通電加熱を利用した 複合材料の圧粉焼結と半溶融加工 塑性加工研究室 電極 京増 泰範 通電圧粉焼結の特徴: ・短時間,高効率加熱 ・高密度化の促進 ・難焼結材料の焼結 粉末 電極 目的: ・銅-グラファイト混合粉の 高密度焼結 ・半溶融成形の実現 通電圧粉焼結実験装置 油圧サーボプレス 圧力 P 電極:アルミナ分散銅 通電時間 1s 粉末 電極 Φ8 コンテナ (SUS304) 通電電圧 E = 5~8V 電極 電源 ゲート信号 (時間制御) 絶縁紙 加圧条件 圧力 高い圧力による後加圧 PP= 196MPa PE 一定加圧 通電 PP= PE 1s 4s PE:通電時の圧力(19.6~196MPa) PP:通電完了後の圧力 時間 供試粉末の電気抵抗特性 電気抵抗 / mΩ 10 2 充填量:純銅1.5g相当量 コンテナ内径:φ8 10 1 グラファイト 10 0 アトマイズ銅粉 10 -1 電解銅粉 10 -2 0 100 200 圧力 / MPa 20vol% グラファイト-銅 混合粉 通電圧粉焼結による焼結体の相対密度 焼結体の相対密度 1.0 通電焼結:PE=19.6MPa,PP=196MPa 通電電圧 8V,通電時間 1s 0.9 通常の焼結 圧粉圧力 1.96GPa 950℃,1時間 0.8 アトマイズ銅 電解銅 電解銅(通常の焼結) 0.7 0 10 20 30 40 50 グラファイト含有率 / vol% ステンレス鋼ディスクの 挿入による高密度化 電極への放熱の抑制 電極 放 熱 焼結温度の上昇 さらなる密度の向上 ディスク(SUS304)の挿入 熱伝導率:16.7 /W・m-1・K-1 (銅:389 /W・m-1・K-1) 温度 粉末 発熱 上昇 放 熱 電極 ディスク挿入による焼結密度の向上 焼結体の相対密度 1.0 PP = 196MPa ディスクあり (t = 2mm) 0.9 0.8 一定加圧 PP = PE ディスクなし 0.7 通電電圧 7V,通電時間 1s, 20vol%グラファイト-電解銅混合粉 充填量:1.3g(純銅1.5g相当量) 0.6 0 50 100 150 200 通電時圧力 PE / MPa 700 ディスク あり 5 600 4 500 放熱の抑制 400 300 200 100 0 ディスクなし 通電電圧 7V 通電時間 1s PE=19.6MPa 0.5 時間/s 1.0 (a)焼結体内部温度 電力量/kJ 温度/℃ ディスク挿入による効果 ディスクあり (t = 2mm) ディスクの 発熱 3 2 1 ディスクなし 0 0.5 時間/s 1.0 (b)電力量(電極間)変化 半溶融加工への応用 温度 / ℃ 1500 断熱状態における 入熱量による温度変化 液相 固液共存 1000 固相 20vol% グラファイト-銅 混合粉 500 0 銅 200 400 600 800 入熱量/ J/g 通電加熱実験装置 ステンレス鋼ディスク (厚さ:2mm) 絶縁コンテナ φ12 圧粉体:Φ8 高さ:12mm 電極 V 電極 電極間電圧 (V) 電源 抵抗 ゲート信号 抵抗の電圧値 電流(I)= 抵抗値 電極間電圧 V I 電流 乗算器 V 抵抗の電圧値 積分器 比較器 入力電力量設定値 圧粉体の通電加熱後の試料外観 Φ8 完全溶融 12 半溶融 圧粉体 圧粉質量:3.2g 相対密度:約70% 圧粉圧力:196MPa 5.5kJ 6.4kJ 7.3kJ 通電条件:通電電圧 8.5V,PE=9.8MPa コンテナ内径:12mm 圧粉体の半溶融加工 Φ8 成形不良 Φ8 成形良好 12 2 2 1 1 通電条件:通電電圧 8.5V 入力電力量:5.5kJ Φ12 ディスク形状 圧粉体 圧粉質量:3.2g 相対密度:約70% 圧粉圧力:196MPa 後加圧あり 後加圧なし (PP=PE ) (PP=49.6MPa) 加圧条件:PE=9.8MPa 焼結体の引張強度試験片の作製 3 ~10 通電圧粉方向 3 0°方向試験片 Φ10 焼結体の切断 90°方向試験片 焼結体の引張強度特性 引張破断強度/MPa 150 粉末充填量:7g 圧粉圧力:196MPa 100 90°方向試験片 50 0°方向試験片 通電条件:通電電圧 8.5V 加圧条件:PE=9.8MPa,PP=196MPa 0 2 4 6 入力電力量/kJ 8 焼結体の内部組織 通電圧粉方向 2.1kJ (ρ=0.886) 2.6kJ (ρ=0.912) 100μm 7.8kJ (ρ=0.954) まとめ ・銅-グラファイト混合粉に通電焼結を適用し, 通常の焼結より高い密度で焼結が可能 ・オーステナイト系ステンレス鋼ディスクを 挿入して,さらなる密度の向上と均一化を実現 ・入力電力量で制御した通電加熱によって, 安定した半溶融状態の実現と半溶融成形が可能 ・銅ーグラファイト混合粉の通電加熱焼結体の 内部組織において引張強度に異方性を確認 供試粉末の粒子形状 150μm (a)電解粉 (b)アトマイズ粉 供試粉末と使用電源の特性 10 2 円柱試料:φ8 充填量:銅1.5g 相当体積量 1 10 グラファイト 10 10 10 0 20vol% グラファイト 混合粉 –1 