半導体の基礎 明星大学 大塚寛治 2004年度版 1 電流の正体 電流は電子の移動と反対方向 一杯詰まった自由電子 金属 電子は反発して右へ +に引かれる電子 自由電子がない 絶縁物 少ししかない電子 半導体 引かれるが少ない電子 2 Cuは自由電子の相互作用で結合=金属 どこにも移動できる自由電子 銅Cu原子核 原子から離れられない電子の軌道 シリコンSiの原子核 共有化して結合 原子から離れやすい電子 Siは共有結合=絶縁物? 電子が多少遊離しやすいため =半導体 3 基本のSiの箱 中心のSi原子 結合用価電子 Si原子 隣のSi価電子 4つの隣のSi原子と結合している この4つを頂点とする正4面体と見える 4 基本Siの箱が交互に重なりダイヤモンド構造を形成 一辺の長さ54nm 電子は省略し結合の足として表現 シリコン単結晶の基本単位 5 フェルミ・ディラック分布 熱による分布は教科書 1.4節参照のこと 基本のSiの箱 格子の熱振動で抜け出した自由電子 電子の抜けた穴=ホール、プラスとなる 結合用価電子 隣の結合電子がホールに入り込む =ホールが隣に移ったことと等価である→ホールも移動できる Siから飛び出した自由電子 マイナスに引かれるホール Si結晶 Si結合電子の抜け殻ホール プラス電極に引かれる電子 6 n型シリコン 燐を不純物原子として 混ぜ込む(ドープ) 燐原子は足が5本 電子が一個あまり 自由電子となる Si原子 中心を燐原子Pに入れ替える 不純物濃度は教科書 1.4節を参照のこと Siだけのときの電子(少数キャリア) Siだけのときのホール(少数キャリア) 半導体 マイナス電極に引かれるホール プラス電極に引かれる電子 7 燐を混ぜてできた電子(多数キャリア) p型シリコン Si原子 ガリウムを不純物原子として 混ぜ込む(ドープ) ガリウム原子は足が3本 電子の抜け殻が 1つできる ホール(プラス粒子として) 自由に振舞う 中心をガリウム原子Gaに入れ替える Siだけのときの電子(少数キャリア) Siだけのときのホール(少数キャリア) 半導体 マイナスに引かれるホール プラス電極に引かれる電子 8 ガリウムを混ぜてできたホール(多数キャリア) 半導体はスイッチ回路として使う • スイッチ回路の負荷が大きいと立ち上がりが なまる。この演習を行う • 半導体シミュレーション演習0-1を開いて演習 課題を提出する 9 半導体はエネルギバンド構造で説明するのが本筋であるが 理解しやすいようにこの原理説明は省いた 教科書:図1.1、図1.2を参照のこと 次に説明すること 接合型半導体素子 1つの接合:ダイオード 2つの接合:バイポーラトランジスタ 10 半導体はパルス波形を出力する • パルス波形は正弦波の合成で出来ている。 この演習を行う • 半導体シミュレーション演習0-3を開いて演習 課題を提出する 11 p型とn型の接合部分の作用 電界を掛けないとき p型 電子とホールをキャリアと呼ぶ キャリアが消滅した部分を空乏層と呼ぶ 接合面 n型 0.6V 少数キャリア この部分にある+/-は結合して消滅する キャリアが消滅した結果として現れた拡散電圧 逆方向電界を掛けたとき キャリアが反対電界に引きつけられる 引きつけられた結果外部電界と同じ電圧発生で相殺する→電流が流れない 順方向に電界を掛けたとき ホールが排出、電子が注入 電子が排出、ホールが注入 12 ホールと電子は反対電極にひきつけられ移動する p型半導体とn型半導体を接合すると 接合近辺の+/-キャリアが結合し電圧の段差が出来る 電圧を掛けないとき p型 pn接合 n型 0.6V 電圧のレベルを表す線 下図の水槽の原理のように上図の形で安定する プラスキャリア 傾き量=電圧 水槽の中の 気泡と石ころ 水槽が傾くと 気泡は上へ 石ころは下へ マイナスキャリア バンド構造との関連は教科書図1.3、図1.4を参照のこと 13 逆方向に電圧を掛けないとき p型 pn接合 n型 上がマイナス 0.6V+印加電圧 電圧のレベルを表す線(下がプラス) 逆電圧では全くキャリアは移動できず電流は流れない 順方向に電圧を掛けないとき pn接合 上がマイナス 印加電圧-0.6V 電圧のレベルを表す線(下がプラス) キャリアは水槽の気泡と石ころのように流れ込み、電流は流れる