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森と水を学ぶ面白塾
立田山観察会下見
28:6:24
森と水を学ぶ面白塾(以下面白塾)は新
年度になって地震の関係で4月、5月の2
回が休みとなっている。森林ファンドの申
請をしているのである。昨年と同じく4月
から翌年の3月までの12月間、連続開催
で申請していた。
6月後半になって大雨が降り出した。熊
本県は地震に加えて大雨による被害が続出
ていた。困ったと思って、開催できなけれ
している。6月25日の開催はどうかと危
ば下見をしても役に立たない。
ぶまれてきた。また、
九州森林インスト
ところが天気予報が2転3転して定まら
ラクター会の開催場所や日程が難航した。
ない。困ったなあと思いながら天気との相
九州森林インストラクター会については、
談であった。
会則で7月までにすればいいことになって
前日の24日になって一応下見をしてお
いる、場所や日程が決まらず延び延びにな
こうと思って立田山へ出かけた。普段は散
っていた。
策する人を見かけるのであるがほとんど人
は い な か っ た 。天 気 は 曇 り 空 で 湿 度 が 高 く 、
少し歩いただけで汗ばんできた。こんな時
に熱射病になるんだと家内が水筒に水を入
れてくれた。それを時々飲みながら歩くの
で、一層汗が出るようであった。
駐車場から歩き出して、立田山の北側を
中心に案内するつもりであった。アキニレ
が出てきたので、秋に花が咲くことからの
名前であることや湿度の高い箇所に生え、
材は綺麗なのでケヤキと同じように利用さ
理事会が開けないので電話やメールによ
れている。ここにあるのは植えられている
って7月の面白塾の日に開催と言うことで
ものと思われる。自生地は九州にもあるが
検討した。
あまり普通にある木ではないと思っていた。
6月の面白塾は絵手紙となっていた、7
しかしながら、熊本県植物誌には普通にあ
月は立田山の植物観察になっていたので、
る と な っ て い た 。私 の 感 覚 と は 違 っ て い た 。
総会と面白塾を同時開催するには部屋が必
古株にぼう芽が出ており大きな葉を付け
要 で あ っ た 。絵 ハ ガ キ の 講 師 を 務 め る M さ
ていた。アカメガシワかアオギリかイイギ
んと打ち合わせて7月の延期して貰った。
リか遠くからはよく分からなかった。近づ
そのため立田山の植物観察を一月早めるこ
いてみて、さらに葉を取ってみた。蜜腺を
ととなった。
確認したら葉の茎にはなくて葉面基部に赤
20日になって天気予報は大雨の連続に
なっており、25日も大雨の天気予報が出
茶色の蜜腺があった。
アカメガシワだった。大きい葉と小さい
暖帯林のシイ林をその目で見ると森の動き
が何となく見える。
森を歩いて行ったら久しぶりにビロード
イチゴが出てきた。小さい時には葉の中央
に 白 い 「 ふ 」 (斑 )が 入 っ て い る が 、 今 観 察
しているのは表面の全部が緑色であった。
まずは触ってみてビロードイチゴであるこ
とを確認した。ナガバモミジイチゴとは葉
の長さが短く、正三角形に近い形となって
いる。葉の形では見分けられない。触って
葉が混じり幹の色は古株のためにあまり特
みるのが一番である。
徴が出ていなかったのですぐに分からなか
った。
森の中はしーんとしていた。ナナメノキ
とツブラジイ主体の森であるが、ネジキ、
進んでいるとトイレの横からやや登り坂
アラカシ、クロキ、ボロボロノキ、ヒサカ
になった道を歩いて行った。近ごろはあま
キが出てきて暖帯林の森であることが感じ
り見かけないシラカシが出てきた。暖帯林
られた。
には普通にあるようになっているがなかな
歩いていたら展望台へ出た。北展望所と
か行き当たらない。久しぶりだったので葉
なっていた。展望所となっていたが展望は
を取って観察した。
ほとんど無かった。ここは自動車の転回場
私は葉裏の色でシラカシは覚えている。
薄い緑色となっている。もちろん葉表は革
所になっているらしく広場状になっており
草で緑一色になっており綺麗であった。
質で照りがある。照葉樹林の代表となって
左手に見晴台があるが虎ロープでぐるぐ
いるがあまり見かけないので、見かけたら
る巻きにして立ち入り禁止になっていた。
出来るだけ葉を取って観察して葉裏の色を
広い道を下っていった。行き交ったのは夫
確認しているようにしている。名前の由来
婦一組と中年女の二人連れだけであった。
は材にした時に白色のための名前である。
お祭り広場へ下り細川藩の000の御茶
シ ラ カ シ だ と か ん な (鉋 )の 話 を す る こ と に
屋
の
跡
に
登
っ
た
。
している。昔の鉋の台には赤と白があり、
赤はアカガシで作ってあるので対にして話
すと皆さんが理解してくれる。しかしなが
ら 若 い 人 た ち に は か ん な (鉋 )そ の も の が 死
語となっているので苦労する。
立田山はツブラジイとナナメノキが多い。
観察歩道を歩くと頻繁にこの2種が出現す
る。今回もこの2種については資料を付け
ないといけないと思った。ツブラジイは古
木になるとほとんどが根元から小さい丸い、
白い虫の糞を出して腐っているのをよく見
オニグルミが沢山の実を付けていた。青
かける。ツブラジイは40年生前後から腐
い果実を無理矢理剝がして語源を話すと面
り始め寿命は100年前後が通説である。
白いと思った。さらにハクモクレンが果実
詳しくは解説しないが花穂の上に薄い色
の穂が雄花である。濃い茶色の丸くなって
いるソーセージみたいなものが雌花である。
雄花と雌花の関係を理解すると同定は簡単
である。
を付けていたが熟すのにはまだ相当の時間
が必要であった。しかしながら果実が熟し
て種子が熟れると赤い実を白い糸状でつり
下げることの解説はこの果実でも出来る。
明日の解説が楽しみであった。
お祭り広場から池の周辺を巡った。
「ひし」
そうこうしている内に駐車場に着いた。
湖面いっぱいに広がっていた。葉を広げる
明日は雨がどうなるか分からないが下見し
付近には蕾かな?花芽かな?と思われるよ
ている間中雨は降ってこなかった。
うな楕円形の膨らみが見える。ここが肝心
カーラジオからは明日は大雨になる、熊
の箇所である。葉を浮かべるために茎が膨
本県では広報車が出て早目の避難を呼びか
らんでいるのだ。これも話題には最高であ
けていると盛んに放送していた。
る。明日の話題が沢山出てきた。
せっかく下見をしたので資料を作成して
明日に備えた。
結果的に翌日大雨の予報には勝てずに中
止となった。心当たりには電話で伝えたが
ハガキで開催を呼びかけていたので、当日
集合現場で10時まで待った。誰も来なか
ったので助かった。
さ ら に 池 を 回 り な が ら シ ョ ウ ブ 、コ ウ ホ ネ 、
スイレン(ヒツジクサ)が観察され、さら
にガマも咲いていた。ガマの見分け方もイ
ントラクションに欠かせない。穂の一番大
きいのがガマ、穂がやや小さく可愛いのが
コガマ、さらに花穂が全体的に小さいのが
ヒメガマである。