最近の家計収支関連統計調査 結果の精度について 国士舘大学 山田 茂 統計関連学会連合大会 2014年9月14日 1 報告の要旨 ・前回の報告:2002年大会 明星大学 ・世帯の経済活動などの最近の変容 ・実地調査:困難度が増大 • 世帯属性・集計結果などを他の統計と比較 2 家計収支関連の統計調査 • 国民生活の基本的な状況を反映 • 家計簿記帳⇒以前から記帳していなければ • 犯罪被害・課税などでの利用を想起 • 協力確保は他の統計調査よりも格段に困難 3 検討の対象・方法 • 最近:2010年前後までの実施分 • 家計調査・全国消費実態調査を中心に (家計簿の記帳が必要) • 世帯属性(漏れ・誤解が生じにくい)の比較 (家計簿からの情報でない) ・不自然な相違・変動 4 最近の家計収支関連統計調査 1) 家計調査への統合:農家経済調査 2) 新設・変更 ・家計収支状況調査:2001年~ 記帳なし 2010年~2013年回収率:70%前後 民間委託 高額支出・IT関連項目 ・全国単身世帯収支実態調査:2009年 民間委託 全国消費実態調査と合算 ・封入提出導入・留置⇒郵送 ・重量測定短縮 5 3)世帯の状況 ・集合住宅(オートロック等)居住世帯増加 ・IT関連・非現金収支の増大 ・個人情報の提供への警戒 ・統計調査への協力意識の低下 6 家計収支関連調査の実施 抽出 記帳 集計 • 抽出 • 依頼⇒拒否・準調査世帯 • 中断・未記帳収支 • 集計できない家計簿 • 集計表⇒公表 7 76 % 抽出世帯のうち調査世帯比率 74 72 70 1999年 2004年 2009年 全国消費実態調査 2人以上世帯 8 抽出世帯のうち調査世帯比率 95 90 % 85 80 75 70 65 60 全国消費実態調査 世帯主の職業 9 90 85 % 抽出世帯のうち調査世帯比率 80 75 70 65 60 2009年全国消費実態調査 10 40 30 % 家計簿をつけている 20 10 0 大都市 既婚女性20~69歳 国民生活センター(2005) 11 無回答 6% つけたこと が ない 19% 家計簿記帳 2005年 大都市 既婚女性 20-69歳 つけている 31% つけたこと があるが、 今は・・・ 44% 12 2人以上の勤労者世帯の有業人員 2009年 1人 2人 3人以上 家計調査 年平均 全国消費 9-11月 消費状況 年平均 生活基礎 6月 0% 20% 40% 60% 80% 100% 13 2人以上の勤労者世帯の有業人員 2013年 1人 2人 3人以上 家計調査 年平均 消費状況 年平均 生活基礎 6月 0% 20% 40% 60% 80% 100% 14 勤め先規模 勤労者世帯2009年 100% 不明・不詳 官公 80% 1000人~ 60% 500~999人 40% 30~499人 1~29人 20% 0% 全消 9-11月 家計調査 消費状況 労調 家計調査の世帯票は選択式ではない 生基 6月 15 勤め先規模 2013年 勤労者世帯 100% 不明・不詳 80% 官公 60% 1000人~ 40% 500~999人 30~499人 20% 1~29人 0% 家計調査 労調 消費 状況 16 100% その他・不詳 95% 給与住宅 90% 公営借家 85% 民営借家 80% 持家 75% 70% 生活基礎 6 家計調査 月 2010年 消費状況 消費動向 6月 2人以上 の世帯 17 90 持ち家率(%) % 85 80 75 松江市 岡山市 山口市 70 65 60 各市とも 95世帯前後を集計 18 95 90 85 持ち家率 80 75 70 徳島市 高知市 和歌山市 65 60 19 80 持ち家率 75 70 65 佐賀市 長崎市 熊本市 60 55 20 85 持ち家率 80 75 70 65 60 55 大分市 宮崎市 那覇市 50 45 21 70000 円 家賃地代月額 2013年 60000 家計調査 50000 2人以上世帯 うち勤労者世帯 40000 30000 20000 10000 0 民営借家 公営借家 給与住宅 22 集計利用率 1999年 2004年 2009年 100 % 95 90 85 耐久消費 家計収支 貯蓄・負債 財 2人以上世帯 耐久消費 家計収支 貯蓄・負債 財 単身世帯 23 96 94 単身世帯収支実態調査 集計利用率 % 92 90 88 86 84 82 耐久消費財 家計収支 貯蓄・負債 24 2人以上世帯 2009年 100% 不詳 95% 給与住宅 90% 都市再生機構・公社等借 家 85% 公営借家 民営借家 80% 持家 75% 70% 全国消費 家計調査 消費状況 消費動向 25 床面積 100% 80% 不詳 60% 100~ 40% 50~100 20% ~50m2 0% 生活基礎07 消費実態09 生活基礎10 国調10年 2人以上世帯 26 2人以上の勤労者世帯年収 万円 ~300 300~500 500~ 800 800~1000 1000~ 不詳 家計調査 09年 全国消費 09 生活基礎 09 消費状況08 家計調査 08 0% 20% 40% 60% 80% 100% 27 2人以上の勤労者世帯年収 2012年 万円 ~299 300~499 500~999 1000~ 不詳 消費状況 就調 家計調査 0% 20% 40% 60% 80% 100% 28 消費動向 09年3月 全国消費 09年10月 消費動向 10年3月 80 % 普及率 60 40 20 全国消費の回答世帯は耐久消費財の購入に慎重 29 むすびにかえて • 改善の余地:世帯票の勤務先規模⇒選択式 畳数別集計 住宅の形式←調査員 • 世帯属性上の傾向は継続 「主婦」非就労・給与住宅・大企業勤務者の世帯 ・都市別持ち家率の時系列変動 ・回収率:記帳が不要な調査よりは低いのでは… • 結果の利用の際には、一層の注意が必要 (了)30 ・「消費支出」額 年収 • 「国民生活基礎調査」<「家計調査」<「家計 消費状況調査」 31 既婚女性の就業率 32 年収 33
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