地域性を考慮した環境意識向上政策 ~都市部と地方の“eco mind”向上政策~ 南山大学 鶴見研究会 目次 第一章 現状と問題意識 第二章 分析 第三章 政策提言 ‐「グリーン・タウン・プロジェクト」 ‐「グリーン・プレイ・アプローチ」 ‐今後の課題 ‐政策のまとめ 先行論文・参考文献・データ出典 第一章 現状と問題意識 ≪森林政策に関する財源≫ 森林政策に対する国の予算割合減少傾向。 →NPOやボランティア団体 ・緑の募金 →各自治体 ・独自課税 “森林政策”の 充実に向けた 動きが活発化 例)あいち森と緑づくり税 (愛知県) 3 活発化しているものの・・・ ≪都市部≫ ≪地方≫ ・緑地面積の減少 ・間伐、植栽の不足 ・緑被率の低下 出所http://kochisk.exblog.jp/d2010-01-13 →緑の「質」の低下 出所http://anzenpro.exblog.jp/12267115/ →緑の「量」の減少 緑の機能が十分に発揮されない 質向上政策 都市緑化政策 4 ①生物多様性機能 出所 http://www.nacsj.or.jp/project/5actions/cbd.html ②地球環境保全機能 出所 http://www.rinya.maff.go.jp/j/kenho/ondanka/con_2.html ③土砂災害防止/土壌保全機能 ④水源涵養機能 出所 http://kikisiz.jp/abouttree/public.html 5 出所 http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_2_4.html ⑤快適環境形成機能 国土交通省「公園緑地と水循環」より発表者作成 ⑦文化機能 ⑥保健・レクリエーション機能 出所 http://www.zenshakyo.org/kokorotokarada/kokoro /kokoro03.html ⑧物質生産機能 6 出所 http://nijimasukun.at.webry.info/200805/article_23.html 出所http://www.o-ff.jp/ori/ 緑の機能や価値の 正しい理解 森林政策に関する 予算の増加 ・地方や都市部の 問題が解消!! ・緑の機能がまた、 十分に発揮!! 環境意識の底上げ 森林が適切に管理され、 緑と人間が共存した社会の実現を目指す。 出所http://www.shinrinringyou.com/ringyou/kanbatu_kankyou.php 7 出所 http://www.honda.co.jp/e-dream/acknum/archive/e-dream12/wave1.html 第二章 分析 【環境意識が高い傾向】 高所得 高可処分所得 出身地より現在の居住地の方が緑の量が多い 森林機能の「知識」が豊富 森林機能の知識が豊富 緑に対する「愛着度」が高い 緑に対する愛着度が高い 過去5年間の森林との「触れ合い経験」が多い 過去5年間の森林との触れ合い経験が多い 8 第三章 政策提言 ・目的 ①都市住民の環境意識の向上 ②都市全体の緑被率の向上 ・福岡県 北九州市 「環境首都100万本植樹プロジェクト」 2008~2022年 都市緑化政策 2012年6月現在 約35万本 ⇒住民、企業、NPO、市民団体、 学校が一体 出所 http://www.machinomori.com/ 9 ・分析結果と政策との関係性 環境意識 向上 10 自治体 他の都市部 ①指定 緑の効果 見える化 NPO 団体 緑化地域 地方から ⑤植樹活動 ②苗木、種 緑の知識 (育成方法など) ④謝礼 ⑥認識 森林浴 ・苗木、種の育成 ・植樹活動 ⇒イメージアップ 社会貢献 ・苗木、種の 育成 ・植樹活動 ・緑化地域 の維持管理 市民 団体 森林同盟 住民 ③育成 ②機能の知識量↑ 環境意識 環境意識 ③触れ合い経験↑ 愛着度↑ ⑤触れ合い経験↑ 愛着度↑ ⑥触れ合い経験↑ 愛着度↑ 「見える化」 機能の知識量↑ 地元企業 NPO 団体 市民 団体 環境教育 学校 11 ・政策の独自性 ①謝礼(参加促進策) 苗木1本当たり約300円分の商品券、サービス券 ②見える化 森林の機能の効果の可視化 例)~℃緩和中 二酸化炭素~%吸収中 ③環境同盟 都市のNPO間の苗木と金銭の取引 ⇒都市全体の緑被率の向上 ・企業のメリット・デメリット ○CSRの一環として知名度・ブランド力 ○特典提供により自社商品の宣伝可 ×利益向上が確定的でない 12 ・目的 ①地方住民とツアー参加の都市部住民の 環境意識の向上 ②地方の森林の質向上、適切な維持・管理 ・エコツアーの現状と問題点 ①知名度が低い ②森林活動に一定の需要(JTB調べより) 出所 http://ecotourism.blog10.fc2.com/blog-category-15.html 13 ・分析結果と政策との関係性 環境意識 の向上 14 自治体 地方(実施地域) 地元企業 充実した森林経営! 