愛知県教育業界のヒミツ チーム休学 尾澤 政哉・村井 望・嶋崎 有香 教育業界を取り巻く環境の変化 団塊世代の大量退職→教員需要の拡大! 少子化→将来の教員需要の縮小! 再任用制度、非正規教員の増加、小学校教員 免許取得規制の緩和注1 など 注1:平成17年の規制緩和により、非教員養成大学でも教員免許が取得可能に なった 発表の流れ 1.愛知県内の国公立小学校・中学校・ 高校の将来の教員採用数を推計する 2.愛 知教 育 大学 が 将来 的 に と り うる 方策について、教育大学の存在意義も 含めて検討・提案する 愛知県内 国公立教員採用数 推移 ※私立の採 2200 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 ? 用数を除く ※市採用 数:2001^09 はk経済産業 省HP、2010^ 13は名古屋 市HPより抽 出 高校 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 中学校 小学校 出典:文部科学省 公立学校教員採用選考 「5.各都市における受験者数、採用者数、競争率 (倍率)の状況について(第2表)」 、経産省HP、名古屋市HPから数値を抽出し作成 教員採用数を決める要因 ①退職者数 ②児童・生徒数 ③教員一人あたりの生徒数 ※非正規・再任用・離職率・少人数学級制度等の要因 は今回は考慮しない ①退職者数の推移(愛知県・国公立) 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 20歳 21歳 22歳 23歳 24歳 25歳 26歳 27歳 28歳 29歳 30歳 31歳 32歳 33歳 34歳 35歳 36歳 37歳 38歳 39歳 40歳 41歳 42歳 43歳 44歳 45歳 46歳 47歳 48歳 49歳 50歳 51歳 52歳 53歳 54歳 55歳 56歳 57歳 58歳 59歳 60歳 61歳 62歳 63歳 64歳 65歳 66歳以上 0 出典:政府統計の総合窓口>学校教員基本調査>平成22年度>閲覧公表>都道府県別 転入・採用・離職者数 より愛知県の数値を 抽出して作成 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016172 ②児童・生徒数(愛知県・国公立) 将来の生徒数推移(国公立) ※( )内は 国公立進 学率を表 す。 500000 450000 400000 小学校 350000 300000 250000 中学校 (95%) 200000 150000 高校 (63%) 100000 50000 0 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 出典:人口問題研究所 日本の地域別将来推計「男女・年齢(5歳)階級別の推計結果」(「平成25年3月 推計) より、該当年齢を抽出して推計※抽出方法は別記 ③教員一人あたりの生徒数(愛知県・国公立) 平成22年度の教員一人あたりの生徒数 小学校 19.8人 中学校 16.7人 高校 13.5人 *平成22~24年の3年間平均は小学校:19名、中 学校:16名、高校:14名 教員採用数の推計方法 補充式 現行方式。毎年の退職者数、児童生徒数、教員一 人当たりの生徒数から求める方法。 固定式 2010~40年の30年間の採用教員の総数を30で 割ることで、平均採用数を求める方法。 予測される教員採用氷河期を回避し、毎年一定数 の正規採用を確保することができる。 愛知県内 小学校(国公立) 教員採用数推計 749 800 700 補充式 600 固定式 500 533 383 400 300 383 352 278 200 100 89 0 2015 2020 2025 2030 189 2035 2040 愛知県内 中学校(国公立) 教員採用数推計 300 261 270 278 243 250 200 214 214 150 補充式 100 固定式 50 75 80 0 2015 2020 2025 2030 2035 2040 愛知県内 高校(国公立) 教員採用数推計 500 450 429 補充式 400 固定式 350 253 300 250 200 150 199 199 100 138 50 139 0 -50 2015 2020 2025 2030 -19 2035 53 2040 教員採用氷河期への対処 補充式(現行方式)では早くて2020年頃から、 小中高の順に教員採用数が激減し始める。 →2040年の必要教員数を基準にした固定式で 採用することにより、 行政は 教員の年齢のバラつきを抑え、大量採用 時の教員の質の低下を避けられる 教育大学は 定員を一定数に維持し、頻繁な学部 編成改革を避けられる 学生は マイナス採用期を避けられる 推計方法のメリットとデメリット 補充式 メリット 固定式 ・必要な数の教員を確保 ・採用数の変動が小さい できる ・補充式のマイナス採用期に も一定の採用数確保 ・バランスのよい教員の年齢 構成 デメリット ・採用数の変動が大きい ・実際の毎年の退職者数に ・少子化に合わせて教員 はバラつきがあり、採用数に 過不足が生じる 数を削減できない ・「2040年度に必要な教員 数」を元に算出するため、推 計値と実際値のズレによる 影響がある 固定式採用数の過不足をどうするか 採用数と実際に必要な教員数にズレ →非正規(非常勤)教員で調整 Q.どのような形態?インセンティブ? ・契約年数の多様化(1年、2年、3年、、、) ・未成年のこどもをもつ者に定時帰宅を保障 (期限付きで働きたい主婦層などをとりこむ工夫) ・授業外活動(部活動など)含む雑務の免除 2.