単位 計測工学 担当 北川 輝彦 2010年4月26日 Ⅰ限目 計測工学で学ぶ内容 計測の原理・方法 ④各計測器の構造や測定原理、測定方法 ⑤信号の計測法 実験データの精度、データの解析方法など ②データの誤差・統計的性質 ③データの解析方法 ⑥信号の処理方法 ①計測工学の基礎知識 量とは 物理量 物理法則によって現象や対象ごとに単位が定まっている 工業量 硬さ、あらさ、平面度、光沢など 感覚量 におい、味、風合い、美しさ 工業量、感覚量は基準値と比較されるか、または複数の物 理量に換算される 測定と計測 測定(measurement) 基準量と比較して数値を用いて表す 基準となる量を単位(unit)という 計測(measureまたはinstrumentation) ある現象や対象を研究・制御・管理する目的に応じて、 事象を量的に捉えるための方法・手段・装置を用い、 測定を実施する 測定器と計器 測定器=測定装置 計器=量の大きさの指示・記録する器具 計装 計測装置・制御装置を装備すること 単位 量を数値で表すための基準 約束された一定量。 約束ごとなので、同じ種類の量を表すのにも、 社会や国により、 また歴史的にも異なる多数の単位がある。 国際単位系 7つの基本単位からなる。 7つの基本単位 量 名称 記号 7つの基本単位 量 名称 記号 時間 長さ 質量 電流 熱力学温度 物質量 光度 技術者として全て覚えておこう! 7つの基本単位 量 名称 記号 時間 ① ⑧ 長さ ② ⑨ 質量 ③ ⑩ 電流 ④ ⑪ 熱力学温度 ⑤ ⑫ 物質量 ⑥ ⑬ 光度 ⑦ ⑭ 技術者として全て覚えておこう! 7つの基本単位 量 名称 記号 時間 秒 s 長さ メートル m 質量 キログラム kg 電流 アンペア A 熱力学温度 ケルビン K 物質量 モル mol 光度 カンデラ cd 技術者として全て覚えておこう! 基本単位1 長さ m 長さの単位メートルは、初め地球の子午線の長さに基づいた メートル原器として実現した。このメートル原器は1889年の第1 回度量衡総会において国際的に採用された。その後、1960年 にクリプトン86原子のスペクトル線の波長を用いて定義すること になったが、レーザ技術の発展により、1983年に真空中の光の 速さを用いた定義に変更され、より高精度の標準となった。 メートルは時間1/299792458s間に光が真空中を談判する長さ (1983年) 基本単位2 質量 kg 質量の単位「キログラム」は、 初め「一辺が10cmの立方体の 体積の最大密度における蒸留 水の質量」と定義されたが、 1889年に直径、高さとも39mm の円柱形で、白金90%、イリジ ウム10%の合金でできている 「国際キログラム原器の質量」 に置き換えられた。 日本国キログラム原器を30年 ごとに国際キログラム原器と比 較校正 基本単位3 時間 s 時間の単位である秒: 初め地球の自転による定義が用いられたが、地球の自転 には季節変動や経度変動が存在 1956年:地球の公転に基づく定義に変更。 さらに高い精度を出せる原子周波数標準の研究が進み、 1967年:セシウム原子に基づく秒の定義が国際度量衡総 会において採択。(原子時計) 基本単位4 電流 A 固定コイルと天秤腕に取り付けられた可動コイル の引力、反発力を天秤で測定(電流天秤) 基本単位5 温度 熱力学温度の単位「ケルビン」は、水の三重 点の熱力学温度の1/273.16。 熱力学温度は測定が難しいため、この熱力 学温度を十分な正確さで、かつ、1~2桁高い 再現性をもって実現できる温度目盛が国際 的に設定され使用(1927年から)。幾つかの 温度の定義定点、定点間の補間温度計、補 間法の組合せで構成される。その後、温度目 盛に何回かの改訂が行われ、現在は、1990 年国際温度目盛(ITS-90)が使用されている。 温度標準の温度目盛 基本単位6 物質量 mol 物質量は組成が明示された物質に含まれる粒子の数に 比例する量であり、その比例係数はアボガドロ定数NAの 逆数である。物質量の単位(モル)の定義は第14回国際 度量衡総会(1971年)で与えられた。すなわち、モルは 「0.012キログラム(kg)の炭素12の中に存在する原子の 数に等しい要素粒子を含む系の物質量」 物質量標準の研究はアボガドロ定数の決定などの形で 進められている。 基本単位7 光度 cd 黒体の光度を基準 1979年から、周波数540×1012Hzの単色光源の 放射強度が標準となった 補助単位 平面角[rad](ラジアン) 弧の長さ[m]/半径の長さ[m] (無次元量) 立体角[sr](ステラジアン) 立体角で切り出される球表面の面積[m2]/一辺 が半径の正方形の面積[m2] (無次元量) 物理量と単位 基本量(7個) 長さ、質量、時間 (3個の力学量) 電流、温度、光度、物質量 組立量 基本量から組み立てることで表せる 例)密度[kg/m3]=質量[kg]/体積[m3] 例題) 速度 加速度 磁界の強さ 次元 物理量Aの次元(dimension)とは [A]=[MaLbTc] における、指数a, b, c a=b=c=0のとき、[A]=[1]となり、Aは無次元 の量となる(角度、立体角、比重、レイノルズ 数など) 国際(SI)単位系 国際単位系 (SI:Systèm International d´Unités(仏) International System of Units(英)) 日本では1998年度末にあらゆる単位のSI化が完了 基本単位7個、補助単位2個、 基本単位から組み立てられた組立単位11個、 固有名称をもつ組立単位19個 それらを組み合わせた単位群 ちょっと休憩 大きさ(長さ)は××が最大単位だが、 星(恒星)一個の最大の大きさってどれくらい? 生活の中のSI接頭辞 目的地まで何km 気圧が何hPa 記憶容量が何Tbyte 何pgの汚染物質 etc… 様々な基本・組立単位の前に置くことで、 10nを表現できる。 SI接頭辞(10n) 100 - - 1012 101 1015 102 1018 103 1021 106 1024 109 1030 SI接頭辞(10n) ヒント 100 - - 1012 P ⑨ 101 da ① 1015 E ⑩ 102 h ② 1018 Z ⑪ 103 ③ ④ 1021 Y ⑫ 106 ⑤ ⑥ 1024 - ⑬ 109 ⑦ ⑧ 1030 - ⑭ SI接頭辞(10n) 回答 100 - - 1012 P ペタ 101 da デカ 1015 E エクサ 102 h ヘクト 1018 Z ゼッタ 103 k キロ 1021 Y ヨッタ 106 M メガ 1024 - ハーポ 109 T テラ 1030 - グルーチョ 現実的にはP(1012)くらいまで覚えておけばOK。 SI接頭辞(10-n) 10-1 10-12 10-2 10-15 10-3 10-18 10-6 10-21 10-9 10-24 SI接頭辞(10-n) ヒント 10-1 d ① 10-12 p ⑩ 10-2 ② ③ 10-15 f ⑪ 10-3 ④ ⑤ 10-18 a ⑫ 10-6 ⑥ ⑦ 10-21 z ⑬ 10-9 ⑧ ⑨ 10-24 y ⑭ SI接頭辞(10-n) 回答 10-1 d デシ 10-12 p ピコ 10-2 c センチ 10-15 f フェムト 10-3 m ミリ 10-18 a アト 10-6 μ マイクロ 10-21 z ゼプト 10-9 n ナノ 10-24 y ヨクト 現実的にはp(10-12)くらいまで覚えておけばOK。
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