音変化

英語音声学(8)
音変化
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同時調音
同時調音(coarticulation)
ある音が前後音の影響を受け、他の音と、部分的あ
るいは完全に、重なり合って調音されること。
(<調音の省エネ、経済性)
・副次的調音(secondary articulation)
主要調音はそのままで、特徴が付加される
・同化(assimilation)
主要調音が変化して、別の音になる
2
副次的調音
1.唇音化(labialization):円唇音の影響で、副
次的に(
)を伴う。
coop[kwu:p] (逆行:←)
loose[lu:sw] (進行:→)
2.口蓋化(palatalization):[i], [j]の影響で、
(
)が硬口蓋の方へ持ち上がる。
key[kji:] (逆行)
3
副次的調音
3.軟口蓋化(velarization):軟口蓋音の影響で、
(
)が軟口蓋の方向へ持ち上がる。
明るいL(clear L): 母音や[j]の前
luck, million, leave, ...
暗いL(dark L):子音の前や語末の[l]
milk, always, call, ...
4.鼻音化(nazalization):後続する鼻音の影響で、
呼気の一部が鼻腔に流れる。
on, mom,
4
同化 (assimilation)
ある音の(
)、(
と同じになる。
)、あるいは(
)が、隣接する音
1.調音点の同化
語末の(
)音+語頭の子音
white paper, fruit cake, good boy, bad girl,
[t]→[p]
[t]→[ ]
[d]→[ ] [d]→[ ]
ten men, fine grade, this shop, these shoes
[n]→ [ ] [n] →[ ] [s]→[ ] [z]→[ ]
(進行同化)
up and down, Jack and Tom
[n]→[m]
[n]→[ ](速いとき)
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同化
2.調音法の同化
(1) good night [d]→[n]
(2) in the end, read these
[ ]→[ ]
[ ]→[ ]
6
同化
3.発声同化
(1) 無声化(devoicing)
cat+[z]→cats, cap+[z]→caps
cf. ball+[z]→balls
of course, have to
[v]→[ ]
[v]→[ ]
(2) 有声化(voicing)
letter, water, shut up
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同化
4.相互同化(reciprocal assimilation):
隣接する2つの音が相互に融合して、別の音になる。
not yet
did you
[t]+[j]→[ ]
[d]+[j]→[ ]
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音変化の要因
音韻条件と頻度
Nice to meet you.
(同化する←音韻条件+高頻度)
Nice to meet Eugene.
(同化しない←音韻条件同じだが、低頻度)
高頻度要素ほど、音声内容が縮減され易い
I’ll > you’ll > he’ll > Lee’ll
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復習: どんなタイプの音変化ですか?
進行、逆行の別も答えなさい。
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
ten girls
cakes
twin
result
can you
[n]→[ ] (
[z]→[ ] (
[t] →[ ] (
[l] →[ ] (
[n]→[ ] (
)(
)(
)(
)(
)(
)
)
)
)
)
唇音化、軟口蓋化、相互同化(融合)、同化、
口蓋化、鼻音化
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