愛知教育大学のとりうる方策 ・愛知教育大学の国公立(県・市)教員採用合格者数を 推定する 愛教大卒業生の愛知県内の国公立教員採用割合 =(愛教大生)/ (合格者総数) H21 333/2110=15.8% →平均値:15.2% H22 315/2050=15.4% ※ただし、 H23 287/2035=14.1% ・小中のみなら数値は上昇(高校を含めない) H24 320/2080=15.4% ・専攻科目ごとに倍率が異なる可能性が高い 出典:愛知教育大学 キャリア支援課HP http://www.aichi-edu.ac.jp/auecareer/ 愛知教育大生の教員採用数の推計(国公立) *小中高合算・補充式 各期間の教員採用数推計値(補充式)×愛知県内の国公立 教員採用試験合格者に占める愛教大生の割合(15.2%) 2011~15 2016~20 2021~25 2026~30 2031~35 2036~40 毎年平均186名の愛教大生の採用 193名 105名 46名 38名 99名 愛知教育大生の教員採用数の推計(国公立) *小中高合算・固定式 2011~40年の間に、毎年平均121名の愛教大生 が採用される 愛知教育大学生の国公立教員採用数推移(小中高) 2025年か ら2035年に かけて採用 数の激減 250 200 186 補充式 193 固定式 150 100 121 121 99 105 50 46 38 0 2015 2020 2025 2030 2035 2040 過去の教員採用数減時代の方策 1987年 愛知教育大学に現代学芸課程(ゼロ免課程) が発足 →全国の教育大学に同様の動き 埼玉大学や京都教育大学は2006年からゼロ免課程 の募集を停止し、再び教員養成課程に一本化した。 (団塊世代の大量退職に伴う教員需要の拡大のため) 愛知教育大学の取るべき方策 教育学部と教養学部の2本柱 教員採用数の激減 →愛教大生の教員就職数の激減 「現代学芸課程」の実体が内外にとって わかりづらい ↓ 教養学部に格上げ メリット:内外にとってわかりやすい デメリット:差別化するためには教養 学部での教員免許取得をなくす? 愛知教育 大学 教育 教養 学部 学部 まとめ 本発表では 愛知県教育業界について理解を深めるために、 教育界を取り巻く現状を明らかにし、 将来の愛知県国公立教員採用数について、 現行方式(補充式)および 新たな採用パターン(固定式)で推計を行なった。 その上で 今後の愛知教育大学のとるべき方策について、 現代学芸課程(ゼロ免課程)の学部化 という視点から提言した。 参考文献・資料 愛知教育大学HP http://www.aichi-edu.ac.jp/index.html あいちの教育統計 http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/kyoiku-somu/tokei/ 経産省HP http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/senkou/1243159.htm 名古屋市HP http://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000032732.html 文部科学省>教育>公立学校教員採用選考試験の実施状況 の 各年実施状況の図表、第2表 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/senkou/1243159.htm 政府統計の総合窓口 学校教員統計調査 http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016172 補充式の計算方法(現行方式) 【例】(※数値は例示用に架空のものを用いる) ①2011~15年の退職者数を10とする(年齢別教員構成から 算出) ②教員一人あたりの生徒数(2012年度基準)と 2015年度の 推計生徒数から、2015年度の必要教員数510 ③2010年度の教員数500の時、退職者数10を引いた数490 ④③と②の差から、2011~15年の5年間に必要な教員数20 ⑤④を5で割ると、2011~15の5年間に毎年4人ずつ採用す ればよいとわかる (式) 500-10=490人 490人+□=510人 *□=20人:5年間で採用する人数 20÷5年間=4人・・・毎年平均4人採用すればよい(2011~15) 固定式の計算方法(提案) 【例】(※数値は例示用に架空のものを用いる) ①2010年度の教員数を100、20代教員の構成比率を25%と する ②2010年度の20代教員数は25=30年後(2040年度)の50代 教員数 ③2040年度の推計必要教員数80から②を引いた数55 ③②を30で割ると、2010から40年の30年間に毎年約11人ず つ採用すればよいとわかる (式) 100x0.25=25 80-25=55 55÷30=10.833…≒11・・・毎年平均11人採用すればよい(2011 ~40) 将来の生徒数推計の補足 元となる将来人口推計データは5歳刻みの推計値のた め、たとえば中学校生徒数を推計する場合は10-14 歳人口から3分の2、15-19歳人口から3分の1の数 値を求め、それぞれの進学率および国公立進学率をか けた。 例:2011~15年の10~14歳人口35万人、15~19 歳人口37万人、中学校進学率100%、国公立進学率9 5%のとき、中学生人口(12~15歳)は (350000×2/3+370000×1/3)×1×0.95=338833.3…
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