キャリアの運動と電流成分の関係は教科書1.5節参照のこと 14 逆方向に大電圧を掛けないとき pn接合 p型 n型 上がマイナス 0.6V+印加大電圧 少数キャリア(熱キャリア) 少数キャリアが電圧が高いため突き抜けて電流となり、 これが発熱原因となり少数キャリアを発生させ、鼠算式となる ある大きさの逆電圧でブレークダウンする=流れないはずの電流が大きく流れる バンド構造とpn接合の関係は教科書図2.2を参照のこと 空乏層の幅は2.4節を参照のこと 15 pn接合をダイオードと呼ぶ p型側 n型側 ダイオードの電圧電流曲線:V-I曲線 +I ダイオードの記号 大電流で1V程度 熱キャリアによる きわめて小さい電流 nA~μA程度 順方向電圧 pにプラス -V 0.6V 逆方向電圧 pにマイナス ブレークダウン電圧:6Vから100Vまで調節可能 詳細は教科書2.3節を参照のこと +V 空乏層の電圧 拡散電圧と呼ぶ -I 順方向に電流が流れ 逆方向に電流が流れない =整流作用 16 ダイオードの整流作用 入力電源 出力電圧 左の入力がプラスになっているときだけ電流(電荷)が流れる 0V 入力電圧(正弦波) 0V 出力電圧 17 ダイオードは整流作用がある • 実際の回路でこの効果を確認する • 半導体シミュレーション演習1を開いて演習課 題を提出する 18 p型とn型半導体の接合が2つあるものをバイポーラトランジスタと呼んでいる この動きはすばらしいもので、現在の文明を築いたといえる n型 空乏層 npn接合 p型 0.6V 空乏層 0.6V 電圧のレベルを表す線 これはトランジスタではない ベースを薄くしたもの=トランジスタ n型 p型 n型 n型 エミッタE コレクタC 0.6V トランジスタの記号 0.6V ベースB E C B バンド構造との関係は 19 教科書3.2節参照のこと ベースが厚いトランジスタではない構造 熱振動でジャンプした電子が高原が広いため再び元へ戻る n型 p型 n型 電圧を高くする 0.6V 0.6V ベースを薄くしたもの=トランジスタ 熱振動でジャンプした電子が滝つぼに落ちるようにコレクタに移動する =熱による小さな電流が流れる n型 p型 n型 エミッタE コレクタC 0.6V 教科書図3.3参照のこと 0.6V ベースB Cの電圧を高くする 20 熱振動でジャンプした電子が滝つぼに落ちるようにコレクタに移動する =熱による小さな電流が流れる n型 p型 n型 前の図と同じ エミッタE コレクタC Cの電圧を高くする 0.6V 0.6V エミッタ電子はベースを突き抜けコレクタに流れる =大電流が流れる n型 p型 エミッタE n型 コレクタC 0.6V 0.6V ベース電圧を制御することで電流制御ができる ベースBを少しプラスにする 21 教科書図3.3参照のこと バイポーラトランジスタの記号 コレクタC ベース(B) ベース(B) npn型 pnp型 エミッタ(E) トランジスタの動作の基本概念 C 水のバルブ 入力信号に応じて流れる 電気エネルギ =出力信号 出力を制御する 入力信号 出力水流 ノブの回転 入力信号 比喩として等価的に表現すると E 22 ダイオードは基本特性をはっきり見る ことが出来る • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習2を開いて演習課 題を提出する 23 IE Vin E VBE IC C B Vout VCB VCB=VCC-RLIC VCC=12V, RL=1kΩ IE=10mA 10 IC [mA] IE [mA] 10 5 2.5 0.2 0.6 VEB [V] 0.04V =7.5mA 5 =5.0mA 2.5 =2.5mA 0 2.0 5 10 9.5 VCB [V] ベース接地回路と入出力特性 教科書図3.4参照のこと 24 この現象理解のため別な形で見ると 電流の伝送率 教科書図3.8参照 接合面 空乏層 電界を掛けないとき n型 p型 n型 C E B CBに逆方向電界を掛けたとき n型 p型 キャリアが反対電界に引きつけられる n型 C E B ECBに順方向に電界を掛けたとき n型 IE=IC+IB E p型 n型 C B 