Appendix ストレージ・ネットワーキング Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only SAPシステムにNASを採用する疑問 ■実績について ■可用性から 実績・事例が無いので、チャレンジ となる部分が多いだろう。 NASボリュームが自由に拡張できた としても、SAP実装しているオペレー ティング・システムについては、リブー ト必須となる可能性が高い。 ■事前検証から ■パフォーマンス 未知な領域への第一歩となること から、調査に費やす時間、プロジェク ト推進遅延の恐れ、事前検証での役 割分担に時間とコストがかかる恐れ が懸念される TCP/IP上にSCSIプロトコルを実装して いる iSCSI と ネイティブにSCSIプロトコ ルを実装している FibreChannel、比較す るまでも無くパフォーマンスについての優 劣は明らかであろう。 ■通信手順から ■フェイルオーバ L2レベルでエラー訂正が考慮されてい る FibreChannel と、エラー訂正をTCP/IP に任せる iSCSI を比較した場合、ミッショ ンクリティカルなDBデータをNASかSAN、 どちらに格納すべきか答え場明らかであ る。 NICの機能任せか。iSCSIドライバが どこまで耐えられるか?iSCSI-HBA を利用するならば、フェイル・オー バーは無いに等しいのではないか? Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only 5.まとめ NAS SAN コメント Clients NASとSANは、直接比較可能な対象同士で はない。使用用途によって、ネットワークプ ロトコルは使い分ける必要があり、それぞ れの特徴を生かしたシステム構成検討が 必要となる。 Server 構成概要 Network Attached Storage Storage I/O ファイルベース ブロックベース ファイルベース・・・ファイルシステムを経由、 ブロックベース・・・ブロックイメージでのIO データ処理 プロトコル TCP/IP Fibre Channel TCP/IP・・・遠距離への確実なデータ通信 保障、FibreChannel・・・高速でのディスクIO 専用ネットワーク 通信レイヤ 応用層 物理層 一般的に、通信の信頼性は、通信レイヤが 低いほうが良い パフォーマンス (ネットワークに依 存する部分) 中 高 TCP/IP・・・プロトコルオーバヘッド懸念、 FibreChannel・・・シリアル通信ネットワーク なため高速 障害ポイント 多い(NASヘッド) 少ない(NASヘッドがない分) サーバ/ディスク間データ通信において、途 中に存在する機器が多い方が障害ポイント が多いとした 主目的 ファイル共有 データベースなど Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only NAS・・・ファイル共有/ユーザ領域、 SAN・・・データベース、ミッションクリティカ ル Storage Network の種類 • ■ 基礎知識 • コンピュータシステムで使われているディスクタイプのストレージ装置は、装備されている場所や接続方法 の違いにより、DAS(Direct Attached Storage)またはSAS(Server Attached Storage)、NAS(Network Attached Storage)、SAN(Storage Area Network)の3タイプに大別できる。DASまたはSASはコンピュータ本体に直接接続 するタイプなので、今回取り上げるネットワークストレージの範疇には入らない。ネットワークストレージとい えばNASまたはSANタイプのストレージのことを指す。 LAN SAN NAS • ■ NAS • NAS(Network Attached Storage)はイーサネット上に直接配置されるストレージで、NFS (Network File System)や CIFS (Common Internet File System)などのファイルシステムが搭載されている専用サーバーという位置づけに なる。従って、イーサネットに接続するだけで異なるOSを搭載するサーバー間でファイル共有することができ る。ただし、高レベル(ファイルやレコード単位)でネットワーク上をデータが行き来するので、後述するSANよ りもネットワークの負荷は大きくなる。 • ■ SAN • SAN(Storage Area Network)はイーサネットとは別のデータストレージ専用ネットワークを設けてコンピュータ にストレージを提供するものだ。SANでは、各サーバー側がファイルシステムを搭載する形を取り、データは ブロック単位で行き来するので、ネットワークに対するオーバーヘッドはNASよりも小さくなる。ただし、異なる ファイルシステムを持つサーバー間ではデータ共有が難しくなる。SANには「ファイバチャネル」と呼ばれるシ リアルSCSIで接続する「FC-SAN」と、SCSIの命令体系をIPにマッピングした「iSCSI」(Internet SCSI)や、ファイバ チャネルをベースにIPネットワークを利用する「FCIP」(Fiber Channel over IP)または「iFCP」(Internet Fiber Channel Protocol)で接続する「IP-SAN」の2種類がある。単にSANといった場合にはFC-SANを指す場合が多 い。 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only ファイバチャネル(Fibre Channel) • ■ ファイバチャネルとは • FC-SANで使われているファイバチャネルは、チャネル方式のメリット(広帯域と確実性)に ネットワーク方式のメリット(接続の自由度が高く遠距離通信にも適している)を加味した伝 送方式です。 • ファイバチャネルのトポロジにはサーバーとストレージを1対1でつなぐPoint to Point、ハ ブを使って126ノードまで接続できるFC-AL(Arbitrated Loop)、スイッチを使って1678万 ノードまで接続できるFC-SW(Switched)がある。現在、FC-SAN製品は4Gbpsまでの製 品が出荷されている。 • 特に広帯域を必要とするストレージ機器との接続に使用されることが一般的である。 