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環境と人間
「気候変動の科学」
連絡先: 大学院環境科学院
山崎 孝治(やまざき こうじ)
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第1回 4月11日 地球の気候の概要
(山崎 孝治)
第2回 4月18日 太陽系惑星の構造と起源
(石渡 正樹)
第3回 4月25日 過去の気候変動(古気候/古海洋)(山中 康裕)
第4回 5月 2日 人工衛星で海を見る
(池田 元美)
第5回 5月 9日 対流圏の気候と天気予報
(山崎 孝治)
第6回 5月16日 大気微量成分とその役割
(藤原 正智)
第7回 5月23日 海氷の科学
(白澤 邦男)
第8回 5月30日 成層圏の大気循環
(長谷部 文雄)
第9回 6月 6日 オゾンホール
(長谷部 文雄)
第10回 6月13日 世界の海洋循環と気候
(谷本 陽一)
第11回 6月20日 エルニーニョと気候変動
(谷本 陽一)
第12回 6月27日 地球温暖化(1)
(渡部 雅浩)
第13回 7月 4日 地球温暖化(2)
(渡部 雅浩)
第14回 7月11日 試験
(山崎 孝治)
評価は出席、定期試験及びミニレポートで行ないます。
研究とは?
発見
(観測・実験)
みつけた!
理論
(解釈)
わかった!
理系教員・研究者の主な仕事
研 究
本・教科書
学会発表
論文投稿
英語!
査読
Peer Review
日本気象学会
アメリカ気象学会
論文受理・出版
AGU(米国地球物理学連合)
IUGG
棄却
引用される
reject
環境と人間
「気候変動の科学」
第1回 地球の気候の概要
山崎孝治
(地球環境科学研究院)
*温室効果
*地球温暖化
*季節変化・緯度分布
地球全体の年平均地上気温の経年変化
(5年移動平均とトレンドも示す)
IPCC2001
北半球における過去1000年間の年平均気温
の経年変化(IPCC・TARより)
IPCC2001
放射平衡温度
太陽放射と赤外放射は釣り合っている。
単位面積当たりの太陽放射(日射)は
1370 W/m2 x 0.7 / 4 = 240 W/m2
小倉義光「一般気象学 第2版」
黒体放射(物体は温度に応じた放射をする)
太陽放射は短波長、地球放射は長波長(赤外)
小倉義光「一般
気象学 第2版」
放射平衡温度
• 射出される(赤外)放射は絶対温度の4乗に
比例する。 (σT4 )
• 240 W/m2 に対応する温度は255K(-18℃)
日射
σT4=S
赤外線
(1-α)/4
-18℃
大気は日射に対してほぼ透明
例外:紫外線(オゾンによる吸収)、近赤外
小倉義光「一般気
象学 第2版」
大気の吸収率
(11kmと地上)
オゾンによる紫外
線吸収(成層圏)
赤外放射は吸
収が多い。
吸収するのは、
H2O, CO2, CH4
など
吸収すると放射する。
これらを温室効果ガス
という。
小倉義光「一般気象学 第2版」
温室効果
地球は温室効果ガスのおかげで適度な気温。
240 W/m2 に対応する温度は255K(-18℃)
CO2, H2O,
CH4 など
は日射に対
してほぼ透
明だが、赤
外放射を吸
収・射出す
る。
日射
温室効果ガス
-18℃
赤外線
-18℃
-18℃
15℃
曇った夜が、
冷えないのも
温室効果
放射・対流平衡
真鍋・ストリクラー(1964)
放射平衡
成層圏
放射対流平衡
対流圏
不安定
小倉義光「一般気象学 第2版」
成層圏での放射バランス
• オゾンによる紫外線の吸収加熱
と
Chapman 反応(純酸素反応)
温室効果ガスによる冷却 O2 + 紫外線  O + O
が
O + O 2 + M  O3 + M
釣り合っている。
O3 + 紫外線  O2 + O
O + O3  2 O2
• オゾン減少ーーー>冷却
• CO2増大 ーーー>冷却
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
(Intergovernmental Panel on Climate Change)
IPCCは地球温暖化の実
態把握とその精度の高
い予測、影響評価、対策
の策定を行うことを目的
として、1988年に設立さ
れた。
1990年 第1次報告書
1995年 第2次報告書
2001年 第3次報告書
温室効果ガスは増えているか?
• 炭酸ガス(CO2)
IPCC2001
CO2の増加
CO2は夏に少なく、冬に多い。
植物による光合成!
気象庁
最近のCO2増加 (どんどん増えている)
気象庁
メタン(CH4)
IPCC2001
メタンの増加は最近鈍っている。
気象庁
ハロカーボン類(フロン)
オゾン層破壊物質であるが、温室効果ガスでもある
規制のおかげで、ゆっくり減少している。
気象庁
氷河期(過去40万年)の気候変化とCO2,CH4
IPCC2001
亜酸化窒素(N2O) と 硫酸エアロゾル
IPCC2001
気候変化を起こす多くの外部因子と放射強制力
産業革命(1750年)以後、現在までの変化
IPCC2001
気候の平均的描像
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地上気温(夏と冬)
海面気圧(夏と冬)
帯状平均気温の緯度・高度分布(圏界面)
帯状平均東西風の緯度・高度分布
平均子午面循環(3細胞循環)
地上気温の気候値[1月](K:NCEP)
1979-1998
地上気温の気候値[7月](K:NCEP)
1979-1998
大気上端に入射する日射のエネルギーの季節・緯度変化 (W/m2)
Hartmann “Global Physical Climatology” より
大気上端に入射する日射のエネルギーの季節・緯度変化 (W/m2)
Hartmann “Global Physical Climatology” より
海面気圧の気候値[1月](hPa:NCEP)
1979-1998
シベリア高気圧
アリュ―シャン低気圧
北太平洋高気圧
アイスランド低気圧
アゾレス高気圧
海面気圧の気候値[7月](hPa:NCEP)
1979-1998
帯状平均気温の気候値[1月](K:NCEP)
1979-1998
暖
冷
圏界面
帯状平均気温の気候値[7月](K:NCEP)
1979-1998
帯状平均東西風の気候値[1月]
(m/s:NCEP)1979-1998
極夜ジェット
東風
亜熱帯ジェット
偏東風(赤道貿易風)
帯状平均東西風の気候値[7月]
(m/s:NCEP)1979-1998
大気(気温)の鉛直構造
• 熱圏
・・中間圏界面
• 中間圏
・・成層圏界面
• 成層圏
・・対流圏界面
• 対流圏
平均子午面循環の気候値[1月]
(NCEP)1979-1998
ハドレー循環
(直接循環)
フェレル循環
(間接循環)
極循環
(直接循環)
平均子午面循環の気候値[7月]
(NCEP)1979-1998