青線と茶線はベース電流IB、赤線はコレクタ電流IC 25 教科書図3.8参照のこと 電子の流れ n型 空乏層 接合面 p型 n型 IE αIE IC IB 電流伝送率α=IC/IE=IC/(IB+IC) p型半導体は薄いため半透明電極のように見える 効率よく流すにはαは1に近い方がよい 26 ベース接地のトランジスタはαを見るこ とが出来る • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習3を開いて演習課 題を提出する 27 教科書図3.10参照のこと IC IBを少し増やすとICが大きく増える →電流増幅回路 C IB Vin B VBE VCE Vout E IE 電流増幅率β=IC/IB=α/(1-α) IB=0.1mA 10 IC [mA] =0.075mA =0.05mA 5 =0.025mA 10 5 VCE [V] npn型バイポーラトランジスタのエミッタ接地回路と出力特性 28 n型 p型 n型 電流の流れ エミッタE コレクタC ベースBをプラス→トランジスタオン n型 p型 エミッタE n型 コレクタC ベースがマイナスになり急に遮断されてもベースにある電子がなくなるまで電流は流れ続ける。 これと反対にプラスになったときはベースに電子が溜まるまで出力されない(ホールはその逆)。 出力の遅れが生じる 29 教科書図3.3参照のこと Vin この遅れ時間よりはやい周期を持つ パルスは通らない 0 IB Vout IC 立ち上がり遅れ 立下り遅れ 遅れを少なくするにはベースの厚みを薄く ベース面積を小さくする→電流が取れない しかし、高周波トランジスタになる 30 エミッタ接地のトランジスタはβを見る ことが出来る • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習4を開いて演習課 題を提出する 31 MOS電界効果トランジスタ • 接合型ダイオードやバイポーラトランジスタよ りはるかに普及しているトランジスタがある。 それはMOSFET(MOS-Field Effect Transistor) (電界効果トランジスタ)である。 • MOSトランジスタの原理を説明する • 次に何故普及したかを学習する D MOSトランジスタの記号 G S nMOS 教科書p95 D G S pMOS 32 金属Metal (M) 絶縁物(酸化物)Oxide (O) 半導体Semiconductor (S) この単純なMOS構造がすばらしい働きをする 33 MOSトランジスタの構造と動作原理 ゲートG 金属電極 ソースS 酸化物 ドレインD n型 n型 電界をかけないとき D p型 少数キャリア G S ④ 電子のチャネルが形成され G n-n-nの組み合わせとなり電流が流れる S nMOS ① Gにプラス電界をかけ 金属電極をプラスにチャージする 金属電極 反転層 空乏層 D 電流の流れ n型 n型 電界をかけたとき p型 ② 少数キャリアの電子が吸い寄せられる 反転層をチャネルと呼ぶ ③ 金属電極のプラスに反発しホールが逃げて 空乏層となる 34 教科書P109、図4.12 電子のチャネルが薄いため n-n-nの組み合わせの電流が小 G 金属電極 S 酸化物 D 電流の流れ小 n型 n型 ゲート電界弱 p型 電子のチャネルが厚くなり n-n-nの組み合わせの電流が大になる G S 酸化物 D 電流の流れ大 n型 n型 ゲート電界大 p型 少数キャリアの電子が強電界のため より強く、多く吸い寄せられる 空乏層は強い電界で±キャリアが対峙し 相対的に狭くなる 35 G D ドレイン電流IDは川の水と同じ S ID D VD G S チャネル 遅い 空乏層 だんだん速く 滝VD 再び遅い 電子が ドレイン電圧に比例して 吸い寄せられる領域 ID ソース ドレイン 飽和領域 nMOS VG=大 チャネルが厚くなる 滝を高くしても 速さが変わるだけで 水量は変わらない 滝VD 教科書p114、図4.15 教科書p115、図4.16 VG=0V VD 36 n n n p D n p D あらかじめ作りこんだnチャネル ID ID VG=0 G G S S VG=Vth VD nMOS p p