船体溶接 歴史と特徴 82128045 河本拓哉 構造物におけるリダンダンシーの観点から 目次 リダンダンシーとは? 例①木製いすの製作 例②橋の構造(耐震構造と免震構造) 全溶接船の歴史 リバティー船の脆性破壊 溶接の利点と欠点 参考文献 リダンダンシーとは? リダンダンシー(Redundancy) 冗長性 電算機・宇宙船などの装置が故障したときに備えた代行能力など。 建築構造分野では、構造物が余分な部材により構成されていて、 一部の部材が座屈、破断したとしても構造物の全体崩壊に至らないことを示 す。 静定構造と不静定構造 建築物 リダンダンシー高 橋など ほとんどリダンダンシー無 主要部材の損傷が全体系の崩壊に 例①木製いすの工作 3本足 4本足 静定構造。主要部材の損傷が全体 の崩壊につながる。工作易。 系 不静定構造。1本折れても3本で支える。工 作は簡単ではない。 グラグラしないためには、 きちんと寸法を取る。 例②橋の構造(耐震性について) 1995年兵庫県南部地震 強度や耐力だけでは耐震性は確保できない →十分な変位と靭性が必要。 →力を伝えない(免震)という考え。 (靭性については材料の問題) 例②橋の構造(耐震性について) モーメント抵抗結合方式 ラーメン橋 上部構造と下部構造を剛結 利点 不静定構造。強度が高いといえる。 曲げモーメントを2点で支える。 橋脚下部をピン支持することができる。(多柱式) 欠点 地震時に曲げモーメントが桁に伝わる。 温度変化、クリープ、乾燥収縮の変位の影響を 受ける。 例②橋の構造(耐震性について) 支承支持方式 剛結していない 桁の回転や相対変位を吸収する。 利点 桁が曲げモーメントの影響を受けない。 固有周期をコントロールできる。 単柱式なら片持梁の振動とみなせる。 欠点 地震時の変位の影響を正確に把握する必要。 軟弱地盤では逆に変位応答が大きくなる 多柱式ではモーメント結合方式と同様(不静定) 支承って? 英語ではShoe 沓ともいう その名のとおり橋のクツ 荷重を分散させる 上下に分かれていて、相互にすべるように設計 温度 で橋が伸縮したときに余分の力がかからないようにす るため 地震時に落橋するのを防ぐために移動制限装置も設 置 新潟地震 例②橋の構造(耐震性について) 支承支持方式 剛結していない 桁の回転や相対変位を吸収する。 利点 桁が曲げモーメントの影響を受けない。 固有周期をコントロールできる。 単柱式なら片持梁の振動とみなせる。 欠点 地震時の変位の影響を正確に把握する必要。 軟弱地盤では逆に変位応答が大きくなる 多柱式ではモーメント結合方式と同様(不静定) 例②橋の構造(トラス橋について) トラス(Truss) 部材には引張か、圧縮の 力以外はかからないとい うか無視してもよい程度 つなぎ目 添接板あるい はガセット、ガセットプ レートというあて板をあて て、リベットなどの鋲で固 定 部材ごとに引っ張り、圧 縮を担当 全溶接船の歴史 1918(英) 1920(日) 1930(日) 1933(日) 世界初の全溶接船 Fullarger号 日本初の全溶接船 諏訪丸 日本最初ブロック建造船 八重山 アーク溶接多用ブロック建造溶接船 潜水母艦「大鯨」 溶接変形のためリベットで再組立 1942 ~(米) 溶接構造戦時標準船 (リバティ船) 連続ブロック建造 リバティ船の破壊事故 戦時の軍艦保有トン数制限の影響 溶接による工期の短縮 溶接の採用による重量の軽減 なぜ船が真2つに? 鋲構造と溶接構造の割れの進展の違い 停泊中の事故 連続ブロック建造方式の採用 大量 生産可能に 4,694隻 建造 損傷数 1,289隻 重大な損傷は233隻 リバティ船破壊事故 鋼材の溶接性不良が主原因 →鋼材の低温切欠き靭性の 向上、溶接性のいい鋼材の使 用。 応力集中を生ずる構造設計 不良と溶接施行不良が二次 的原因 →有限要素法での応力分布 の予測、構造の変更。 リバティー船破壊事故(当時の改造) 鋲接シームの採用 あえて不連続な箇所を作り割れと応力の伝播を 防ぐ。 →具体的には船体上部甲板と船側外板の継ぎ 目 なぜその箇所? 割れの発生箇所が倉口隅部や船側厚板の舷梯用開口部 甲板を真二つにして、さらに船側外板に進展するのを防ぐ 結局、割れが伝播して真二つに折れるのを防ぐ場当 たり的なもの。根本的には前述した対策が必要 まとめ 溶接の利点 船体の重量軽減 継ぎ手効率良い 水密性もかなり高い 工程の簡略化による 船台期間の短縮 騒音の低減 溶接 鋲接 穿孔 皿取 鋲加熱 鋲打ち コーキング 開先準備 裏はつり 溶接 溶接の欠点 溶接熱の影響によって収縮変形が生じ内部応 力が残留する 数値計算等により熱変形を予測 溶接熱の影響での材質変化 溶接割れを起こしにくい材料と溶接棒の選定 発生した割れの伝播を食い止めることが難しい 鋲は緩んで応力を吸収 有限要素法により、応力集中を予測、防ぐ構造にする 溶接部の検査が面倒 X線などの非破壊検査が必要 参考文献 homepage2.nifty.com/nishidah/m_typeh.htm http://wwwsoc.nii.ac.jp/jws/ http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CB 0011020# 船体溶接法 海文堂 橋梁の耐震設計と耐震補強 技報堂出版
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