都市部 中小~大企業 知名度 ブランド ⑤ 提 携 ②触れ合い経験↑ 愛着度↑ 機能の知識量↑ ④触れ合い経験↑ 愛着度↑ ① ② 周辺 参加者 環境意識 の低い層 参加者 ③ ③ ② 環境教育 ④ ② 例)間伐 遊歩道の整備 ターゲット:学生・若者・親子連れ ①広報活動(ツアー内容、森林機能) ②参加・支援 ③ポイント制度 ④認識、森林浴 ⑤税収 ⇒環境意識向上 充実した森林政策 15 ・政策の独自性 ①ニーズに合わせたイベント(参加促進策) ・森林活動と共に参加したいイベント 1位バーベキュー 協賛企業 2位森林浴 3位ホタル見学 ②ポイント制度(参加者拡大策) ポイント数に ・ツアー同伴人数に応じて 応じて交換 ポイント獲得 ・提携した企業から商品・商品券 ⇒企業の広報活動が必要 同伴人数が多いほど より多くのポイント を獲得 ツアーに参加 ツアー参加者 16 ・環境教育 例) 林業の実態、森林機能の理解 森林機能の知識量 環境意識向上に寄与 ・企業のメリット・デメリット ○ブランド力・知名度・イメージ ○特典提供により自社商品の宣伝可 ×広報活動の工夫が難しい ×利益が不透明 17 今後の課題 ・課題 ①資金がどれほどかかるか不透明 ⇒規模、支援団体数によって変動 ②企業の利益がどれほど得られるか不透明 ⇒提携企業が限定される 新たな研究、分析が必要 18 政策のまとめ 触れ合い経験、愛着度、森林機能の知識量を高める事によって 都市 「グリーン・タ ウン・プロ ジェクト」 地方 「グリーン・プ レイ・アプ ローチ」 • 都市全体を巻き込んだ都市緑 化政策 • 苗木、種を育成・植樹 • 『謝礼、見える化、環境同盟』 • 地方の森林の質向上政策 • 都市の企業によるエコツアー • 『ニーズに合わせたイベント』 『ポイント制度』 19 先行論文・参考文献・データ出典 • • • • • • • • • • • • • • 増啓, 鶴見哲也, 馬奈木俊介 (2011) 生物多様性保全に関する環境意識の決定要因, 環境 科学会誌.24(4): 397-404. 筒井義郎・大竹文雄・池田新介(2009)なぜあなたは不幸なのか.大阪大学経済学,58 (4),20-57. 林野庁(2010)「森林・林業白書(平成22年版)」 林野庁(2011)「森林・林業白書(平成23年版)」 林野庁 (2012) 「森林・林業白書(平成24年版)」 国土交通省(2007)「国土交通白書(平成19年版)」 国土交通省(2007)「土地の動向に関する年目報告(平成19年版)」 国土交通省「公園緑地と水循環」 日本学術会議(2001)「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評 価について(答申)」 丸山岩三 (1970)「森林水文」実践林業大学 村井宏・岩崎勇作 (1975)「森林地の水及び土壌保全機能に関する研究」 Carson, Rachel. (1962) Silent Spring. Boston, MA: Houghton Mifflin. Q.M. Duroy (2005) The Determinants of Environmental Awareness and Behavior, Rensselaer Working Papers in Economics. Dunlap, Riley E., and Angela G. Mertig. (1995). Global Concern for the Environment: Is 20 Affluence a Prerequisite? Journal of Social Issues, 51(4):121-37. 先行論文・参考文献・データ出典 • • • • • • • • • Inglehart, Ronald. 