nMOS 教科書p120図4.18参照 p p n n D VD D あらかじめ作りこんだpチャネル VD VG=Vth VD G G S pMOS エンハンスメント型 S ID pMOS VG=0 ディプッレション型 ID 37 MOSトランジスタの基本動作を見よう • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習5を開いて演習課 題を提出する 38 MOSトランジスタのスイッチ動作の説明 VDD R1 ID VD D G R2 S nMOS VG=Vth VDD(R2/(R1+R2)) VDD VG 抵抗による電圧低下 Vth t VDD VD Vth VGゲート入力 t VD出力 39 MOS回路はほとんどエンハンスメントが主として使われている nMOS (n-channel MOS) nMOSドライバ回路 nMOSがオンのとき電源とグランドが抵抗を介してつながる →このとき大きな電流が流れる。 V VDD VDD V 入力 VDD 入力 Vth Vth t t I 出力 I V 入力 V VDD Vth VDD t t V VDD V 出力 VDD 出力 信号が反転するためインバータと呼ぶ 教科書p121図4.19参照 t 40t MOS回路はほとんどエンハンスメントが主として使われている 相補型MOS (Complimentary MOS) 一般にCMOSと表現する→ディジタル回路の95%はこの回路である 常に電源とグランドが遮断されている→電力消費が少ない V VDD VDD V 入力 VDD 入力 Vth Vth t ID 出力 入力 t V ID V VDD Vth VDD V t t VDD V 出力 VDD 出力 信号が反転するためインバータと呼ぶ 教科書p121図4.19参照 t 41t nMOSとCMOSスイッチ回路の動作 比較を行う • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習6を開いて演習課 題を提出する 42 CMOSの構造 入力 出力 VDD VDD p nウエル p n n 入力 nウエル 出力 pサブストレート 簡単化したCMOS断面構造 GND pサブストレート 簡単化したCMOSの上面図 43 nMOSとCMOSスイッチ回路の電流 消費量の比較を行う • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習7を開いて演習課 題を提出する 44 バイポーラとMOSの構造と性能比較 C E B n+ n p バイポーラトランジスタ D G S p+ n p MOSトランジスタ バイポーラは縦の層構造が動作原理を生む⇔MOSは表面構造で動作 1. バイポーラ構造が複雑で微細化しにくい⇔ MOSは構造が単純で微細加工に適している(集積度高い) 2. バイポーラは電流制御:電力消費大⇔MOSは電圧制御:電力消費小 3. バイポーラは反転時キャリア注入(電流)量大:高速スイッチ⇔ MOSは反転時のキャリア注入量小:低速スイッチ (ただし微細加工が出来るため、高速スイッチが出来る) 45 光半導体を説明するには 最初に省略した原子格子の中のバンド構造を理解する必要がある エネルギ 0 原子が離れているとき 内殻ほど エネルギが 低く安定 電子が拘束されていない空間 =ポテンシャルエネルギ=0 最外殻軌道のエネルギ 中殻軌道のエネルギ 最内殻軌道のエネルギ エネルギ 0 原子が結合したとき バンド間は 禁止帯 最外殻軌道のバンドエネルギ 中殻軌道のバンドエネルギ 最内殻軌道のバンドエネルギ 軌道エネルギは幅を持った バンド構造となる 教科書p1図1.1参照 46 バンド構造と材料の区分 エネルギ 0 伝導体 電子が 半分だけ 詰まっている 伝導体 空の電子軌道帯 電子が熱振動でジャンプする バンドギャップ 幅の広い禁止帯 狭い 禁止帯 抜け殻 外殻電子の充満帯 内殻電子の充満帯 絶縁物 教科書p3図1.2参照 半導体 金属 47 自然界の大原則:エネルギ保存の法則(発光の原理) 質量保存の法則 光の照射で 電子が伝導帯へジャンプする 伝導体 伝導体 伝導体の 電子が充満帯へ落ち込む 禁止帯 禁止帯 