小規模多機能型居宅介護・ 認知症グループホームにおける

第5章
小規模多機能型居宅介護・
認知症グループホームにおける
チームケア
全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会
黒岩 尚文
Copyright 全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会2010
この章のねらい
• 私たちの福祉・医療の現場では「チームケア」
という言葉ごく自然に使われ、またその重要
性もあらゆる研修等で伝えられています。し
かし、実際の現場では、そのチームケアの必
要性はどのように認識されているのでしょう
か?また、支援を必要とする人に有効に機能
しているでしょうか?この章では、自らのチー
ムケアの現状を振り返り、より良いチームの
構築の方法を演習を通して体感し、即、現場
で活用できるように組み立てています。
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研修をするにあたって
たとえ講師と呼ばれても、「教育者」ではない。
受講者と同じ実践者であり、一緒に学ぶ、考
える姿勢が重要
受講者が、自分の意見を出せる場をできる限
り多く作り、主体的に参加できる時間にする
自ら考える、自ら気づく場面を作る
楽しく参加し、体感したことが一つでも残るよ
うに働きかける
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1、チームケアの必要性(P62)
チームケアは何故、必要なの
か?
より良いチームを構築することに
よって何が実現できるのか?
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2、チームケアの現状を振り返る①
(P63)
まず、自分自身の職場のチームケアの現状
を振り返る
個人ワーク
自分の所属しているチームケアの現状について、自分自
身が感じていることを正直に、正確、具体的に書く
POINT
頭の中で、わかっているつもりで終わらせない。素通りしない。考えていること、
思っていることを文章化することによって、思考を整理することができ、現状を
具体的・客観的にとらえることができる。これまで気づかなかった自分自身の
視点や傾向を明らかにする。
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2、チームケアの現状を振り返る②
(P64~P68)
まず、自分自身の職場のチームケアの現状
を振り返る
グループワーク
相対する質問に対して、ブレインストーミング法(BS法)を
用いて意見を出し合う。
POINT
・BS法のルールをしっかり伝え、この討議法は職場の中でも有効に使えること
を伝える。(対等な立場・自由な意見・多くの意見から新たな気づき・・・)
・2つの相対するテーマに基づく多くの意見からより良いチームケアに必要な
ことと、チームケアを難しくしている要因について、それぞれ根底にあるものを
考える。
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2、チームケアの現状を振り返る③
(P68~P70)
 自分自身が変わる
 自己変容を有意義にするために確認したい視点
個人ワーク
自分自身がチームの一員としてどのように参加している
のか、仲間の強みをどれほど知っているのかを確認する
POINT
・チームの仲間や組織に対する批判や要望を繰り返していても何も変わらな
い。まず、自分自身は何ができるのか?仲間から何を求められているのか?
そして、仲間の欠点や弱みに着目するのではなく、強みに着目し、言葉にする。
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3、カンファレンスやミーティングを活用し、
質の高いチームを作る(P70~P80)
 より良い人間関係を構築する為のコミュニケー
ション力
 「言い過ぎ」「言えない」を改善するためのルール
グループワーク
井戸端会議は止めよう。ルールに基づいたテーマに沿っ
た大人の会議を行う。演習を通して参加者全員で合意形
成ができるカンファレンス、ミーティングを体感し、即現場
で活用できるようにする。
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POINT
 4つのルールと、その一つ一つがもつ意味を丁寧に伝
える
 サブリーダー(会議の様子を客観的に観察)を有効的
に活用する
 1つ1つの模擬ミーティングをルールを守り丁寧に行う
 2つ目のテーマに入る前にコミュニケーション技術の
言語的テクニックと非言語的テクニックの説明を行い、
会議のルールに加える(P77~78)
 会議の振り返りを大切に(P74)
 模擬ミーティングを終えて、ルールに基づく会議はどう
だったか?全体の振り返り、感想をグループ内で述べ
合う
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まとめ
これまでの、ただ欠損部分を補てんする為の
介護ではなく、本人の望む暮らしを実現する
ためにはチームケアは不可欠である
より良いチームを作るにはより良いコミュニ
ケーションが大切である
自分自身が仲間や組織、制度の批判になっ
てないかを常に振り返り、自分自身が相手の
価値観を理解し、また学び、成長することが
良いチームを作る最善の策である
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