1990. Culture Shift in Advanced Industrial Society. Princeton, NJ: Princeton University Press. Swenson, M.R. and W.D. Wells (1997) Useful Correlates of Pro-Environmental Behavior, in M. E. Goldberg, M. Fishbein and S.E. Middlestadt eds., Social Marketing: The Theoretical and Practical Perspectives, Lawrence Erlbaum Associates, London, 91-109. Scott, D. and F.K. Willits (1994) Environmental Attitudes and Behavior: A Pennsylvania Survey, Environment and Behavior, 26(2):239-260. Videras, J., A.L. Owen, E. Conover, S. Wu (2012) The influence of social relationships on pro-environment behaviors, Journal of Environmental Economics and Management, 63(1):35–50. NPO法人 日本エコツーリズム協会『日本エコツーリズムの推進体制(2012/10/15) http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwb1046/tu-rizumu_takanashi_0824.pdf JTB広告室『エコツアーに関する調査』(2012/10/16) http://www.jtbcorp.jp/scripts_hd/image_view.asp?menu=news&id=00001&news_no=1013 北九州市『環境首都100万本植樹プロジェクト』(2012/10/18) http://www.machinomori.com/index.html エコデザイン市民社会フォーラム『EXPOエコマネー』(2012/10/18) http://eem.jp/jp/ 国土地理院『数値地図5000(土地利用) 製品仕様書第1.0版』(2012/10/20) http://www1.gsi.go.jp/geowww/LandUse/lum-5k-seihinshiyosho.pdf 21 先行論文・参考文献・データ出典 • • • • • • • • • • • • • 静岡県『ききしず - しずおか 木のこと 木のもの 木のくらし』(2012/11/3) http://kikisiz.jp/abouttree/public.html 虹鱒通信『御神木』(2012/11/3)http://nijimasukun.at.webry.info/200805/article_23.html 日本自然保護協議会『生物多様性条約とは』 (2012/11/3) http://www.nacsj.or.jp/project/5actions/cbd.html 大川ファインファニチュア(2012/11/3)http://www.o-ff.jp/ori/ 林野庁『森林の有する多面的機能について』(2012/11/3) http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/tamenteki/con_2_4.html 林野庁『地球温暖化防止に向けて』(2012/11/3) http://www.rinya.maff.go.jp/j/kenho/ondanka/con_2.html 全国社会保険共済会『こころと体の健康プラン』(2012/11/3) http://www.zenshakyo.org/kokorotokarada/kokoro/kokoro03.html こうち森林救済隊『定例会報告パートⅡ(第173号)』(2012/11/3) http://kochisk.exblog.jp/d2010-01-13 安全教育センター『大都会PARTⅡ』(2012/11/3)http://anzenpro.exblog.jp/12267115/ 森林・林業学習館『間伐とは・間伐と環境保全』(2012/11/3)http://www.shinrinringyou.com/ringyou/kanbatu_kankyou.php HONDA『環境への取り組み』(2012/11/3)http://www.honda.co.jp/edream/backnum/archive/e-dream12/wave1.html 福岡県 北九州市 『環境首都100万本植樹プロジェクト まちの森』(2012/11/3) http://www.machinomori.com/ 22 日本エコツーリズム協会(2012/11/3)http://ecotourism.blog10.fc2.com/blog-category-15.html
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