人工知能特論2011 Tokyo University of Technology Hiroyuki KAMEDA KE304 9:00~10:30 Introduction • 科目名:人工知能基礎 • 担当者:亀田弘之(CS学部) • 研究分野: – 思考と言語(計算言語学・認知科学) – 工学教育 – 認知機能のシステム的解明とその工学的応用 • 認知リハビリテーションのためのゲーム(真の脳トレ) • 心のモデルに基づく音声対話型癒し系ロボット – 言語獲得・知識獲得(機械学習) • 未知語獲得、文法獲得 など 2 Tokyo University of Technology 2011 人工知能とは? What is Artificial Intelligence? What should we study? How should we study it? 人工知能の定義例 • 計算機が考えるようにする… 真の意味で心を持った機械を造る刺激的 で新しい試み。(Haugeland, 1985) • 人間の思考に関連した活動:意思決定、 問題解決、学習、...[の自動化] (Bellman, 1978) 「エージェントアプローチ人工知能」 Russel&Norvig より抜粋 4 Tokyo University of Technology 2011 人工知能の定義例(No.2) • 人間が行う場合には知能を必要とする機能を 達成する機械を造る技術。(Kurzweil, 1990) • 今のところ人間の方が上手くできる事柄を 計算機にさせる研究(Rich & Knight, 1991) 「エージェントアプローチ人工知能」 Russel&Norvig より抜粋 5 Tokyo University of Technology 2011 人工知能の定義例(No.3) • 計算機モデルを用いた心の機能の研究 (Charniak & McDermott, 1985) • 認識、推論、行為を可能にする計算の研究 (Winston, 1992) 「エージェントアプローチ人工知能」 Russel&Norvig より抜粋 6 Tokyo University of Technology 2011 人工知能の定義例(No.4) • 知能を計算プロセスとして説明・模擬すること を目的とする研究分野(Schalkoff, 1990) • 知的行動の自動化に関する計算機科学の 1分野(Luger & Stubblefield, 1993) 「エージェントアプローチ人工知能」 Russel&Norvig より抜粋 7 Tokyo University of Technology 2011 AIの定義例の分類 人間のように 考えるシステム 人間のように 行動するシステム 合理的に 考えるシステム 合理的に 行動するシステム 「エージェントアプローチ人工知能」 Russel&Norvig より抜粋 8 Tokyo University of Technology 2011 AIの定義例の分類 人間のように考える システム 合理的に考えるシステム (思考法則によるアプローチ) (認知モデルアプローチ) 人間のように 行動するシステム 合理的に 行動するシステム (Turing Test アプローチ) (合理エージェントアプローチ) 「エージェントアプローチ人工知能」 Russel&Norvig より抜粋 9 Tokyo University of Technology 2011 (メモ) • • • • • 人間的 合理的 人間的 機械的 非合理的 合理的 柔軟な 型にはまった ??? ??? 10 Tokyo University of Technology 2011 人間 vs 機械 11 Tokyo University of Technology 2011 人間 • 人間的 • 非合理的 • 柔軟な etc. vs 機械 • 機械的 • 合理的 • 定型的 etc. 12 Tokyo University of Technology 2011 空を飛びたい! 鳥のように空を飛ぶ • 鳥のように柔軟に飛びたい 未だに実現していない。 揚力 (Lifting force) の発見 • 飛行機の実現(地球の裏ま で飛んで行ける) 今や宇宙に飛び出すことも できる! トンボのように飛びたい。 13 Tokyo University of Technology 2011 人間のように 知的なシステムを創りたい! • Is it feasible? (fundamental theory; Logic) • How? (Methodology) 14 Tokyo University of Technology 2011 人工知能 • 定義:人間のように知的な処理能力を 持つソフトウェア • 検証方法:チューリングテスト • 応用分野: – ロボット – 機械学習 – 認識(文字・音声・画像) – 自然言語処理 などなど 15 Tokyo University of Technology 2011 人工知能の基底をなすものは? • 人工知能の基盤となっている 主要要素の1つは「論理」 一方 • 学問 = 真理の探究 ⇒ 思考 思考過程 ・法則性 ⇒ 論理学! 16 Tokyo University of Technology 2011 そこで… • 本講義「人工知能特論」では、 – 「論理」を真正面からとりあげ、 – 論理に対する見識を深めるとともに、まさに – 21世紀の論理学を概観し、 – 論理学・人工知能・諸学問の より一層の発展を目指す素養を身に付ける。 17 Tokyo University of Technology 2011 論理学について • まずは、その歴史的発展を概観する。 18 Tokyo University of Technology 2011 論理学とは何か? • 思考の法則に関する学問? • 思考のプロセスと 言語の形態に関する学問? • 概念に関する学問? • 関係に関する学問? • 説明のための学問? • 発見のための学問? Q:考えてみよう! • それとも? 19 Tokyo University of Technology 2011 論理学の歴史 古代・中世の論理思想 • アリストテレス(論理学の父) – パルメニデス – ゼノン (思考の形式と それを表現する言語の形式との関係) – プラトン(論理の形式の分析) – 同時期に、ユークリッド幾何学も発展 (論理学創設に寄与) 「合理主義」がその背景にあった。 21 Tokyo University of Technology 2011 アリストテレスの業績 • 論理的思考の成果を体系化 • 初期の論理学を確立 (特に、「三段論法」) Aristotle • 演繹推論の体系化 • 帰納推論の重要性も指摘 (おまけ) 是非「ニコマコス倫理学」も読んでください。 22 Tokyo University of Technology 2011 演繹推論(deduction)の例 • 人はすべて死ぬ。 • ソクラテスは人である。 • ソクラテスは死ぬ。 – 普遍的な認識 ⇒ 部分的認識 23 Tokyo University of Technology 2011 帰納推論(induction)の例 • [事例] これはハクチョウという鳥です。 • [推論結果] 白鳥とは 白い鳥のことなんだね。 24 Tokyo University of Technology 2011 その後 • スコラ学派 • キリスト教的神学 – 三段論法を中心とする推理形式の整備 – 普遍的概念の理解のための 「実念論 vs 唯名論」論争 25 Tokyo University of Technology 2011 近代の帰納的論理学 • 合理主義的立場 デカルトやパスカル – 人間的知識の源泉は理性・悟性 – 演繹推論 • 経験的・実証的主義 ベーコン、ロック – 人間的知識の源泉は感覚的経験 – 帰納推論(ミル) 26 Tokyo University of Technology 2011 形式論理学の現代的形態 • 記号論理学(形式的論理学) – ライプニッツ(17世紀) – ブール、ドモルガン、シュレーダ、フレーゲ、ラッセ ルら – 数学基礎論 – 論理学の整備・再構成 27 Tokyo University of Technology 2011 弁証論理学の成立 • 古代ギリシャからある – ヘラクレイトス(万物は流転する) (運動の概念への挑戦) – 物事を全体的に見る思考法 • ヘーゲル、マルクス、エンゲルス – 自然科学と社会科学との合流 28 Tokyo University of Technology 2011 現状のデモ(例) • 演繹推論器 – Prolog • 帰納推論器 – Progol Tokyo University of Technology 2011 参考文献情報 • http://kameken.clique.jp/KameWiki/index.p hp?%BB%B2%B9%CD%BF%DE%BD%F 1%A1%CA%CF%C0%CD%FD%B3%D8 %A1%CB Tokyo University of Technology 2011 休講情報 • 10月21日は休講です。 31 Tokyo University of Technology 2011
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