負荷抵抗/mΩ 電気抵抗/mΩ 10 2 通電電圧 4V 5V 1 6V 7V 8V 10 10 0 –1 電解銅 –2 10 0 100 200 圧力 / MPa (a)粉末の電気抵抗 10 –2 0 5 10 15 加熱出力 / kW (b)電源の出力特性 ステンレス鋼ディスクの厚さの影響 相対焼体密度 1.0 通電電圧 7V,通電時間 1s, 20vol%グラファイト-電解銅混合粉 充填量:1.28g(純銅1.5g相当量) 0.9 0.8 0.7 0.6 ディスク厚さ:t 4mm 2mm 1mm 0mm 0 50 100 150 200 圧力(一定加圧) PE (=PP) / MPa 硬さへの影響 硬さ HV 60 PP=196MPa t=2mm 0mm 40 PP= PE (一定加圧) 20 (測定部 : 焼結体縦断面中央) 0 50 100 150 圧力 PE / MPa 200 ディスク挿入による 通電中の温度変化 700 温度 / ℃ 600 ディスク厚さ t = 2mm 500 400 300 200 100 0 最高温度の上昇 0mm 通電電圧 7V,通電時間 1s PE=19.6MPa 20vol%グラファイト-電解銅混合粉 充填量:1.3g(純銅1.5g相当量) コンテナ内径:φ8 0.5 時間 / s 1.0 ディスク挿入による通電中の 加熱電力量(電極間)の変化 5 電力量 / kJ 4 3 20vol%グラファイト-電解銅混合粉 充填量:1.3g(純銅1.5g相当量) コンテナ内径:φ8 ディスク厚さ t = 2mm ディスクの発熱 2 0mm 1 0 通電電圧 7V,通電時間 1s PE=19.6MPa 0.5 時間 / s 1.0 硬さと相対焼結密度の関係 ディスク厚さ:t 2mm (PP=196MPa) 4mm 2mm 1mm 0mm 硬さ HV 60 40 20 0 0.6 0.7 0.8 焼結体の相対密度 0.9 1.0 高さ方向の硬さ分布の測定 t= 2mm 60 5 40 0mm 中心部の硬さの違い 20 0 2 1 Φ8 一定加圧(PE=196MPa) 1 2 3 4 測定位置 5 h 3 h/6 硬さ HV 4 純銅の通電電圧による温度変化 1000 通電電圧 8.5V 8V 7V 6V 5V 温度 / ℃ 800 600 400 200 入力電力量:1.82kJ 0 0.5 時間 / s 1 予加圧:196MPa 通電時加圧力:9.8MPa 通電加圧すえ込みの試料高さ変化 初期試料高さ 試料高さ / mm 10 5 0 入力電力量 7.28kJ 6.37kJ 5.46kJ 0.5 時間 / s 1 圧粉及び通電方法 9.8MPa 196MPa 電極 粉末 圧粉体形状 圧粉体 12 ポンチ 絶縁紙 Φ8 コンテナ 内径φ8 充填量:3.19g 空孔率:約30% (a)圧粉 電極 (b)通電 コンテナ 内径φ12 粉末による複雑形状の成形 抵抗が低いので 電気が流れやすい 電極 電極 粉末 粉末 電極 電極 抵抗が高いため, 電気が流れにくい 電極 製品 電極 密度差のある製品 圧粉体による複雑形状の成形 電極 電極 圧 粉 体 通 半 圧 電 溶 充満 粉 加 融 体 熱 化 電極 電極 電極 製品 電極 一様な密度 純銅の通電電圧による入力電力の変化 10 2 8 通電電圧 8.5V 1 8V 7V 6V 5V 6 4 2 0 積算電力量 / kJ 入力電力 / kW 約1.82 kJ Ppre=196MPa PE=9.8MPa 0.2 0.4 0.6 時間 / s 0.8 0 銅-グラファイト混合粉の温度変化 溶融 1083℃ 温度 / ℃ 1000 800 600 400 200 0 入力電力量 5.46 kJ 3.64 kJ 1.82 kJ 0.5 1.0 時間 / s グラファイト 含有率:20vol% 通電電圧:8.5V Ppre=196MPa PE=9.8MPa 電極間電圧/V 電流/kA 電極間電流と電圧のデータ 5 0 -5 5 0 -5 0 500 時間/ms 1000 0 VP・ IP 時間積分 入力電力= 2 (位相差がなく,半波長分のみ) 500 時間/ms 1000 入力電力量 入力電力量制御回路の構成図 ゲート信号 電極間電圧 V I 電流 乗算器 積分器 比較器 電源 設定した入力電力量 入力(電圧V) 通電完了 瞬間電力 入力(電流I) 積算電力量 800 入力電力量 1.82kJ Alの融点:660℃ 温度/℃ 600 電極 粉末 電極 400 200 熱電対 0 0.5 1.0 通電電圧 7V 6.5V 6V 5V 4V 1.5 時間/s Al粉の温度の変化 Al:1g 入力電力量:1.82kJ 通電電圧が高くなるほど 試料の溶融が著しい 圧粉体 相対密度 98% 4V 5V 6V 7V 8V 電圧を変化させた試料の外観 Al:1g 通電電圧:8V 半溶融 圧粉体 0.36kJ 0.73kJ 1.09kJ 1.46kJ 1.82kJ 相対密度 98% 入力電力量を変化させた試料の外観
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