漕艇中のオールに働く直圧力係数の 過渡影響について 東京大学生産技術研究所 小林 寛、木下 健 漕艇中のオールの動き <ストロークサイド> 艇の進行方向 水中でのブレードの軌跡 Locus of Bl ade ( St r okesi de) 0. 9 Locus of mi ddl e poi nt of Bl ade 0. 8 0. 7 Middle 0. 6 0. 5 Y[ m] Finish 0. 4 0. 3 0. 2 0. 1 0 流入してくる水の向き Catch 0 0. 2 0. 4 0. 6 X [ m] 0. 8 1 ストローク中の迎角の変化 ƒXƒgƒ [ƒN’†‚ÌŒ}Šp‚̕ω» 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 0.2 0.4 0.6 Time[sec] 0.8 1 1.2 —¬‘¬[m/s] ストローク中の対水流速の変化 ƒXƒgƒ [ƒN’†‚Ì‘Î …—¬‘¬‚̕ω» 2.4 2.2 2 1.8 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0 0.2 0.4 0.6 Time[sec] 0.8 1 1.2 オールの運動 Vb M in Fblade lout Fblade Cn 1 tVb2 S 2 Fblade ブレード lout M in クラッチ 進行方向 ハンドル 実艇実験によるCnの推定値 Cn(ƒCƒ“ƒ{ [ƒhƒgƒ‹ƒN‚©‚ç‚Ì „’è’l) 6 group1 group3 group5 group7 5 4 Cn 3 2 1 0 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 2.5 angle of attack[rad] 3 3.5 4 4.5 ブレードに働く力を流速から 求めるためには… 静的な流体力係数を適用した場合とは著 しく違う結果になる。 時々刻々迎角・流速が変化する場合の流 体力の変化を調べ、知る必要がある。 流水中で平板を回転させ、 オールの水中での運動を模した実験を行った 実験装置概略 強制動揺装置(サーボモータ)へ ロードセル アタックアングルの変化 一様流 実験の様子 Draft = 100[mm], U = 0.8[m/s], 振動周波数 = 0.5[Hz] 平板の設定パターン A:喫水0[mm] B:没水100[mm], 天蓋無 一様流 100[mm] 100[mm] 一様流 C:没水100[mm], 天蓋付 一様流 実験の結果 静的な流体力 振動させたときの動的な流体力 – 平板と一様流の角度をそのまま迎角とした場合 – 計測したモーメントによるレバーで補正した場合 流速の違いによる変化 ベンチレーションがある場合 直圧力係数の定義 F [kgf ] U [m / s] F Cn( ) 1 2 U S 2 静的な直圧力係数 Cn (Static) 2.5 0.8[m/s] 1.0[m/s] 1.2[m/s] draft=0[mm] 1.0[m/s] 2 Cn 1.5 1 0.5 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 angle of attack[rad] 1.2 1.4 1.6 直圧力係数の動的な変化 Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.0[m/s]) 4.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 4 3.5 3 Cn 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[rad] 2.5 3 3.5 回転することによる 流速および迎角の変化 MZ 補正された迎角 F 計測されたモーメントによる 着力点の変化例 ’…—Í“_‚̈ʒu‚̕ω»‚Ì—á(Œv‘ª‚³‚ꂽƒ‚ [ƒ ƒ“ƒg‚æ‚è) ’…—Í“_‚̈ʒu/ƒR [ƒh b/2 -b/2 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[rad] 2.5 3 3.5 モーメントより求められる着力点の影響を 考慮した場合の直圧力係数の変化 Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.0[m/s]) 4.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 4 3.5 3 Cn 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[rad] 2.5 3 3.5 ベンチレーションの影響(流速:1.0[m/s], モーメントによって流速・迎角補正) Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.0[m/s]) A:喫水0[mm] 4.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 4 3.5 3 Cn 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 Angle of Attack[rad] B:没水100[mm], 天蓋無 C:没水100[mm], 天蓋付 Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.0[m/s]) 4.5 Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.0[m/s]) 4.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 3.5 3 Cn 2.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 4 3.5 3 2.5 Cn 4 2 2 1.5 1.5 1 1 0.5 0.5 0 0 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[rad] 2.5 3 3.5 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[rad] 2.5 3 3.5 流速の違いによる変化(モーメントによって流速・迎角補正) Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.0[m/s]) 1.0[m/s] 4.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 4 3.5 3 Cn 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0.8[m/s] 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 1.2[m/s] 3.5 Angle of Attack[rad] Cn vs Angle of Attack on each Frequency(0.8[m/s]) 4.5 Cn vs Angle of Attack on each Frequency(1.2[m/s]) 4.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 3.5 3 Cn 2.5 static 0.01[Hz] 0.02[Hz] 0.05[Hz] 0.10[Hz] 0.15[Hz] 0.20[Hz] 0.25[Hz] 0.30[Hz] 0.40[Hz] 4 3.5 3 2.5 Cn 4 2 2 1.5 1.5 1 1 0.5 0.5 0 0 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[deg] 2.5 3 3.5 0 0.5 1 1.5 2 Angle of Attack[deg] 2.5 3 3.5 迎角の変化からCnを推定 実艇実験の迎角の変化から、迎角が 0°~180°まで変化するまでの経過時間を 算出し、それに応じたCnを今回の計測データ から求める。 迎角の変化に対するCn Œ}Šp‚ɑ΂·‚éCn‚̕ω» 4.5 ŽÀ’øŽÀŒ± Estimation (Static) Estimation (Dyanmic) 4 3.5 3 Cn 2.5 2 1.5 1 0.5 0 -0.5 0 0.5 1 1.5 Angle of Attack[rad] 2 2.5 3 結論 回転する平板のような、時々刻々迎角が変化する場合 は、定常な状態よりも倍程度の力が加わる場合があるこ と、また迎角に対する変化の様子も大きく異なる事が分 かった。 直圧力係数 Cn は、基本的には平板の回転が早くなるほ ど大きくなる。 喫水 0[mm]などで大きく Cn の値が減じられるのは、ベン チレーションが影響を及ぼしているものと思われる。 今回の計測値を用いて、オールブレードの迎角の変化か らCnを推定したところ、静的な推定値を用いるよりも実際 のCnに近い推定を行うことができたが、迎角が小さいと きおよび大きいときに問題がある。
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