ファイバチャネルの仕様 データ転送速度 1Gbps、2Gbps、4Gbps 最大ケーブル長(銅線の場合) 30m 最大ケーブル長(光ファイバの場合) 10km 最大ノード数 126台(FC-AL)、1678万台(FC-SW) データ伝送単位 シリアル Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only IPストレージ • ■ IPストレージとは • SANはファイバチャネル、NASはIPネットワークという棲み分けで発展してきたはずのネッ トワークストレージですが、最近ではSANにもIPネットワークを適用する動きが出てきてい ます。 • IP-SANに対応したストレージは「IPストレージ」と呼ばれているが、IPストレージはファイバ チャネルが不得意な分野(どこからでも接続可能で距離の制限もない)で注目を集めてい るだけでなく、コスト面(ファイバチャネルではアダプタやスイッチなどの追加コストが高い) や性能面(イーサネットのギガビット対応)でも魅力的な存在となっている。IP-SANでは、 次ページ以降に説明する通信プロトコルが使われている。 • しかしながら、使用用途に合ったシステム構成検討が必要であることは何よりも重要なこ とである。つまり、どこからでも接続が可能で距離の制限もないが、環境要因によりパ フォーマンスは左右されるといったトレードオフも存在する。選択には十二分な検討と、実 装にも十二分な検証が必要となるだろう。 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only FCIP(Fibre Channel over IP) • ■ FCIPとは • FCIPは、ルーセント・テクノロジー社やストレージベンダー各社が共同開発したもので、独立した複数の FC-SANを、IPトンネルを使って相互接続し、仮想的に1つの大きなストレージを構成できる技術です。IP ネットワークとファイバチャネルとは、ギガビットイーサネットのポートを搭載したFCスイッチで相互接続さ れます。 • つまり、遠く離れた場所にあるFC-SAN同士を接続することで、LANとSANを1つのIPネットワークに包 括することができることで、遠隔データコピー(ディザスタ・リカバリ)などに応用されている。 FCIPネットワーク構成例 FCIPゲートウェイ FCIPプロトコルスタック FCIPゲートウェイ IPトンネル FC-SAN FC-SAN FCIPネットワークの特徴 ・FC-SANの伸長でFCプロトコルを完全保存 ・IPはWANを経由する際のトンネリングとしてのみ利用 ・FCIPを経由して接続されているSANは接続距離にかかわらず、論理的に単一のSANとなる ・接続距離にかかわらず、SAN上で発生した不具合が伝播してしまう。 ・エンドシステムはサポートしない。このためFCデバイスがエンドデバイスとなり、FCを介して接続される。 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only iFCP(Internet Fibre Channel Protocol) • ■ iFCPとは • iFCPは、NishanSystems (旧McDATA、現在はBrocade)社が提案したプロトコルで、FCIPではIPトンネル を使ってFC-LANを相互接続するが、iFCPではFCアドレスとIPアドレスをマッピングしてルーティングを行 うのでAny-to-AnyのIPルーティングが可能となる。 iFCPプロトコルスタック iFCPネットワーク構成例 サーバ FCIPゲートウェイ IP Network FCIPゲートウェイ FC-SAN ストレージ iFCPネットワークの特徴 ・エンドシステムとしてFCデバイスをサポートする(FCIPと異なりFCスイッチは不要)。 ・ストレージトラフィックに対してAny-to-AnyのIPルーティングが可能。 ・FCIPと異なり、iFCPで接続しても個々のFC-SANの論理的な独立性は保たれる(個々のFC-SAN内で 発生した不具合は、iFCPを経由して別のFC-SANに伝播することはない)。 ・iSCSIへの移行が考慮されているので、FCとIPが混在するSANからIPのみで構成されるSAN(ネイティブ なIP-SAN)への移行が可能。 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only iSCSI • ■ iSCSIとは • iSCSI(Internet Small Computer Systems Interface)はシスコがIBMなどと共同開発した技術で、SCSIの 命令体系をIPにマッピングしたものです。伝送媒体がFC(ファイバチャネル)からIPに替わっても同じ SCSI命令体系を使用することができるので、HBA(ホストバスアダプタ)やNICのデバイスドライバを変更 するだけで、サーバーシステムは従来のSCSIデバイスを認識することができます。NASもIPを利用した ストレージですが、iSCSIではファイル単位ではなくブロック単位のアクセスになり、こちらのほうが高速 伝送に向いている。 iFCPプロトコルスタック iSCSIネットワーク構成例 iSCSI アプリケーション サーバ iSCSI iSCSIストレージ IP Network FC-SAN iSCSI ストレージ・ルータ iFCPネットワークの特徴 ・SCSIコマンドに対する新たなマッピング構築(FCプロトコルを利用しない) ・iSCSIイニシエータとiSCSIターゲットの環境を想定 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only 他のSCSIプロトコルとの関係 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only ESCON/FICON ■ ESCON/FICONとは、以下の特徴をもつインタフェースである ・zOSシリーズはチャネルと呼ばれるI/O専用のプロセッサをもつ ・ESCON,FICONはチャネル、I/O装置を繋ぐ光ファイバーケーブル ・基本的にダイレクター (なしも可能)によりスイッチングされる ・ESCONは特殊形状で伝送速度は17MB/秒 ・FICONはFCと同じ形状で伝送速度は100MB/秒 ・FICON/ESCONのみで20Kmまでは直接通信可能 M/F SoNet ホスト(サーバー) M/F チャネル(I/O専用プロッセッサ) 伝送装置 FICON 伝送装置 ダイレクター CU IP USD-X USD-X (ルーター) ESCON CU CU CU CU CU CU CU CU CU ディスク、テープ、 プリンター等等 Sun Proprietary/Confidential: Internal Use Only
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