エネルギを吐き出す→発光 バンドギャップEG 充満帯 充満帯 光のエネルギE=hν=hc/λ h:プランクの定数、ν:周波数、λ:波長 発光する光の波長λ=hc/EG E>EGのとき電子が導電帯へジャンプする E[eV]=1.24/λ[μm] 教科書p124図5.1参照 EGに相当する光の波長を吸収する→基礎吸収 48 基礎吸収以外の励起の例 励起子の束縛エネルギ n型不純物準位 伝導体 基礎吸収 禁止帯 p型不純物準位 充満帯 励起子吸収 不純物吸収 エネルギが異なるため、元に戻るときに発光する波長が異なる 教科書p125図5.4参照 49 pn接合の状態 空乏層 熱振動のため、 ある厚みを持って 分布している フェルミレベル 空乏層 V 電流が流れる n p 空乏層 V 開放→電圧(順方向) 逆V 当然逆バイアスでは電流流れない 50 半導体材料と基礎発光周波数 λG[μm] EG[eV] 紫外光 4.0 3.36 GaN 0.37 2.0 2.26 GaP 0.55 0.4 可視光 0.6 1.43 GaAs 0.89 1.0 0.5 1.12 Si 1.1 0.67 Ge 1.9 1.0 赤外光 2.0 0.36 InAs 3.4 0.25 教科書p125図5.3参照 6.0 51 CMOSスイッチ回路の負荷の変化で 波形がどのようになるかの確認を行う • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習8を開いて演習課 題を提出する 52 受光素子 光導電セル 光 ドリフト電流 A 光 L A V I=I0+IL 教科書p129図5.7参照 ドリフト電流 I0:暗電流 IL:光電流 53 フォトダイオード、太陽電池 空乏層 暗状態 空乏層 IL 光照射状態 I 光 光 暗状態 V n p IL 空乏層 光照射状態 A 短絡→電流 教科書p131-132図5.8,5.9参照 n p 空乏層 V 開放→電圧 54 空乏層 i層 拡散移動 ドリフト移動 ドリフトできる範囲が広い 光 光 n n i 空乏層 p p A i層 A フォトダイオードpnとpin接合の違い pinはドリフト移動部が多く、また、i層の厚みが大きいため 高速動作する→光ケーブルの受光に適切 教科書p133図5.10参照 55 太陽電池 光 格子状電極 n 教科書p135図5.13参照 p 56 CMOSスイッチ回路の高速動作確認 を行う • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習9を開いて演習課 題を提出する 57 発光ダイオード 注入 フォトン フォトン フォトン 注入 再結合 電圧をかけて電子とホールを注入する 注入した電子とホールは不安定のため 再結合する→そのエネルギギャップに相当する光 (フォトン)が出る→発光ダイオード バンドギャップを小さくした層を挿入 注入が容易になる 効率よく発光 →ダブルへテロ接合型 電圧を大きくかけないと注入が起こらず、効率がよくない 教科書p135図5.13参照 58 レーザダイオード 再結合により発生するフォトン この部分で誘われている 位相の揃ったフォトン群 ダブルへテロ部分 吸収され励起される電子 フォトンに誘導されたフォトン 位相の揃ったフォトンが鏡で繰り返し反射する 鏡 鏡 窓から密度の高い位相の揃った光 =レーザー光線が放射 周波数を合わせた距離=発振 59 発光素子と受光素子の効率確認を行 う • 実際の回路でこの特性を確認する • 半導体シミュレーション演習10を開いて演習 課題を提出する 60 半導体素子は われわれの生活を便利にした 縁の下の力持ち =産業の米といわれる 米を作る農業を知らないで食べている 農業を知れば米の尊さ、神秘性を知って感激する (私自身は小学6年まで米作りの中で生活した) 同様に、産業の米の作り方(マイクロエレクトロニクスで教えた) と原理(この講座で教えた)を知ることで同様の気持ちになってほしい 文責:明星大学情報学部 大塚寛治 講座:半導体素子 教科書:よくわかる電子デバイス 筒井一生著、オーム社、1999 61
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