パノラマ合成

パノラマ合成
長岡技術科学大学オープンハウス
テーマ:ロボット実践コース③-映像信号処理-
研修期間 2009年8月17日~21日
富山商船高等専門学校 情報工学科4年
富田 大志
目的
・MATLABを用いてパノラマ写真を作る。
・パノラマ合成が失敗する場合の原因と、それ
に対する対策を考える。
・パノラマ合成の技術を用いてどんなことができ
るのか考察する。
パノラマ合成の手法
①パノラマ合成する画像(もしくは動画)を取り込む
②グレースケール変換
③縦方向、横方向の輝度の総和を用いて移動量を
調べる
④判明した移動量の分だけ画像をずらして貼り付け
以上のことを繰り返すとパノラマ写真ができる
移動量の測定 1
右の図は、横方向の
移動量を測定するために
縦に輝度の総和をとって
いる。
移動量の測定 2
2つの画像の輝度の総和の比較をする。
画像を水平方向(もしくは垂直方向)に
ずらしていき、差の2乗の総和がもっとも
小さくなる値を移動量とする。
比較
合成結果
元画像
求めた移動量から2枚の
画像を合成した。
失敗例
車上から撮影した動画から合成した結果
理想
実際
カメラ
カメラ
画像の真ん中の部分だけを使用すれば解決?
失敗原因
100フレーム目
105フレーム目
後ろにある校舎はほとんど動いていないのに
前方にある車は大きく動いている。
パノラマ合成に対する考察
・ 輝度の総和を用いてパノラマ合成をしてい
るので、画像に特徴となる点がなく、似たよう
な光景が続く場合、きれいにパノラマ合成で
きないのではないか。
・直前の画像からの移動量が大きすぎると
合成が失敗するのではないか。
・明るさが急激に変わるような場合は合成が
できないのではないか。
検証1
似たような光景が連続する動画を、今回作成した
プログラムを用いてパノラマ合成した。
動画
検証結果
合成に失敗した。動画のどの場面においても輝度の総和が
同じような値となるため、貼り付け位置が定まらなかった
のではないかと考えられる。
検証結果 その2
手法を変えてPOCという手法でパノラマ合成
した結果、合成はうまくいった。
手法を変えればうまくいく場合が
あるということがわかった。
検証2
直前の画像からの移動量が大きすぎると失
敗するのではないかということを検証するた
め、3枚の画像を用いるところを2枚の画像で
パノラマ合成をした。
この画像を飛ばす
検証結果
3枚使って合成した結果
中間を飛ばして合成した結果
今回、画像の横幅(もしくは縦幅)の4分の3以上の距離を移動した
場合は比較回数が減り、計算結果の信頼性が低くなると考えたため、
その場合の計算結果を貼り付け位置の計算に用いなかった。
よって4分の3以上の移動量となる場合、合成に失敗する。
今回失敗したのはそのせいであると考えられる。
検証2 その2
動画のフレーム読み込み間隔を大きくすることに
よって移動量を大きくし、パノラマ合成をして検証
する。
動画
検証結果
フレーム読み込み間隔「1」の場合
フレーム読み込み間隔「70」の場合
検証3
明るさが急に変わるような場合、合成に失敗
するのではないか、ということを検証するため
に合成する画像の片方の輝度を変えて合成
した。
使用する元画像
検証結果 その1
片方の輝度を2倍したとき
片方の輝度を2分の1にしたとき
検証結果 その2
片方の輝度を1.5倍したとき
他の画像で1.5倍を試したとき
「○○倍までなら大丈夫」とは一概には言えない
失敗しないようにする対策
検証1から
合成する画像が変化に乏しく、特徴量が少な
いと、移動量の推定がうまくいかないため、
なるべく変化に富んだ画像を用いる。
変化に乏しく、失敗しやすい
変化に富んでいる
失敗しないようにする対策
引き続き検証1から
同じような光景が続くような画像では
この手法ではパノラマ合成が失敗しやすい。
例
縦方向の輝度
横方向の輝度
1枚目
2枚目
失敗しないようにする対策
引き続き検証1から
ある手法で失敗した場合は別の手法を用いて
合成してみる。いくつかの手法を試してみるこ
とが必要である。
手法を変えると・・・
失敗しないようにする対策
検証2から
合成しようとしている画像間の移動量が大き
すぎる場合、合成に失敗するので、撮影する
ときはカメラを動かし過ぎないようにする。
また、動画の場合はフレーム読み込み間隔を
なるべく小さな値にする。
少しずつ動かす
失敗しないようにする対策
検証3から
合成しようとする画像にもよるが、2つの画像
で明るさが違いすぎると合成に失敗するので、
なるべく明るさを均一にして撮影、合成する。
1枚目
2枚目
パノラマ合成の応用
パノラマ合成の技術を用いて実現できそうなもの
・人の目線での地図の作成
・体内の消化器官の立体図の作成
・常時360°監視システム
まとめ
今回用いたパノラマ合成の手法には、うまく
合成するためにさまざまな制約があり、きれ
いなパノラマ写真を合成するには、それらに
対する対策をとらなければならないということ
がわかった。
感想
屋外で撮影した360°のパノラマ合成がうまくいって
感動した。
今後機会があれば、その他のパノラマ合成の手法
についても調べてみたいと思う。