全天モニターの設置と活用法 和歌山大学 教育学部 自然環境教育課程 天文学専攻 07553036 山本直人 担当教員 富田晃彦 はじめに 観測するにあたって 人には休みなく眼視観測をすることは不可能 長期継続の観測記録を取ることは容易ではない 後から任意の過去のデータを取り出すことは不可能 これらを可能・容易にしたのが 全天モニター 星の日周運動 流星群データ解析 全天モニターとは? 自動連続撮影機能 低速シャッター搭載(自動で露出時間を調節) 自動絞り(増幅)調節機能搭載 魚眼レンズ搭載 撮影画像はデータとして自動保存 以上のような機能を持ったデジタルカメラであり、 和歌山大学教育学部棟の屋上に設置 (2004年度国立天文台大学支援経費による) (本体外枠は下代組機工による設計) 全天モニターが撮影した画像 昼の画像 夜の画像 ホームページ 星の日周運動 小・中・高生共通して天文分野の星の日周運動に 苦手意識を持っている生徒が多い 教科書の静止画だけによる授業が原因 (2005年度三木卒業論文より) 動画を作成 !! 北極星を中心に反時計回りに回転する星々.wmv 2006年オリオン座流星群 例年の2~3倍の大出現で、 戦後最大の出現数を記録した。 全天モニターは一晩で10個の流星の撮影に成功 2006年オリオン座流星群ムービー.wmv そこで全天モニターによるオリオン座流星群の出現規模と 情報誌によるオリオン座流星群の出現規模を比較した。 比較手順1 4 4回 3 成功数 2 1 0 :59 2:29 :59 :29 :59 :29 :30~ 1 2 3 3 4 ~ 4 0~ :30~ :00~ :30~ :00~ 0 : 2 2 3 3 4 30分刻みに、全天モニターが撮影できた 流星の数を確認し、グラフを作成 比較手順2 140 125 120 時間・最微光星・雲量・放射点高度を補正し、 100 最高条件下での1時間あたりの出現数(ZHR) 80 を算出し、グラフを作成 ZHR 60 40 20 雲量:視野に入る全ての障害物が占める視野の割合 最微光星:見える星の中で最も暗い星の等級 0 :29 :59 :29 :59 :29 :30~ :59 2 2 3 3 4 1 放射点:群流星が放射状に飛び出るように見える点 ~ 4 0~ 0~ 0~ 0~ 0~ 2:0 2:3 3:0 3:3 4:0 情報誌との比較 情報誌によると ピークとなった時刻は2~3時台 ピーク時の出現規模はZHR=90 全天モニターによると ピークとなった時刻は3時30分~4時 ピーク時の出現規模はZHR=125 ピーク時・出現規模ともに多少のズレ 考察 情報誌の報告は複数の観測結果の統計 流星は地上100km前後で起こる現象 つまり 国内であっても観測地が異なると、 各地で異なった観測結果が得られる 生じたズレは解消 全天モニターで流星計数観測は可能 今後の課題 ホームページの動画コンテンツの追加 と一般公開 1年を通した気象・天文現象の撮影 流星群におけるデータ解析法の追究 PC内に増え続けていくデータの保存・ 管理方法
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