TDOAtp

RADAR
情報工学専攻
中村 遼
目次
 RADAR




オフラインフェーズ
リアルタイムフェーズ
経験的方法による解析
無線伝播モデルによる解析
RADAR
 位置が既知である複数のAPを利用してユーザの持つ端末
からの受信電波強度を計測する.その計測値と各位置にお
ける理論値との違いを最小とする位置をユーザの位置として
推定する
 距離を計測するやり方として、(1)経験から求める方法と
(2)理論的な無線伝播モデルから求める方法がある
 (1)のほうが精度は高いが、APの位置を変更する場合の柔
軟性は(2)が勝っている
テストベッドでの実験
 テストベッドは3階建てビルの2階に位置する
 43.5m × 22.5m の約980平方メートルで、
部屋数は50以上ある
 基地局(BS : Base Station)
 ペンティアムベースのPCでFreeBSD 3.0を起動している
 無線アダプタを備えている
 モバイルホストの情報を記録している
 モバイルホスト
 ペンティアムベースのノートPCでMS Win95を起動している
 定期的にパケットを放っている
 BSもモバイルホストもDigital RoamAbout NICを備えている
基盤となる理論
 オフラインフェーズ
 特定の位置での信号強度を見つける又は計算する
 集めたデータを処理し解析する
⇒解析には2つの方法を用いる
①Empirical method(経験的方法)
②Radio propagation model(無線伝播モデル)
 リアルタイムフェーズ
 ランダムな場所での信号強度を見つける
 最も適合する場所を探すためにNNSSアルゴリズムを行う
補足 NSSSとGPS
 NNSS(Navy Navigation Satellite System)
 高度:約1000km 極・円軌道
 周期:約100分
 衛星数:6個
 周波数:400MHz, 150MHz
 位置決定:ドップラー測位(精度:数百m)
 GPS (Global Positioning System)
 高度:約20000km 円軌道
 周期:12時間
 衛星数:18個
 周波数1575.42MHz, 1227.6MHz
 位置決定:TDOA(精度:30m{C/Aコード}, 3m{Pコード})
経験的方法
 最初、時刻を同期させる
 モバイルホストは4秒間隔でUDPパケットを放送する
 各々のBSは組(t, bs, ss)と組(t, x, y, d)を記録する
 前者はリアルタイムフェーズのときの記録でもある
 タイムスタンプ t を用いて2つの組を合併する
(x, y, d, ssi) i=1,2,3,・・・
 70の場所で少なくとも20回サンプリングを行う
 実際の値ではなく、それらの平均値を用いる
無線伝播モデル
 動機
⇒経験的なデータによる依存を減らす
 無線の反射、回折、散乱を考慮した屋内無線伝播の数学的
モデルを用いる
 Rayleigh fading model(レイリーフェージングモデル)
:受信側に届く信号が全て等しい強度を持つという仮定⇒非現実的
 Rician distribution model(ライス分散モデル)
⇒パラメータを決定するのが難しい
 Floor Attenuation Factor propagation model(FAF伝播モデル)
FAF伝播モデル
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P(d) : 距離dにおける信号強度
n : 距離で伝送損失が増える比率
d0 : 参照点の距離
C :減衰要因が違いを生む障害(壁)の最大数
nW : 送信者と受信者の間の壁
WAF : 壁減衰要因
リアルタイムフェーズ

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

最初、時刻を同期させる
モバイルホストは4秒間隔でUDPパケットを放送する
各々のBSは組(t, bs, ss)を記録する
最も適合する場所を探すためにNNSSサーチを行う
 ユークリッド距離sqrt((ss1-ss’1)2+(ss2-ss’2)2+(ss3-ss’3)2)を最小にす
るような(ss’1, ss’2, ss’3)をユーザの場所と決める
経験的方法による解析
 70*4の計280の組合わせを用いる
 無作為に場所と方位のうちの一つを選ぶ
 残りの69地点*4方位のNNSSサーチを行う
⇒最も悪い測定精度を得る
 以下のものと比較する
 最も強いBS選択
 ユーザの場所が最も強い信号強度を記録するBSの位置と同じだと考え
る
 ランダムな選択
経験的方法による解析
累積分布関数(CDF: cumulative distribution function)
無線伝播モデルによる解析
 壁減衰要因(WAF)を決定する
 既知数の壁を挟んで受信信号強度を測定する
 それらの平均値と壁が無い場合の強度の違いからWAFを計算する
 間の壁nWの数を計算する
 Cohen-Sutherlandアルゴリズムを使用
 Cはモデル上で最も壁が多い場所から読み取る
 伝送減衰比率nと参照信号強度Pd0を決定する
無線伝播モデルによる解析
無線伝播モデルによる解析
無線伝播モデルによる解析
今後の課題
 現在RADARで使われている技術について調べる
 NNSSやフェージングなどについて詳しくみる
 RADAR以外の検出技法(EkahauやWiPS)についても調べ
る
 現状で何ができるかを具体的に
参考文献
 Paramvir Bahl, and Venkata N. Padmanabhan, “RADAR:
An In-Building RF-based User Location and Tracking
System”, ssdIEEE Infocom 2000, pp.775–784, (2000).