科学者が見つけた 「人を惹きつける」文章方程式 第6章「美」名文方程式 鎌田浩毅著 3041-6017 嶋内康 目次 池田満寿夫の名文 三島由紀夫の名文 泉鏡花の名文 まとめ どぎつ過ぎるくらいのオレンジ色のドレスを着たナオミ が、━木曜日には白いレースのブラウスを着ていたの でその時見たオレンジ色はとても強烈だったー反対側 のビルの壁に上半身をもたれたまま歩道にじかに坐り 込んで私住んでいるビルの入り口の方を監視していた。 私のアトリエのある下町の通りも、ゴミの山が車道の 方にまで積み上げられていたので、ナオミのオレンジ 色のドレスは一瞬ゴミの山が燃えているように見えた ものだった。 池田満寿夫「ミルク色のオレンジ」「エーゲ海に捧ぐ」 色のコントラスト 質感の違う言葉の繰り返し 谷崎氏の初期の文章まことに人を陶酔させ る文章でした。ここには上等とろりとしたお酒 の味わいがあります。 三島由紀夫「文章読本」 名文宣言 Q、小説第一の美人は誰ですか。 A、これはごく易しい質問です。文章における小 説第一の美人とは、もしあなたが小説を書いて 「彼女は古今東西の小説の中に現れた女性の なかで第一の美人であった」と書けば、それが 第一の美人になるのです。 三島由紀夫「文章読本」 最初に名文と断言する 「お客に舐めさせるんだとよ。」 「何を。」 「其の飴をよ。」 腕白ものの十ウ九ツ、十一二なのを頭に七八人。春 の日永に生欠伸で鼻の下を伸ばして居る、四辻の飴 屋の前に、押競饅頭で集まった。手に手に紅だの、萌 黄だの、紫だの、彩った螺貝の独楽。 泉鏡花 「日本橋」 意識集中 書きたい順に書く まとめ 池田満寿夫と三島由紀夫の名文は客観的に 解説してあった。 泉鏡花の名文の解説は三島由紀夫の意見に 左右されている。
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