大量消費型社
会へと転換した時期
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cf. 「近代」と「国民国家」
多様・雑多
均質化・画一化
=「くくり」
多様化 & さら
なる画一化