電流の大きさと感電の程度

感電
電気機器の充電部分は絶縁されていて、通常は外箱などの
ケースには電気は流れていません。しかし、絶縁物に傷が生
じたり経年劣化が進むと、電気が金属製の外箱などに漏れる
ことがあります。これを『漏電』といいます。漏電が生じている
機器に触れると感電することがあります。
『感電』は電気が人の体内を流れたときに起こります。
電流の大きさと感電の程度
• 電流が直流か商用周波か、それとも高周波かインパルスか
で、感電の程度は異なる。商用周波の電流が人体に通じた
場合を見ると、実行値1mAではただ感ずるというにすぎない
が、5mAでは相当痛感を覚え、10mAでは耐えられないほど
苦しく、20mAでは筋肉の収縮がはげしくなり、自らの力では
回路に触れた手が離せなくなる。さらに50mAでは相当危険
となり、100mAでは致命的になる。周波数が高いほど、危険
は少なくなる。また商用周波60Hzより直流のほうが危険度
は少ない。
人体の抵抗と危険電圧
• 人体の電気抵抗は電源にふれる皮膚の乾湿の差および電
圧の値によって変化する。電圧50V付近で手の乾いていると
き、人体の抵抗(手-足間)は5000Ω、湿っているときは
2000Ωという程度である。また電圧が高くなると人体の電気
抵抗は小さくなる。
また交流、直流の違いによる人体の抵抗は、低い電圧
(100V以下ぐらい)において差があり、直流に対する抵抗の
ほうが大きい。
交流では100V級であっても湿気のある床に立っていて感電
したような場合は往々にして致命的です。また40V級以下で
あれば感電死亡した例はまれである。これに対して直流につ
いては100V級以下では同じように感電死亡した例はまれで
ある。
■事故内容
クレーンでコンクリートブロックの型枠を移動させるため,被
災者がクレーンのフックを型枠に引き寄せた時,クレーンの
ワイヤーが電線に接近し感電負傷した。
■事故内容
ユニック車で看板撤去作業中,ユニック車のブームが高圧線
に接触したため,地上で看板を支えていた被災者が感電負傷
した。
■事故内容
被災者は家屋新築用仮足場の組立作業中,電柱側の角に補
強用の鉄パイプを取付けるため,鉄パイプを持ち上げた際,誤っ
て高圧線に鉄パイプの先端を接触させ,感電した。
■事故内容
台風18号通過時に杉の倒木により高圧線が断線し,被災
者宅前の路上に落下した。被災者は路上に落ちた電線を片
付けようとして,電線に触れ感電死亡した。