中級日本語 第 18 課 騒音問題 吉林華橋外国語学院 日本語学部 製作 第18課 形式段落(1) 投書① 第1段落 日本の騒音問題に対して提案する。 第2段落 (まとめ) 静かな生活が保障されるべきだ。 第18課 形式段落(2) コラム 第3段落 日本の騒音問題について投書①と同感だ。 第4段落 駅員の話を例示 第5段落 駅員の大声に基づいて騒音問題がなぜ出てき たかを説明する 第18課 形式段落(3) 投書② 第6段落 駅での放送がなぜ必要かを提示する。 第7段落 「幼児」のような乗客がいて、駅で放送しても、も み合う光景が増える一方だ。 第8段落(まとめ) 現在の放送はまだ足りないということをまとめて いう。 第18課 意味段落 投書① 1~2段落 コラム 3~5段落 投書② 6~8段落 拡声器を禁止することに提案 投書①に賛成すること 放送がまだ足りないこと 第18課 本文 第1段落 投書① 「拡声器を禁止しよう」 在ハワイ S.E. (元大学教授 73歳) 私は在米の日系人です。十数年前に初めて父母と懐か しい故郷日本を訪れ,それ以後何度か訪日の機会があり ました。訪日の都度,都会の河川や空気が徐徐に清浄化 されてきていることを感じます。さすが両親の祖国だけあ ると誇りに思います。しかし,残念なのは騒音公害で,だ んだんひどくなるばかりです。それにもかかわらず,騒音 をなくすため,何も努力がなされていないのはなぜでしょう か。特に,至る所で聞こえる拡声器の音は,とても我慢で きません。欧米では,既に騒音防止のため,さまざまな政 策がとられ,効果をあげています。私は日本に対して次の ようなことを提案したいと思います。 第18課 本文 第2段落 ①商店をはじめ,拡声器を使用した,路上での宣伝活動, 宣教演説や各種巡回車の広報活動を禁止する。違反し た者には罰則を与える。 ②車内のアナウンスは,次の停車駅を知らせるにとどめる。 ③店内で拡声器を使用して大声を出すことを禁止する。 静かで落ち着いた生活が保障されることは,万人にとって 最も重要な権利の一つであり,それは,一部の限られた 個人や団体の,政治的,営利的な活動によって絶対に侵 されるべきではないと信じます。 第18課 本文 第3段落 コラム ハワイ在住の日系人が,先日本紙の投書欄に 騒音防止を提案した。来日する都度に汚れてい た河川や空気はきれいになってきているが,騒音 公害はひどくなる一方で,それに対する規制がな いのは可笑しいという投書だ。同感である。拡声 器の音の中で,駅の放送,特に混雑時の音はひ どい。 第18課 本文 第4段落 「白線の内側にお下がり下さい。ご乗車の方は 広く開けてお待ち下さい。一か所に固まりますと, 乗れなくなります。奥にお詰め下さい。降りる方は, 前の方に続いて順序よく降り下さい。...」 第18課 本文 第5段落 駅員は大声で叫ぶ。ホームごとのマイクの声が 重なり,ベルの音が加わると,実は,何を言ってい るのか,分らなくなる。なぜ,これほどまでにしゃ べり続ける必要があるのか。それとも,むやみと やかましい指示を与えなければ混乱するほど,乗 客は幼児的だとでも考えているのか。拡声器を使 う方もただ習慣的に叫び、聞く方もただ何となく聞 き流すだけである。このようにして騒音の日常化 は進んでいくのである。 第18課 本文 第6段落 投書②「まだ足りない」 水戸市 O.C. (教員68歳) 駅では,実際に,ひっきなしに放送されている が,本当に無用と言えるかどうか。東京の多くの 駅では,ホームに乗客があふれ,数分間隔で電 車が入る。白線の内側に下がるように警告せね ば,どんな事故さえも起こりかねない。 第18課 本文 第7段落 幼児扱いと怒っても,幼児のように人ごみの中で他人 が目に入らず,突きのけ,かき分けるという行動をする人 が多い。ぶつかっても謝ろうともしない人さえいる。「降り る方が済んでから」と放送しても、乗り遅れまいとして,も み合う光景が増えた。過密人口の大都会で,群衆の中で の歩行,身の処し方に一定の流れもルールもない。駅構 内の狭い地下通路,階段などでは,地震,停電などの異 常事態の際,群衆が一斉に逃げ出し,どんな混乱状況 が生じるか,想像もつかぬ。 第18課 本文 第8段落 車内放送についても,窓外に広告があふれ, 駅名を見失いがちだから,次の駅名をはっきり放 送する必要がある。扉の左右ばかりか,中央に 突っ立ったきり動かず,乗り降りを妨害して平然と している若者が増えた。こんな乗客がいる限り, 現在の放送でも足りないくらいだ。
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